ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも。ルビィちゃんキャンディーです。
ブラジル戦で体力を使い切っていたので1週間休憩していました。申し訳ない。今日からまた頑張りますね




第3章 144話 「日本とロシア」

 

 

 

 

前回の、輝こうサッカーで!

"奇跡を起こす"。その言葉通り、サニデイジャパンはブラジル戦で勝利を収めた。穂乃果の"ブラックアーマー"による"ゴットハンドX"の完成。ブラジル選手に追いついたにこ。過去に聞いた"海の音"により覚醒する梨子。そして―――"ミラクルウェーブ"。

ラストは奇跡のシュート「オーバー・ザ・エボリューション」で決勝点を決めた千歌。サニデイジャパンは、確実に進化している

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

A『試合終了っっ!!!!サニデイジャパン逆転勝利!!準決勝進出を決めました!!!!』

 

 

千歌「ハァハァ…ハァハァ…か、勝った…!」

 

穂乃果「千歌ちゃん!!やったね!」

 

千歌「はい!!」

 

喜びを爆発させるサニデイジャパン。

日本がグループ戦を突破するだけでも快挙だったのだが、彼女たちはさらにその上。

世界王者を撃ち破る偉業を遂げたのである

 

 

ロニージョ「ミカンガール。いや、千歌!おめでとう!あなたたちサニデイジャパンこそ、準決勝に行くのに相応しいチーム!」

 

千歌「ありがとうございます…!」

 

ロニージョ「いや、礼を言うのは私たちの方。準々決勝の相手があなたたちで良かった」

 

ロニージョ「にこ!あなたの言葉が響いた。この先どんな苦しいことが起きても、私は私のサッカーを貫き通す!その決意が出来た!」

 

にこ「それでこそロニージョよ。この大会が終わったらアメリカで…決着をつけるわよ」

 

ロニージョ「ええ!」

 

FFIが終わればにこ、ロニージョ、そしてアメリカ代表の一之瀬神奈はアメリカでフリースタイルフットボールの世界大会に出場することになる。

しかし、今はブラジル代表の意志を継ぎ、サニデイジャパンとして次の戦いへと進む

 

 

A『ここで速報です!!同時刻に行われました決勝トーナメント第2準々決勝、ロシア対ベルギー…先程試合終了したという情報が入りました!!』

 

 

日本、ブラジル「「「!!!!!!」」」

 

花陽「ロシアも…ベルギーも…FFIランキング1桁のチームです」

 

レオナルド「次のジャパンの対戦チームだね」

 

 

A『5-2!!ロシア代表"パーフェクトスパーク"がベルギーを破って準決勝…日本代表"サニデイジャパン"と戦います!!!!』

 

 

 

―――――――――

 

 

 

日本とブラジルの試合と同様に。

歓声鳴り止まぬスタジアムがもうひとつ

 

 

 

『素晴らしい連携でした!!ロシア代表"パーフェクトスパーク"が流れを渡さずに準決勝進出を決めました!!!』

 

 

"気高き銀狼"フロイ・ギリカナンが日本とブラジルの試合結果をモニターで確認していた。

最初から結果が分かっていたかのように、その表情に変化は無い。

それはデータ分析もそうだがそれ以上に。データ以上に信頼出来る根拠があったから

 

 

絵里「ね?勝ったでしょ」

 

フロイ「あのブラジルに勝つなんてね…やっぱり日本の強さは本物だよ。でも、」

 

絵里「ええ。勝つのは私たち」

 

絵里「やっとこの時が来たわね。みんな」

 

空を見上げ、日本との試合に胸躍らせる絵里。彼女の目と同じく、空は青く澄み渡っている。

日本との試合…この空以上に清々しい戦いになるだろう。そう確信していた

 

 

 

―――

 

 

 

空の玄関口。

さまざまな国の掛橋となっているこの空港に、2人の少女の姿があった。

ちょうど少女らの行先、"ライオコット島"行きの飛行機が搭乗開始に切り替わっている

 

 

「そろそろ出発するからねー」

 

1人の少女が声をかけ、ワンテンポずらして車椅子を動かし始める。行き交う人たちが手に持つのはショルダーケースやお土産だが、その両手は少女の移動のために使う

 

 

「ついにお姉ちゃんたちの試合だね!」

 

「まさか準決勝まで行っちゃうとは…」

 

「当然だよ!海未さんたち凄く強いもん!」

 

車椅子に座る少女が語り出すと止まらない。

いつもなら話を逸らしてなんとか暴走を食い止めるのだが、今回は長旅になりそうだ。

暴走を止める必要は無さそうである

 

 

「その話は飛行機に乗ってからね…」

 

「ハラショーな空の旅〜!」

 

目指すはライオコット島。

かけがえのない、仲間たちの元へ

 

 

 

―――

 

 

 

 

終始鳴り止まぬ歓声。

映像に映されているのはつい先ほど行われた日本とブラジルの準々決勝。

 

ロシア代表の選手たちは食い入るように、次戦う相手のサッカーを見た

 

 

「シーソーゲームが続いた試合でしたが、日本のGK、"太陽の守護神"高坂穂乃果がロニージョのシュートを止めてから流れが変わったと思われます」

 

