ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんお久しぶりです!ルビィちゃんキャンディーです!センター試験まで残り1ヶ月。勉強漬けでちょっと病んできましたが、あと少し頑張ります!イタリア戦は年内に終わらせたいですが…どうですかね、

今回もそれなりの内容です。伏線回収なのでちょっぴり長めかと




第3章 89話 「イタリア戦 "無双の嵐"」

 

 

 

 

前回の、輝こうサッカーで!

後半になり、イタリアは必殺タクティクス『カテナチオカウンター』を発動してきた。しかし、日本は早くもカテナチオを攻略し、音ノ木坂学院サッカー部の最強シュートである『ファイナルトルネード』を放った

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

千歌、穂乃果、ツバサ、ルビィ「ー ファイナルトルネード ー!!」

 

フラム「4人技…!!!!」

 

 

4人で発動する必殺シュートは初めて見たフラム。見かけだけではない。威力も…伝わってくる炎の熱さでよくわかる

 

 

フラム「ー イジゲンザハンド ー!!」

 

 

ーーーだが、どんな強力なシュートでも流れるオーラには逆らえない。『氷結のグングニル』は予想外だったが、このシュートではオーラは凍らない

 

 

千歌「そんな…」

 

ツバサ「やっぱりダメね…」

 

 

A『"ファイナルトルネード"でも決まらず…!!日本に追加点を奪う道はないのか!?』

 

 

穂乃果「単純に火力が足りない…とか?」

 

ツバサ「"ファイナルトルネード"で火力が足りないのならば…今の日本ではあの技を破ることは不可能よ」

 

千歌「…まだ、何か手があるはずだよ」

 

穂乃果「千歌ちゃん…」

 

千歌「私は絶対に諦めない…!!何かあるはずなんだ…今までだって、足掻いてあがいて足掻きまくった末の勝利だもん」

 

千歌「何かある…あの技にも弱点が…」

 

ルビィ「…」

 

 

A『さあ、日本のシュートを抑えたフラム選手!ゴールキックでいっきにイタリアのチャンスへ!!』

 

 

マルコ「アンジェロ!」パス

 

アンジェロ「うん!」

 

フィレア「こっちだ!アンジェロ!」

 

理亞「フィレア・アルデナ…!」

 

フィレア「!!」

 

 

A『鹿角理亞がすかさずディフェンスに入ります!!フィレア選手はどうするのか!?』

 

 

フィレア「貴方とは…この試合がはじめましてだね」

 

理亞「勝負よ。"白き流星"」

 

 

鋭い目つきでフィレアを睨む理亞。

日本の選手たちは知っている。理亞がこのような目になる時は…本気で"狩り"にいく時だと

 

 

理亞「はあぁぁぁぁっっ!!」ググググ

 

フィレア「!!」

 

理亞「ー Awaken the power ー!!」ゴゴゴゴ

 

 

普通の状態でヨーロッパ屈指の選手に勝てるほど、自分は今強くないことは理亞自身、痛感していた。ルビィと手を組まなければこの人たちとは対等に戦えない。いや、すでに見切られているかもしれない

 

 

フィレア「なるほどね…全力の1対1か、」

 

理亞「!!」ゴゴゴゴ

 

 

雰囲気が変わった…

フィレアの目が輝き始め、周りの空気が痺れ始めた。まるで身体中に電気を浴びせられているようだ。

"ゾーン"

自分もその資質を持つ者だから分かる。この人は…本当にとんでもない

 

 

理亞「穂乃果が強いって言うことはある」ゴゴゴゴ

 

フィレア「貴方もね。鞠莉が強いって言うことはあるよ」

 

 

 

 

あんじゅ「理亞ちゃんが仕掛けたわね…」

 

花陽「勝ってほしい…けど、相手はあの"白き流星"」

 

聖良「大丈夫です…!理亞なら…」

 

 

理亞とフィレアの覇気のぶつかり合いは、試合を見守るベンチを恐ろしいほどまでに黙らせた。誰もが固唾を呑んで見守る…先に動いたのはーー

 

 

フィレア「!!」バッ!

