ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
更新遅れてすみません。過去編もあと2、3話になりました。グダグダとお付き合いいただきありがとうございます…
焼き炙ろうとする太陽は遠征だとしても逃がさない。
音ノ木坂学院サッカー部は東京から離れ、向かった先は静岡県沼津市
美奈「ついたけど…暑いっっ!!!!」
煮えたぎったコンクリート。
試合でもこんな殺人級の熱技を受けたことは無い。
いつもなら鍛錬と涼しい顔で言い切る弥生でさえも今日は汗を流している。
人間として当然といえば当然なのだが…今の彼女たちにそんなツッコミを入れるほどの気力は残されていない
真恋「でもまさか…練習試合の相手が男子チームなんてね」
雛「ちょっと心配かな、」
美奈「大丈夫大丈夫!みんないい人だから!」
美奈の母親の実家が沼津の南にある内浦。
毎年帰省するため、地元の同い歳のメンバーとは幼馴染。
男子と共に遊ぶ美奈はイメージしやすいが、まさか男子チームと練習試合をすることになるとは…
沼津駅からバスに揺られて十数分。
到着したのは目の前が海の高校。
バスを降りてまず驚いたのは海からの恵み、海風だった。青く光り果てしなく広がるその景色に、音ノ木坂のメンバーは目を奪われていた
光穂「綺麗…」
弥生「私に子供ができたら、この海のように綺麗な名前にしたいですね」
乃々子「私は将来、こんな場所に住んでみたいわ」
真恋「高校生が話す内容じゃないでしょ…」
「音ノ木坂学院サッカー部の方たちですか?」
「「「!!!!」」」
校舎を背にして海に気を取られていたため気づかなかった。
話しかけてきたのは赤く燃えるような髪を揺らした青年
紅牙「俺は星浦高校サッカー部主将、黒澤紅牙(こうが)。遠いところからお越しいただきありがとうございます」
光穂「お、音ノ木坂学院サッカー部主将、高坂光穂です!数日間よろしくお願いします!」
音ノ木坂学院サッカー部の主将は創設者である高坂光穂が受け持っている。
創設者だからという理由だけではなく、才能ともいえるリーダーシップは仲間の精神的支えとなっている。主将を決める時に異論は誰からもなかった
美奈「久しぶりね。コウちゃん」
紅牙「…美奈。北也はグラウンドにいる」
その言葉を聞き、美奈はすぐにグラウンドへと向かった。幼馴染メンバーの中でも美奈と北也は兄妹のような関係。
紅牙の言葉からほかのメンバーにもそのことがよく分かった
夜「…部長さん」
紅牙「三船夜さん…何か?」
夜「ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ、」
―――
今の北也に暑さなど関係なかった
北也「っっらあ!!」バキッ
北也「っっ!!!!」ガバッ
北也「まだまだ!!」ドン
「ひゃぁ…松浦先輩めっちゃ本気じゃん」
「今回の試合相手って…あの、」
仲間が撃ってくるボールを殴り、抑え、掴み、自分の気持ちを高めていく。
あいつと戦うと考えるだけでも血が騒ぐ。動いてなければどうにかなりそうだ
北也「よーし!もっと撃ってこい!!」
―――ドガアァァァン!!!!!!
「「「!?!?!?」」」
北也「!!!!」
仲間たちの背後から轟音。
それと同時に横を通り過ぎたのは真っ直ぐに突き進むボールだった
北也(このシュート…!!)
北也「っっ!!」ガシッ!
