馬鹿とバカと問題児の召喚獣   作:カザミドリ

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この作品は定期的な更新はされません。適度な暇潰し程度で読んでいただければと思います。



話が始まるらしい

試験校である文月学園は普通の高校とは違う。

例えばだが進級の時に受ける振り分け試験を挙げてみよう。

この振り分け試験はこの学校に通う生徒達は必然と全力でやる理由がある。

この試験の結果で今後のクラスが決まるのだが成績順に振り分けられこの成績は上から順番に反映される。

つまり、均等ではなく実力順のクラス振り分けられることになる。

そして特典として成績優秀者達は学校側からの素晴らしい設備が整った環境を与えられる。これが上位の特典であるわけなのだがかなり凄いなぜそんなに金をかけれるか不思議なくらいに………。逆に下の者達は劣悪な環境が用意されており地獄が待ち受けている。

つまりこの試験で今後の高校生活はがらりと変わる訳で関係者なんかは運命の日なんて称されてたりするのだけど

より良い成績を勝ち取るために彼等は日々培ってきた力を発揮しこの試験に挑む訳でかくいう自分もその日のために勉学にも力は抜かなかった。

 

そう決して手は抜かなかったし万全な状態で望んだのだが、今はある理由で病院のベットの上で天井を見ていた。

 

(しょうがないですまないか。ふぅ~病室というのは少しばかり怖い印象があるなぁ)

 

あの日、下校時に普段通りの道を帰宅中、偶々通りかかった所にボールを追った子供が突然飛び出していた。その光景を見て何も考えずに身を呈して子供を庇う事に成功した。

しかし、車が近づいてるのだが段々と動きがスローモーションになって轢かれてしまったので勿論自分は即救急搬送後、入院して暫く時間がかかるとの事で突然の事情で学校に通えなかったので試験は受けられなかったのだ。

なので虚しくベットの上で英単語の勉強を進めたり休んでいる分の勉学に力を注がなくてはならないが面会時に初めて来訪した者は自分の顔を見ると安堵の表情を浮かべてから有難いお言葉を残して踵を返していった。

それから時間が経ち長期休暇前は振り分け試験ではなく進級試験を受けることになった。

自分、鈴凪拓(すずな たく)はこの春、長期休暇を皆が過ごす中、学校で補習漬けの生活を友人と送り無事進級することは出来た。

 

そして同じ頃に別な生徒達がまたも問題を起こして受験せずにFクラスが確定したのだと言う。

その少年はこの入院した鈴南少年と同じ下宿先のルームメイトであるのだがこの時の鈴南少年は知らなかったがすぐにその少年を追いかけてみよう

 

「少しは反省もしなければ良い大人になれんぞ馬鹿者が」

 

「けっ、高潔な大人を目指してる訳じゃねぇし俺一人位至って社会は崩れねぇよ。まぁヘマしてしまったことは反省しないといけないと思ってるが。」

 

「………あんたって奴は。変なことばかり重ねてってたら将来大変になるんじゃないのかね?もう少し本当に自分の事を考えるなら自分を大切にするんだよ」

 

「………分かったよ。今回の一件でどうせ振り分け受けれないのは知ってるし諦めるし春の長期休暇中も処罰を受けるよ。後なんかあんのか?」

 

「あんたのルームメイトの子、入院したよ。これからあんたも今日は良いから西村先生に任せて病院にいくさね」

 

「ああ、今回は悪かったな。………取り敢えず向かうか」

 

『はい、あたしだけど。そうかい、わかったよ。なら、その事は………お願いするよ。………………はぁ………』

 

『どうしました学園長』

 

『ああ、高橋先生かい、ちょっとあの馬鹿の事だよ。』

 

『先程のですね。お疲れ様です。』

 

『………まぁ疲れるのはこれからさね。まぁ色々と厄介事は押し寄せてくると思うけど高橋先生、来年の事は頼むさね』

 

Fクラス 代表 坂本雄二

 

Fクラス配属未受験者(試験失格者)

 

姫路瑞希(試験途中退席)

 

鈴凪拓(交通事故による試験未受験)

 

