「ただいま帰りました〜」
「やぁおかえり」
部屋に入るとニコニコと笑いながらマーリンがこちらを見ていた。
未だに砂に椅子に縛れたままだった。
「ねぇラック。この砂を解除してくれないかな? 流転のせいで解除してもすぐに戻ってしまうんだよ。これほど捕縛に向いた魔術は他にないかもしれないね?」
「いやぁそれほどでも」
「褒めてないよ? それよりもこの砂を解除してくれ。もうかなり長いこと座りっぱなしなんだ」
今思ったけどこれはいい罰になるのでは?
いつもの仕返しにもなるしこれでマーリンがいつも女に構ってばっかりで溜めてる仕事を終わらせられるなら万々歳じゃないか。
ここでマーリンを解放する必要性があまりない気がする。
「聞いてるかいラック。早くこの砂を解除して欲しいんだが」
「師匠今どれくらい仕事溜まってます?」
「.......」
「俺ここ最近師匠が真面目に仕事してるとこ見た覚えが無いんですよね。で、どれくらい溜まってます?」
「.....一週間分くらいかな」
「もしかしてイナゴも師匠の仕事だったりします?」
「.....最近君は暇そうにしてただろう? だから仕事を回してあげたのさ」
「サボりたかっただけですね?」
「.....この砂を解除してくれないかな?」
「溜まってる仕事を持ってくるので少し待っててください」
「待った! 謝る! 謝るから! 仕事もちゃんとやるから! 今日はちょっと予定が.....」
「どうせデートでしょう?」
「.....人間休息が必要だと思うんだ」
「師匠人間じゃないでしょう」
「.....半分は人間だとも」
「仕事持ってきますね」
「ちょっ!」
これでしばらくは反省してくれるだろう。
仕返しもできて俺的には大満足だし。
というかまさか最後に言ってたムカデも師匠の仕事か?
.....よし、こっそり俺の仕事も混ぜておこう。
これくらいの仕返しは許されると思う。
「ラック!」
「おや、アルトリアじゃないですか。どうも」
金髪碧眼の少女がペコリと頭を下げる。
アルトリア・ペンドラゴン。
俺がマーリンの弟子になってからすぐに産まれた。
後のブリテン王にして聖剣エクスカリバーを引き抜く者である。
「マーリンを知りませんか?」
「溜まった仕事をやらせるために椅子に縛り付けています」
「またサボっていたのですか……しかし困りましたね」
本当に困っている様子だった。
一体どうしたのだろうか?
「マーリンに剣の修行を頼もうと思っていたのに……」
あぁなるほど。
そういえばマーリンは剣もそれなりに使えたっけ。
しかしどうしようか。
マーリンは仕事があるから論外。
だからといって他の騎士に頼むわけにはいかない。
アルトリアには竜の因子がある。
そのためそこら辺の騎士と鍛錬すればその騎士は潰れてしまうだろう。
そもそも勝負にならない。
今のところ俺しかいないだろう。
はぁ……久々に休めると思ったんだけどな。
まぁしょうがないか。
「俺がお相手しましょうか?」
「いいのですか!?」
キラキラした目線を向けてくる。
可愛い。
いやそうじゃない。
アルトリアとは一度だけ鍛錬をした事があったのだがその時に普通に俺が勝って軽くアドバイスしたらそれで懐かれた。
アルトリア本人曰くマーリンと違ってまともな会話が出来るからだそうだ。
まぁ感情が分からないマーリンではまともな会話が出来るわけがない。
「すぐに行きます! 準備するので先に行っててください!」
そう言ってバタバタと走り去っていく。
竜の因子を持っているため子供が出せる速度ではないが。
ちなみにアルトリアは俺がどういう存在か知ってる。
流石に転生者であることは教えてはいないが俺が島そのものであることは説明した。
そしたら鍛錬の事もあり軽く崇められたが色々あって今では普通に接している。
まぁ誰かに教えるのはかなり楽しいからいいけどね。
マーリンにも弟子を取ってみないかと言われていたしちょっと真面目に考えておこうかな?
おっと早く行かないと。
アルトリアを待たせる訳にはいかないからね。
先に行って色々準備しておこう。
テスト勉強がしたいため少し投稿をおやすみします!
ご了承ください。