ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも!ルビィちゃんのお誕生日が近づいてきてワクワクしているルビィちゃんキャンディーです!模試もあって心はズタボロですが、何とか書き上げました!

このまま行くと世界編は200話超えちゃうかも…そこまで続くかな…




第3章 62話 「スペイン戦 "変化。そして進化。」

 

 

 

 

 

前回の、輝こうサッカーで!

前半終了まであと僅か。そんな中でクラリアは"ダイヤモンドレイ"を曲げ、穂乃果から3点目を奪った。しかし、梨子の体を張ったブロックや日本の決死のパスワークにより、月とツバサの"コズミックブラスター"が炸裂。スペインから1点を手に入れたのである

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い空間に、水が流れる音だけが響く

 

 

 

 

千歌「…!!」

 

 

 

頭から水をかぶる千歌。

汗などとっくに流されているが、それでも、このモヤモヤは洗い流せない

 

 

 

千歌「……なんで、」

 

 

 

水を止めて目の前の鏡を見る。

そこには酷く顔色悪い自分の顔があった

 

 

 

千歌「…今更なんで、」

 

 

 

自分が自分でなくなる。

仲間を傷つけようとした。

二度と出さないと誓った。

 

なのに、なのになんで…

 

 

 

千歌「私は…誰?」

 

 

 

暗いからかもしれない。

だが、鏡に映る自分の目が…真っ黒に見えた

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

A『ここで前半終了!!!!1-3!!日本は総力戦で大きな1点を獲得しました…!!』

 

レヴィン『最初、一方的な試合になるかと思いきや、日本が徐々にスペインのプレーに対応していましたね』

 

A『はい!対応力は日本の武器です!』

 

 

 

 

英玲奈「まったく…無茶してくれるな」

 

梨子「ハァハァ…でも、絶対に繋ぎたかったから」

 

 

梨子は英玲奈の肩を借りてベンチへと戻った。

クラリアのボールと蹴りが腹に直撃したのだ。

立っていることさえ辛いはず…

 

 

英玲奈「あの頃とは別人だな」

 

梨子「私…変われたの、かな?」

 

英玲奈「あぁ。凄いよ梨子は」

 

 

花陽「梨子さん!大丈夫ですか!?」

 

花丸「早く医務室へ…!!」

 

英玲奈「梨子を頼む」

 

 

花陽と花丸が梨子の元へと駆け寄り、英玲奈の肩から引き継がれる。

ひとまず英玲奈はベンチに向かう。

後半からが本当の勝負であるからだ

 

 

 

美奈「とりあえず月ちゃんとツバサちゃん、良くやったわね」

 

ツバサ「ギリギリだったけどね、」

 

月「梨子ちゃんがいなければどうなっていたか…」

 

美奈「後半からは理亞ちゃんと曜ちゃんと凛ちゃん。行くわよ」

 

理亞、曜、凛「はい!!」

 

 

美奈「どうだった?スペインは」

 

穂乃果「…凄かった。私たちの想像を超えた強さだった。進化してもまだ届いてる気がしないよ」

 

海未「パワーだけではありません。スピードもテクニックもレベルが高いです。前半の支配率は圧倒的にスペインが高いはずです」

 

美奈「そうね…スペインは強いわ。でも、ひとつ分かったことがあるでしょ?」

 

穂乃果、海未「点を取れる」

 

美奈「これが一番大きいわ。日本がスペインに対抗できる証拠よ。後半からが勝負よ。大丈夫、諦めるにはまだ早いわ」

 

ダイヤ「ですが、どうしてもスペインがボールを触りがち…この状況を変えなくては…」

 

 

英玲奈「…それについて。作戦がある」

 

「「「!!!!!!」」」

 

 

美奈「教えて?」

 

英玲奈「…梨子が考えた作戦です」

 

 

梨子の作戦。

それは、梨子が英玲奈の肩を借りながらフィールドを後にする時に伝えたものだった。

 

内容は日本だからこそできるものであり。

 

日本の特長を大いに活かし、スペインを翻弄できる…これ以上無い作戦だった

 

 

美奈「分かったわ。それで行きましょう」

 

 

 

英玲奈「…」

 

あんじゅ「英玲奈、どうしたの?」

 

英玲奈「…あぁ。スペインのGKのことで、」

 

ツバサ「シュートコースを読むキーパーね」

 

英玲奈「何故、善子の際どいコースのシュートを止められて、月とツバサのシュートが止められなかったのか…」

 

