ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも!ルビィちゃんキャンディーです。
キリよくしたら短めになりました。




第3章 135話 「過去編 "止まらせない"」

 

 

 

 

 

 

 

日宮美奈の体に異変が現れ始めたのは予選の途中から。

 

 

 

 

 

 

美奈『【ランス・オブ・カウンター】っっ!!』ドガァン!!

 

最初はただの違和感だった。

激しい動きをしたあとに来る頭痛、その程度の痛みだった。それだけならば誰にでも起きる普通のこと。

 

頻繁に痛みが出るようになったことを除いて

 

 

 

弥生『日宮さん、あの…』

 

美奈『ハァハァ…どうしたの?』

 

弥生『必殺技の変化が気になって、』

 

そして目に見える違和感も。

試合を重ねるごとに美奈の必殺技が…少しずつ黒くなっていってる気がした。

最初は必殺技の進化だと思っていた。しかし、その黒みが増す度に今まで頼もしいと思っていた美奈が―――少しだけ怖く感じた。

 

 

 

そして東京都予選決勝前日。

明日の試合に備えて早めの解散となった音ノ木坂学院サッカー部。ほかの部の協力もあり、予選が始まったあたりから校舎のグラウンドは利用できるようになっていた

 

 

美奈「ハァハァ…っっ!!(おかしい…)」

 

日が沈みかけているグラウンド。

そこで美奈は1人、自分の体の違和感と不安をなぎ払おうとゴールにシュートを放ち続けていた

 

 

美奈「最初はあの日…かと思ったけど、サッカーしてる時だけに起きる頭痛なんて…」

 

疲労とも考えた。次の日によく休んだ。

それでも治まらない痛みに徐々に恐怖を覚え、今では完全なる不安要素。

練習にも集中しずらく、メンバーにも迷惑をかけた

 

 

美奈「もう少しで全国なんだ…私が始めて…みんなが信じてついてきてくれる…」ズキズキ

 

美奈「だから…私がこんなところで欠けるわけには…」ズキズキ

 

 

 

 

サエ「サッカー部の下校時間はすぎていマス」

 

美奈「!!」

 

サエ「いつまで練習しているつもりなんですか」

 

美奈「…副会長」

 

下校途中の副会長。

無理をして明日の試合に支障をきたさないためにも警告してくれたのだ

 

 

サエ「最近のあなたは様子がおかしい。そこまでの強さがありながら、何故無茶を?」

 

美奈「……」ズキズキ

 

頭痛の不安を忘れるため…と言ったら笑ってくれるだろうか。それともキツイ言葉で叱ってくるのだろうか。

どちらにしろ、この痛みと共に明日は戦うことになりそうだ

 

 

美奈「…熱中しすぎました。帰ります」

 

サエ「……」

 

副会長のサッカーへの壁は真恋さんでも崩すことが出来なかった。

しつこいぐらいに勧誘し、何度も怒られ、乙坂さんのお母さんでもある理事長にもほどほどにと注意を受けた。

 

それでも―――副会長が振り向くことは無く、事務的な会話以外、副会長が話しかけてくることは無かった。

そんな、副会長が尋ねてきた

 

 

サエ「例えあなたが強くても」

 

美奈「……」

 

サエ「ほかのメンバーがあなたについてこれなければ意味はない。それでも…あなたは今のままで全国大会優勝を目指すつもりなのですか?」

 

美奈「…私は、例えそうだとしても仲間を信じたい」

 

美奈「仲間の悩みも自分の悩みとして全力で何とかする…今の、このチームじゃなきゃ絶対にダメなんです!!」

 

荷物をまとめる美奈。

足早に立ち去ろうと足を動かすのと同時に一言

 

 

 

美奈「仲間のためなら何でもする覚悟です」

 

サエ「……!!」ゾクッッッ!!