 

理亞(来た…!!)

 

 

フィレアが突っ込んでくる。

標的はボールただ一つ。相手の動きを読み、対応し、一瞬をつく。それに限る

 

 

フィレア(反応出来るんだ…!)

 

理亞(右足、伸ばせば取れる!!!)

 

 

隙だらけじゃないか。今なら確実に届く。フィレアの足元のボール目掛けてーー足をーーー

 

 

フィレア「ーー!!」ギロッ

 

理亞(っっ!?ダメっっ!!!!)ズザーッ!

 

 

理亞は反射に近い動きで後ろへと下がる

 

 

凛「え!?なんで今取らなかったの…?絶好のチャンスだったのに…」

 

ダイヤ「…あともう少し、下がるタイミングが遅れていたら…確実に抜かれていました」

 

凛「え…」

 

 

 

理亞「ハァ…ハァ、ハァハァ」ゴゴゴゴ

 

フィレア「いい判断だね。罠って気づいた?」

 

理亞「ハァハァ…足を伸ばした瞬間、」

 

 

フィレア『ーー!!』ギロッ!

理亞『!!??』

 

隙を見せて…いや、あの状況ならばミスに近いことをしているのにも関わらず、フィレアの目は…自分と同じ、狩るものを見る目をしていた。

体が反応した。反応してくれた。もし、あれ以上前へでていたら……

 

 

フィレア「やっぱり日本はすごいよ。私たちに引けを取らない"才能"を持つ選手で溢れてるよ!」

 

理亞「ハァハァ…」ゴゴゴゴ

 

フィレア「でも、足りない」

 

理亞「足りない?」ゴゴゴゴ

 

フィレア「"才能"と"実力"は別物だよ?現にさ、ほら」

 

理亞「ハァハァ…」ゴゴゴゴ

 

フィレア「この一瞬で疲れてる。世界の頂点を争うなら、まだまだ…実力不足だよ」

 

理亞「っっ…!!」

 

 

理亞はあの一瞬で、全神経をすり減らしたと言ってもいいレベルの動きをしたのだ。それが良くも悪くも、無駄に体力を消費させてしていたのだ。

こんなキツいことを平然と…!?理亞は目の前の選手の果てしなさをその身で感じ、そして、

 

 

理亞「実力不足なのは、私が一番知ってる…!!」

 

 

自分の弱さを…痛感する

 

 

フィレア「…前半は"ATP"の速さに対応出来なかったけど、今度はそうはいかないよ」

 

フィレア「ーーー!!」グワーッ!

 

理亞(さっきよりも速いっっ!!?)

 

 

今さっき、"白き流星"との差を実感したばかりなのに…その上。まだ上があった

 

 

フィレア「どうだ!!!!」グルン!

 

理亞「っっ!?」ズルッ

 

 

フィレアのテクニックについていけなかった理亞は左足から滑り、崩れた。

だんだんと視界が斜めになる。

そうか、私、転ぶのか。

フィレアに転ばされたと言ってもいい。相手に…ならなかった。

悔しい。横目でフィレアを見る。既に抜き去る瞬間だった。

周りには動揺する日本の選手が。数秒後、地面に倒れた私の醜態は、全世界に晒されることになる。惨めったらありゃしない

 

 

しかし、

 

 

理亞「」

 

 

動揺するどころか、変わらぬ表情の選手が1人

 

 

聖良(理亞っっっっ!!!!)

 

理亞(ねえ…さ……)

 

聖良(思い出してください!!あの練習を!!あなたの努力を!!)

