ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも!ルビィちゃんキャンディーです。
今回のお話は短めです




第3章 121話 「潜入!ガルシルド邸」

 

 

 

 

前回の、輝こうサッカーで!

ブラジル代表キャプテン、ロニージョから八百長を頼まれた千歌。その言葉に違和感を覚えた一行はロニージョに会うためにブラジルエリアへと向かった。

しかし、そこで分かったのはガルシルドの裏の顔。千歌たちはロニージョたちを救うため、立ち上がる

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

果南「千歌、とんでもないこと考えるね」

 

4人は帰路から外れ、再びブラジルエリアに戻ってきていた。

向かう場所はただ1つ。「ガルシルドの屋敷」

 

 

千歌「黒服の人たちは選手のデータをチェックしているって言ってた」

 

英玲奈「ガルシルドの屋敷ならば…そのデータがある。家族を人質にし、選手に限界以上のプレーをさせていた事が公になれば、」

 

にこ「ガルシルドを大会から引き摺り下ろせるってわけね」

 

日は既に沈んでいる。

ガルシルドの屋敷があるのはブラジル街から外れた森の中。それは千歌たちにとって好都合。

闇に紛れ、草木に身を潜める以上に、侵入に適した環境は無い。

 

壁の外側で身を潜め、全員で目標を確認し合う

 

 

英玲奈「証拠を見つけるんだ。だが、壁の向こうにはガルシルドの手下がそこかしこに配置されているはずだ」

 

にこ「…英玲奈。あんたの"エンペラータイム"で範囲内の人間の位置を把握出来ない?」

 

英玲奈「…!その手があったな。やってみよう」

 

早速、英玲奈は地面に手をつけ、必殺技を発動し相手の人数、位置などの情報分析を始めた

 

 

千歌「……」

 

果南「怖い?」

 

千歌「怖い。相手は手段を選ばないって事が分かってるから尚更…」

 

果南「じゃあ、やめる?」

 

千歌「やめない」

 

緊張、恐怖に体は重くなる。

それでも千歌の目は死なない。

ロニージョたちのサッカーを取り戻すため。サッカーを本気で楽しんでもらうため

 

 

英玲奈「…分析完了だ」

 

英玲奈「敷地内に5人。屋敷内に10人だ。門番は2人。門からの侵入は不可能。隙を見てここから侵入するしかないな」

 

にこ「便利ね…あんたの技」

 

転機はすぐに訪れた。

敷地内を巡回する警備員が屋敷内に戻っていくのだ。英玲奈は必殺技を発動しながら言う

 

 

英玲奈「…巡回の交代だな。行くなら今しかないぞ」

 

果南「じゃ、あの木を使お」

 

果南が指さすのは太い枝が伸びた木だった。

あの枝を利用すれば壁を簡単に越えられる。

怖気付いてなどいられない。千歌たちは覚悟を決め、作戦を実行に移す

 

 

千歌「うわ…ホントに警備員がいない」

 

英玲奈「見つからないように急ぐぞ」

 

壁を越えたら屋敷へと走る。

英玲奈が走る先には1つの窓があった。

この部屋が警備員が集まる部屋から1番離れているのだという。

早速屋敷への侵入を図る…が、

 

 

千歌「ぐぬぬぬぬ……開かな…い!!!!」

 

にこ「当然、鍵はかかっているでしょうね」

 

果南「………」

 

英玲奈「どうするか」

 

千歌「並大抵の力じゃ開けられないよね」

 

果南「………」

 

にこ「くっっ…私たちにそんな怪力…」

 

果南「………」

 

千歌、英玲奈、にこ「「「………」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

『侵入者ですっっ!!!!!!』

 

 

にこ「でしょうね!?!?」

 

果南「てへ♪」

 

英玲奈「開け方が強引過ぎたな…」

 

防犯ブザーのような不快な音が屋敷内に響き渡る。形はどうであれ侵入成功。いや、成功なのか?