 

 

 

サエは一瞬だけ、美奈の言葉と雰囲気に何かわからない不気味さを感じた。

そしてお互いどちらも心晴れることなく、

 

 

 

 

全国高校女子サッカー大会東京都予選決勝

『音ノ木坂学院VS帝国学園』

 

 

会場はアキバスタジアム。

休日ということもあり、注目の決勝ということもあり。会場は超満員。

音ノ木坂学院は当然、生徒総動員で応援に駆けつけていた。

 

 

―――とある2人を除いては

 

 

姫佳「いいの?会場に行かなくて」

 

サエ「…仕事があります」

 

姫佳「……」

 

生徒会長と副会長の仕事が無くなることはない。誰もいない校舎の一室で慣れた手つきで書類を捌いていく。

結局この子は振り向くことは無かったか、と姫佳はせめてものつもりで自分のスマホでラジオを流し始めた

 

 

サエ「生徒会室でそんな、」

 

姫佳「bgmよbgm〜」

 

サエ「……」

 

 

 

―――

 

 

 

『試合は両チーム譲らない攻防っっ!!』

 

 

光穂「でりゃあっ!!」バキッ!

 

雛「フォロー行きます!」

 

ここまで音ノ木坂学院は無失点で勝ち進んでいる。どんな強豪校、ストライカーでも鉄壁の防御を破ることは出来なかった。

GK高坂光穂とDF乙坂雛の防御率はこの大会でも群を抜いている

 

 

真恋「スペース潰さない!!」

 

弥生「私がカバーに」

 

乃々子「優花ちゃんは私についてきて」

 

そして中盤。オーバーラップで攻撃に参加するDFの園田弥生、そして司令塔 月城真恋、中継役の梨本乃々子。

優花のいる場所を集中的に攻めてくる帝国学園に対し、知将らは真っ向からぶつかり対処する

 

 

鈴香「パスパス!こっち!」

 

乃々子「鈴香ちゃん!」パス

 

 

『梨本からのキラーパス!!これはさすがの響木選手も―――

 

 

鈴香「なんのこれしきっっ」ギュン!!

 

鈴香「だあぁっっ!!」バシュッ!

 

 

『さらに加速しボールを蹴った!?シュートのつもりか!?』

 

 

夜、美奈「「―――!!」」バッ

 

 

『前方で三船選手と日宮選手が走っています!!まさかこれはパスなのか!?』

 

 

横へは出さず、縦へと貫くようなパスでボールを繋ぐ音ノ木坂学院サッカー部の強烈なカウンター。

それを可能にしているのはMFとFW選手のコントロールと呼応。

相手から見ればシュートチェインをしているよう。まさに、ブーストするパス

 

 

帝国MF1「あれが音ノ木坂の必殺タクティクス…"チェインカウンター"っっ!!」

 

帝国MF2「だめ…!!あのスピードは追いつけない!!」

 

 

夜「決めてっっ!!美奈!!」バシュッ!

 

美奈と共に飛び出した夜もタクティクスに加わった。あとはラスト1人、音ノ木坂のエースストライカーがゴールに叩き込むのみ

 

 

美奈「"リベンジカウンター"っっ!!」メキメキ!!

 

強力なパワーによりボールがメキメキと悲鳴を上げる。それでも美奈が技をやめる気配はない

 

 

美奈「!?!?!?」ズギッ!

 

美奈「ぐっ…でえぇぇりゃあぁっっ!!」バギィン!

 

 

『出たぁぁ!!日宮選手の"リベンジカウンター"!!これは決まったか!?』

 

 

美奈の体に蓄積したダメージ、疲労を全てパワーへと変換させる強力な必殺技。

相手が強くなればなるほどこのシュートの脅威度は跳ね上がる

 

 

帝国GK「フルパワー…だ、だめ…きゃ!?」

 

 

―――バシュウゥゥゥン!!!!

ピピーッ!!

