ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも!ルビィちゃんキャンディーです。
今回は前々から質問されていた秘伝書についてです。ほとんど説明回にはなってしまいますが、輝こうオリジナル設定の秘伝書です






第3章 119話 「秘伝書の秘密」

 

 

 

 

善子「小原……サエ、」

 

サエ「呼び捨てとは…随分となめられたものデス」

 

気不味いとかのレベルじゃない。

先輩の母親、敵チームの監督、外人…だよね?何にせよこの空間で出会うことがあるのか?

ここはジャパンエリア。この人がこの場にいる理由が全く予想出来ない―――

 

 

サエ「オハラグループが経営する店に私がいて、何がおかしいのデスか?」

 

ことり「…オハラ、グループ?」

 

善子「ここ、小原家のお店だったのね」

 

ひとまず小原サエ降臨の理由は分かった。

しかし、聞きたいことはまだある

 

 

善子「『だからあなたがあの技を使えた』って、どういう意味?」

 

サエ「…」

 

サエ「その前に、秘伝書について知った方が話がわかると思うわ」

 

善子、ことり「「!!」」

 

善子の本当の目的は「秘伝書」について知ること。そのためにこのお店へと足を運んだのだ。善子はその目的を果たすため、サエの説明を聞くことにした

 

 

サエ「秘伝書、あなたたちの目にはどう見えた?魔法の書?チートアイテム?」

 

善子「どんな技でも秘伝書に出来れば…そう見えるわよね」

 

サエ「違うわ。秘伝書というのはあくまでも自分の必殺技の会得を促すための道具…日本に出回るようになるのはもう少し先」

 

サエ「試験段階を全て終え、こうして秘伝書を販売する第1号店をオープンした…というわけ。外国のプレーヤーたちからの認知度はかなり広がり始めていマス」

 

ことり「試験段階…それじゃあ、秘伝書は」

 

サエ「オハラグループが開発したものデス」

 

小原ならやりかねないなぁ…

善子は今までの鞠莉の行動を思い出す。どれも庶民から見ればぶっ飛んだ内容ではあった

 

 

ことり「必殺技の会得を促すため…ってどういうことなんですか?」

 

サエ「先程。善子さんが言いましたが、どんな技でも秘伝書に出来たら……それは出来ません」

 

善子、ことり「「!!」」

 

サエ「理由は2つ。1つ目はコスト的に厳しいこと、高難易度・高レベルの必殺技ほどその制作技術・費用がかかる…それ以前に現代技術では製作不可能な必殺技がたくさんありますが、」

 

サエ「2つ目は…正式にサッカー協会から制限がかかりました」

 

善子「制限?」

 

もし、高レベルの必殺技が秘伝書により誰でも会得出来るようになれば…

人によっては心身への影響が予測出来ない。

そして秘伝書の使用目的も根底から変わってしまう

 

 

サエ「私たちが秘伝書を作った目的は『オリジナルの必殺技を習得するための手助け』をするため」

 

サエ「例えば、ドリブル技の秘伝書でその技を覚え、そのドリブル技を参考に自分のドリブル技を完成させる…」

 

サエ「もし『秘伝書で勝つ』ために使用されれば、努力してきた者たちへの侮辱。何よりもサッカープレーヤー全体の技術向上への意識低下が予測出来る」

 

サエ「私は努力し足掻く者たちの手助けをしたいのデス。秘伝書もそのひとつ。監督もその願いのひとつ」

 

善子、ことり「「……」」

 

こんなことも教えてくれた。

サッカー協会が新たに定めた秘伝書を製作できる必殺技のランク。

つまり、必殺技が威力や便利さによってランク付けされている…ということ

 

 

サエ「世界大会に通用する必殺技を『SS』。その中でも極めて強力な必殺技を『SSS』」

 

善子「…なんかゲームみたいね」

 

サエ「サッカー協会が定めた秘伝書製作ランクは『C』。代表レベルの選手が習得しても使えるような必殺技はないわ」

 

私は興味本位で必殺技のランクを聞いてみた。勝負の裏で必殺技に格付けされていたと知って心に残らないと言えば嘘になる

 

 

サエ「現在。1人技で『SSS』ランクに指定されている必殺技は10」

 