 

理亞「っっ!!!!」

 

 

 

 

――――――――――――――

―――――――――

――――

 

 

 

白咲『うんうん…!それで、二人はこれからどこか行くの?』

 

 

中国戦が終わり、サニデイジャパンがFFI本戦に駒を進めた翌日。メンバーはそれぞれの高校に戻り、決意表明…そして激励を受けていた

 

 

聖良『はい、理亞が監督から指令を出されてて…』

 

理亞『ホントに謎』

 

 

日本を発つまで残り1週間。監督からは休むもよし、練習するのもよし、遊びに行くのもよしと言われていた。要するに自由行動。

しかし、私たち鹿角姉妹、主に鹿角理亞に関しては例外。美奈監督からこの1週間の過ごし方について、指示を出されていたのだった

 

 

白咲『指令?どこに?』

 

聖良『それは…』

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

それから数時間後。私たちはとある場所に来ていた

 

 

聖良『理亞。そちらにある棒を持ってください』

 

理亞『……姉様、なんで私たちこんなことを?』

 

聖良『…私には何とも、』

 

 

2人で"あるもの"を組み立てる。これがないと1週間、生きていくのは不可能だ

 

 

理亞『……熊が出たらどうするの?』

 

聖良『…監督、その事について…何も言っていませんでしたね』

 

理亞『姉様帰ろう。危ない。帰ろう』

 

 

2人がいるのは「キャンプ場」。

ここで1週間、泊まり込みで練習をしろというのが、美奈の指令であった

 

 

聖良『ふぅ…なんとか完成しましたね』

 

理亞『…日没ギリギリだった』

 

 

試行錯誤の末、なんとか完成した鹿角姉妹のテント。既に日は落ちかけているので、練習は明日から。今日は夕食を食べて寝ることにした

 

 

聖良『夕食は…無難なカレーですよね!』

 

理亞『姉様、楽しんでない?』

 

 

こんな山の中、いつ熊に襲われるかも分からない中。姉様はキャンプを楽しんでいる。変なところでは度胸あるくせに…お化けは苦手なんだからまったくおかしい話だ。

あと余談ではあるが、姉様は「ブロッコリー」が苦手。なんでも昔、ブロッコリー頭のキーパーにシュートを止められて、それからトラウマ?になったらしい

 

 

聖良『理亞ー!手伝ってください!』

 

 

姉様が私を呼ぶ。

取り敢えず私もお腹も空いたので、すぐに調理に取り掛かる。

明日から…どんな練習をしようか、

 

 

 

―――

 

 

翌日、北海道の朝は寒い。だがそれはいいことだ。何かと練習になるのが寒い日だ

 

 

聖良『さっそく練習しましょう』

 

理亞『具体的には何をするの?』

 

 

ここは森の中。サッカーのグラウンドなどあるわけが無い。地面は砂利、茂み、木の根が張る、サッカーには適さない。

こんなところでサッカーの何を練習すればいいのか

 

 

聖良『監督からの指示には…』

 

 

姉様が聞いた監督からの練習内容。

聞くと…意外にも納得してしまった

 

 

聖良『練習中は常に"ATP"を維持。過酷な環境でドリブル。突破力と実力を鍛えろ…と』

 

理亞『"ATP"維持…』

 

 

この時はまだ、"ATP"の力を上手くコントロールできないでいた。発動にもかなりの時間を必要とした。隙だらけ。

世界との戦いの中では、この隙がチームの危機を招く。それは韓国戦、中国戦で痛感した私の課題だった。

どう練習すれば伸びるのか、課題を克服出来るのか…悩んでいる時の指令だった。

監督は気づいていた。だから手助けをしてくれていると思った。ならば、その期待に応えなければならない

 

 

理亞『ひとまずやってみる』

 

聖良『頑張ってください!私はここにいますので、あまり遠くには行かないでくださいね』

 

 

私はボールを用意し、"ATP"を発動した。やっぱりまだまだ時間がかかる。ルビィは一瞬で発動していた…差があることが明確になる。

だが負けるわけにはいかないのだ。私は意を決して、森の中へとドリブルで進んでいった

 

 

――――――

 

 

ーードリブルを開始して数分後。さっそく分かったことがある

 

理亞『(芝生よりも……キツい!!)』ハァハァ

 

当たり前だが地面が整備されていないため、障害物を避けたり、登ったり、降りたり、無駄に体力がすり減っていく

 

理亞『ハァハァ…大きな段差…!』

 

目の前に1mほどの段差があった。こちらが上。ここから飛び降りて先に進む

 

 

ーーーズンッッッ!!!!

