ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも!ルビィちゃんキャンディーです。
前回はスパイが分かったところで終わりましたが、一応豆知識を。

スパイの子の2つ名に注目してください。とある神話ではこの名は「汝悪しき神なり」と呼ばれていました。つまりこの2つ名の時点でスパイ確定だったんですねー。

それでは本編始まります





第3章 124話 「月詠」

 

 

 

 

 

いつものように笑う少女。

だが、それは顔の一部分の話。

 

今までに見たことも無いような不気味な目と圧力により、希は突然冷や汗が滲み出るような感覚に囚われていた

 

 

月「あーあ、上手くやってたと思ったんだけどなぁ…」

 

希「……(雰囲気がまるで違う)」

 

月「いつから疑ってたの?」

 

希「最初からや」

 

希と月。2人だけが美奈に呼び出され、裏切り者を探し出して欲しいと言われた時。

希は既に確信していた。

 

美奈は…私に月がスパイだと証明してくれと。

 

少し調べればほかのメンバーのアリバイなどすぐに分かる。英玲奈や海未など、戦力となるメンバーを捜査に誘わなかったのは、月がスパイだと希に強く強調するため。

希はその意図を完璧に理解していた

 

 

月「なら最初からダミープログラムで僕をはめればよかったのに」

 

希「最初からやってたら月ちゃんのことや。確実に感ずくやろ?」

 

月「そうだね。じゃあ、今までの捜査は…」

 

希「スパイの証拠探しと気を逸らすためや」

 

希がスパイでないメンバーを手当り次第に調べていけば、希はスパイが月だということが分かっていないのだと。

そういう認識を月に埋め込んだ。

さらに調べ続けスパイ疑惑のメンバーを絞り込めば、ダミープログラムを仕掛けても何も違和感は無い

 

 

希「スパイがスマホを使っていた…という考えは最初から持っていたんや」

 

希「でも、それも感ずかれたくなかったから途中まで月ちゃんには黙ってたんや」

 

月「…じゃあ、」

 

 

希『ヨハネちゃんたちはいつも何のゲームをしてるの?』

 

善子『モン〇トよ。コラボが毎月のように来るから周回が忙しいのよ』

 

希『フレンド機能でマルチしてるん?』

 

 

月「あの会話も…わざとか」

 

希「月ちゃん、モン〇トやってるよね?」

 

あの時、最大の疑問であった「スパイはどうやって英玲奈たちとミーティングルームへ行くタイミングをずらしていたのか」。

それは全て善子のゲームが教えてくれた

 

 

希「フレンドリストの中にもう1人、気になる名前があってな。"Pān"というユーザーや」

 

月「……」

 

希「普通のユーザーに見えるんやけど、どうしても気になってね。だってPānは古代ギリシャ語で"パーン"。羊飼いと羊の群れを監視する神やな」

 

希「そしてフレンドに設定しているキャラは『アルカディア』」

 

希「もう自分から答えを言ってるようなもんやない?」

 

月「まさかそれだけで分かっちゃうなんてね」

 

希「パーンは女神に魅力されて理想郷アルカディアに連れていかれた…その女神の名は」

 

 

希「セレーネ。月の女神やね」

 

月「それで僕がモン〇トをやっていると」

 

希「楽しむためにやるよりも…大事な事があったんやろ?」

 

希「フレンドのログイン時間を監視するという」

 

モン〇トの機能として、フレンドのログインした時間を表示するというものがある。

現在進行形でログインしているユーザーは「0分前」と表示される。

月はそれで善子や英玲奈のログイン時間を把握。「0分前」の時にミーティングルームへと向かい、パソコンを利用していたのだった

 

 

希「全く関係ない名前にすれば気づかれなかったのに…完全に失敗やったね」

 

月「……」

 

希「ウチがスマホの話を出した時もそうやった。月ちゃんはまるで自分を真っ先に選択肢から外すかのようにスマホを見せつけてきた」

 

希「だからウチは花陽ちゃんを調べたんや」

 

 

 

 

 

花陽『スマホ…ですか?』

 

希『そうや。マネージャーと連絡を取り合う時に大丈夫かなって心配になって』

 

花陽『そ、そうですよね…ごめんなさい、私の不注意で』

 

希『…そう言えば、スマホに保存されていた写真は無事だったの?』

 

 

 

 

月「…写真?」

 