あんじゅ「威力とは、また別の理由がありそうね」

 

英玲奈「あぁ…それがわからない」

 

 

真恋「…恐らく」

 

英玲奈、あんじゅ「!!!!」

 

英玲奈「知っているのですか?」

 

真恋「あのキーパーは……」

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

A『さあ!間もなく後半戦が始まります!!』

 

 

 

穂乃果「ここから逆転だよ!!みんな!!」

 

「「「はい!!!!」」」

 

 

 

A『サニデイジャパンは選手を3人入れ替えてきました。FWに鹿角理亞。MFに星空凛と渡辺曜です』

 

レヴィン『鹿角理亞選手が出てきましたね。彼女はアジア予選で見違えるほどの成長を続けていたように思えます』

 

A『はい!なんと言っても、黒澤ルビィから最強の必殺技"ATP"を受け継いだ選手です。活躍すること間違いないでしょう…!!』

 

 

 

FW…………鹿角理亞、黒澤ダイヤ

 

MF………渡辺曜、園田海未、星空凛

 

MF…………矢澤にこ、統堂英玲奈

 

DF……………鹿角聖良、葉石晴夏

 

DF……………………津島善子

 

GK…………………高坂穂乃果☆

 

1-2-2-3-2

 

 

 

 

 

晴夏「穂乃果さん、"曲がるダイヤモンドレイ"…あれを止めなければこの試合…」

 

穂乃果「…そのことだけど、穂乃果に考えがあるの。それをやってみる」

 

晴夏「考え…?」

 

穂乃果「そう!ちょっと無茶するけどね…!」

 

 

晴夏は気づいた。

穂乃果が冷や汗をかいていたのだ。

緊張か、それとも不安なのか…

顔には出さないがその作戦、不安でしかなかった

 

 

 

クラリア「まさか私たちが得点されるとは…」

 

ルーサー「だが、2点差。勝つのは私たちよ」

 

ベルガモ「…後半でもっと点差を離してやる」

 

 

 

 

ピーーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 観客席 ー

 

 

フィレア「2点差ね、日本としてはかなり厳しいんじゃないかな」

 

鞠莉「えぇ。善子のディフェンスで少しは防げるけど、あの技には…決定的な弱点があるわ」

 

フィレア「スペインのことだからすぐに感ずくね、あとは…」

 

鞠莉「クラリアのシュートよ」

 

フラム「…」

 

 

 

 

A『さあ!スペインがドリブルで攻めます!!日本も負けじとディフェンスに入る!!』

 

 

 

曜「ー スマッシュアンカー ー!!」

 

クラリア「!!」

 

 

曜がクラリアに向かって巨大な錨を投げつける。

さすがのクラリアもこの大きさではただでは済まない

 

 

クラリア「厄介ね…」パス

 

 

A『おおっと、ここでクラリア選手が後方へボールを戻しました…!前半、ドリブルで無双を続けていたクラリア選手ですが、渡辺曜の必殺技はそれ以上のパワーなのか!?』

 

 

クラリア「(後半から出場している3人…油断できないわね、ここはいったん様子を…)」

 

 

 

 

 

凛「貰ったにゃー!!!!」ズザーッ!

 

クラリア「なっ!?」

 

ルーサー、ベルガモ「!!?」

 

 

A『なんと!!星空凛がスライディングでパスコースに滑り込みボールをカット!!日本がボールを奪いました!!』

 

レヴィン『早速スピードを活かしてきましたね。日本は前半よりも反応が良くなっていますね』

 

 

クラリア「(動きが読まれた…バカな!?)」

 

ベラスコ「取り返すよ!!」

 

 

突然のパスカットに驚くスペイン。

バスケで言うなら完全にスティール。

前半は一度もパスカットをされなかった…いや、日本は仕掛けにもこなかった…

 

新たな作戦?

だとしても前半とは動きもまるで別のチームだ

 

 

凛「まずは作戦通りにゃ!!」

 

英玲奈「あぁ!だが本番はこれからだぞ…!」

 

 

英玲奈は梨子が考えた作戦を脳裏に浮かばせる

 

 

 

梨子『スペインは…そのフィジカルゆえに、ドリブルテクニックで躱す。というプレーをしません…』

 

英玲奈『確かに、パスを出すか強引に突破するかしか見ていないな…』

 

梨子『それを利用すれば、まずは、日本は簡単にスペインからボールを奪えます』

 

 

 

英玲奈「本来、避けるということをしないチーム。だからパスには大きな隙ができている」

 

 

 

 

ベラスコ「そこまでだよ!!」ズザーッ!