織卜翼(処罰として試験未受験)

 

この問題児にAクラスの実力を持つこの三人がFクラスに集まるという意味はこの先でないと読めない事なのだが頭を抱えた学園長は先が思いやられるとぶつぶつと呟いていた。

そして学園長が席を外して会いに行っていた人物が織卜翼(おりうらつばさ)である。

何にせよ一騒動で収まりそうにないのが目に浮かぶがそんなの生徒達には関係ない話で日々は過ぎていった。

 

これはFクラスにイレギュラーとしてやって来た二人の生徒が混じった物語である。はたして問題児の混ざったクラスはどうなるかは誰もわかりません(無責任)。

ーーー

 

四月、学年が変わった始業式の当日いつもの見慣れた通学路から見えたのは多くの人々の表情であった。

この日に振り分け試験のクラスが通知されるのであるがやはり人各々が違う反応を見せるのは中々に面白いと感じられる。

喜びを表に出したりそれを恨めしそうにしながら通知された紙を握りしめて歩いてたりと様々だ。

自分が校門に近づき結果を受ける場所に近付くと一人異質な雰囲気を纏い仁王門に出てきそうな恐ろしい表情をした教師が目の前に現れた。

 

「おはよう、鈴凪!」

 

「お早う御座います。西村先生!!朝早くからお疲れ様です」

 

腕組んで仁王立ちしている1年の頃担任としてお世話になった西村先生、補習担当という特殊な立ち位置にいるが実はかなり偉い所にいる先生で自分達のクラスは少しばかり騒がしかったのもあるがこの人でなければ大変だっただろうと思われるくらい熱い指導として名物先生だ。

自分もこの先生には去年沢山お世話になっているからとても尊敬している。

 

「うむ………早速だが………お前のクラスを」

 

「ありがとうございます。」

 

「………鈴凪。いいか先生はなぁこの結果に対しては正直何とかしてやりたかった。今回の事はお前がとった行動のお陰で一人の貴重な命が救われたんだからな。人としてこんな立派な行動は中々に出来る事じゃない」

 

「そんな、大したことないですよ。体が勝手に動いてしまっただけですので」

 

「いや、お前の行動は立派だしお前のような教え子を持つのは先生の誇りだ。これから辛いことも苦しいこともあるだろうが負けるなよ」

 

「大丈夫ですよ!!今回はしょうがなかったことですが後悔はありません。自分は全力でやるのみです!!」

 

「頑張りなさい」

 

この時の鉄人こと西村教諭は自分を慕ってくれる数少ない可愛い教え子の真っ直ぐな目を見て安堵の表情を浮かべた。

補習の時期も自分が担当していたが決して腐らずに真剣に日々の学習を過ごす姿を見ていくから贔屓目に見ても上に掛け合って何とかしたかったのだが例外は認められないと同時に彼の留年の危機もあったので力になれない不甲斐なさもあってか後ろめたい気持ちもあったせめて彼の学校生活が充実した良い日々を送れるようにと祈った。

校門をくぐり一学年ではなく二学年のある校舎側へと足を運ぶと一番目に見えるクラスをチラリと覗く。

 

二年A組

 

「ほぅ………これがAクラスか。リクライニングシート、ノートパソコン、ウォーターサーバー、うむ、色々と凄い環境だなぁ。人が何とも堕落しそうにも見えるな。うん」

 

いや、これに最高の戦力が集うのかと思うとこれもまた選ばれた人の集まりだと羨ましそうになる。

ここで足を止めても変な目でみられるのも嫌なので目的の自分の配属されるクラスへと再び歩を進めた。

 

A組というか上からアルファベット順に設備の良さが並んでいるため歩く距離に伴って設備の良さが落ちていくのであるが自分の目には段々と質が落ちてくるのが分かるので配属されたクラスの環境を比べてしまい悲しくなっている。

BやCは他所の学校と比べても良い環境だろうと思うがDでトントン、Eは………そして配属された我らがFクラスを見たときには友人から見せてもらったあの不良マンガのヒトコマに出てきそうな背景が広がっててこれが落書きだらけのクロ○ズやWO〇〇Tの世界ですかと心の中で思って少し吹き出しそうになった。

