転生したらマーリンの弟子になった   作:黒猫街夜

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リィンカーネーションの花弁とFateのクロスとか書いてみたいなぁ。
まぁマーリンが終わってからだろうけど。


選定の剣

「やぁアルトリア。準備はいいかい?」

 

「えぇ、大丈夫ですマーリン」

 

アルトリアと俺、そしてマーリンは勝利すべき約束の剣(カリバーン)の前に立っていた。

選定の剣。

これを抜けばアルトリアは王になる。

後戻りはできない。

 

俺がニミュエと出会った年から10年になる今年。

アルトリア、現在15歳。

本日この時、この選定の剣を抜く。

滅びが約束されたブリテンの王。

俺だったら絶対やりたくない。

まぁ俺達はそれを押し付ける訳だが。 

とても申し訳ない。

15歳の少女に滅びの運命を押し付ける。

良識ある大人とは思えない。

とても罪悪感が湧いてくる。

まぁマーリンはそんなことはどうでもいいのだろう。

常日頃から美しい物語が見たいと言い続けている男だ。

アルトリアがどうなろうとあまり気にしない気がする。

だからアルトリアを助けてくれる誰かを探す必要があるな。

俺? 俺はこれでも島の管理で忙しいのだ。

ブリテンには厄介事が多すぎる。

俺はそっちをなんとかするので精一杯なのだ。

正直ランスロットをなんとかしたい。

あいつが浮気とかするからブリテンがとんでもなく荒れたのだ。

しかしランスロットがいなければブリテンは機能しないだろうなぁ。

そうなるとランスロットと同レベルのやつを用意する必要があると思う。

まぁそれぐらいは手助けをしてあげてもいいだろう。

 

「それを手にしたが最後、人間ではなくなるよ?」

 

おぉ名場面!

これ生で見れるのは嬉しいなぁ。

 

「多くの人が笑っていました。それはきっと間違いではないと思います」

 

あぁやっぱりいいわ。

マーリンの気持ちも少しは分かる。

人間はいい。

純粋で綺麗で儚い。

元人間である俺でもちょっと客観的に見ればそう思えるのだ。

夢魔であるマーリンの視点で見れば人間の生み出す物語はとても美しく見えるのだろう。

 

アルトリアは選定の剣に近づき柄を掴む。

そして一気に引き抜く!

 

シャリンと音を立てて選定の剣の剣を抜き天に掲げる。

これで運命は決まった。

アルトリアは王になりそして滅ぶ。

これは決定している。

悲しいことだがな。

 

「まぁこれから頑張ってねアルトリア、いやアーサー王」

 

そう言うとアーサーは悲しそうな顔を浮かべた。

 

「ありがとうラック。これからも助けてくださいね?」

 

「まぁ島の管理がてらね。多分ニミュエの所と行き来することになるだろうねぇ」

 

「おやそうなのかい? てっきり城に住むのかと思っていたよ」

 

「それは師匠に任せますよ。俺はもうのんびりしたいです」

 

「う~んまだまだやることは沢山あるんだけどね……なんとかならないかい?」

 

「……まぁヴォーティガーンの討伐は手伝いますよ」

 

「あぁ頼むよ。あの卑王の野郎はなんとかしないとね」

 

まぁアイツなりにブリテン島を護ろうとしての行動なのだろうがそのやり方が問題なのだ。

もう少し考えてから行動して欲しい。

まぁ気持ちはとても分かるしその心持ちは俺としてはありがたい。

ダメなのはやり方だけだね。

 

「まぁ応援してるから。頑張ってね。じゃあこれ就任祝い」

 

この日のために準備していたものを手渡す。

 

「? これは一体?」

 

それは黄金に光り輝く竜の意匠を施された短剣だった。

 

「まぁ君の血と幻想種達の素材を大量に使って作った礼装だね。それに君の血を垂らせば一時的に竜の因子を軽く暴走させることができる。そうすれば身体能力や魔力が軒並み上がるけど効果が切れると一切動けないレベルの疲労と吐き気、あと魔力不足になるから使い所には気をつけてね」

 

「なるほど。いざと言う時には頼りにさせてもらいますよ」

 

「名前は……栄光冠する竜の頭(ザ・ペンドラゴン)かな」

 

栄光冠する竜の頭(ザ・ペンドラゴン)ですか……ありがとうございます! 大事にしますね!」

 

嬉しそうに笑っている。

まぁ喜んでくれるなら頑張って作ったかいがあったってもんだよ。

 

「じゃあアーサー王をお願いしますねマーリン」

 

「任せてくれたまえ。アーサーを立派な王にして見せよう」

 

まぁマーリンなら大丈夫だろう。

マーリンはクズではあるが仕事はできる。

できる癖にやろうとしないが。

流石に国が滅びるレベルになって仕事をしないとは思わない。

そうであることを願う。

 

「じゃあしばらくはお別れかな? まぁたまには遊びに来てくれると助かるよ」

 

「……仕事を押し付けるつもりですか?」

 

「たまには手伝ってくれるだろう?」

 

「……まぁいいですけどね」

 

「よしっ!」

 

小さく声に出しガッツポーズをするマーリン。

仕事なんてちゃんとやれば貯まらないはずなんだけどなぁ。

 

「じゃあニミュエに会いに行ってきますね」

 

「あぁ行ってらっしゃい。楽しんでおいで」

 

「いつでも待ってますから!」

 

アルトリアがブンブン手を振ってくるのに振り返しながら歩いていく。

この所仕事が忙しくて会えてなかったからな。

拗ねてなきゃいいけど。

まぁ拗ねてたら拗ねてたで可愛いんだけどね?

 

目指すはニミュエの住む湖。

なるべく急いで会いに行こう。

俺も早く会いたいからね。

 

 

 

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