アルター能力者・袴田維   作:ロクゼロ

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緑川光で正義のヒーローと考えてたら出てきました。

今回も前編と後編で分けていますが、後編の方は文量が2倍以上あります。




オール・フォー・ワンvsベストジーニスト(絶影)

 

 

 

爆豪救出作戦。

 

オールマイト率いるヒーローチームが爆豪を救出し、ベストジーニスト率いるヒーローチームが脳無格納庫を強襲する二分作戦。

 

この作戦が見事成功しオールマイトの突入と同時に脳無格納庫を制圧したベストジーニストのチーム。

 

誘拐されていたラグドールも救出し、これで作戦は完了した……はずだった。

 

 

 

 

「止まれ!動くな!!」

 

 

 

奥から出てこようとした大男の影。

 

一瞬で察知したベストジーニストが個性“ファイバーマスター”で締め上げる。

 

 

「べ、ベストジーニストさん!もし民間人だったら…!」

 

「状況を考えろ。その一瞬の迷いが現場を左右する。(ヴィラン)には何もさせるな!」

 

 

Mt.レディの言葉を一蹴するベストジーニスト。

 

ここにいるという事は(ヴィラン)で間違いない…

 

 

その判断は正しかった。

 

だが……

 

 

 

「…素晴らしい判断だ、さすがNo.4」

 

「ッ!!」

 

 

 

膨れ上がる圧力と捕らえていた繊維が千切れる感触。

 

それを察知し……ベストジーニストが個性を展開させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆豪を救出するため、発信器を頼りに脳無生産工場まで来ていた出久達は言葉を失っていた。

 

ヒーロー達が突入し脳無を捕縛した事に安堵し、帰ろうとしたその直前。

 

奥にいた何者かにベストジーニストが言葉を交わしたその数秒後……

 

 

 

吐き気を催す殺意と圧力と共に、ベストジーニスト達がいた場所が一瞬で更地となったのだ。

 

 

あの大男が(ヴィラン)連合の親玉だと出久と一緒に来ていた轟達は本能で理解し、一言も声が出せないまま固まっていた。

 

だが出久だけはその親玉が誰か…それを分かっていた。

 

 

「(アレが…オール・フォー・ワン……!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AFO(オール・フォー・ワン)は保持している個性で来ていたヒーローごと辺り一帯を全て吹き飛ばし、捕らえられている死柄木達をこちらに呼び込む準備をしようとした。

 

 

「…ん?」

 

 

 

ベストジーニストが殺気にいち早く気付き、側にいたヒーロー達をAFO(オール・フォー・ワン)の射線から外したのは僅かばかり確認できていた。

 

 

だが、その本人が立っている場所に存在している物に関してAFOは理解できなかった。

 

 

青い帯状の鞭が巻き付けられ、繭のように佇んでいる物体。

 

それが何なのか分からず…AFO(オール・フォー・ワン)は個性で攻撃を試みる。

 

 

普通ならコンクリートすら破壊する一点集中の空気砲。

 

 

だが、その攻撃が真正面から弾かれAFO(オール・フォー・ワン)はさらに警戒色を増す。

 

 

 

 

 

「…ようやく会えたな、オール・フォー・ワン」

 

 

帯状の鞭がほどかれ、姿を現したベストジーニストがAFO(オール・フォー・ワン)を睨みながら対峙する。

 

 

 

「…ようやく?どこかで会ったかな、ベストジーニスト」

 

 

まるで会ったことがあるかのように話すベストジーニストにAFO(オール・フォー・ワン)は疑問を問う。

 

だがその解答を得る前に、死柄木達に展開していた個性により(ヴィラン)連合のメンバーと爆豪がこちらに落ちてくる。

 

 

「…先生?」

 

「話は後だ、弔」

 

「…あ゙ぁ?なんでベストジーニストがここにいんだよ?」

 

「…爆豪君、無事で何より」

 

 

爆豪に軽く挨拶を交わしながらもAFO(オール・フォー・ワン)から決して目を離さない。

 

体験学習で感じたことのない怒気を纏わせるベストジーニストに訝しげに目を凝らす。

 

そんな中、ベストジーニストが持つ通信端末の呼び出し音が急に鳴り響いた。

 

 

「…こちらベストジーニスト。………死柄木を含む8人はこちらに来ている」

 

「……問題ない。そちらの脳無が片付き次第こちらに来てくれればいい」

 

 

通信端末を切り、初めてこちらに現れた(ヴィラン)六人を確認するベストジーニスト。

 

 