 

「おはようございます!!」

 

『………』『………』『………』『………ッチ男かよ』

 

挨拶をするも無視される状況、正直に言えば何とも陰険な雰囲気が漂っている様にも見える。

 

かび臭さや、薄く汚れた黒板もそうだしひび割れた窓は生徒達の精神状態を示してそうだし朽ち果てた畳からはカビ臭さと相まっておかしな臭いを生成しており今にも崩れそうな教卓はもう……

 

(この教室居たくない)

 

と思ってしまうほど酷い環境であった。誰か知っている友人が居ないのか見ていると一人、寄ってきた。

 

「おっタク、久し振りだな。怪我治ったのか?」

 

「おう、久し振りだ、雄二。君がこのクラスに居るのは驚いたぞ」

 

坂本雄二。一年の時の同じクラスメイトで自分の友人だ。結構大柄で人相は少し不良に見えるが良いやつだ。外見のわりには優しかったりツンツンしてるけど実は面倒見が良かったりと不思議な奴だ。でも一番の意外と言えば頭がキレる。自分の仲の良いメンバーの中でも一、二番に優れてる。

 

「ははっ、嫌みか?」

 

「嫌、最低でもDかEにいるかと思ったのだ。それより雄二よ、君はどうして教壇に立ってるのだ?」

 

「俺がこのクラスの代表なんだよ(無自覚かこの天然は、まぁこいつだから特別に許すか。)」

 

クラス代表は他の学校だと学級委員とか室長とかの類いに似た役職だ。

これはクラス内で一番優れた点数の生徒が請け負う役職なので点数がない自分とは違い彼がこのクラスで一番の権力を持っていることになるのだろう。

多分、賢い彼の事だからこのクラスに来る者を把握するために今あの場所に立って何かを企んでいるのだのうと予測した

(嫌味無しに言ってるが腹立つなまぁ………"あの一件"で分かっていたがこれで戦うために大事なカードが補充されたか。あとは問題起こした"あいつ"も来るしもう一枚あれば)

 

「まぁこれから一年は一緒なんだ。宜しくしようやタク」

 

「うむ、宜しくなのだ雄二」

 

「それから………ほら他の面子にも顔出してこい」

 

「おう、久し振りじゃのうタクよ。元気そうで何よりじゃ」

「秀吉、暫く顔出せなくてすまないな。もう少しで時間とれそうだから部活にも顔出すのは待ってくれ」

 

「大丈夫じゃ。お主の事は部長も理解してるのでのぅ。急がなくて良い」

 

木下秀吉。中性的な容姿で演劇部のホープ、彼も同じクラスメイトの友人であり自分と同じ部活に所属する。

今回の事故で彼にはかなり借りが出来たのは間違いない。休みの間にノートやプリントを貸してくれたのは他ならぬ彼なのだから。

彼は女性に間違えられそうな可愛らしい姿のためよく勘違いされてしまうのが悩みであるらしい。

 

「………久し振り」

 

「やぁムッツリーニ。元気か?」

 

「………ぼちぼち」

 

口数の少ない少年土屋康太、通称ムッツリーニ。ムッツリだからと言うことと周りからとある理由で畏怖されムッツリーニと呼ばれる少年は少しだけの会話を済ませた後に見知った女子が

 

「はろはろ~タク~」

 

ポニーテールが特徴の少女。彼女の名前は

 

「おはよう、島田さん」

 

島田美波、彼女もまた自分と同じクラスの友人だ、自分は一年間隣の席に座ったのもあってからか結構仲の良い女子なのである。

 

「怪我は大丈夫なの?」

 

「お見舞い何度も来てくれて有り難う。お陰で元気だ」

 

「………そう、また一緒のクラスになったね」

 

「そうだな。でも自分は島田さんとは一緒になると思ったのだがな」

 

「えっ、それって理由はなに?」

 

何故か彼女は顔を紅くしていた。

 

『(こちらG1、近くでラブコメの波動を感じた。応答せよ)』

 

『(なに、唯一の女子をだと?一体誰だ?)』

 

