ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも。ルビィちゃんキャンディーです。
スクスタの新イベ ルビィちゃん可愛すぎ。好き




第3章 153話 「ロシア戦 "深淵の瞳"」

 

 

 

 

前回の、輝こうサッカーで!

A‐RISEが目指した究極の必殺技"Shocking Party"。英玲奈とあんじゅの全能力をツバサに預けるという、信頼の塊とも言える技であった。

さらに果南が"アイス・ブルーモーメント"を攻略。サニデイシャパンの反撃が始まろうとしていた

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

その不思議な感覚が────日常の一部になっていた。だから思い出せなかったのだろう

 

 

果南(この感覚は…海の中と同じだ)

 

幼い頃から海は体の一部だと思っていた。全身が水に包まれ、溶けていくような感覚。

海中で水面を見ると、ゆらゆらと揺れながら太陽が自分と青い世界を輝かせている。

 

身体だけでなく、意識も海に溶け、まさに時間という概念が存在しない世界。

このまま海の底へ、深く暗い、宇宙のような世界へと消えていくのだろうか。

 

そんな世界を────果南はフィールドの上で見ることとなった

 

 

果南『【深淵の開眼】』

 

時を止める技では無い。時が止まった世界を見ることが出来る果南の技、能力の開花。

 

そのため自身も動くことは出来ない。あくまでもこの技は今現在ボールがどこにあるのかの把握。つまり、"深淵の開眼"を解除し、タイミング良くシュートを抑えなければならない

 

 

果南(通常の形態では重くて間に合わない…なら、もっと鋭く伸びる…突き抜ける槍)

 

暴風雨の神"スサノオ"をイメージする。スサノオの"スサ"は「進む」と同根。勢いに乗り、嵐を貫き、天にも穴を開けるその槍は―――

 

 

果南『…"深淵の開眼"、解除』

 

時は再び動き出す。同時に、"デルフィナス・トリアイナ"にイメージを注ぎ込む

 

 

果南『形状変化─────────

 

 

 

 

グサッッッッッッ!!!!!!!!

 

 

 

─────【スサノオ】」

 

 

 

―――――――――

―――――

――

 

 

 

 

真恋「あの一瞬で2つの新技を…」

 

美奈「北ちゃんも言ってたわ。果南ちゃんは動体視力を超えた才能を持ってるって」

 

美奈「果南ちゃんの開眼。そしてA‐RISEの覚醒…これで準備は整ったわ。梨子ちゃん、ことりちゃん」

 

梨子、ことり「「!!」」

 

美奈「準備してね♪」

 

 

 

A『さあ!松浦果南がこの試合初めてとなるシュートの阻止!素晴らしいセービングでした!』

 

レヴィン『あの僅かな時間で"デルフィナス・トリアイナ"を新たな形状へ変化させ、武器である動体視力で刺した…松浦果南、海皇の名に恥じないプレーでしたね』

 

 

果南「善子!頼んだよ!」パス

 

善子「ナイスだったわ。果南」

 

ボールを受け取った善子はドリブルを始める。あんじゅが動けない今、自分はオーバーラップせず、聖良と守備に徹底する必要がある

 

 

聖良「善子さん…!あまり長く持たないでくださいね!」

 

善子「分かってるわ────よっ!!」グルン!

 

ユーリー「なっ…躱した!?」スカッ

 

聖良「…!!」

 

聖良との会話で余所見をしていた善子。

ユーリーが背後からボールを奪いに来ていることに聖良が気づいたのは、足がボールに触れようとしていた時だった。

しかし、まるで分かっていたかのように"共鳴の堕天使"は回避してみせた。

 

そう、共鳴したのだ

 

 

善子「【Deep Resonance】」

 

こうなってしまっては、ロシアの選手たちは善子に迂闊に近づくことは出来ない

 

 

善子「ツバサ!!」パス

 

その一瞬の迷いを突き、善子は陣地を跨ぐロングパスを放った。名を呼ばれた少女はすでにスタートを切っており、共鳴を利用した正確無比なパスがツバサの足元に落ちる

 

 

ツバサ「すごい正確なパスね」

 

絵里「ホント。善子の共鳴は厄介だわ」

 

ツバサ「!」

 

絵里「……」バッ!

 

すでに絵里は必殺技を放っていた。ツバサの周辺では雪が舞っている。そして自分へと向けられた片腕。数秒後の閃光により視界が奪われ、仲間が作ったチャンスを無駄にしてしまう。

しかし、

 

 

ツバサ「……」スッ

 

絵里「…??」

 

動揺せず、パスを出して回避することもせず、落ち着いた表情で地面に手をつくツバサ。

何を仕掛けるか分からないが、先に技を発動すれば自分の勝ちだ

 

 

絵里「【スノーハレーション】!!」

 

―――キラキラキラ!!!!

