ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
皆さんどうも。ルビィちゃんキャンディーです。
最近更新遅れて申し訳ないです。早くロシア戦に出来るように頑張ります
舗装された海沿いの道路を駆け抜ける車。
唸りながら風を切り裂くその姿は、まるで何かの生き物のよう
花丸「み、未来ずら〜〜!?」
車の右座席に座る経験も初めてな花丸。
何度も通った道なのに感覚が違う。
小原サエの車に乗るという緊張感と未体験からの好奇心が混ざり合い、なんとも言い難い感覚を味わっていた
サエ「あの後、ガルシルドを拘束しましたがその手下たちの行方を見失っていました。恐らく目的は…」
花丸「復讐…ですか」
サエ「その可能性が高いデスね」
ふと、サエがサニデイジャパンの宿舎までの距離を確認しようと目を逸らした時だった。
花丸の荷物に目が止まる
サエ「…道具の買い出しデスか」
花丸「は、はい。テーピングや湿布、スプレーを」
サエ「随分と…買い込みマスね」
花丸の手には道具2.3個は入れきれない程の大きな袋。
そして車の揺れで擦れる金属音。
相当な量だということが予想できた
花丸「なんか…テーピングやスプレーの消耗が激しいみたいで。すぐに無くなっちゃうんです」
サエ「………チームの一監督として言いますが、嫌な予感がします」
花丸「…??」
サエ「救急道具は特に。練習中はマネージャーたちの目の届く場所にあるのが普通です」
花丸「はい…」
サエ「しかし、気づいたら減っている。それはつまり、」
サエ「誰かが見えないところで、大量に消費している」
花丸「!!!」
サエ「誰か…身体的に限界が近づいている選手がいるのかもしれません」
アクセル音がさらに高まった。
小原サエの焦りからなのか、それとも爽快な一本道だからだろうか。
花丸が見たことも無い速度を示し、車は海岸通りを走る。
一方──────────
サニデイジャパン練習グラウンド。
砂埃が異様に巻き上がり、今起きてることの異常さを物語っていた。
練習中突然の急襲に日本代表のメンバーは状況を理解出来ていない。
そんな中、粉塵の中から現れたのはアラブ系の衣装を纏った集団だった
千歌「あなたたちは…ガルシルドの!?」
ヘンク「ご挨拶が遅れましたね。私の名前は"ラボック・ヘンクタッカー"」
ヘンク「そして我々はガルシルド様の私設サッカーチーム…"チーム・ガルシルド"!!」
果南「チーム・ガルシルド…ガルシルドのためだけに作られたサッカーチームってこと?」
フォクス「高海美奈…そしてサニデイジャパンの選手諸君。ガルシルド様の命令により、あなたたちを利用させてもらう」
千歌「利用…!?」
ヘンク「ガルシルド様が拘束されている今、解放するためにはあなたたちを人質にするのが一番都合がいい」
果南「そこまでしてガルシルドを…」
英玲奈「なぜ、ガルシルドに従うんだ…ヤツの悪事のことはお前たちも分かっているだろう??」
ヘンク「ええ。分かっていますよ。分かった上で協力させていただいているのです」
チーム・ガルシルドのメンバーはサッカー選手の端くれ。
サッカーを悪事に使うことが良い事とは思わないと言うヘンクタッカー。
しかし、光あるところに闇があるように。
大きな望みを叶えるためには悪いことも必要。
ヘンクタッカーたちが生まれた国はとても貧しく、争いが絶えない小国だったという。
すさんだ生活をおくる日々。
そんな時にガルシルドと出会い、救いの手と呼べる言葉をかけられた。
『自分が世界を支配すれば、お前たちの国を救ってやる』と
フォクス「そのためならどんな命令でも聞きます。平和な国で生きてきたあなたたちには分かりませんよ」
曜「そ、そんな…でも…」
美奈「…そう。でもそれは無関係な子たちを巻き込む理由にはならないわ」
美奈「サッカーは人を傷つける道具じゃ無い」
千歌「…お母さん、」
ヘンク「…やれやれ、あなたがたとは分かり合えそうにないですね」
黙って人質になる人がいるはずなど無い。
それはヘンクタッカーたちも把握している。
だからこそ、日本代表に条件を提示した
『試合をして日本代表が勝ったら大人しく引き下がる。チーム・ガルシルドが勝ったら人質になってもらう』と
美奈「拒否権は無いみたいね…」
千歌「試合、受けて立とう」
「「「!!!!」」」
千歌「これは…サッカーを守る戦いだよ。この試合に勝って、本当の決着をつけるんだよ…!」
サエ「その通りデース」
