ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
長かった過去編も強引ではありますが終了です。グダグダとお待たせしました…
全国高校女子サッカー大会本戦
ー第1試合「皇帝学園」当日ー
控え室で準備を進める選手たち。
アキバスタジアムでの試合は初めてではない。しかしここまで歓声がビリビリと伝わってくるのは異様。おそらくほとんどが皇帝学園サポーター。
東京都予選、リラックスした状態で勝ち抜いてきた音ノ木坂学院サッカー部。そんなチームでさえも緊張により、張り詰めた空気の中にいる
夜「実質上決勝戦だね」
弥生「皇帝学園以上の強さを持つチームはいない…この試合に勝てば頂点は確実に見えてきます」
真恋「ただ、その皇帝学園が異次元すぎるわ。私たちでも勝てるかどうか…」
美奈「弱気じゃダメだよ」
「「「…!!」」」
椅子に座り下を向き、集中力を高めていた美奈が口を開いた。
その力ある声に仲間は鼓舞される。美奈の目はこんな状況でも死ぬことは無い
響木「お前たちはこの数ヶ月間よくやった。だが、ここで終わるお前たちでも無い」
鈴香「じいちゃん…」
サエ「皇帝学園に勝つ」
美奈「…!」
サエ「私たちに必要な言葉はそれだけです」
美奈「うん…みんな、絶対に勝つよ」
日宮美奈、そして音ノ木坂学院サッカー部の挑戦が始まる。
完全無名のチームが王を崩すのか、それとも王が蹴散らすのか。それはまだ誰も分からない
スタッフ「日宮美奈さんいますか?」
美奈「は、はい!」
スタッフ「お電話が入ってます」
美奈「分かりました…!」
サエ「……?」
―――
『さあ、まもなく試合が始まります!!全国高校女子サッカー大会本戦、第1試合は音ノ木坂学院VS皇帝学園!!!!』
ー 星浦高校 ー
智和「試合始まるぞー」
紅牙「美奈たちは勝てるのか…」
北也「あいつらなら勝てる。"切り札"もあるしな」
ー 波の屋 ー
美奈母「美奈…頑張って」
お客「緊張してきたな…」
お客「あぁ。勝ってくれよ…」
ー ??? ー
「準備を始めろ」
「…承知しました」
『東京都予選を圧倒的な強さで勝ち進んだ音ノ木坂学院!!彼女たちの実力は本物!!対する皇帝学園、連続優勝のかかる大事な試合…負けられないでしょう!!!』
両チームがポジションにつき、笛を待つこの空気―――1番嫌いな時間。
緊張で早くも身体が固まりそうだった。
それでも絶対に止めない。
勝つまでは足を止めることは無い
ピーーッ!!!!
――――――
―――
試合は白熱した
サエ「【デビルバーストGX】!!」ドガァン!
夜「【アストロゲートV4】!!」ドガァン!
皇帝学園、そして試合を見るものたちは驚いただろう。最強のチームに…ここまで対等に争うチームが存在するのかと
皇帝GK「……」シュゥゥゥ…
鈴香「夜さんとサエさんのシュートを…」
真恋「これは一筋縄じゃいかないわね、」
それでも王者は牙をむく。容赦なく。
積み上げた数字を簡単に砕く
光穂「【真マジン・ザ・ハンっっ―――きゃっっ!?!?」
―――バシュゥゥゥゥン!!!!!!
音ノ木坂「「「!!!!!!」」」
弥生「光穂の"マジン・ザ・ハンド"が負けた…」
雛「ハァハァ…強いわね、あのシュート」
皇帝学園の規格外の強さを恐れるものは誰もいない。しかし、音ノ木坂学院の強さに言葉を失う人は数知れず。
劣勢なはずなのに、
真恋「足止めるんじゃないわよ!!走りなさい!!!」
乃々子「私のドリブルは簡単には止められないわよ…!」
無名高校のはずなのに、
鈴香、夜、サエ
「「「【チェインカウンター】!!!!」」」
美奈「でりゃあぁっっ!!」ドガァン!!
足は傷だらけ。
体力も限界。
足がもつれてもすぐに立ち上がり、抜かされてもすぐに追いつく
光穂、雛、弥生
「「「【ザ・フェニックス】!!!」」」ドガァン!
どこからそんな力が湧いてくるのか??
それは本人たちにも分からない。
ただ、
光穂「ぐぬぬぬぬっっ!!!!」
『高坂選手が押されます!!これが決まってしまうと音ノ木坂学院の勝利は絶望的!!』
ただ、おかしいぐらいに
光穂「終わらないのよっっ…私たちは…」
光穂「一体で足りないなら…もう一体!!!」
光穂「【風神・雷神】!!」ドォン!