希「花陽ちゃんはマネージャーとしてウチらの毎日をたくさんの写真に収めてたんや。その中に、月ちゃんをスマホ故障リストに加える決定的な証拠があったんや」

 

そう言うと希は2枚の写真を月に見せた。

1枚はアジア予選の時…まだ日本にいた時の写真。

もう1枚はイタリア戦後の写真

 

 

希「月ちゃんのスマホ。変わってるよね」

 

月「極力見せないようにしてたんだけどね…まさか、写真とは」

 

誰にも気付かれずに月のスマホは変わっていた。これだけでもスパイがリスクを冒してミーティングルームのパソコンを使う理由が証明出来る。

アジア予選まではスマホを使用していたが、何らかの理由でスマホが故障。止むを得ずパソコンを使用し、新たなスマホを手に入れたところで使用を中止した

 

 

希「これで月ちゃんの行動は全て丸裸ということや」

 

しかし、これだけでは偶然ということで話が終わってしまう可能性もあった。

何か決定的な、その場で誰が見ても犯人だと分かるような何かが欲しかった

 

 

月「それでこのダミープログラムか」

 

希「外部からのハッキングはAというのは嘘や。Bも晴夏ちゃんには教えてない」

 

月「…つまり、僕がAを選んだ時点でゲームオーバーだったってわけか…」

 

最初から月は自分がスパイである証拠集めを手伝わされていた。そう考えると笑ってしまうのも無理は無かった。

まるで答え合わせをするかのように淡々と語った希。目の前で笑う裏切り者は何を思い、何をしてきたのか…

 

 

希「本題や。月ちゃんはいつから情報をイタリアに流していたんや?」

 

月「僕が日本に戻ってきてからだよ」

 

希「何の情報を流したんや?」

 

月「…」

 

希「なんで…スパイなんてやって…」

 

月「……」

 

 

 

月「千歌ちゃんを守るためだよ」

 

 

 

 

 

千歌「私を…守る…」

 

「「「!!!!」」」

 

 

美奈「千歌…!」

 

真恋「ちょっと千歌ちゃん!?今までどこに…」

 

千歌「なんですか…スパイって」

 

扉の前にいたのは門限を過ぎても戻ってこない高海千歌だった。

突然の帰宅に驚いたが、それ以上に耳を疑わなければならないのが…月の言葉だった

 

 

月「そのまんまさ。僕はイタリア代表のスパイ。日本代表の情報をあっちに送ってた」

 

千歌「そんな…なんで、」

 

希「さっきのはどういうことや?千歌ちゃんを守るって…」

 

月「それら全てを知りたいのなら先に、千歌ちゃんたちが持って帰ってきた情報を…知るべきだと思うよ」

 

千歌「!!!!」

 

 

 

 

――――――

 

 

 

サニデイジャパンのメンバー全員がミーティングルームに集められた。

議題はブラジル戦に向けてでは無い。その裏に隠れていた闇。

千歌たちが持ち帰った情報を全員で共有することとなった

 

 

英玲奈「…」カチャカチャ

 

英玲奈はパソコンでガルシルド邸から持ち帰ったデータをモニターに写す

 

 

真恋「これって…!?美奈……」

 

美奈「……あなたたち、とんでもないデータを取ってきてしまったみたいね」

 

千歌「とんでもないデータ??」

 

美奈「ええ。ここにあるのはガルシルドが世界征服を企んでいる証拠よ」

 

千歌「……え?」

 

「「「!!!!???」」」

 

果南「世界、征服??」

 

善子「そんな漫画みたいな…」

 

ダイヤ「どういうことなんですか?美奈さん」

 

美奈「…油田よ」

 

油田とは石油の元となる原油を掘る場所のこと。

FFIを主催し、大会委員長でもあるガルシルドはブラジル代表 ザ・キングダムの監督だけではなく、世界にいくつもの油田を持つオイルカンパニー社の社長でもある

 

 

美奈「飛行機や自動車、石油は現代社会には欠かせないエネルギーよ」

 

 

穂乃果「なんか授業みたいだよ…」

 

海未「最後まで聞くんですよ!」

 

 

美奈「ガルシルドはその原油をおさえることで今まで世界に大きな影響力を与えてきた。でも、その油田が枯れかけているの」

 

聖良「枯れかけている!?」

 

真恋がパソコンであるデータを映し出した。

ガルシルドの油田から産出される原油量の推移を示したものである

 

 

ツバサ「…凄い勢いで減っているわね」

 