日本「「「!?!?!?」」」
続けてフィールドに現れたのは小原サエ。
まだ警察には連絡していない。
なのになぜ彼女がこの場にいるのか
ルビィ「は、花丸ちゃん!?」
花丸「ルビィちゃん!!大丈夫ずらか!?」
偶然花丸への連絡を聞いていたというサエ。
しかし、これでチーム・ガルシルドの逃げ場は無くなったことになる。
逆に自分らが負ければ小原サエは人質の取引に応じなければならなくなる
千歌「みんな…絶対に勝とう!!!!」
「「「おーっ!!!!」」」
―――
美奈「…じゃあ、スタメンを発表するわね」
美奈「FW 渡辺月、星空凛、綺羅ツバサ」
月、ツバサ「「はい!」」
凛「…!」
美奈「MF 統堂英玲奈、高海千歌、矢澤にこ、園田海未」
英玲奈、千歌、にこ、海未「「「はい!!」」」
美奈「DF 鹿角聖良、津島善子、葉石晴夏」
聖良、善子、晴夏「「「はい!!」」」
美奈「そしてGK…松浦果南」
果南「はい!」
ー サニデイジャパン ー
FW……渡辺月、星空凛、綺羅ツバサ
MF…………園田海未、高海千歌☆
MF…………統堂英玲奈、矢澤にこ
DF……………鹿角聖良、葉石晴夏
DF……………………津島善子
GK…………………松浦果南
1-2-2-2-3
ー チーム・ガルシルド ー
FW……………コヨーテ、スコーピオ
MF…オウル、ヘッジ、マンティス、クロウ
DF…ジャッカル、ヘンク、バファロ、ディンゴ
GK……………………フォクス
ヘンク(高坂穂乃果、黒澤ルビィをベンチですか…舐められたものですね)
果南「…よしっ!気合い入れてくよ」
凛「……(凛がセンターフォワード…)」
絶対に勝たなければいけない試合。
日本代表監督 高海美奈ともう1人、イタリア代表監督 小原サエもベンチに座った。
ベンチからとてつもない威圧を感じるが、今目の前にいる敵に集中する
ヘンク「ガルシルド様のために!!」
「「「ガルシルド様のために!!!!」」」
前半はサニデイジャパンボールからスタート。笛が吹かれ、日本の選手たちが同時に走り出す
凛「ツバサさん!」パス
ツバサ「―――!」
まずはツバサが相手と1対1の勝負に挑む
マンティス「―――!」
ツバサ「……」バッ!
足元でボールを動かしながら相手の動きを探る。今のところ相手に目立った変化はない。
ならば自分の得意なプレーで…
マンティス「もらっ────スカッ
マンティス「!?」
ボールの幻覚を利用した"アイソレーション"に相手がつられ、バランスが崩れる。
それをツバサは見逃さなかった
ツバサ「っっ!!」バッ
月「ナイス、ツバサさん!」
まずは1人目を突破。
ツバサの華麗なドリブルにベンチからはどよめきが起こる。
UTX高校史上最高のストライカー。
その実力は本物である。しかし、
ツバサ「―――月!」パス
月「よし…このまま─────ギュン!!!
ツバサ、月「「!?!?」」
甘いパスでは無かった。
相手選手が取れないことも想定した。
そんなパスが―――DFブファロに簡単に奪われる
凛「にゃ!?」
千歌「え…速い!?」
ツバサのボールを奪ってからのスピードが異常だった。
まるで全力疾走を続けているかのようなドリブル
バファロ「ヘッジ!」パス
パスで前線にボールを送るチーム・ガルシルド。
サニデイジャパンの選手はディフェンスに入るも、その異常な身体能力から仕掛けられるドリブルを止めることが出来ない
梨子「なんなの…あのスピード」
美奈「……」
サエ「……」
善子「これ以上は行かせないわよ!!」バッ
サニデイジャパンの最終ライン、津島善子が止めに入る。
どんなに速いスピードで来たとしても、共鳴ならば抗えることが出来るはずだ。しかし、
コヨーテ「―――!!」バッ!
善子「なっ!?」
FW コヨーテは共鳴の射程範囲内に入る直前で高くジャンプ。
空中でシュートの構え。今から共鳴を発動しても物理的に間に合わない
コヨーテ「喰らえ!【ガンショット】!!」
果南「……止める!!」バシャアァン!
果南は自身の真下に広がる海から巨大な槍を取り出す。
いるか座のオーラが込められた神器。
『デルフィナス・トリアイナ』である。
そしてその槍を──────全力で握る
果南「形状変化──【アトランティス】!!」
超パワータイプへと変化した三叉戟で果南は迫るシュートを待ち構える。
この槍により、一体何本のシュートが海の底へと沈んでいったのか…それは、果南本人でさえ
──────ドゴッッッッッッ!!!!!!