「エリーさん」

 

絵里「……」

 

終始、一言も喋ることなかった絵里にマネージャーは問う。

その鋭い目から放たれる視線は全てを凍らすかのようなオーラを持つ。

今の絵里は、それほどまでに勝ちたいという気持ちを持っている。それはほかのメンバーにも言えることだ

 

 

絵里「…穂乃果の"ゴットハンドX"は完成していなかった。日本とスペインの試合の時に話したと思うけど」

 

日本の半数以上の選手たちと知り合い、またはチームメイトであった絵里はこれ以上にない情報源である。

絵里もまた、日本に勝つために躊躇いはしなかった

 

 

ユーリー「その技が完成したのか…厄介だね」

 

「日本の武器は進化の速さ。ブラジル戦だけでも、新必殺技を8種類使用しています」

 

 

鹿角理亞の『ビーストクロー』

黒澤ダイヤの『ヒノカミ神楽』に『陽炎の幻惑』。そして黒澤ルビィとの『インフェルノフェニックス』

高坂穂乃果の『ブラックシールド』

矢澤にこの『スーパーエラシコ』

桜内梨子の『神のタクトWI』

高海千歌の『オーバー・ザ・エボリューション』

 

後半開始直後からブラジルのサッカーに手も足も出なかった日本だが、終盤に差し掛かかる頃には互角の勝負をしていた

 

 

ヴィクトール「日本は特殊技を持つ選手も多いね。出されたら厳しい戦いになりそう」

 

日本が世界の国々と争える理由の1つに能力の強化があった。

ありとあらゆる工夫を重ね、力や実力では及ばずともそれを補うほどの強力な必殺技の数々。

しかし、今では普通の状態でも日本の実力は世界レベルに足を踏み入れている状態。

そんな中で強化技を使われれば…自分たちもただでは済まされないだろう

 

 

「特に要注意な選手はFWは"紅き流星"、日本のエースストライカー黒澤ルビィ。そして"雪原の狼"、鹿角理亞。2人ともATPの使用者です」

 

フロイ「黒澤ダイヤの"ヒノカミ"は発動したらすぐにプレッシャーをかければなんとかなりそうだね」

 

「MFは"太陽の跡目"、サニデイジャパンキャプテン高海千歌。そして…矢澤にこです」

 

フロイ「問題は矢澤にこだなぁ…私でも抑えられるかどうか」

 

絵里「にこはシンプルな勝負には強いわ。でも必殺技で対応すれば可能性はある」

 

ラビ「DFの私たちが頑張らなきゃね〜」

 

アレクセイ「あのブラジル代表と同レベルの実力…今から楽しみだね」

 

「DFは"絶対零度の氷帝"、強力なシュートブロック技を持つ鹿角聖良。"共鳴の堕天使"、SSS級の必殺技を持つ津島善子です」

 

絵里「聖良はDFの司令塔。日本は司令塔を毎回2、3人出して試合をコントロールさせているわ。ロングパスは主ににこの役目」

 

絵里の説明を聞けば聞くほど、日本のサッカーが集団戦の中でも限りなく完成された形だとよく分かる。

恐らく自分たちとの試合でも新必殺技を使ってくる選手は必ず現れるだろう。

日本が対応する前に勝負をつけようとしたブラジルでさえ、日本の進化を抑えきることは出来なかった

 

 

フロイ「私は楽しみにしてた。エリーの日本の仲間たちは…いったいどんなサッカーをするのか」

 

ロシア「「「……」」」

 

絵里「……」

 

フロイ「強い。なら燃えてくるよ…!みんなで最高に楽しいサッカーをしよう」

 

仲間だからこそ。

試合を全力で挑まなければならない。

日本が想像以上のサッカーをしてくるのだとしたら、自分たちはその期待に応えられるほどのサッカーを。

 

準々決勝まで―――あと数日

 

 

 

――――――

 

 

 

一方。

サニデイジャパンの選手たちはミーティングルームに集合していた。

内容は当然、ロシア戦について

 

 

花陽「ロシア代表"パーフェクトスパーク"。現在のFFIランキングは4位。優勝候補の有力チームです」

 

マネージャー、そして司令塔の英玲奈と梨子が調べたロシア代表のデータが次々と説明されていく。

"パーフェクトスパーク"の武器の1つは個々の選手の能力

 

 

英玲奈「ロシア代表選手全員が全ポジションでプレー可能。戦術の予想は難しい」

 

にこ「全ポジション…器用なチームね、」

 

千歌「だから絵里さんも"パーフェクトクイーン"なんだ」

 

そして、そんな個人能力が高いチームが得意とする試合展開は…

 

 

花陽「チームプレーです。ポジション予想困難に加え、そこから展開される戦術は厄介です」

 

花丸「警戒選手は…全員だけど、特にロシア代表エースストライカーの"フロイ・ギリカナン"さんとキャプテンの"絢瀬絵里"さんずら」

 

海未「絵里ですね…」

 

穂乃果「絵里ちゃんかぁ…」

 

にこ「絵里ね…」

 