『(あのうざい挨拶をした"鈴凪"です。)』

 

『(あの最低得点男か)』

 

『(くっ、逆得点王の癖に!)』

 

『(生意気すぎる!)』

 

『(こうなれば………何かあれば行くぞ!)』

 

「自分がFクラスになったらきっと日本語が分からない島田さんもFクラスになっ、どうしたのだ島田さんいきなり」

 

「ウチが馬鹿だったって言いたい訳!?(期待したのが馬鹿みたい)」

 

彼女のボディブローは見事に自分の鳩尾へとヒットして悶絶した。

 

『(何だ、こいつ鈍感系馬鹿か。)』

 

『(放って置こうぜ。時間の無駄だ)』

 

「(相変わらず鈍感じゃのう。Dクラス名物はこのクラスになっても見れそうじゃ)」

 

「………(御愁傷様)」

 

鈴凪拓少年がここ十数分は見事なボディを受け悶絶していた頃

同じく春にもう一人の補講を受けていた"アイツは"怠そうに遅刻ギリギリの時間に到着しようとしていた。

 

桜が満開の校門を潜るとさらりとした艶のある黒髪を靡かせながら少年は気だるさと格闘していた。

 

「ふぁ~寝みぃわ~。あー欠伸止まんねぇ。おっは~ろ~鉄人(死後)チョリチョリーッス?のが良かった?」

 

「登校日初日からギリギリか織卜。後、鉄人ではない。西村先生と言いなさい」

 

「ぁあ、悪いね。やっぱさ~………朝早くからとかさかったるくて無理無理。俺ってさ~テンション朝からハイじゃないからしょうがないよ。うるせえのはそこの飛びきりの馬鹿程じゃないから」

 

「むっ、失礼な!!君なんて振り分け試験すら受けられなかったんだし馬鹿じゃない」

 

「あ?お前の親に情報流して社会的に殺〇ぞ?」

 

「スイマセンでした…。(理不尽すぎる)」

 

「こら、朝から物騒なことはやめなさい吉井、試験の結果だ受けとりなさい。」

 

「あ、はい」

 

「吉井………先生はなぁ一年間お前の事を見ていてなぁ時々思っていたことがあったんだがもしかしたらお前は馬鹿なのかと思っていた。」

 

「失礼だなぁ、今回の試験で解りましたよね?もう、節穴だなんて渾名できますよ」

 

「そうだ、そうだ、何をいっているんですか?鉄人、ついに頭も鉄になってしまったんですか?今更当たり前の事を言い出して」

 

「織卜は少し黙れ。まぁ開いてみろ」

 

「全く僕がFクラスな訳が………」

 

「ほらお前は疑い様のない正真正銘の底無しの馬鹿だ!!」

 

この瞬間の隣の絶望した表情と啖呵を切っていた反動が同時にやって来てあまり事に馬鹿は涙目になったが此方はもう笑いを押さえきれなかった。

 

「ぷぷ、明久………お前………もう………最高だよ」

 

最低クラスのFクラスが決まり想像以上のショックを味わい手をついて頭をがっくり落とし凹む吉井明久のとなりで嬉々として翼は耳元で呟き始めた。

 

「ねぇねぇ今どんな気持ち?。さっき自信満々に絶対にFクラスじゃないって発言したのにFクラスでしかも鉄人から疑い様の無い馬鹿って呼ばれたのはねぇねぇ?」

 

この男には優しさは今、煽られている少年の前では決して見られそうにない。

傷口をみたら笑顔で傷付けそうな男No.1の称号を持つ彼から逃げることは出来ずターゲットをまだ弄りたいと思い、もう一回追い詰めてやろうと画策しようとしたところでターゲットの意識がこちらに向いた。

 

「この鬼畜、悪魔、翼!!」

 

涙目で憎らしそうに睨んでくるがこの姿を撮っとけば金にはなるだろうと巧美は考えたが場を弁えておとなしくしようと思い明久を宥めた。

 

「そうかっかすんなよ。発奮したお陰でもう落ち込んでないだろ?ほら見てみろ明久、ここがAクラスの教室だ。あの隙間からどんな感じか覗けるぞ」

 