まるで無限のように力が湧いてくる
『と、止めたぁぁ!!魔人が2体!!皇帝学園エースストライカーのシュートをねじ伏せました!!!!』
美奈「夜、サエちゃん」
夜、サエ「「!!」」
美奈「"あの技"。やろう」
そして将来、サニデイジャパンの試練となる"スリリングワンウェイ"の元となる必殺技
美奈、夜、サエ「「「はあぁぁぁっっ!!!」」」
音ノ木坂学院の全てが込められたこのシュートはまさに最強。
止まらない。止められない。
スタジアムに風穴を開けてもおかしくないほどのパワーとダイナミックさ
―――バシュゥゥゥゥン!!!!
試合は佳境を迎えていた
『ゴーール!!!!なんという…破壊力っっ!!4-4、音ノ木坂学院がここで再び追いつきました!!!!』
美奈「ハァハァ…ゲホッ…ハァハァ」ズキズキ
美奈(頭痛……技を使いすぎた、)
美奈が必殺技を発動すると呪いのように反動の痛みが襲いかかる。
これを知ったメンバーは極力必殺技を使うなと美奈に言ったのはいいものの、皇帝学園との試合中に必殺技の使用を指摘するほどの余裕はない
美奈「あと…1点」
残り時間もあと僅か。仲間たちの体力も限界に近かった。
先ほどの攻撃でほとんどのエネルギーを消費してしまった。体は動くのか?
皇帝学園の攻撃を防ぎきれるのか?
このボロボロの体で…ダメージが蓄積した……
美奈「……」
美奈「ダメージ」ボソッ
乃々子「…ハァ、ハァ…美奈ちゃん?」
やっぱり…やるしかないのだろうか?
勝つためにはこれしかない。
でも約束した。危険な道は歩かない。無茶もしないと。私が壊れれば次の試合の勝利は厳しくなる
『もしこの試合に勝てたら…』
美奈「……」
違う。私はみんなを信じてる。
必殺技はこれ以上使わない。
なんとかして勝つ。
そう自分に言い聞かせてふと、視界に入った1人の少女
サエ「……ふう、」
その時。サエのあの言葉が、突然呼び起こさる―――サエの父親に直談判をしに行った後の言葉
サエ『全国大会優勝。サッカーをやる条件だと言われました』
『『『………』』』
美奈『なら…大丈夫。私たちの目標はそこだから。絶対に条件は守れるよ』
サエ『ふふ。期待してます』
美奈(この試合…絶対に勝たなきゃ、サエちゃんは多分、一生サッカーが出来なく…)
体温が一気に下がったのが分かった。
当然のように言ったあの言葉は、サエちゃんだけじゃない。みんなのこれからを…私が背負ってる…負けたら、全部砕けるんだ、
美奈「仲間も、仲間の未来も、サッカーも、みんな…」ズキズキ
真恋「美奈!!来るわよ!!」
鈴香ちゃんをしつこく誘ったのも、勉強してた真恋さんを誘ったのも、自分の人生をかけてくれてるサエちゃんを誘ったのも…私だ。
痛みにびびって、ここで終わる訳には―――
『音ノ木坂学院失点の危機!!皇帝学園のエースストライカーが構えます!!!!』
光穂「とめな…きゃ…ハァハァ!!」ガクッ
夜「ヤバっ!?光穂ちゃんが限界!!」
鈴香「今からじゃ間に合わ…」
皇帝学園のエースストライカーがシュートを放った。光穂ちゃんの必殺技を何度も破ってきた強力な技だ。
私は、センターフォワードとして前線にいなければいけない
鈴香「……え、」
夜「……!?」
それが何故か、気づいたら体が勝手に動いてて
弥生「美奈!?」
光穂「ハァハァ…み、美奈ちゃん??」
美奈「………」
ゴールの目の前に立ってた
真恋「美奈…あんた….まさか、」
乃々子「ダメ…ダメだよ美奈ちゃん!?」
みんなも薄々察していたのだろう。
今現在、痛みが私の体を蝕んでいることを。
多分…今の私は血走った目で、冷静さをかいていて、無謀で、バカで
響木「…あのシュートを打ち返すのはまずい」
優花「美奈ちゃん…!!危ないよ!!!」
美奈「私には責任があるっっ!!!!」
「「「!!!!!!」」」
美奈「この試合に勝って…みんなの未来を繋げる!!!!途切れさせない!!諦めさせない!!」
光穂「みっちゃん!無理しないで!!」
美奈「止めないで光穂ちゃん!私は…絶対にやめない!!」
美奈「やめるものかあぁぁぁ!!!!」
光穂「だめえぇぇぇ!!!!!!!!」
迫り来るシュートに狙いを定め、蹴り込む
美奈「っっっっ!!!!」ドゴォン!!
蓄積していたダメージを可能な限り全てパワーに変える。『リベンジカウンター』だ。
そのパワーを利用しオーラを放出させる
雛「美奈ちゃんから黒いオーラが吹き出してる…!?」
サエ「……!!」
足が悲鳴を上げていた。
頭痛と身体中の痛みが一斉に襲いかかり、汗という汗。涙が溢れ出す。
それでも私は撃たなければいけない
美奈「―――ぐあっっ!!ら、ランス…オブ…」メキメキ!