イタリア代表 三浦和葉『ブレイブショット』

イタリア代表 フラム『イジゲンザハンド』

イタリア代表 フィレア『逃走迷走メビウスループ』

イギリス代表 エドガー『エクスカリバー』

ブラジル代表 ロニージョ『スーパーエラシコ』

アルゼンチン代表 テレス『アイアンウォール』

日本代表 黒澤ルビィ『ラストリゾート』

日本代表 黒澤ルビィ『Awaken the power』

日本代表 鹿角聖良『アイスエイジ』

日本代表 津島善子『Deep Resonance』

 

 

善子「って、ほとんど日本とイタリアじゃない!?」

 

サエ「格付けが始まったのがつい最近…大会が終わる頃には更に増えてるはず。そしてわかるでしょ?あなたたち日本は、偶然などではなく実力で。地獄と言われたグループAを勝ち抜き、決勝トーナメントへと進出したのよ」

 

善子、ことり「「……」」

 

サエ「とは言っても、このランク付け…私は意味無いと思いマスがね」

 

『S』や『SS』ランクの必殺技でも"V"や"G"と進化させれば『SSS』ランクの必殺技を超えることも十分有り得る。

技の相性も存在するのだ。

ランクを付けて必殺技を比べるのは性格上あまり好きではないとイタリアの大監督は語る

 

 

サエ「善子さんがシュート技としてもつ『デビルバースト』。あれは本来代表レベルでは使い物にならないはず…しかし、現にあなたはGXにまで極め、ここまで戦ってきた…」

 

善子「『デビルバースト』で決めれてないけどね」

 

サエ「当然。言ったはず、秘伝書の技では世界の戦いには通用しない」

 

善子「……」

 

サエ「あなたはその技を参考に新たな。自分だけの必殺技を作る必要がある…そして、」

 

 

 

サエ「あなたにはその才能がある」

 

善子「…才能?」

 

サエ「何故、敵であるあなたたちにここまで説明したのか…」

 

ゆっくりと善子の元へと近づくサエ。

取り出したのは1枚の紙、いや名刺だった

 

 

サエ「津島善子さん、私はあなたをスカウトしマス」

 

善子「!!??」

 

ことり「す、スカウト!?」

 

善子「イタリア代表に寝返ろって…?」

 

サエ「そんなことはしません。私がスカウトするのはその後、ヨーロッパクラブのユース」

 

善子「ヨーロッパクラブ…」

 

ことり「確か、小原サエさんはヨーロッパのプロチームの監督って…」

 

サエ「黒澤ルビィ、矢澤にこ、綺羅ツバサ…魅力的な選手は多い。しかし、全員伸び代で魅力に欠ける…特に黒澤ルビィは殆ど」

 

サエ「しかし、あなたは違う。この短期間でまるで別人のように…日本の即戦力となるまでに成長した。私はあなたを更に育てたい」

 

善子(……私が、プロユース)

 

 

 

 

――――――

 

 

 

その後、目的を果たした善子とことりは秘宝堂を後にした。

空は既に赤くなり、まもなく夜がやってくる

 

 

ことり「ヨハネちゃんが遠くに行っちゃうと…やっぱり寂しいね」

 

善子「……」

 

ことり「どうするの?」

 

善子は迷っていた。

一見、善子の努力が実を結んだ最高の形でのサプライズ。しかし、

 

 

善子「高二になったらすぐに留学か…」

 

ことり「急には、決められないよね」

 

すごく嬉しかった。サッカーが大好きな自分が、一体どこまでその強さ、大好きを追求できるのか…

それと同時に仲間とのサッカーを、少しでも長く続けたいという気持ちもあった

 

 

善子「まぁ、大会が終わるまでには答えを出すわ。ひとまず今は…」

 

善子「時間的にもう一軒、ショッピングしましょ」

 

ことり「うん!」

 

2人は明かりが灯り始めた街へと消えていく。

今はFFIの試合に集中せねば…

善子はすぐに気持ちを切り替えるのと同時に、少し気になることがあった

 

 

 

善子『秘伝書の技って、どうやって選んでるんですか?』

 

サエ『秘伝書の候補に選ばれた技を持つ選手に申請するのデス』

 

ことり『じゃあ、ヨハネちゃんの『デビルバースト』も…』

 

善子『誰かの…技…』

 

 

 

 

 

善子(誰の技だったのかしら…)

 

 

 

 

 

サエ「……津島善子、やはり魅力的デスね」

 

 

 