善子「ピーク時の1/4もないわよ?大丈夫なのこれ…」

 

美奈「原油が取れなくなるのは時間の問題。そしてこれが…」

 

 

「「「!!!!??」」」

 

花陽「な…これって…」

 

にこ「何よ、これ」

 

美奈「最近買収した軍事関連企業の兵器の生産計画。どの兵器も製造数が5倍に引き上げられているわ」

 

曜「そんなに兵器を作って…どうするんですか?」

 

果南「戦争とか始めちゃうとか」

 

ダイヤ「果南さん…冗談でもそれは…」

 

美奈「その通りよ」

 

「「「!!!!!!」」」

 

ガルシルドは戦争を引き起こそうとしている。戦争をするのに石油は欠かせない。

もし今戦争が起これば、どの国も限られた量の油田を奪い合い、石油の価格は一気に高騰。枯れかけた油田も莫大な利益を得ることが出来る。

さらに、兵器を自らが供給すれば世界を征服したのも同然

 

 

美奈「…ガルシルドがFFIを開催したのは参加各国を互いにいがみ合わせるため。その証拠も揃っているわ」

 

海未「まさか、FFIの裏にそんな事情があったとは…」

 

果南「何が私の愛するサッカーで世界を救うだよ…全く反対じゃん!!」

 

理亞「ガルシルドって大犯罪者ね」

 

 

にこ「…ねえ、ガルシルドがこの計画を企んでいるのよね」

 

英玲奈「そうなるな。私たちあの屋敷…っ!?」

 

にこ「英玲奈も気づいた?」

 

千歌、果南、にこ、英玲奈。

この4人がガルシルド邸に潜入した時。

その場で会うとは考えも見なかった人物がいたという事実

 

 

にこ「ガルシルド邸にイタリア代表監督、小原サエがいたの」

 

「「「!!!!」」」

 

美奈、真恋「「!!!!」」

 

月「…」

 

FFIを開催したのはガルシルドとオハラグループ。ガルシルド邸にサエがいたことと考えると…裏で繋がっている可能性は充分考えられる

 

 

善子「ち、ちょっと待ちなさいよ。あの人がそんな…世界征服なんて」

 

にこ「なんで大犯罪者の可能性がある人なんかに肩入れするのよ?善子」

 

善子はつい先ほどサエと会ったばかり。

その時のサエからはサッカーを利用した犯罪を企むような人間には見えなかった。

不安はもちろんあるが、サエを信じたいという気持ちも捨てきれない善子がいた

 

 

ことり「サッカーが、大好きな人だと思う。そんな人がこんな…」

 

美奈「……」

 

にこ「ならそれも全て喋って貰いましょ。イタリアのスパイに」

 

「「「スパイ!?」」」

 

月はイタリア代表のスパイだった。

突然の事実に理解できないメンバーがほとんど。

そしてそんな不安定な中でも考えてしまう最悪な予想。

 

月もオハラグループと、ガルシルドと繋がっているのではと

 

 

ツバサ「サニデイジャパンのデータがガルシルドにも渡ってたら…ブラジル戦、私たちには勝ち目ないでしょうね」

 

梨子「そんな…!!まだ月ちゃんがガルシルドと繋がっていると決まったわけじゃ…」

 

 

 

千歌「…私は、信じたいかな」

 

梨子「千歌ちゃん…」

 

ツバサ「何故?何か理由はあるのかしら?」

 

千歌「月ちゃんが言ったんだ。私を守るためだって」

 

聖良「千歌さんを守る…?」

 

その言葉に、嘘は感じられなかった。

それ以前に月はサニデイジャパンのメンバーとして。ここまでたくさんのチャンスを作り、たくさんの貢献をしてくれた

 

 

千歌「曜ちゃん、月ちゃんが言ってたよね?私たちとサッカーがしたかったんだって」

 

曜「うん。代表初招集の時に」

 

千歌「理亞ちゃん。月ちゃんのサポートが無ければ、ATPは完成しなかったと思うんだ」

 

理亞「……そうよ。月がいなきゃ成長なんて出来なかった」

 

千歌「ツバサさんも。コズミックブラスターで月ちゃんの本気、感じましたよね?」

 

ツバサ「そうね。執念が伝わってきたわ」

 

 

千歌「今までやってきた事に…嘘なんて無いんだよ!!」

 

月「…!」

 

千歌「私たちを騙しながらのサッカーじゃ、あんなサッカーは出来ないよ!!」

 