コヨーテ「!!」
チームガルシルド「「「!!!!」」」
───数えきれないほどである
コヨーテ「…少しはやるようだな」
果南「甘く見てもらっちゃ困るね。力には自信あるんだ」
ピンチを凌いだ日本。
しかし、日本の守備がこうも簡単に破られるのには少々違和感があった。
身体能力が高いチーム・ガルシルドの選手たち。それだけならまだしも、この止まらない寒気。何度も経験した感覚だった
千歌「…あの人たち、闇の力使ってます」ズキズキ
英玲奈「痛むのか?」
千歌「はい」ズキズキ
英玲奈「…まさか、RHプログラムか??」
ヘンク「ご名答!」
千歌、英玲奈「「!!!」」
『RHプログラム』。闇の力を擬似的に身体に宿らせる強化人間プログラムである。
純粋な闇の力のように、闇のオーラや闇の必殺技は使えないが、身体能力が爆発的に向上する
千歌「…なんでそんなことを、そんな体でサッカーをしたら、体がボロボロに」
ヘンク「ふふ、何も分かっていないようですね」
千歌「!?」
ヘンク「私たちがロニージョと同じだと思っているのですか?ザ・キングダムのロニージョ。彼女はただの実験台でしか無かったのです」
にこ「実験台…!!」
ヘンク「そう!強化人間プログラムを完成させるための必要なデータを摂るためにね」
日本「「「!!!!!!」」」
ヘンク「彼女は十分役目を果たしてくれました。自らの体を犠牲にしてね。もちろん、高海千歌、高坂穂乃果。そして…日宮美奈、あなたがたも」
呼び起こされる悲劇の数々。
自分の好きなものを守るため、その身を犠牲にしたロニージョ、そして美奈。
精神を蝕むほどのダメージを負わされた穂乃果と千歌。
人間を道具としか見ないガルシルドの呪縛は過去から今まで、途切れずに繋がっていた
ヘンク「そして完成したのが私たち…!究極の強化人間プレイヤーなのです!!」
果南「…許せない!ロニージョや千歌たちを…実験台に使うなんて!!」
ヘンク「全てはガルシルド様が支配する理想の世界を作るため!」
果南「サッカーは支配するための手段じゃない!!」バシッ!
ヘンク「!!」
果南はボールを高く蹴りあげた。
この試合、絶対に勝たなくてはならない。
これ以上、サッカーをする者の未来を失わせないためにも、自分たちのためにも
海未「ナイスパスですよ果南」
ディンゴ、ジャッカル「「行かせない!!」」バッ
海未「……力には────力です」ゴォォッ!
ディンゴ、ジャッカル「「!?」」
海未「【風神の舞】っっ!!!」
例え身体能力が高い選手だとしても、海未のスピードと必殺技に手出しは出来ない。
切り裂くようなドリブルで相手陣内を突き進む
海未「はあぁぁっっ!!!!」
ゴールが射程範囲内に入ったため雷雲召喚。
自身のスピードを最大限に引き出した雷神の一撃
海未「【天地雷鳴 改】!!!!」ドガアァン!!
大地を削りながら進む雷雲の嵐。
威力は相当なものだが、GKフォクスは迫るシュートを前に、不気味な笑みを崩すことは無かった
フォクス「【ビッグスパイダーV2】!!」ズン!
海未「…!!」
巨大なクモの足が海未のシュートを捕らえる。
まるで巣に誘い込まれた虫のように、徐々に包まれ吸い込まれ、気づけばボールはフォクスの手の中で止まっていた
フォクス「ふふ…こんなものですか?」
千歌「海未さんのシュートが…」
海未「やはり、一筋縄ではいきませんか」
悔しいが、強化人間の力は本物。
異常なスピードとパワーでサニデイジャパンを追い込んでいく。
さらに、今まで戦ってきた世界のチームとは決定的に違うことがあった
クロウ、マンティス
「「【ジャッジスルー3】!!」」ドガン!ドガン!
善子「ちょっ!?痛っ!?」ドガッ!
果南「善子!!!」
力をぶつけることに──躊躇いがなかった。
ボールを日本の選手に叩きつけ、突き飛ばし、危険なプレーも容赦ない。
魔界の民と戦った時のような気持ちだった。
今のサッカーは…楽しいとは別の世界にある
英玲奈「果南…!集中しろ!!」
果南「!!」
果南が意識を試合に戻すと、十数メートル先で突破した選手がシュートを撃つ体勢に入っていた。
だが、どんなに力があったとしてもこの槍で全部沈める。
神々しく光る三叉戟を構え、来たるシュートへ――――バシュゥゥゥン!!!!
果南「……え、」
日本「「「!!!!!!」」」
ヘンク「ふふ」
果南の背後からボールが転がってきた。
自分の後ろにはゴールしかないはず……決められた、のか?
しかし、果南が集中した時にはボールは確かに相手選手の足の下にあったはずだ
ルビィ「…見えた?」
理亞「………見えなかった」
サエ「厄介ですね」
果南の動体視力はサニデイジャパンの中でもずば抜けて優秀だ。
もし、相手選手が果南が反応出来ないほどのスピードのシュートを蹴れるのだとしたら
ヘンク「あなたたちに勝ち目はありません」
果南「…!!」
花陽「果南さんが反応出来ないスピード…」
穂乃果「悔しいけど、穂乃果も全く見えなかった。このままじゃ…」
美奈「…大丈夫よ。果南ちゃんなら」
「「「!!!」」」
花陽「何か作戦が!?」
美奈「作戦も何も、果南ちゃんに任せるの。この試合…果南ちゃんには大きな刺激になる」
果南の表情には悔しさと戸惑いが混ざっている。しかし、美奈の目に迷いは一切感じられない
美奈「先に言っておくわ。次の試合…ロシア戦のGKは―――果南ちゃんよ」
サニデイジャパン 0-1 チーム・ガルシルド
チーム・ガルシルドよ…果南ちゃんの進化素材になってくれ