「え!?あ、本当だ翼。」

 

お、Aクラスの壇上に立ってるのはお嬢か。成る程ね……他はいつも買い込んでくれる"お客様"がわんさかと。

これは中々の稼ぎになるかねぇ

 

(あぁ……これからの事を想像するだけでも眉唾物だぜ。沢山の鴨さん達が達が調理してくれといわんばかりじゃないかww)

 

人目があっても自分の中にある業は中々隠しきるというのは酷らしい。

明久は……運良くAクラスの設備に夢中なのでずっとそこでいてもらうためにさっさと目的地であるFクラスへとほを進めていく。

 

明久を置き去りにして目の前には歪んだベニア板の上に消えかけているがどこぞのテレビゲームで記されてそうな呪文の様に記された2のFのプレートを発見してしまうと自然と溜め息が出ていた。

 

(自分で招いたとははいえ普通に受けていればあの環境と思い込んでしまうと恨めしくはなるが過ぎたことだな)

 

気を取り直して扉を開けるとそこにはむさ苦しい空間がこの教室の歪みを発生させたのだと理解した。

見渡せば周囲には男♂男♂もうなんかここ男子校のブサメン★パラダイス★とタイトルがつけられそうになるぐらいにむさ苦しい混沌が準備していた。

勿論その光景をみて+の感情が働くわけがなく落胆の二文字だけが脳内を支配していてこんなの車が三つつきそうな名字の人ぐらいしか喜ばねぇんじゃないの?(失言)って思う。

 

「うわぁ。カビ臭、なに此所ごみ収集場じゃないよね?まさかゴミ屋敷?」

 

「おせぇぞってお前か。」

 

「うわっ、何してるんだゴリラ。お前の居るべき場所はそこじゃないぞ!早くアフリカのジャングルに帰れ」

 

『アッ?』

 

【無言の睨み合い】

 

「二人共、止めなよ。喧嘩は」

 

『外野は黙ってろ!』

 

「ぐふっ」

 

二人の活きのあった拳が腹部に突き刺さると先程まで争っていたように見えた二人は笑みを浮かべてハイタッチを交わした。

 

「………さて目的も達成したし茶番は終わりにするか。久し振りだな雄二」

 

「そうだな。ようこそFクラスに」

 

「お前もいることだし今年のクラスも楽しくなりそうだ。よろしこ。おっ兄弟、どうした?」

 

「嫌、朝から良いボディを貰ってな」

 

(ふーん成る程、犯人は島田だな。あの時一番に病院で取り乱してたのは面白かったけど)

 

周りを見渡して少年はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「しかし翼、Fクラスなのは驚いたのじゃが当日というか何してそうなったのじゃ?」

 

秀吉の質問に織卜は簡単に答えた。

 

「ちょっと年齢偽ってバイトしてたらバレた」

 

「………やっぱりそんなところか。ってよく試験パスだけで何とかなったな」

 

「そこら辺が俺だからな。何、先生達にも誰にも言えない悩みくらいはあるよね。少し話し合ったら何人か弁護してくれて許してくれたよ」

 

『(流石の問題児だな。どす黒い)』

 

織卜翼(おりうらつばさ)は素行不良が普通の生徒よりも目立ち少しだけやんちゃな生徒で有名な生徒だ。が決して大きな問題を起こして観察処分者になるような問題にはなってなかったというよりはギリギリを見極めてスレスレで潜り抜けてる強者である。

 

「さぁ今日は何やるかな」

 

因みに問題を起こして大して反省はしていない。

 

「はろ~はろ~織卜に吉井」

 

「島田さんも居たんだ。やっぱり島田さんもFだよヴぇ」

 

「誰がFよ!!あんたも失礼ね」

 

間髪入れさせずに関節技を決めるこの格闘ガールはドイツからの帰国子女のの島田美波。

俺ら馬鹿共の数少ない異性の友人で身体の一部を弄られるとキレる。

自分の名誉を傷つけられてもキレる普通はね。

 