 

凛「海未ちゃん!」パス

 

ベラスコ「なに!?」

 

海未「はい!」

 

フェルナンド「任せてベラスコ!!」

 

海未「ダイヤ!」パス

 

フェルナンド「しまった…!?」

 

 

A『サニデイジャパン…!!パスが繋がります!!前半よりも動きにキレが増したように見えます!』

 

レヴィン『これは…なるほど。日本は考えましたね』

 

 

 

クラリア「何が起きているんだ…」

 

 

日本のパスが…繋がるわ繋がるわ。

パワープレイで奪いに行っても、すぐに別の選手にボールが渡ってしまう…

 

システムはなんだ?いったい何を?

 

日本は…どうしてこんなにも姿を変える…!?

 

 

 

ダイヤ「英玲奈さん!!」パス

 

英玲奈「よし…全て梨子の作戦通りだ」

 

 

 

 

英玲奈『2人…?』

 

梨子『はい。スペインは2人で協力しながらディフェンスをしています。ですが、それよりも多い人数ではディフェンスをしていないんです』

 

英玲奈『確かに…だが、何故…?』

 

梨子『恐らく、1人がパスコース、1人がドリブルを潰しているんだと思います。なので…後半からは…』

 

梨子『日本は3人1組でボールを運んでください』

 

英玲奈『なるほど。それなら必ずフリーの選手ができるな』

 

 

 

美奈「名付けて、"トライアングルパス"…シンプルだけど、それ以上に強力な作戦は無いわ」

 

真恋「梨子ちゃんは前半だけでよく見抜いたわね…」

 

ツバサ「…英玲奈が言ってたわ。梨子はUTX時代からほかの選手と見ている場所が違うって」

 

真恋「…見ている場所ね、」

 

 

 

 

 

 

チコ「っっ!!日本の奴ら、なんで急に動きがよく…」

 

ベルガモ「…恐らく、2人ディフェンスがバレた」

 

チコ「…!!」

 

ベルガモ「私たちはこの戦い方を体に染み込ませてしまった…それを見抜かれたんだ」

 

チコ「そんな…」

 

 

 

A『驚きました…!!後半はなんと、日本がパスを簡単に繋ぎ、既にゴール前まで来ています!!シュートを撃つのは渡辺曜か!?』

 

 

海未「曜!チャンスです!!」

 

曜「よしっ!!」

 

 

梨子がフィールドに残していったもの。

それは試合を流れを変える、とても大きなものだった。

 

前半は手も足も出せなかったスペインに対し、今は対等…いや、それ以上の戦いをしている。

 

この流れを途切らせないためにも…絶対に決める!!

 

曜は全オーラをボールに込めて放つ

 

 

 

曜「ー ゴッドウインド改 ー!!」ドガアァン!

 

 

月「曜ちゃんの技も進化した…!!」

 

ことり「これなら…!」

 

 

A『渡辺曜の強力なシュートが炸裂!!キーパー、アロンソはどうするのか!?』

 

 

 

アロンソ「ー ザ・ボヨン ー!」

 

 

曜「っ!?」

 

 

アロンソは前半と変わらず、ボールを取り込み威力を殺す。

どうしてそこまで余裕なのか…

アロンソの表情もまったく変わっていなかった

 

 

A『ここもGKアロンソのナイスセーブだ…!!日本、チャンスは作るも得点ならず!!』

 

 

ダイヤ「ドンマイですわ。曜さん」

 

曜「悔しいな…あのGK強すぎだよ」

 

海未「威力の大きさは関係ない技なのでしょうか…」

 

英玲奈「…」

 

 

 

 

A『さあ日本!ここは切り替えてディフェンスに入りたいところです』

 

レヴィン『先程、スペインはパスカットされましたからね…今度はかなり警戒しているはずです』

 

 

 

クラリア「あまいパスは出さないで!!今の日本は前半とは違うよ!!」

 

「「「はい!!!!!!」」」

 

 

 

スペインはパスがあまい。

しかしパスを出さなければ、あまいも何も無い。

 

残されたスペインの攻撃方法はパワーによる正面突破。

 

しかし、それだけでは素早い日本の選手に奪われてしまう。

 

だから嫌でもパスは避けられないのだ。日本はそこを狙えばいい

 

 

 

晴夏「ここ…!!」バッ!