 

 

『ゴール!!!!先制は音ノ木坂学院!!やはりエースが圧倒的なシュートで帝国ゴールをこじ開けたぁぁ!!』

 

 

美奈「ハァハァ…」

 

夜「ふぅ…美奈ナイス」

 

鈴香「やっぱ派手ね!美奈のシュートは」

 

美奈「……ハァハァ、」ズキズキ

 

夜「美奈?」

 

鈴香「?」

 

 

 

 

姫佳「1点決めたみたいね〜」

 

サエ「……」

 

 

 

 

美奈「…ハァハァ、」ズキズキ

 

 

 

 

サエ「…」

 

 

 

 

美奈「ハァ…ハァ」ズキズキ

 

 

 

 

 

サエ「…」

 

 

 

 

 

美奈「ハァ……」ズキズキ

 

 

美奈「……」ズキズキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラジオから聞こえる声の雰囲気が変わったのが、すぐにわかった

 

 

 

『ああっと!?どうしたのでしょうか!?音ノ木坂学院のエースストライカー、日宮美奈選手が倒れ込んだ!!』

 

 

姫佳「―――!!」

 

サエ「!?」

 

 

 

乃々子「美奈ちゃん…美奈ちゃん!!」

 

美奈「ハァハァ…いだっ…いだだ…」ズキズキ

 

光穂「例の発作…」

 

弥生「やはり無理を…」

 

美奈の頭痛は限界をすでに越えていた。

頭を鈍器で殴られたような衝撃、割れたような痛み。その場で倒れ、ただただ呻くことしか出来なかった

 

 

サエ「…日宮、美奈」

 

姫佳「まずいわね。このままじゃ音ノ木坂学院は…負けるわ」

 

 

全国高校女子サッカー大会のルールに記されている1文。

"重大な危険行為、または試合中や出場選手が9人に満たなくなった場合、そこで失格とみなす"

 

 

サエ「………」

 

姫佳「美奈ちゃんがこのまま動けなかったら…その場で失格負け」

 

サエ「………」

 

姫佳「……見えるわよね。サエ」

 

姫佳は生徒会室の窓を開けた。

そこから見えるのは音ノ木坂の校門、そして葉桜の道。そして―――アキバスタジアム

 

 

姫佳「校門からスタジアムまで信号は9。全て青なら間に合うかもしれないわね」

 

姫佳「これが…あなたの人生の最だ…

 

 

姫佳「……」

 

姫佳「…よかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故だかは―――分からなかった

 

 

サエ「っっ!!」

 

 

気づいたら全力で校門を飛び出していた。

階段を飛び降り、一生縁がないと思っていた道路横断。車のことなど考えもしなかった。

 

信号が赤で立ち止まったらそれで終わりにしよう。そう思っていた。なのに、

 

サエ(青)

 

なのに、

 

サエ(また…青)

 

なのに、

 

サエ(青…その先も…)

 

 

 

スタジアムまで続く道が、立ち止まることを許さないかのような。

 

 

 

サエ(なんで…私は…走ってるのっっ!!)

 

 

頭をよぎるあの言葉。

『お前にそこまでの才能はない』

サッカーを、無理やり拒絶し始めたのはそこからだった。

自分が無能だという現実を受け入れ、どんなに手を差し伸べられても払って、避けて、逃げた

 

 

サエ「最後の…信号」

 

 

だが最近。もう1人の言葉が頭から離れなくなったのだ。

 

『…私は、例えそうだとしても仲間を信じたい」 』

 

『仲間の悩みも自分の悩みとして全力で何とかする…今の、このチームじゃなきゃ絶対にダメなんです!!』

 

 

 

何故そこまで言っておきながら、信じるとか、何とかするとか、綺麗事並べて起きながら…

 

サエ「あなたがここで倒れちゃ…ダメ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『音ノ木坂学院は選手を交代するようです!!』

 

 

 

 

美奈「……ぇ、」

 

乃々子、鈴香、優花「「「!!!!」」」

 

光穂、弥生、雛「「「!!!!」」」

 

 

夜「ははは、遅刻しすぎでしょ」

 

真恋「寝坊かしら」

 

 

 

 

サエ「ユニフォームを渡して」

 

 

 

 

小原サエ 入部。現在選手9人

 

 

 





チェインカウンター
過去の音ノ木坂学院の必殺タクティクスです。チート集団だからできた技。チェインシュートを連続で放つように縦パスの高速カウンターを仕掛けます

リベンジカウンター
ダメージを全て力に変えます。強すぎ

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