ツバサが眩しい光に包まれる。タイミングを計ってボールを奪おうとした絵里だったが、閃光の中で───ツバサが何か一言、呟いた気がした

 

 

 

 

 

 

ツバサ「【エンペラータイム】」

 

 

 

 

 

光が消えた時には───絵里は抜かされていた

 

 

絵里「…!?」

 

 

A『絢瀬絵里の必殺技でも綺羅ツバサからはボールを奪えません!!!!』

 

レヴィン『"エンペラータイム"は統堂選手の技ですよね』

 

 

敵味方選手の位置・情報を瞬時に把握する英玲奈の必殺技、"エンペラータイム"。

それをツバサが発動し、絵里の位置を把握することにより、目を閉じながらのドリブルで、"スノーハレーション"を破ったのである

 

 

和葉「3人の選手が1つになってると言える今のツバサ…私たちでも止めるのは厳しくなりそうだね」

 

フィレア、鞠莉、フラム「「「………」」」

 

 

 

ツバサ「理亞!」パス

 

アレクセイ「な…!?自分で行かないの!?」

 

自分で決めに来ると思って構えていたことが裏目に出た。守備が薄くなった理亞にボールが渡る。ゴールまでの間に遮る選手はいない

 

 

理亞「今度こそ…っっ!!!!」ゴオォォォ!!

 

チャンスは限られている。これ以上、失敗するわけにはいかない。ツバサから託されたこのボール…絶対に──────

 

 

理亞「決めるっっ!!」メキッッッ!!!

 

理亞「【ラストリゾート】!!!」ドガアァン!!

 

ドカァン!ドガァン!ドガァン!

バウンドする度に地面を抉り、轟音と衝撃を放ちながらゴールに迫っていく。

1回目で失敗した距離はすでに越えている。行ける―――そう、思った時だった

 

 

 

―――ボゴオォォォォン!!!!!!

 

 

日本「「「!!!!!!」」」

 

理亞「!!!!」

 

"ラストリゾート"の破裂。失敗

 

 

A『ああっと!?またしても不発になってしまった!!!』

 

レヴィン『これ以上続けると、チームの流れを止めてしまう可能性がありますね。理亞選手にはまだ早かったのでしょう』

 

 

理亞「ハァ…ハァ……くっっ、なんで…」

 

理由が分からない。何故、成功しないのか。自分の"ラストリゾート"には何が足りないのか。悔しさと怒りで、理亞はその場から立ち上がることが出来ないでいた

 

 

ルビィ(今の理亞ちゃんは"ラストリゾート"のことしか頭に無い…本来のプレーが出来てないもん)

 

 

ツバサ「………」

 

ツバサ(先に同点にした方が良さそうね)

 

 

ゴラン「フロイ!」パス

 

 

あんじゅ「ハァハァ……」

 

善子「ちょっ、大丈夫なの??顔色が真っ青じゃない!?」

 

あんじゅ「なんのこれしき…よ。まだ私たちの全力を終わらせるにはいかない!!」

 

息切れが酷く、今にも途切れそうな光の線。限界が近づいているのは英玲奈も同じだ。

A‐RISEの3人の時間は残されていない。そんな中でのディフェンス

 

 

にこ「フロイ!!にこと勝負しなさい!」

 

フロイ「悪いね」パス

 

ヴィクトール「―――!」パス

 

にこ「ちょっ!?ワンツー!?」

 

フロイ「あなたとの勝負は今はお預けかな♪」

 

今のワンツーパスを見てもそうだ。にこが対応できないほどの正確さとスピード。

まるでコンピュータのように完成された連携。準決勝まで勝ち上がる強豪だけのことはある

 

 

フロイ「勝負だ!松浦果南」

 

気高き銀狼がシュートの構えに入った。

彼女のオーラがステンドグラスのように輝き、そのまま足に纏い始める。

そして蹴り上げたボールはクリスタルへと変化

 

 

フロイ「【イノセントドライブ】!!」

 

上空へと飛んだフロイは、クリスタルのボールをオーラで強化した足で蹴り放つ。

シュートと共にクリスタルの破片がきらびやかに舞い、宝石のような美しさがそのシュートにはあった。しかし、

 

 

果南「形状変化──【アトランティス】!!」

 

この宝石を―――松浦果南は全力で砕く

 

 

果南「──────はあぁっっ!!!!」

 

 

―――ガキィィィィン!!!!!!

果南の腕に衝撃が走った。そしてこの音。本物の金属を相手にしているかのような硬さ。

パワータイプの形状を選んで正解だった。硬すぎて刺せないこのシュート…このまま押し切られるところだった

 

 

果南「!!!!」

 

 

ヴィクトール「槍が弾かれた…!!ゴールだ!」

 

絵里「……まだよ」

 

確かに。果南の必殺技は宝石シュートにより弾かれてしまった。しかし、果南は弾かれた動きに抗うことなく

 

 

果南「―――っっ!!!!」グルン!!