 

理亞『!!!!???』チカチカチカ!!

 

 

が、飛び降りて地面に着地した瞬間。

落下の圧と"ATP"の負荷がいっきに襲いかかり、一瞬目眩がした。立ちくらみ。"ATP"の使いすぎで体力が底をついた時の感覚にそっくりだった

 

理亞『ハァハァ…くっ……』

 

だが、足を止めてはいけない。試合中だって疲れたからと言って止まることはありえない。悲鳴をあげる体にムチを打ち、私は地獄のドリブルを再開した。

 

 

ーーー数十分後

 

理亞『ハァハァ…ハァハァ…もう、無理』

 

結局。"ATP"を維持しながらのドリブルは30分も持たなかった。これでも結構伸びたはずなんだが…まだまだ足りない。

私は汚れることなど関係なく、森の中で仰向けに。息を切らしながら空を見た。

木と木の隙間から雲が見える。鳥たちの囀り、草木の擦れる音。そして私の呼吸音。この1週間で呼吸音をどれだけ減らすことが出来るのか。それは自分以外、誰にもわからない

 

理亞『ハァハァ…やってやる』

 

日はまだ昇り続けている。

夕方まではまだまだ時間がある。ある程度休めた私はドリブルを再開する。迷わないように注意しながら森の奥へ、まるでこの先に自分の"次"があるかのように。先へ先へと、引き込まれていった

 

 

 

ーー2日後

 

昨日、ガムシャラに走り回って学んだ。

それにより私の動きには少し変化があった

 

理亞『(段差…!!)』ゴゴゴゴ

 

段差を飛び降りた後のダメージは凄まじまかった。無駄に体力を消費する、ではどうすれば無駄がなくなるのか。簡単な話だ

 

理亞『っっ!!』ゴロゴロ

 

"受け身"。足で着地するのではなく、転がりながら衝撃を受け流す。これで体力の消費はかなり軽減された

 

理亞『よし…段差を抜け…きゃっ!?』ドサッ!

 

気を抜いてしまった私は、足元から生える木の根に気づかなかった。そのまま盛大に転び、せっかく高めた集中力が音を立てて切れる

 

理亞『あぁっっもう!!邪魔!!』

 

 

 

ーー3日後

 

理亞『(木の根、段差、石、段差)』ゴゴゴゴ

 

3日目になると、自然と周りに気を使うようになっていた。要するに"ATP"発動に集中しなくても、自在にコントロールできるようになってきた。ということ

 

理亞『(木を相手に見立てて…)』ゴゴゴゴ

 

不規則にそびえる樹木。

まるで私の行く手を阻む相手DFに見えた。ならば全て躱すのみ。私はドリブルや足元のテクニックで次々と樹木を抜き去る

 

理亞『(よし…これで最後の木…)』

 

 

ーーードガッ!!!!

 

理亞『っっ!?』

 

が、不規則ならではの課題が生まれる

 

理亞『(最後だと思ってた木の死角から…もう一本!?)』

 

受け身はとった。それでも地面を転がる私。また集中力が切れてしまった。再び気持ちを高めるのにはどうしても時間がかかるから余計心が重くなる

 

理亞『ハァハァ…もう1回っっ!!』

 

土で汚れた手。足。もう顔を拭う躊躇いもない。顔も同じく汚れ、汗で余計目立つ。

人ひとりいないこの森の中。私のワガママのようなプライドは1人、自分を見つめ直すことにより、より現実的に。具体的なものへと形を完成させていた

 

理亞『ルビィに…世界に勝つには…こんなところで負けてられない!!』

 

この日は、ただひたすらに。木のあいだを走り続けた。

 

