ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
皆さん、どうも!ルビィちゃんキャンディーです。
今回は記念すべき輝こう200話なんですが、なんとも暗い内容…タイミングぐらい考えてくれよ…
月「花陽ちゃんとルビィちゃん、ね」
月は自分のスマホを片手に2人の名前を呟いた。
確かにリスクを少なくするならばスマホでの情報送信が一番であろう。
しかし、スパイがスマホを使用していたのかはハッキリとは言えない。全て希の想像であり、それだけで花陽とルビィを怪しむのには無理があった
希「無理があるのは分かってる。でも不思議なんよ」
真恋「不思議?」
希「ルビィちゃんにスマホが壊れた理由を既に聞いたんやけど…教えてくれないんや」
――――――
翌日。
希と月はルビィの行動の観察、そしてスマホが故障した原因を探るため動く事にした
美奈「プレスかけてー!奪えるわよ!」
ルビィ「【イグナイトスティール】」ズザーッ
善子「ヤバっ!?取られた!!」
いつものように練習に取り組むルビィ。
善子からスライディングで奪い取ったボールをそのままドリブルでカウンターに移している。
サッカーの技術で見ると改めて思う。
黒澤ルビィのサッカーセンス。FWでありながら、ディフェンスの技術も高く、小柄な少女からは想像も出来ないような動きと力を魅せる。小柄だからと油断しその炎に焼かれ、返り討ちにあった選手はたくさん見てきた。
しかし何故、ここまで黒澤ルビィという少女は強いのか
真姫「気になってる…って顔ね」
月「真姫ちゃん」
ルビィを目で追っていたことに気づいた真姫が話しかけてきた。
動揺することは無い。同じポジションとして、エースストライカーのプレーを観察していたと言えば不審なことは何も無い。
多少、その事も意識しながらルビィを見てはいたのだが、
真姫「ルビィの体…筋肉を触ったことはある?」
希「ウチはワシワシで」
真姫「希は黙ってて」
希「…」
真姫「あの子の筋肉…目で見る限りではあまり目立ってないように見えるわ。でも、皮膚の裏に隠された真実に…私は正直言葉を失ったわ」
―――ルビィのリハビリを全国大会後からサポートしていた真姫。何度も筋肉や能力に触れる機会があった。
そこで分かったことは、ルビィの足は鞭のようにしならせ、銃のように一点にパワーを凝縮させる、その両方に長けていることだった
真姫「海未の得意とする正確無比なシュート、そして高速移動は柔軟な筋肉、鞭のように伸びる足によるものよ」
真姫「パワーは果南ね。特定の筋肉…果南なら腕にエネルギーを集めることにより、より最高のパフォーマンスを発揮することが出来る」
月「体の使い方の違いだね。それによって自分の特技を伸ばすことが出来る」
真姫「その両方に長けているのがルビィよ」
"ラストリゾート"はそれゆえルビィの真骨頂と言える。
繊細な爆弾オーラを足で捌きあげる柔軟な技術。そしてそれを蹴り放つ圧倒的なパワー。
全てが揃わなければあのシュートは撃てるはずが無い。
だからこそ。疑問に持つのだ。
ルビィの"才能"。とだけで見ていいのかと
月「もちろん、才能があってもにこさんや穂乃果ちゃんみたいに努力しないと意味は無いよ」
真姫「そう。だから気になるのよ。あの才能、どれほどの努力であそこまで高めたのか…」
希「…並大抵では無い事は、確かやね」
以前、浦の星女学院のメンバーにルビィの自主練について聞いたことがあった。
それぞれがいろいろな話を聞かせてくれだが、全員が共通して口にしたことがある
月「"ルビィちゃんの努力は尋常じゃない"」
あの『Awaken the power』を中学生の時点で完成させていたと聞いた時は耳を疑った。
誰の助けも無く、強くなろうとする執念のみで究極へと登り詰めた程の努力…ならば、今はどうなのか?