 

エメリコ「そんな…このパスも読むの!?」

 

 

A『再び日本がパスカットだ!!現状では日本が形勢逆転か!?スペインの動きを完全に読んでいます!!』

 

 

 

英玲奈「晴夏!前線へ…!」

 

晴夏「はい!ダイヤさん!」パス

 

 

 

完全に優位に試合を進めている日本。

点差を縮めるのも時間の問題なのか……

 

 

 

 

 

 

ダイヤ「ナイスパスですわ!」

 

 

 

 

 

 

 

いや、

 

 

 

 

 

 

 

 

チコ「いよっ!!」ズザーッ!

 

 

 

 

 

ダイヤ、晴夏「!!!!??」

 

英玲奈「カットされた!?」

 

 

 

 

ヨーロッパの強豪が黙っているわけがない

 

 

 

 

チコ「すばしっこさなら負けないよ!」

 

 

英玲奈「しまった…完全に油断していた」

 

 

チコ「クラリアさん!」パス

 

 

 

日本「「「!!!!!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

クラリア「…!!」

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の隙とは、本当に恐ろしいものだ

 

 

 

 

A『クラリア選手にボールが渡った!!日本、パスカット返しでの一瞬の硬直…隙をつかれ、ロングキックから最大の危機!!』

 

 

 

善子「やばいやばいやばい!!」

 

聖良「間に合わない…まさか、スペインがこちらと同じ手を使ってくるとは…!!」

 

 

 

 

クラリア「私たちも学習はするさ。高坂穂乃果」

 

穂乃果「…!!」

 

クラリア「確かに日本の成長は素晴らしい。前半とは別チームだ。しかし…」

 

クラリア「あなた達は勝てない!!」バッ!

 

 

果南「またあの技が来る!!」

 

月「これ以上の失点は…まずいね」

 

ことり「穂乃果ちゃん…!」

 

 

 

 

ダイヤ「ー 曲がるダイヤモンドレイ ー!!」ドガアァン!!

 

穂乃果「…」

 

 

"ゴットハンドX"では曲がるシュートを受け止めることは出来ない…

しかし、"ゴットハンドX"でないとクラリアのシュートは止められない

 

 

 

穂乃果「…!!」バッ!

 

 

にこ「飛び出した…"ゴットハンドX"!?」

 

ベラスコ「性懲りも無く…」

 

 

 

 

穂乃果「…やってやるよ」

 

 

 

穂乃果はゴール前から飛び出した。

"ゴットハンドX"の動きだ。

しかし、シュートは既にカーブを描いている。

このままでは掠ることさえできない

 

 

 

穂乃果「…っっ!!」

 

 

曜「!!」

 

 

 

その時。

曜は気づいた。

 

穂乃果のあの顔…雰囲気…見覚えがある。

 

この状況でも落ち着いたような顔…そうだ。

あの時だ。

 

音ノ木坂学院との決勝。

まだ、自分たちが音ノ木坂を。

穂乃果をまったく知らなかった頃の…

 

穂乃果の絶対的風格。

佇まい。

オーラ。

同じだ。今の穂乃果は、

 

 

強者の…風格

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオォォォォォォォオン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラリア「!!!!?」

 

スペイン「「「!!!!!!??」」」

 

日本「「「!!!!!!??」」」

 

 

 

 

 

 

そして強者は…あの頃のように、無敵なのでは?という雰囲気を醸し出し、一言

 

 

 

穂乃果「うん。いいシュート」ビリビリビリ

 

 

ルーサー「…"曲がるダイヤモンドレイ"を…殴り飛ばした???」

 

ベルガモ「でも、あれは…」

 

 

 

穂乃果は殴り飛ばしたのだ。

曲がるダイヤモンドレイを。

 

飛び出し、横を流れるシュートを一発。

ボールには『X』の刻印が刻まれ、轟音と共にコート外へと吹き飛んだのだ

 

 

 

クラリア「高坂穂乃果…」

 

 

穂乃果「ー ゴットパンチX ー 言ったでしょ?もうゴールは決めさせないって」

 

 

 

あの時もそうだった。

今の穂乃果は誰にも負けない。

その静かにも燃える炎は…

 

全てを捻り潰す

 

 

 

日本 1-3 スペイン

 

 

 





ゴットパンチX
"ゴットハンドX"の動き、オーラでパンチングする技です。名前はかなりダサいですが、なるべくゴットハンドと名前が似ているものにしたかったのでこれにしました。
手をクロスして飛び出すのは"ゴットハンドX"と同じです


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