ただひたすらに。今よりも先に行くために。

 

勝ちたい。その一心で何度も、何度も倒れながらもーーー

 

 

 

 

 

 

 

理亞「待ちなさいよ」

 

 

ーーー立ち上がる

 

 

フィレア「!?」

 

フィレア(立ってる!?さっき転びかけてたのに…どうやって起き「どこ見てんのよ」

 

 

おかしい。今。本当に今、理亞は自分の後方でバランスを崩し、地面に倒れる寸前だった。だが、気づいた時には立ち上がっており、瞬きしているあいだにーーー

 

 

理亞「…」ゴゴゴゴ

 

フィレア「なんで、私の前に…」

 

 

ツバサ「今の、見えた?」

 

ルビィ「…見えませんでした。いつ立ち上がって、いつ先回りしたのか…まったく」

 

 

これにはさすがのフィレアも驚きを隠せなかった。理亞が倒れかける前…その時よりもオーラの、覇気の鋭さがまるで違う

 

 

フィレア「もう一度抜くだけだよっっ!!」バッ

 

理亞「ーーー!」ゴゴゴゴ

 

 

先程抜いたように、スピードで翻弄し、罠を仕掛け、テクニックでボールを動かす。

理亞はそれについていけず、フィレアに突破を許してしまったのだが…

 

 

フィレア「っっ!!」バッ

 

理亞「ーー!」バッ

 

フィレア「くっ…!!」グルン!

 

理亞「ーー!!」バッ

 

フィレア「これなら…!!」バッ!

 

 

"さっきと同じターンからの突破"ーーー

 

 

理亞「もういい?」ギュン!!

 

フィレア「ぇ、」

 

日本、イタリア「「!!!!!!??」」

 

 

フロイ「奪った…あんな簡単に、」

 

絵里「何よ…あれ、」

 

 

A『これは!?いったい何がおきたのか!?』

 

 

フィレア「くっっ…!!(落ち着け…まだ取り返せる!!!)」

 

フィレア「"カテナチオカウンター"だ!!」

 

理亞「!」ゴゴゴゴ

 

 

今起きた状況を把握するよりも先に。

理亞からボールを奪うこと。それが最優先事項のイタリア。さすがは優勝候補と呼ばれるだけのことはある。フィレアが指示をする前から既に、必殺タクティクスを発動する準備をしていた

 

 

月「まったく状況が理解出来ていないんだけど…理亞ちゃんの"あれ"」

 

ツバサ「…彼女はとんでもないことをしているわ」

 

千歌「…!!」

 

ツバサ「千歌さんなら分かるんじゃないかしら」

 

 

フィレア「もう一度勝負!!」

 

理亞「…」ゴゴゴゴ

 

 

囲まれた理亞。"ATP"を発動しながら、フィレアの動きを見切り、刺すように伸ばす足を躱し、白い息を吐きながら…抜き去る

 

 

フィレア(抜かれた…でもまだ!!)

 

カズハ「任せて。取る」

 

 

死角から。世界最強レベルがもう1人。

フィレアが突破されても、それは誘導。隙だらけの突破後を、カズハが刺す。

先程、千歌に突破されたが2度はない

 

 

カズハ「とったーーーー

 

 

理亞「ーーーーー

 

 

 

 

 

 

今の理亞には、あの日の、木に見える

 

 

理亞「ーー」バッバッ!!

 

カズハ(不意打ちを躱す!?でもまだいける!!)

 

 

"カテナチオカウンター"。囲む選手たち、"白き流星"、"勝利の化身"、全員ーーー"木"

 

 

カズハ「なあっっ!!?」スカッ!