真姫「あれほどの技術を維持するにはかなりの練習が必要よ。自主練をしなきゃ絶対に足りないわ」
ルビィは早朝に自主練を行っているという。
真姫は自主練をしなければ足りないと言ったが、ルビィは日本代表メンバーの中でも練習を特に本気でこなす選手である。
濃い内容を毎日サボらずにやり遂げるため、人一倍の練習効果があるはずだ。
しかし、ここで問題になってくることがある
真姫「朝の自主練+全体練習は今の実力維持…考えてみて。ルビィが実力維持のためだけに練習すると思う?」
月「いや、さらに強くなるためにそれ+αで練習するね」
真姫「そうなのよ…要するに、影で隠れて練習してるんじゃないかって」
真姫が心配しているのはルビィのオーバーワークだった。朝の自主練+全体練習にさらに練習を付け加えたら流石にやり過ぎにも程がある。
真姫は無茶はやめろと何度も警告したが、ルビィの性格上やらないはずがなかった
希「じゃあ、月ちゃんはルビィちゃんを任せちゃおっかな。ウチは花陽ちゃんに聞いてみるわ」
月「それが良さそうだね」
真姫「何の話?」
月「練習の打ち合わせだよ」
一旦解散し、練習を再開することにした月と希。しかし、月には1つ疑問が残った
月(真姫ちゃんは実力維持って言ったけど…あれぐらい自分を追い詰めた練習するルビィちゃんだもん、朝の自主練+全体練習で実力は上がっていいはずなんだ…)
月(なのに何でだろう…ルビィちゃんの目立った進化を見た記憶が無い…気がする)
――――――
その日の夜。
消灯時間は既に経過した今現在、月はとある理由から外へと出ていた。
きっかけは廊下から聞こえた物音だった。
扉が閉まるような低い音。この時間に部屋から出るということは…何かがある。
月はすぐに部屋から出たであろう影を追った
月「裏の林の方に行ったのかな…」
グラウンドにはいない…人の声は宿舎の裏から聞こえる。
誰なのかはだいたい見当はつくが、一応念の為に正体を突き止めることにした
ルビィ「月…さん?」
月「ルビィちゃん。こんな時間まで練習?」
そこには予想通り、黒澤ルビィの姿が。そして―――
理亞「なんで月がいるのよ…」
月「うーん、君たちの担当医師に頼まれて…かな」
目的はルビィのスマホの故障原因を突き止めること、そして過度な自主練を控えさせること。
何故そこまで自分に負荷をかけるのか…ルビィからは予想もしなかった答えが返ってきた
月「進化…出来ない??」
ルビィ「…うん」
その話は耳を疑う内容だった。
中学生時代に強さを求め続けたルビィ。その結果、誰にも負けない究極の力を手に入れた…おそらく、「Awaken the power」であろう。
しかし、それを最後に新たな必殺技。更なる高みへと繋がる力を得ることが出来なくなった。誰よりも早く、自分の限界へと辿り着いてしまったのだ
月「中学時代までは最強だった…でも、時間が経つにつれてほかの選手との差がどんどん縮まってきて…」
理亞「いつか自分の限界、『ラストリゾート』をも追い越されるんじゃないかって」
月「それで"最後の柱"か…」
日本のエースストライカーは「ラストリゾート」以上の必殺技を作れない。
勝利に人並み以上のこだわりを持つルビィからしてみれば、自分の最悪な弱点にして、汚点である
ルビィ「でも、諦めきれなくて…こうして夜に練習してるんです」
月「でも無理したら元も子もな……ん?」
偶然、視界の中に入った四角い物体。
月の真の目的であるスマホがそこにあった。
だがルビィのスマホは壊れているはず…理亞のスマホでもない。では誰の…
ルビィ「お姉ちゃんのスマホを借りてるんです。自分のプレーの撮影用で」
理亞「この前みたいに潰さないように気をつけなさいよ?」
月「潰す?」
理亞「ルビィ。ラストリゾートで木を倒したと時にスマホを下敷きにしちゃったのよ」
月「スマホを下敷き!?」
ルビィ「お姉ちゃんとかに壊れた理由を聞かれたけど…夜の自主練がバレて怒られると思って…」
月「だから壊れた理由を話すのを躊躇ってたのか」
「ラストリゾート」で木を倒すとかは置いておいて、今の話でスマホの故障は全て辻褄が合う。
つまりルビィは白。
思わぬ形でエースストライカーの悩み(かなりの大問題)を聞けたが、その事に関しては自分もサポートするから過度な自主練は止めてくれ。ということで話は終わった
月「そう言えば、理亞ちゃんは何でこの時間に?」