「松浦先輩!!」
ボールを掴むも後ろへと引きづられる。
男子にも負けないこのパワー。そして何度もぶつかってきたこの感覚
北也「……」シュゥゥゥ
北也「久しぶりだなぁ、美奈。相変わらずのシュートだな」
美奈「そっちこそ。馬鹿力増してんじゃない?」
「…あ、あの人が東京都代表 音ノ木坂学院サッカー部エースストライカー、日宮美奈」
「すごい音したよな…」
2人に言葉の挨拶など要らない。
ここから数日間、何度もぶつかりお互いを高めていくことになる
"県外遠征 練習試合 星浦高校"
「それでは練習試合を始めます」
「「「よろしくお願いします!!」」」
音ノ木坂学院
FW……小原サエ、日宮美奈、三船夜
MF…梨本乃々子、月城真恋、響木鈴香
DF………………乙坂雛、園田弥生
GK…………………高坂光穂
2-3-3
星浦高校
FW…………黒澤、渡辺
MF……磯田、田島、国木田
DF………飛鷹、高海、浜風
GK………………松浦
3-2-2
「お姉ちゃーん!!」
音ノ木坂「「「……?」」」
グラウンドに向けられた声
夜「………」
相手は男子チーム。つまり、
真恋「……あの子が、夜の言ってた妹??」
夜「ははは、可愛い可愛い妹だよ」
星浦高校ベンチから手を振るのは三船夜の妹、三船空。
彼女は水泳の強豪校でもあるこの星浦高校で寮生活をしている。つまり、彼女は水泳選手。なのにサッカー部のベンチにいる。
理由は姉との再会、そして応援…もあるが一番は―――
空「と…智和君も頑張って///」
渡辺「お、おう///」
真恋「あぁ…….なるほどねぇ、」
夜「私の可愛い妹を奪ったあいつ…絶対に許さない」
サッカーで勝つとはまた別の問題でやる気に満ち溢れる夜。
確かに妹を溺愛してると分かるぐらい学校では語られたなと思う真恋。触らぬ姉に祟りなし。試合に集中することにした
美奈(見かけない顔ね…)
高海「……」
ピーーッ!!!!
音ノ木坂ボールで試合開始。
男子と女子の力の差はどうしても存在してしまうのがサッカー。
プロの女子日本代表よりも高校男子チームの方が強いと言う人もいる。しかし、
美奈、サエ、夜「「「―――っっ!!」」」バッ!
渡辺「速っ!?」
黒澤「FWがいっせいに走り…「必殺タクティクス!!!!」
中盤の真恋がボールを持ち、そこから電光石火の縦パスを繋ぐ。
まるでシュートを連続チェインするようなスピードとパワー。繋ぐたびにボールにエネルギーが込められていく
「「「【チェインカウンター】!!!」」」
国木田「音ノ木坂の必殺タクティクス…!!」
浜風「松浦先輩…!」
北也「早速か…任せろ」
すでに5人がダイレクトで繋いだ。
残りはラスト1人、日宮美奈がゴール前へと飛び込み、すでに足をボールにめり込ませていた
美奈「でりゃあっっ!!」ドガァン!!
北也「止めてやるぞ美奈!!!」バッ
北也の目の前に大量の海水が集まる。
まるで渦潮のように暴れるそのオーラは巨大な手へ。熱さも全て掴み取る松浦北也の必殺技
北也「【真ウズマキ・ザ・ハンド】!!」ドン!
「「「!!!!!!」」」
激流に逆らえなくなったボールは渦潮へと飲み込まれる。そのまま行き着く場所は北也の手の中
美奈「へぇ…かなり鍛えたわね」
サエ「なかなかの必殺技デス」
早速ピンチを作ってしまった星浦高校は男子としてのプライドがもちろん存在する。
挨拶代わりはいらない。最初から全力で行け。そんな意思が込められたボールが最前線の―――
黒澤「今度は俺たちの番だ」
雛「ディフェンス集中よ!!」
選手のデータも実力も未知数。
分かることは自分らよりもフィジカルが上だということ
鈴香「もらった!!」バッ
黒澤「―――っっ!」グルン!
鈴香が伸ばした足を回転しながら躱す
鈴香「何あの動き!?」
乃々子「私が!!」ズザーッ
黒澤「―――っっ!!」ギュンギュン!
鈴香、乃々子「「!?!?」」
美奈(あの動き…まさか、)
2人のディフェンスを躱す時のまるで舞っているかのような動き。
回数を重ねる度にそのキレは増し、より美しく、より強力となる
黒澤「【ヒノカミ神楽】」
夜「…なんかヤバそうな技だね」
美奈「黒澤家の人間には特殊な血が流れてる」
夜「!」
黒澤家が内浦の海を支配した所以でもあり、血を持つものに莫大な恩恵を与える
美奈「舞い踊ることによって血が共鳴して、マグマのように煮えたぎった体は身体能力が跳ね上がる…」
美奈「黒澤家でも数年代に1人出るか出ないかと言われた能力よ…コウちゃんが…それを」
黒澤紅牙が1人で音ノ木坂のDF陣に突っ込んでも突破は困難。
しかし、それは通常状態での話
黒澤「―――っっ!!」バッ
光穂(来る!!!)
黒澤「【煉獄・鬼丸国綱】!!」ズバッッ!