 

「あら、ベストジーニストじゃない」

 

「…No.4が一人、他のヒーローは満身創痍か」

 

「突然すぎて驚きましたが…現状見る限り、6対1……いや、その飛んでる人を含めれば7対1」

 

「ソイツ相手なら慎重に囲うか、俺一人で余裕だな!」

 

「て言うか、ここどこですか?」

 

 

引石、伊口、迫、分倍河原に渡我。

 

それに死柄木を含めた六人に囲まれている現状、誰がどう見てもベストジーニストの劣勢なのは確かだった。

 

 

 

 

 

「…毒蟲が」

 

 

 

だが、ここへ来たばかりの六人は知らなかった。

 

AFO(オール・フォー・ワン)の攻撃を防いだ帯状の鞭を使うベストジーニストの個性を。

 

そしてその個性の出所が本人の身体からではなく、その背後に佇んでいる一体の…拘束具を纏った人形からだった事を。

 

 

 

 

 

 

「絶影」

 

 

 

一言。

 

ベストジーニストが唱えたその一言により、背後にいた人形…絶影が帯状の鞭を展開し…

 

 

 

敵意を向けていた六人の(ヴィラン)を、瞬時に気絶させた。

 

 

 

「……は?んだ、今の…」

 

「オール・フォー・ワン。シェリス・アジャーニを覚えているか」

 

「…?誰だそれは」

 

 

倒した相手を歯牙にもかけずAFO(オール・フォー・ワン)に問いかける。

 

 

1週間…短い期間だったが、ベストジーニストを間近で見ていた爆豪は怒気を孕む今の本人を見て目を疑っていた。

 

たとえどんな(ヴィラン)を相手にしても冷静さを持って相手を諭すベストジーニスト。

 

怒りや憎悪はどう考えてもその感情から最も遠い物であり…爆豪としてはベストジーニストにその感情は存在しないとすら思っていたのだから。

 

 

 

「…だろうな。お前にとって個性を奪って殺すことなど、食事をするのと変わらんのだろうから」

 

「20年前…個性を奪われ殺された中学生の子供を…俺の大切な人を、貴様が記憶しているわけがないッ!!」

 

 

絶影の目に見えぬ速さの鞭の攻撃。

 

それをAFO(オール・フォー・ワン)が片手で受け止め、考えるような仕草を取る。

 

 

20年前……中学生。

 

その単語でようやく何かを思い出す。

 

 

 

「ああ、アレか。思い出した思い出した。他人を治癒するという珍しい個性だったからいただいたが…とんだハズレ個性でね。腹がたったから一緒にいた家族諸共殺してしまったなぁ…いやぁ、忘れていてすまない」

 

「貴様ぁぁぁ!!!」

 

 

普段では考えられないほどの怒りを露にし、個性…ファイバーマスターを展開する。

 

受け止められた手を繊維で強引に抉じ開け……掴まれていた鞭で頭部をえぐるように差し込んだ。

 

 

 

「…怒りを抱えながら器用な事をする。やれやれ、“衝撃反転”の個性が無かったら死ぬ所だったよ」

 

「チッ…!!」

 

 

死ぬ所だった…

 

そう、ベストジーニストは完全に殺すつもりでAFO(オール・フォー・ワン)に攻撃を仕掛けていた。

 

彼が信条としている“凶暴な人間の矯正”…それから最も遠い行動を。

 

 

「ヒーローなのに殺そうとする…それでNo.4とは、ヒーロー界の未来は明るくないな」

 

「だからどうした!?自らの欲望のために幾多の人間を殺してきた貴様に何かを言われる筋合いは無いッ!!」

 

 

鞭を人形に戻し、ベストジーニストが体勢を整える。

 

このままではAFO(オール・フォー・ワン)には勝てない。

 

それが分かった以上……ベストジーニストも腹をくくった。

 

 

 

「真の姿を現せ…絶影」

 

 

 

絶影と呼ばれる人形がベストジーニストの前方に移動し…その拘束具を解放する。

 

 

 

「…益々興味深いな、君の個性は」

 

「これが絶影の真の姿だ。その身に刻め、俺の怒りをッ!!」

 

 

 

真の力を解放した絶影が、影すら置き去りにする速さでAFO(オール・フォー・ワン)の背後に回り…

 

 

「剛なる拳…伏竜ッ!!臥竜ッ!!」

 

 

 

絶影の武装を、AFO(オール・フォー・ワン)に射出した。

 

 

 

 

 





僕のヒーローアカデミア(若本規夫)

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