理亞「私も理由は同じよ。自分の限界を超えるためよ」
理亞らしいといえば理亞らしいが、ひとまずサニデイジャパンの戦力2人をオーバーワークによる自滅で失う訳にはいかない。
真姫に言わない、ほかのメンバーにも言わないという条件で夜の自主練を禁止とすることが出来た
月「まぁ、ラストリゾート以上の必殺技は作る必要はあまり無いと思うけどなぁ…」
それもまた、ルビィのプライドが許さないのだろう。月は夜深まる空を見ながらそう呟いた
―――――――――
その後も、決定的な証拠を掴めないままアメリカ戦が始まった。
結果は4-2と無事に勝利。たくさんの収穫もあり、次のブラジル戦、万全の状態で挑めると思っていた…
美奈「希ちゃん、月ちゃん。ちょっといいかしら?」
希、月「「??」」
美奈に呼び出されるということはまた新たな指示が定期報告のどちらかである。
今回はおそらく前者。状況が乏しいことは美奈自身も理解しているはずだ。
しかし、今回の指示は今までとは全く違う内容であった
美奈「これ以上の捜査はあなたたちの負担を積み上げるばかりよ。調べてきてもらった事を踏まえて判断した結果、これを使うことにするわ」
真恋「パソコンにある機能を加えるわ。消去した履歴を再生するもの…」
月「さ、再生!?」
真恋「…と見せかけたダミープログラム」
希「ダミーなんやね、」
それをパソコンにわざと目立つように組み込む。そしてそのダミープログラムを2種類用意する。何故、2種類なのか
真恋「ここまでスパイが特定出来ないとなると…外部からのハッキングも有り得るわ」
外部から偽の履歴を日本代表のパソコンに残す。そうすることによりサニデイジャパンは内部崩壊を始める…ということだ。
美奈が捜査をこれで終了したいという理由として、これが一番大きかった
真恋「明日、このプログラムが消されていれば外部からのハッキングと見て間違いないわ」
月「なるほどね。ダミープログラムが消えているか消えていないかで犯人を特定するんだね」
希「じゃあ、なんで2種類?」
美奈「同じことをあの子にもするのよ」
希、月「「!!!」」
あの子。2人が捜査していく中でアリバイを証明できず、最もスパイの疑いをかけている少女がいた。
その少女とは葉石晴夏だった。
実は月は晴夏のことを追加代表合流時から気になり詳しく調べていたのだという。
そこからわかったことは…
月「…なかった」
希「なかった…?」
月「経歴が不明なんだよ。ヨーロッパの方にいたった言ってたけど…晴夏ちゃんのことは僕は全く知らなかった…代表になるぐらいの選手を知らないはずが無いんだ」
美奈「…あの子はサッカー協会から追加代表として合流させろという指示があったの。実力は充分だったから私は快く受け入れたけど…」
希「…怪しい、ね」
月「過去のこと不明。スペイン戦から合流。やってみる価値はあるんじゃないかな」
以上により、2つ目のダミープログラムの消去有無で晴夏の正体を見極める。
ダミープログラムAが消されれば外部からの。
ダミープログラムBが消されれば晴夏の。
これで全ての準備は整った
希「晴夏ちゃんにはウチが言っとくわ」
真恋「感ずかれないようにね。希ちゃんなら大丈夫だと思うけど」
美奈「明日の夜にもう一度このパソコンを確認するわ。そこで、結果は分かると思うわ」
例えどんな結果であろうと答えは出る。
この作戦に踏み切ったのは月と希の陰ながらの奮闘があってこそ。
無実の仲間を疑うわけにはいかない。そしてサニデイジャパンのメンバーには何の不安もなくサッカーをしてもらいたい。
そして、次の日の夜がやってきた
美奈「これで、分かったわね」
希「はい」
月「うーん…やっぱりね」
結果。ダミープログラムが消されていたのは
外部から分かるように設置したAだった
月「外部か…それはそれで面倒だけどね」
希「そうやね。でもよかったわ…これではっきりとした。情報を漏らした裏切り者は―――
――――――あんたや」
そう、言い放った。
パソコンに向かってでは無い。
希が見る先には1人の少女、その少女を希は…睨みつけていた
希「月ちゃん」
月「……ん?え??」
希「……」
月「ははっ、希ちゃん冗談言わないでよ〜びっくりしたじゃん!ははは!」
月「ははは…はは、は……」
月「…………」
希「……」
美奈、真恋「「………」」
月「…………ふう、」
月「 な ん で 分 か っ た の ? 」
最後の月ちゃん絶対悪い顔してるやん…