警備員はすぐにこの部屋へと向かってくるであろう

 

 

英玲奈「走るぞ。早くデータベースに繋がるコンピュータを探そう」

 

迷わず部屋を飛び出し、屋敷の廊下を駆け回る4人。

しかし、相手は大人。すぐに見つかり捕捉しようと追いかけてくる

 

 

「待ちなさいっっ!!」

 

にこ「ちょっと…このままじゃ捕まるわよ!?」

 

英玲奈「…真正面からでは勝てないな」

 

大人。しかも雇われた警備員。

いくら自分たちが代表選手だとしても、体格差で不利な部分がある。

力で勝てないのならばーーー戦術

 

 

英玲奈「私は現在進行形で"エンペラータイム"を発動している。警備員の動きや内部構造はゲームのように把握している」

 

「「「!!!!」」」

 

英玲奈「よく聞いてくれ。私の指示通りに全員散ってくれ。スピードと力では劣るが、体力と連携なら私たちが有利だ」

 

果南「体力なら負けないね」

 

にこ「試合みたいに応えてみせるわ」

 

千歌「英玲奈さん!!指示を!!」

 

距離は確実に縮めている。

このまま追いかけ続ければ確実に侵入者を仕留められる…警備員たちがそう考えた時だった

 

 

英玲奈「今だ!!」

 

「4方向に散った!?」

 

捕まると分かって別れるつもりなのか。

結局最期は全員捕まるのに無駄な足掻きを。

警備員たちも4方向に別れ、1人も残さず追いかけた

 

 

千歌「ハァハァ…!!」バツ

 

警備員「オレンジ色のガキっっ!今すぐに止まれ!!」

 

千歌「ミカン!!!!!!」

 

 

果南「ーーー!」バツ

 

警備員(左右に曲がって逃げ切る気か…させない!!)

 

 

にこ「ーーー!」バッ

 

警備員(チビの癖にタフだな…)

 

走り始めて数分が経過した。

捕らえた人数は未だに0。

さすがの警備員たちも違和感を抱き始めていた

 

 

警備員((追いつけない!?!?))

 

 

千歌たちが変わったのではない。警備員たちの体力が減る一方、千歌たち4人はこの程度ではバテたりなどしない。

疲労が溜まれば冷静な判断が出来なくなる。その答えはこのあとすぐに分かることとなる

 

 

千歌「曲がり角!!」カクン!

 

警備員「くそ!!」

 

 

にこ「こっちよ!」カクン!

 

警備員「舐めやがっ…」

 

警備員「「!?!?」」

 

死角からーーぶつかーーー

 

ドガッッッッ!!!!!!

 

全力疾走で激突した警備員らのダメージは計り知れない。身動きが取れないことを確認した千歌とにこはその場からすぐに走り去った

 

 

千歌「大成功!!」

 

にこ「果南と英玲奈と合流するわよ」

 

一方、果南と英玲奈も同じく警備員の撃退に成功。

走り回っている間に怪しい部屋を見つけたというのでそこへと向かった。

鍵がかかっていたが、そんなこと関係ない

 

 

 

ーーードガッッッッ!!!!

 

果南「なんか不本意だなぁ…」

 

英玲奈「…ビンゴだ。情報室だ」

 

巨大な機械に何台ものパソコン。

情報があるとしたらここしか無かった

 

 

「情報室…まさか!?」

 

千歌「英玲奈さん!!近づいてきます!」

 

果南「私に任せて」

 

にこ「果南の力なら扉を抑えられるわ!」

 

英玲奈「…もっといい方法がある」

 

 

 

 

 

「くっ…向こうから固定されたかっっ!!」ガチャガチャ

 

ガルシルド邸の扉は全て押したり引いたりするものである。ドアノブではなく、掴む取っ手があるもの…その扉の場合、力を使わずに簡単に固定できる方法がある

 

 

果南「デルフィナス・トリアイナをドア固定に使うなんて……」

 

にこ「これでヤツらは入って来れないわね。英玲奈!」

 

英玲奈「あぁ」カチャカチャ

 

固定したとは言え、増援を呼ばれては敵わない。英玲奈はすぐにデータのコピー作業に取り掛かる。余裕は決してない

 

 

千歌「どうやって脱出するの?」

 

果南「強行突破しかないよ…」

 

にこ「強行突破なら、千歌の出番よ」

 

英玲奈の高速かつ正確な操作によってコピーはすぐに終了。

あとは脱出するのみだが…

 

 

「逃げられませんよ。開けなさい!」

 

 

ーーガチャ

 

 

千歌「……」

 

部屋から現れたのは千歌1人。

不思議にも千歌の足取りは軽く逃げようとする気配もない。

観念したのかーーーそれともーーー

 

 

 

チカ「 邪 魔 だ か ら 」

 

「(このオーラ…まさか闇のーーー

 

 

チカ「【ストームゾーン】!!」ゴオォォ!