千歌「…みんなで信じようよ。仲間なら、同じ、サニデイジャパンなら」

 

「「「…………」」」

 

 

月「ありがとう。千歌ちゃん、君は本当に太陽だよ」

 

千歌「月ちゃん…」

 

月「確かに、僕が影でやっていた事はみんなのことを裏切る事だと思う。だけど、これだけは言わせて欲しい」

 

 

月「僕は…このチームが大好きなんだ」

 

 

そこから、月は聞かれた質問に答えることとなった

 

 

月「…僕がイタリアに流していた情報は千歌ちゃん、そして穂乃果ちゃんの"闇の力"についてだよ」

 

穂乃果「闇の力!?」

 

月「観察報告…と言った方がいいかな。だから日本の選手のデータや戦術は何も送っていないんだ」

 

英玲奈「何故、闇の力の観察報告など…」

 

月「………ごめん、それはまだ言えないんだ」

 

英玲奈「言えない?」

 

希「誰かに口止めされてるんやな」

 

月「…サエさんに、言われているんだ」

 

サエの指示は「高坂穂乃果と高海千歌の闇の力の観察報告をすること」。

しかし、その理由はまだ話せないという。

ただ言えることは月はサニデイジャパンのFFI敗退を狙っている訳では無いといこと

 

 

月「僕は試合に出れなくてもいい。だけど信じて欲しいんだ。サエさんは…そんなことをする人じゃないって」

 

美奈「…それに関しては私も同感よ」

 

にこ「監督!?」

 

海未「美奈監督もオハラ監督を信じるのですか?」

 

真恋「そうね。サエを信じてあげられるのは…私たちぐらいしかいないもの」

 

千歌「私、たち?」

 

美奈「……」

 

美奈「サエは、私たちと同じ。音ノ木坂学院サッカー部だった」

 

「「「!!!!!!」」」

 

美奈「あの子は人一倍にサッカーへの想いが強くて…正義感もある。ガルシルドの野望とは真逆の思想を持つのよ」

 

千歌「…サッカーへの、想い」

 

美奈「私からのお願いです。月ちゃんと、サエちゃんを信じてあげて」

 

 

オハラグループ…小原サエとガルシルドは繋がっているのか。

月はサニデイジャパンを落とすために動いていた訳では無いと言う。果たして真実なのか。

そして千歌を守るという言葉の真意は?

ガルシルドの野望は?

ブラジル代表たちの運命は?

 

 

サニデイジャパンに選択が迫られている

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

翌日。

まずはガルシルドを逮捕するため、そしてブラジル代表を救うため。

手に入れたデータを警察に届け出る事にした。

それらは真恋に任せ、選手たちはブラジル戦に向けて練習を開始することとなった。

 

月は昨日のミーティングの最後に一言。

「千歌ちゃんと穂乃果ちゃんはガルシルドに狙われている」と言った。

その理由までは語ることは無かったが、月が言う守るためとはその事なのだろうと理解した。

 

そしてミーティングで決定したこと。

それは月とサエを信じる。ということだった。

決定づけたのが昨日のデータ。

兵器、石油、戦争など野蛮な内容が詰まったデータではあったが、それらにオハラグループが関与しているという内容が一切記されていなかったのだ

 

 

千歌「穂乃果さん!パース!」

 

穂乃果「でりゃっ!」パス

 

それが救いとなり。

そして千歌の言葉によりサニデイジャパン内でのチーム崩壊は防ぐことが出来た

 

 

千歌「月ちゃん!」パス

 

月「―――!」

 

良くも悪くもチームの結束力をさらに高めることとなった今回の事件。

しかし、これでガルシルドの野望は砕け散る

 

 

千歌「……あ、そうだ」

 

千歌「ロニージョさんたちに会いに行こう」

 

 

ブラジル代表との戦いまで残り数日

 

 

 





超超超簡単にまとめると『月ちゃんはスパイだったけど、かけがいのない仲間だから信じたい!だから今はガルシルドを潰そう!』です。

完全に悪者のスパイを期待した方もいるかもしれませんが、月ちゃんもメンバーですからね。酷い扱いは抵抗があったのでこのような感じに書かせていただきました。ちなみに、何故月ちゃんをスパイにしたのか?それは原作のラブライブサンシャインの映画で途中まで月ちゃんを鞠莉の母親のスパイだと思ってたからです笑

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