希「絵里ち…」

 

音ノ木坂学院のメンバー全員が絵里の名を呟く

 

 

曜「え…なんでそんなに嫌そうな顔を?」

 

穂乃果「うーん、ほら、穂乃果が言うのはあれだけどさ。絵里ちゃん…凄い負けず嫌いだから」

 

凛「日本の選手たちの情報を話せるだけ話してるはずにゃ」

 

「「「………」」」

 

梨子「圧倒的…不利」

 

ダイヤ「仕方のないことですわ。あちらも勝つために情報を共有しているのです」

 

月「魔界と天界に乗り込んだ時もいたからね…最近の情報も抜かれているだろうね」

 

情報量では日本が不利。

しかし、負けたとはいえあのイタリアと接戦。そして王者ブラジルを撃ち破った事実は変わらない。

実力ならば十分勝負できるはず、そうイメージし、サニデイジャパンは明日から特訓を開始する

 

 

美奈「技術、必殺技の課題は明日の練習で細かく確認するわ。今日のミーティングはこれで終わり…にする前に」

 

美奈は選手たちの前に立つと、いつものように明るい笑顔とはまた違う。

無理に作ったような笑顔でその場にいた

 

 

美奈「あなたたちには…ちゃんと謝っておかなきゃね」

 

美奈「私たちが"音ノ木坂の奇跡"のメンバーだったことを黙っていたのは…本当に申し訳ないと思っているわ」

 

偉そうに語る資格などないと、美奈は続けた。

仲間1人を犠牲にし掴んだ勝利は、心を締め付ける呪縛以外の何でもなかった。

もう二度と、あの日々は帰ってこない。

サエとの別れもあり、自分たちが遂げた偉業は無価値に等しい。

自分の子供たちに語るなど、もってのほかだった

 

 

穂乃果「監督。それは違います」

 

美奈「…」

 

穂乃果「私たちは"音ノ木坂の奇跡"という明確な目標があったから強くなれたんです」

 

千歌「お母さんたちの日々が…今は私たちの中で生き続けてる。確かに…失ったものもある。でも、今、この瞬間があるためにも…」

 

千歌「何一つ、今までのことが欠けちゃダメなんだよ」

 

これは皮肉というのだろうか。

あの日々が欠けたからこそ、美奈たちは今の家族と出会い、それぞれ別の道ながらこうして新たな可能性を生み出した。

それは紛れもない運命。奇跡。

それを─────"意志を受け継ぐ"と呼び、責める者はいるのだろうか

 

 

穂乃果「私たちのサッカーは…美奈監督の意志でもある。全てが詰まってると思う。穂乃果自身…このチームで、絶対に、絶対に優勝したいもん…!!」

 

真恋「…すごいわね。今の子は」

 

美奈「ええ。ホントに。誰に似たんだか」

 

千歌「よーし…!明日から特訓、頑張るぞー!!!」

 

「「「おーー!!!!!」」」

 

今に必要ない過去など無い。

美奈たちが出来なかったことがある。ならばそれを私たちが。

サニデイジャパンの決意は固く、そして熱く眩しい。その事を再確認し、今日のミーティングを解散とした。

 

 

 

 

 

 

 

その数時間後。

 

 

 

 

「あ!もしもし?私だけど予定通りだよ。ガルシルドの排除に月さんの件、その他もろもろね♪」

 

「…え?大丈夫だよ。バレてないって♪そっちはフラムちゃんに任せるね♪もしもの時は…」

 

 

 

 

 

 

「日本を止めないとね」

 

 

 

月夜。

海は静かに眠っている。

 

いや、まだ終わらぬ。

序章に過ぎなかった嵐とは比べ物にならない、嵐…それが来るのを恐れ―――怯えてるようだった

 

 

 

――――――

 

 

 

高海千歌が起床時間前に起きることは滅多にない。

静かに海から登る朝日を眺め、昨日までの出来事。そして"これから"を自分なりに考えていた。

波の音しか聞こえなかった砂浜に、砂を踏む音が加わる。千歌はそのまま海を見ながら、近づく者の名を呼ぶ

 

 

千歌「お母さん」

 

美奈「千歌ちゃんから呼び出すなんてね」

 

千歌「……ちょっとね」

 

薄暗かった世界に光の線が伸びる。

千歌の体も朝日の温もりを感じ、数秒間を置いて美奈の方へと向き直る。

母の顔はいつもと変わらず穏やかだ。なんだか少し恥ずかしい

 

 

千歌「お母さんのこと、何も知らなかった。一番身近な人が…一番遠い選手だった」

 

美奈「……」

 

千歌「穂乃果さんは…それを知った瞬間。すぐに動いた」

 

"ブラックアーマー"。

美奈の天性の才を限りなく再現、近づいた技。穂乃果は言った。自分が"日宮美奈"のサッカーを繋ぐと。

そして―――

 

 

千歌「千歌も…繋ぎたい」

 

美奈「……」

 

千歌「お願いがある。お母さ…いや、日宮美奈さん」

 

 

 

 

千歌「"カウンターマスター"を千歌に…継承させてください」

 

 

 





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