自強化した彼ならば1人での進撃は造作でもない。そこから放たれるシュートも同様。
右足を炎で纏い、刀のように振り上げて一閃
光穂「はあぁぁぁぁっっっ!!!!」
光穂「【真マジン・ザ・ハンド】!!」ドォン!
対する光穂は引かなかった。
自分の仕事はゴールを死守すること。そのためにもこの鬼斬の剣、止めなければならない
光穂「ぐっ…!!ぐぐぐぐ……」
北也「あいつ…なんてパワー、」
飛鷹「黒澤さんのシュートが…抑え、」
光穂「はぁはぁ…はぁ…」シュゥゥゥ…
数メートルは押された。
スパイクはゴールラインに乗っている。ギリギリだが光穂の勝利。東京都最強のGKは伊達ではない
光穂(手がビリビリするよ…すごい人だ)
黒澤「……」
北也「未完成とはいえ、あのGKやるな」
美奈「未完成?」
北也「あぁ。紅牙が言うにはあの"ヒノカミ神楽"では全然ダメらしい」
『中途半端な神楽』。
紅牙は当主である祖父からそう言われた。
本来ならば自分の体が炎へと変わるはずの能力。しかし、目でわかる体の変化はない。
紅牙の血が才能に恵まれなかったのか、または鍛錬が足りないのか
渡辺「紅牙…!大丈夫か!?」
黒澤「はぁはぁ…個人戦では勝てないな。ここからはチームで崩すぞ」
渡辺「あぁ。分かった」
真恋「怖気付かずに攻めなさい!!シュートは光穂が全部止めてくれるわ!」
光穂「ドンと来い!!」
美奈「星浦のゴールは私が破る!!」
サエ「ちょっと陣形崩さないで!?」
―――
練習は夕方まで行われた
美奈「明日は絶対に勝つわ…!!」
北也「はははっ。それはどうかな」
練習試合は星浦高校の勝利に終わった。
最初は優勢だった音ノ木坂学院も、最後までフルスロットルを維持することは不可能。
しかし限界を伸ばすことは可能。音ノ木坂の課題は決まり、明日に備え宿へと向かった
美奈「うーん…」
乃々子「美奈ちゃん、どうしたの?」
美奈「なんか気になる選手がいたんだよね」
夜「高海ってDFでしょ?」
美奈「え!?なんで分かったの!?」
彼女ら、そして彼らの運命がこれからも交わるのかどうかは誰にも分からない。
しかし、
サエ「今向かってる旅館…確か苗字が高海だったような…」
美奈「ゑ?」
確実に―――動き始めている
北也「そう言えば高海…お前いつもに増して無口だったよな」
高海「……」
北也「え?なに……はぁ!?気になるやつがいた!?」
――――――
その後も合同練習、試合は回数を重ね。
両チームが確実なレベルアップを見せて迎えた最終日の夜。
朝には東京へと戻る音ノ木坂学院一行は旅館で荷物の整理をしていた
美奈「今日の響木監督のラーメン美味しかったね」
鈴香「まさか家庭科室を借りて昼飯にラーメンとか…よくやるよじいちゃんは」
弥生「飛鷹さんが響木さんに弟子入りしたがってましたね」
鈴香「物好きもいるってことさ」
美奈「ははは……あ、私ちょっと出かけてくる」
乃々子「こんな時間に?」
美奈「ちょっと…ね。いつもの場所で」
"いつもの場所"。
それは毎年帰省する時に北也たちと集まる思い出の場所。
最終日ぐらいそこで話そうということになったため夜中ではあるが外出。
そんなに遠くない場所の浜辺。向かうとすでにメンバーは揃っていた
北也「遅刻だぞー」
美奈「ごめんごめん」
紅牙「高海と話してて遅れたとかじゃね?」
智和「それだな」
美奈「ちょっと!?そんなんじゃないからね!?」
黒澤紅牙、渡辺智和、松浦北也。
美奈以外の全員が2年生だが4人にはそんなこと関係なかった。
たわいもない話で盛り上がり、思い出を語る。それだけでもこの空間は充実したものへと変わる
美奈「結局、夜とは仲良くなれないまま終わっちゃったね」
智和「うーん…目の敵にされてたからなぁ、」
北也「紅牙も1人ぐらいいただろ。気になった子」
紅牙「俺は恋愛はしないんだ。親が決めるからな」
美奈「とか言いながらサエちゃん相手に緊張してたくせに」
北也「まじか」
紅牙「美奈。後で斬るからな」