「そこまでにしといた方がいいぞ、こんな馬鹿痛めつけてもまた評判落ちるぞ島田」

 

「うっ、そうねぇ」

 

「それに(暴力に走ってたらあいつからの印象が悪くなって暴力趣味の女に見られて好意を気付いて貰えなくなるぞ。あいつ鈍いし暴力だけ振るわれてたら嫌われると思うだけだからな。折角あれだけ早く駆けつけて容態を心配してたのにな)」

 

ぼそりと呟くと彼女は一度目だけ後ろを向いてあいつを見てから顔を紅潮させて赤みが強くなってい。

 

「からかわないでよ!!もう!!その………違うんだから!!」

 

(相変わらず島田に対して面白そうに弄っているのう。島田もバレバレなのじゃ)

 

「………チガウケドチガウカラ」

 

「島田さん、顔赤くなってるけど大丈夫か?熱では無いか?」

 

「ちょっと鈴南、顔近い。ウチは大丈夫、大丈夫だから」

 

鈴南は様子のおかしい島田を心配し彼女の前に立つと自分のおでこを手に当ててから彼女のおでこに手を当てようとして熱を確認しようとすると島田は狼狽えて顔を赤くしながら元気だと必死に主張するのでを見ていた織卜は満足そうにニタニタと楽しんでいた。

 

『リア充が』

 

『やっちまうか?』

 

『おいまて、誰か来るぞ』

 

彼らが立ち上がろうとしたその時、Fクラスの教室に教師が入ってきたので彼らは大人しくした。

 

「おはようございます、君達Fクラスの担任になる福原慎です。一年間よろしくお願いします」

 

Fクラスに赴任する教師は大体は二通りと言われていて事務的に進めるタイプ、親身になって生徒達に接するタイプに別れているがこの人は前者の事務的に進めるタイプだ。

 

「このクラスで支給されるのは座布団とちゃぶ台が各々配布されてます。何かあれば申しでてください」

設備の不備について他の生徒が申し出る。

 

『すいません、ちゃぶ台の足がおれてます』『座布団の綿がありません』『座布団にカビが生えてます』『ちゃぶ台腐ってるんですが』『そもそも僕にはありません』

 

福原教諭は全員に対して

 

「我慢してください」

 

の一点張りでその場を流した。マニュアルに沿って進めるタイプだがベテランであるこの人物は平然とやるべき事を淡々と出来るので強かで侮れない人物である。

見かけから体力的に厳しかったりする人はこの手の事では必要なことを説明すると後は自分達で何とかしろと促すように学校側からの指示があって俺達みたいな将来怪しい奴等には少なからず社会性ってのを身につけさそうって腹だ。

ここに来た以上は取り敢えずは認めとけってことだけどここにいた奴等の溜飲は下がらないだろうな。

 

「それでは、終わったようなので自己紹介をしていただきましょうか。先ずは………」

 

何人か自己紹介を進めていくと野郎共の自己紹介何ては聞きたくないもので殆どが気怠そうにしていたがとんとんと音をならして誰か教室に入ってきた。

 

「すいません、遅れてしまいました」

 

声は小さくよわよわしいがその性質は男性の野太い声ではなく女性の優しそうな声色で入ってきた。

教室で入ってきた瞬間、グー垂れてた野郎共は美少女が現れた事に一瞬だけ動揺したがそれでも切り替えて背筋をピンとアピールを始めた。

男ってこういうところが正直でアホだと思われてるのかねぇ。ここら辺に合流した明久が最も素早くキリッとしてたのがうけたけど。

その美少女ってのが学年でも成績的な意味では有名な人物って奴になるもんだから驚きが隠せないみたいだな。

ついでと担任の福原教諭はその美少女にも自己紹介を求めた。

 

「ひ、姫路……瑞希です。よろしくお願いします」

 

『あの、質問良いですか?』

 

「はい、どうぞ」

 

『何でこのクラスに居るんですか?』

 

「あの、振り分け試験で熱を出してしまって………」

 

『そう言えば……』『俺も……』

 