 

理亞「ーー」

 

フィレア(カズハをも抜くなんて…)

 

フィレア「でも……」

 

 

 

 

鞠莉「イタリアの誇りにかけて…負けられないのよ」

 

 

果南「っっ…鞠莉!!!!」

 

ダイヤ「罠を三重に仕掛けていた…!?」

 

 

フィレアの背後から和葉。

その和葉の背後から鞠莉。

DFまでもを総動員するイタリア。本気で取りに来ていた。おそらく、突破した千歌でも、ドリブルの天才にこでも、この3人の突破は不可能であろう。まさに、世界最強のディフェンス

 

 

しかし、

 

 

理亞「邪魔ーーー

 

鞠莉(右ね…!!逃がさなーーー

 

 

カズハ「鞠莉!!違うっっ!!!!」

 

鞠莉「!!??」

 

 

理亞は右に動いていた。なのに、

 

 

鞠莉(なん、で……左にいるのよ……)

 

理亞「じゃあね」

 

 

A『ぬ、抜いたぁぁ!!!!鹿角理亞がイタリアの"カテナチオカウンター"を崩しました!!なんという個人技!なんという無双!!』

 

レヴィン『あれは…間違いないですよ、』

 

 

 

抜かれた選手は感じる

 

 

鞠莉「」

 

 

特に。鞠莉

 

 

鞠莉(函館聖泉と戦った時と、同じ雰囲気…)

 

まるで本物の獣。目の前の獲物を狩ることだけに意識を集めたような目。

一瞬で冷や汗が吹き出した。正直怖かった。こんな感情、久しぶりにいだいた

 

 

A『これは絶好のシュートチャンスだ!!!』

 

 

選ばれた者にしか宿らない力。

それを任意に発動出来るかできないかはともかく。今この時、このタイミングでそれを発動出来たのは…運命か、それとも理亞の意思か、

 

 

千歌「分かるよ…あれは、」

 

千歌、フィレア、カズハ、鞠莉「「ゾーン」」

 

絵里「今あの子は、世界の頂上を見ているわ」

 

 

理亞「ハァハァ…!!」ゴゴゴゴ

 

 

ゾーンとATPの二重発動。

オーストラリア戦のような、"ATP"発動のためのゾーンではない。

それぞれを最大限に引き出す。お互いに刺激し合わし、共鳴させ。

それが雪のように一瞬で消える儚い力だと分かっていても、だからこそ今、本気で走る

 

 

ルビィ「理亞ちゃん…ついにやったんだね、」

 

にこ「…ルビィ?」

 

 

フラム「凄い力だね…!!でもあなたのシュートでは私の技は、」

 

理亞「…そうね」ゴゴゴゴ

 

理亞「…」ゴゴゴゴ

 

理亞「なら」バッ!!

 

フラム「!?("ウルフレジェンド"でも、"ATB"でもない!?)」

 

 

その動きに、日本のサッカーを…そして、"ある少女の技"を知っている者は、皆、震撼する

 

 

 

 

 

理亞「はああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

日本、イタリア「「「!!!!??」」」

 

フラム「え…なんで…」

 

ルビィ「!!!!」

 

善子「ちょっ、あれって…なんで理亞が!?」

 

 

海未「聖良!!あれはどういうことですか!?」

 

聖良「私も、知りませんでした…理亞が"あの技"を、」

 

 

 

理亞「ぐっっ!!!!(今決める!!絶対に成功させる!!!!)」

 

 

轟音が響き、理亞の頭上に"空気"と"ATP"のオーラが集まる。その巨大すぎるオーラを足で磨きあげるその姿…まさに、

 

"紅き流星"そのもの

 

 

理亞「っっっっ!!!!」ドガァン!

 

 

唸る風。嵐。竜巻。

それ以上、並外れたその力を両足で。

理亞の大名刺ドロップキックで放つ

 

 

 

 

理亞「ー オーバーサイクロン ー」

 

 

ここから試合は大きく動き出す

 

日本 1-1 イタリア

 

 





オーバーサイクロン
オリオンの刻印で登場の小僧丸君の必殺技です。"ラストリゾート"の下位互換のような必殺技ですが、輝こうではどうでしょうか…詳細は次回ですが、原作のような残念技にはしたくないですね。


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