美奈「嘘嘘嘘嘘冗談よ冗談!イッツジョーク!」
ここまでは笑いあっていた4人だったが、この後話が変わるのと同時に美奈たちの周りを静寂が支配することになる
北也「そう言えば美奈。初日から思ってたんだが試合の途中でいつも…体調悪くなるのか?」
美奈「…!」
北也「熱中症とかだったら怖いからよ…」
美奈「そのことで…話があるの」
美奈はあの頭痛について。3人に話し始めた。
カウンター系の必殺技を使うと頭痛が酷くなること。日に日に痛みが増していること。病院に行ってみたが異常がなかったこと
智和「予選決勝で倒れたのはそれが原因か」
紅牙「必殺技の反動じゃないのか?」
美奈の必殺技はどれも規格外の威力を持つ。
例え体が丈夫だとしても反動がないとは言いにくい。しかし、それだけでは納得できない理由があった
紅牙「黒いオーラ?」
美奈「弥生ちゃんに言われて気づいたの。必殺技を発動する時、オーラがだんだん黒くなってきてるって」
北也「頭痛が始まってからか?」
美奈「多分…それと、もう1つ」
試合中。必殺技を連発しオーラを放出し続けると突然、自分が自分で無くなるような感覚に陥るのだという。
エキサイトした時の興奮状態ではないかと考えた。しかし、心の中からドロドロしたような感覚が溢れ、寒気が止まらなくなるのはまるでエキサイトの逆。
何かに呪われているようであった
紅牙「頭痛、黒いオーラ、寒気…」
智和「美奈の体に何かが起きてる…のか?まるで必殺技がよくない恩恵を、」
美奈「そう。だから私はこの呪いをこう呼ぶことにしたの」
黒いオーラを纏った必殺技を放てば反動。そして自分を失うかのような寒気。
まるで禁断の呪い。これらを称し、美奈は呼ぶ
美奈「"闇の力"。メンバーには全部説明してある。極力必殺技の使用は控えろって言われたわ」
北也「控えろって…美奈、お前分かってるんだよな??」
美奈「……」
北也「お前たちの本戦初戦は"皇帝学園"だぞ!?」
全国高校女子サッカー大会では現在、連続優勝の記録を持ち、今もその記録を伸ばしている学校がある。その名も「皇帝学園」。
他を寄せつけない強さ。戦ったチームはその果てしない強さに圧倒され、負けたとしても誰も異論を持つ者はいないという、
美奈「分かってる。でも初戦で潰れたらその先勝てないよ、」
紅牙「…厳しい選択だな」
美奈「もし、闇の力が本物だったら今までのような戦いは出来ない。ここまで来て…エースストライカーの私がこんな…」
「「「………」」」
波の音だけが聞こえる。
嫌になるほどの静寂に耐えきれない。しかしだからこそ口を開けない。
そんな空気を壊したのは―――松浦北也
北也「らしくねぇな」
美奈「…!」
北也「お前ならこんな時もなんとかするって、がむしゃらに足掻くところだろ」
北也「闇の力、皇帝学園。どちらを選んでもいい結果は望めない…でもなんとかする。それが日宮美奈。俺たちはそれしか言えない」
美奈「…北ちゃん、」
北也「いいかよく聞けよ」
紅牙「……」
智和「……」
北也「悔いなくだ。悔いのない決断をしろ。お前はそれに関しては天才だ」
紅牙「どんな選択をしても俺たちは責めない」
智和「全力で応援してやるよ。だからお前は自分のやりたいように戦え」
美奈「……」
北也「頑張れよ。美奈」
次回 全国高校女子サッカー大会本戦
第1試合「皇帝学園」戦
ウズマキ・ザ・ハンド
原作アレオリの必殺技です。この技発動したらめっちゃ涼しそう。原作よりも強いです
煉獄・鬼丸国綱
黒澤紅牙のオリジナルシュート技です。ダイヤちゃんのマキシマムファイア枠の技で、鬼丸国綱とは日本の有名な刀ですね
☆新キャラ☆
・松浦北也:我らが浦の星女学院の監督。果南の未来の父親
・黒澤紅牙(こうが):あのチート姉妹の未来の父親。才能に恵まれず、未完成のままヒノカミ神楽を継承する
・渡辺智和(ともかず):渡辺曜の未来の父親。夜さんに恨まれてる
・三船空:夜の妹。溺愛されてる。渡辺曜の未来の母親
・高海:無口な少年。高海千歌の未来の…