仲間たちの未来を繋ぐ。
今の私にできることはそれしかない。
絶対に勝つって言った
美奈「カウンターァァァァ!!!!!!」
楽しかった。この数ヶ月間。
このメンバーでの練習の毎日。退屈という言葉を忘れ、ただひたすらに笑う。
―――バシュゥゥゥゥン!!!!!!
感謝してもしきれない。この時間が一生続けばいいと。思い続けた。
だから、だから私は―――
『試合終了!!!!!!』
ボロボロになった足を見て、声を出して泣いた
――――――――――――
――――――
―――
美奈「……」
音ノ木坂「「「………」」」
病院のベットで痛々しく固定される足を見て、誰も喋らず、全員が下を向いている。
私も口を開けずに、ただただ時間が過ぎていくのを感じていた
真恋「…足は?」
恐る恐る、真恋さんが尋ねた。
全員が気になっていたであろう、私の足。
もう隠すことも無い。私は正直に話した
美奈「二度と、サッカーは出来ない」
「「「!?!?」」」
乃々子「そんな……冗談、」
鈴香「…なんでよ、だから…ダメだって」
美奈「……」
みんなの顔が見れなかった。怒っているのか、泣いているのか、呆れているのか。
なんにせよ私は罪悪感で押し潰されそうだった。そして、1番聞きたくなかった言葉を…聞くことになる
真恋「音ノ木坂学院は棄権するわ」
美奈「……」
真恋「あなただけじゃない。みんな…今日の試合でボロボロ。誰がまた欠けるか分からない状況よ」
皇帝学園との試合が初戦だったことが運の尽きだったのか。
予選までは私がカウンターで暴れてたからみんなの負担も少なかった。しかし、私が必殺技の使用を抑えた為他のみんなの負担が増えた。
みんながボロボロなのも、私のせいだ。
何かが欠けていく音がした
サエ「こんなこと…許さない」
夜「ちょ、サエちゃん落ち着いて…」
サエ「これで終わりなの!?日宮美奈!!」
美奈「…!!」
サエ「1度サッカーを捨てた私…戻る資格なんて無かった私を再びこの世界に戻して…最初は全然楽しくなんてなかった…なのに、」
サエ「すごく、楽しいって思えるようになったのに…これで…終わり?」
美奈「……さ、サエちゃ、」
サエ「楽しい時間は終わったのよ」
出口へと向かうサエちゃん。
今の私に彼女を止める資格は無い。なのに、嫌だ。これで終わりなんて――――――
サエ「さよなら」
その後、音ノ木坂学院サッカー部はエースストライカーの負傷とチームのダメージを理由に大会を棄権。
小原サエは音ノ木坂学院から海外留学を理由に転校。そして、
音ノ木坂学院サッカー部は解散
私の行いによる代償はあまりにも大きく。
罪を償うにも、もう一生元には戻らないあの日々
――――――――――――
――――――
―――
美奈「…これが、音ノ木坂の奇跡の真実」
日本「「「………」」」
真恋「……」
サエ「……」
漫画のような奇跡の物語などでは無い。
不運、そして代償。
ぐちゃぐちゃに引き裂かれた過去の繋がりが、今こうして強引に再び繋ぎ止められようとしている。
復讐という形で
サエ「私はこの時を待ち続けた」
美奈「…そうね。あなたには復讐の権利があるわ」
チャンスをもらった。美奈を信じて再び夢を追いかけた。
しかし、信じた者に未来を潰され、楽しかった時間をも永遠に失った。
美奈に構える拳銃はその象徴。美奈の罪の償い
ガルシルド「私もその事件の真実を知り、小原サエに提案したのだよ。復讐のチャンスをな」
サエ「そういうことデス」
拳銃を構えるその目に迷いなどなかった。
月には申し訳ないが、サエをこうも変えてしまったのも自分のせい。
ガルシルドという悪についてしまったのも私のせい
サエ「…ずっと許せなかった。初めて、あんなに楽しいと思えた時間。それが一瞬で失われた」
美奈「……」
サエ「私は30年間、この復讐のために生きてきたのよ」
引き金に手をかけ。サエはそのままの体勢で―――
サエ「ガルシルドっっ!!!!」バッ
美奈「!?!?」
真恋「!?!?」
「「「!!!!!!!!」」」
美奈に向けられていた銃は―――ガルシルドへ。誰も状況を理解出来ていない
ガルシルド「……なんのつもりだ?」
サエ「言ったでしょ?復讐するためって。美奈へ?ふざけないでください。私が許さないのはあなた」
サエ「あの事件の黒幕はガルシルド。あなたよ」
美奈さんがあの場で自分の身を犠牲にするような行動をしたのは…闇の力による精神の異常があったのかもしれません。