いきなりアピールを始める馬鹿の群れが勘違い発言しながら面白い事を言うので念のため記録してあげた。

何年か経った後に催しで良い材料になればねぇ♪

しかしこのクラスなんと言うか男女比率から見ても………むさ苦しすぎでしょ。

遊んでいるときに明久がこちらへ来て近くいた雄二と俺とタクに対して話があると言い、教室を後にして廊下へと呼び出してきた。

 

「なんか用か?相談料とるぞ?」

 

「あまり教室に出ると大変になるのだが。話があるなら手短にしてくれ」

 

「そうだ、そうだ、これから俺は大事な仕事が待ってるんだから、用がないなら金戴くぞこらぁ!!」

 

『(絶対にクラスメイトの弱味をつかもうとするのと黒歴史を保存するためだ。この畜生は)』

 

「ああそうだった3人に話があるんだ……………ねぇ、このFクラスってどう思う?」

 

切り出してきた意図は伝わった。こいつがこれから頼みたいことも自分達を何で呼び出したか、雄二は一度目をつぶってから明久に問いただしてみた。

 

「明久、何が言いたい?」

 

「いやぁ、この教室ってさほら、かなり汚いし設備も酷いからさ、僕

「ダウトォ!!」ってまd「明久、お前もしかして姫路のために試召戦争をしたいのか?」

 

「あのさぁ雄二、何でいきなり姫路さんの名前が出てくるのさ」

 

『分かりやすすぎんだよ馬鹿が!!さっきからお前の視線の先を見て俺達に話しかけに来たら大抵気付くだろ。』

 

「ほう、つまりは姫路さんの為に環境を改善してあげたいと。何とも君らしいな」

 

「くっ、不覚だ。分かったよ姫路さんがあの環境はかわいそうだから我慢できないんだよ!!」

 

「結局、俺達に何をさせたいんだ?」

 

「うん」

 

「それでお前、どのクラスに勝つ算段があるんだ?流石に何も計画が無いわけが……」

 

目をそらして額から汗を流しながら左側の表情筋を見て、考えはないな。

 

「明久、普通はなぉこういった話を持ちかけるときはちゃんとした案を用意しとくものだぞ。人に任せきるのは失礼だ」

 

「うぐっ、(返す言葉がない)」

 

しょうがない助け船を出してやるか。

 

「雄二、タク、俺も戦争に関してだがあの環境は嫌だから設備の改善を求めよう。明久、力なら貸してやるよ」

 

「翼!!ありがとう!!雄二?」

 

「まぁ只とは言わないけどね」

 

ぼそりと明久にだけ聞こえないように呟いた。

 

「雄二はどうするのだ?」

 

「(タイミングは早かったがまぁ、翼がやる気なら受けてもいいか)良いだろう、世の中学歴だけじゃないって俺も証明したかったからな」

 

「それって」

 

「手は貸してやる、最後タクお前は?」

 

「良いぞ。やるならとことんやらないとな!」

 

「なら話は早い。席に戻るか」

 

四人で教室に戻るとどうやら俺の自己紹介の順番らしく大雑把で済ませた。

 

「織卜翼、好きなものは金、以上」

 

『(それだけ!?)』

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺についての呼び方は代表でも何でも構わない」

 

クラスメイトは余り雄二を見ていないがそれでも雄二は自信に満ちた顔で話を切り出す。

 

「さて、みんなに一つ聞きたい」

 

雄二が注目を集めるようにこの劣悪な環境の教室を一つずつさして確認しながら視線を誘導させ、そしてクラスメイト全員に質問する。

 

「このクラスに不満があるか?」

 

『大有りじゃ』

 

「同じ学費なのでこの扱い、これは絶対におかしいと思わないか?

俺達はこんなみずぼらしい座布団なのにAクラス何てリクライニングシートだぞ?不公平なのはわかる。だから皆、俺はこのクラスの代表として皆に提案がある、Fクラスは試召戦争を仕掛けようと思う。」

 

さぁ事が進んだんだ。なにして遊ぼうか楽しみだ。モラトリアムはやりたいことやらないとね。




読了有難うございます。
次回もよろしければお付き合いよろしくお願いします。

カザミドリ。


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