 

「「「ぐわあぁぁぁぁ!?!?!?」」」

 

闇の力で巻き起こす暴風。

大人でもこのパワーには耐えられない。

残りの3人が隠れていたのは巻き添えを喰らうのを避けるためだったのだ

 

 

果南「うわー…派手にやったね」

 

英玲奈「急ぐぞ」

 

このまま進めば出口に直行できる。

追っ手もまだ立ち上がれていない。これでロニージョたちは救われる!!

 

残りの力全てを出し切る気持ちで走る4人。

勝利を確信し十字路を突っ切ろうとしたーーー

 

 

 

サエ「あなたたち…」

 

 

 

千歌「ーーぇ、」

 

にこ「!?」

 

果南「は??」

 

英玲奈「!!!!」

 

 

小原……サエ??何故、ここに??

 

 

にこ「な、なんであんたが…」

 

果南「ガルシルド…小原…まさか!?」

 

最悪の考えが頭をよぎった。

この島を作ったのはガルシルドと小原グループ。ガルシルドに裏の顔があるならば、繋がっている小原家はーーーー

 

 

にこ「まさか…あんたも関わって!!!!」

 

千歌「それしか、ないよ」

 

サエ「……」

 

捕まえようとする気配は無い。

しかし、この場にいるということは敵には変わりない。英玲奈の指示で全員が我に返る

 

 

英玲奈「急げ!逃げられなくなるぞ!!」

 

 

千歌「……これが、」

 

千歌「あなたのサッカーなんですか?」

 

サエ「………」

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

敷地内まで逃げ出した4人。

警備員が近づけば千歌の必殺技で吹き飛ばし、英玲奈の必殺技で状況を把握。

侵入した壁まで戻ってきたのはいいのだが…

 

 

果南「ダメだね、完全に撒いてないよ」

 

英玲奈「このまま自動車を使われたら追いつかれるな…」

 

千歌「じゃあ、森に逃げ込んで「その必要はないぞ!!」

 

「「「!!!!!!」」」

 

壁の外側から声がした。

よく見ると1台の車が止まっている。

声は男性、まさか先回りされたのか…

万事休すかと思われたが…千歌だけは違った

 

 

千歌「……ん?あれ!?」

 

にこ「千歌…?」

 

千歌「あ、あなたは!!」

 

「早く乗りな!追いつかれるぞ!!」

 

 

 

 

千歌「ラーメン屋の大将!?!?」

 

果南、にこ、英玲奈「「「ええぇぇ!?!?」」」

 

大将「へへっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルシルド「…!?データを盗まれた!?」

 

「RHプログラムの方は無事だったのですが…例のデータが、」

 

ガルシルド「むぅ……」

 

 

 

――――――

 

 

 

大将の車でブラジルエリアを脱出した4人。

追っ手が来る気配は無く、完全に逃げ切ったと分かった途端。心臓が爆発するように動き始めていた

 

 

千歌「…い、今になってドキドキしてきた」

 

大将「嬢ちゃんたち無茶するなぁ…」

 

英玲奈「だが、何故あなたはあの場所に?」

 

大将「…嬢ちゃんたちがブラジルエリアに向かうところを見てな。様子がおかしかったから追いかけてきたんだ」

 

千歌「え、じゃあお店は??」

 

大将「大丈夫!店番を残してきたからな!」

 

英玲奈(…本当にそれだけか?)

 

間もなく日本代表の宿舎へと到着する。

このデータがあれば、ロニージョたちを支配する魔の手を払うことができる

 

 

大将「嬢ちゃんたちは…もしかするととんでもないことに首を突っ込んでしまったかもしれないなぁ…」

 

 

 

 

 

ー 日本代表宿舎 ー

 

 

美奈「これで、分かったわね」

 

希「はい」

 

月「うーん…やっぱりね」

 

希「情報を漏らした裏切り者は―――

 

 

 

 

――――――あんたやね」

 

 

 

 





次回は前に立てましたフラグ、裏切り者の回です


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