サエ(私でもあの技をGXにするのに…かなり苦労した筈なのデスが…)

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

その後、2人は帰路に就いていた

 

 

ことり「たくさんお買い物出来たね♪」

 

善子「こんなにたくさんの荷物…どうやって日本に持って帰るのよ」

 

善子が両手に持つ大量の袋…9割ことりの荷物だと言うことは置いておいて、明日からより一層気を引き締めて練習に取り組まなくてはならない。

何故か、日本が次挑もうとしているチームは世界の絶対的王者だからである

 

 

善子「……あれ?」

 

ことり「え?」

 

 

 

千歌「おーい!ことりさん、善子ちゃん!」

 

善子「ヨハネよ」

 

ことり「どうしたの千歌ちゃん、もう少しで門限だけど…」

 

にこ「2人に頼みがあるわ。監督たちに説教は覚悟の上で外出するって伝えて」

 

善子「はい?」

 

果南「頼んだよ。善子」

 

英玲奈「任せたぞ」

 

千歌、にこ、果南、英玲奈。

怒られると知って外出するほど、馬鹿ではないメンバーもいる…それでも外出しなければいけない理由は何なのか、

 

 

 

それを知るには数時間、遡る必要がある

 

 

 

 

―――――――――――――――

――――――――

―――

 

 

 

日本代表の起床時間よりも前。

自主練でランニングを始めようとしたにこの前に現れたのは…ブラジル代表キャプテン、ロニージョであった

 

 

ロニージョ「久しぶりだね」

 

にこ「…あんた、どうしてここにいるのよ」

 

ロニージョ「そう警戒しないでよ…私とニコの仲じゃん」

 

にこ「なら連絡ぐらい入れなさいよ!親しき仲にも礼儀ありよ」

 

ロニージョ「ジャパニーズ『KOTOWAZA』だね。気をつけるよ」

 

にこ「はぁ……で、なんの用?」

 

一之瀬神奈と同じく、フリースタイルフットボールの世界で親しくなったにことロニージョ。お互いに実力を認め合うライバルでもあり、サッカーを楽しむ友人でもある

 

 

ロニージョ「高海千歌に会わせてくれない?」

 

にこ「…千歌に?」

 

だからこそ。

にこはロニージョの様子がおかしい事にすぐに気がついたのだ

 

 

 

― 数分後 ー

 

 

にこ「…連れてきたわよ」

 

千歌「むにゃむにゃ…」

 

ロニージョ「……」

 

にこ「悪いわね。ウチのキャプテンはこの時間はまだ睡眠時間なの。ガッカリした?」

 

ロニージョ「全然。私たちのチームもこんな感じだよ」

 

千歌「むにゃむにゃ……ん?ん??」

 

ロニージョ「会うのは初めてだね。高海千歌」

 

千歌「ろ、ろろろろロニージョさん!?!?」

 

にこ「今更!?!?」

 

ロニージョが場所を移したいと言ってきたため、少し離れた砂浜に移動していた。

朝方ということもあり、聞こえるのは波の音だけだ

 

 

ロニージョ「話しておきたかったの。準々決勝を戦うキャプテン同士でね」

 

千歌「そ、それは、エールの交換とかですか??よろしくお願いします!!」

 

ロニージョ「よろしくね。サニデイジャパンはガッツと粘りのある強いチームだね。決して楽ではないグループAで戦いながら、その強さを身につけてきた……」

 

千歌「はい!私たちは"ザ・キングダム"にも全力でぶつかっていくつもりです!!」

 

ロニージョ「…ファイティングガール、高海千歌。あなたは大会中にもどんどん進化している…あなたとの対決、楽しみだったけど」

 

千歌「…だった、けど?」

 

にこ「ロニージョ…?」

 

先程まで強者を漂わせる表情をしていたロニージョの雰囲気が、一気に変わった。

嫌な、風が流れた

 

 

ロニージョ「……高海千歌」

 

ロニージョ「私たち、"ザ・キングダム"と"サニデイジャパン"の準々決勝……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ロニージョ「負けて…くれないかな」

 

 

千歌「……ぇ、」

 

にこ「―――!」

 

 

 

南の島は天候が変わりやすい。

 

また新たな、嵐がやってくる

 

 

 




ちゃっかり。サニデイジャパン誰1人として見抜けなかった「ルビィちゃんが成長出来ない」ということをサエさんは見抜いていますね。さすが

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