 

フロイ「弾かれた遠心力を!?」

 

果南「刺せないなら打ち返すっっ!!!!」

 

果南「でりゃあぁぁぁっっ!!!!」ガキィィン!!

 

一回転からのフルスイング。

火花を散らしながら、宝石は砕け、ゴールとは真逆の方向へとボールは飛んだ

 

 

にこ「こぼれ球は任せなさい!!」

 

 

A『止めたぁぁ!!松浦果南、神器の重さを利用し、フロイ選手のシュートを打ち返した!!!!』

 

 

にこ「【スーパーエラシコ】!!」バッ!バッ!バッ!

 

ロシア代表の選手たちが、ディフェンスに切り替える前に突破する。

連続で技を発動し、相手が対応に遅れたところを―――

 

 

にこ「遅いっっ!!」ギュン!

 

ルース「なっ!?」スカッ

 

にこ「足が止まってるわよ!!」スババッ!

 

シャミール(なんなの…このフェイント!?)

 

例え、2.3人がかりでディフェンスをしたとしても。矢澤にこのドリブルの前では無意味になるだろう。人数差を超えるテクニック…それと対等に争わない限り、この少女からはボールは一生奪えない

 

 

にこ「千歌!!」パス

 

千歌「はい!ツバサさん!」パス

 

 

A『ダイレクトパスで高海千歌が綺羅ツバサへとボールを蹴った!!このボールが渡ればサニデイシャパンは大チャンスです!!』

 

 

ツバサ「任せ────「シュートは撃たせないわ」バッ!

 

ツバサ「!!」

 

千歌のパスがツバサの頭上まで来た時だった。自分とすれ違うように飛び出していったのは、金色に髪を輝かせる、絢瀬絵里だった

 

 

A『ああっと!?絢瀬絵里がパスをカット!突然のことに、日本の選手たちは反応出来ていません!!!』

 

 

絵里「─────っっ!!」バッ!

 

 

善子「!!…絵里、シュート撃つ気よ!?」

 

果南「嘘!?まだ手が痺れてるから形状変化は―――

 

 

絵里「【アイス・ブルーモーメ─────

 

 

──────バキィィィィン!!!!

 

絵里「!?!?」

 

日本、ロシア「「「!!!!!!」」」

 

絵里がシュートを撃とうとするのと同時だった。誰かがボールが絵里の足と挟まれる形になるように足を出し、シュートをブロック

 

 

絵里「くっっ…!!いつの間に!?」

 

ツバサ「あなたのシュートも…撃たせないわよ」

 

 

A『綺羅ツバサ間に合ったっっ!!両足を使ってのシュートブロック!!!なんという執念でしょうか!?』

 

 

絵里「もう一度奪って─────スカッ

 

絵里(ボールがすり抜けた!?)

 

 

にこ「…!!"アイソレーション"!」

 

三浦和葉や綺羅ツバサが得意とする技術。

高速の動きと緩急を利用し、"ボールがその場にあるように"見せかける…幻覚ドリブルである

 

 

ツバサ「まとめて相手してあげるわ」

 

その言葉通り、次々と迫るロシアDFを躱していくツバサ。その動きはまさに人間を超えた領域。

真の"ゴットストライカー"の絶技を、千歌たちは目撃している。そう、思わせるほど

 

 

ラビ「はあぁっっ!!」ズザーッ!

 

ツバサ「理亞!」パス

 

ラビ「…!!」

 

先程と同じパターンだ。自分で攻め込むと見せかけての理亞へのパス。ギリギリまで気づけなかったのは、これも"アイソレーション"による幻覚によるものだったのだ。

しかし、

 

 

ラビ「グエンナディ!今だよ!!」

 

ツバサ「!!」

 

理亞へのパスは予測されていた。

このままでは、理亞がシュートを撃つ前にボールを奪われてしまう。フォローに入る必要があると、ツバサが引き返そうとした時だった

 

 

グエンナディ(あ…あれ…?)

 

理亞「―――!」バッ

 

 

数秒前まで、シュートの構えをしていた理亞が…

 

 

絵里「違う…!!グエン!!」

 

 

ボールを─────蹴り返していた

 

 

ツバサ「最初から…ワンツーパスのつもりで、」

 

理亞「決めて…!!ツバサさん!!」

 

敵味方、理亞がシュートを撃つと思っていたからこそ。ツバサとGKの1対1の状況が生まれた

 

 

ツバサ「…ありがとう。理亞、そしてみんな」

 

ツバサは魔法陣を自身の目の前に発動させる

 

 

ツバサ「一気に決めるわ。あとは…頼んだわよ」

 

あんじゅの"ジャッジメント・レイ"。そして英玲奈の"シェルビットバースト"を合わせた必殺シュート。

破壊のレーザー砲が、唸りをあげる

 

 

ツバサ「【ジャッジメント・バースト】!!」

 

魔法陣にボールを打ち付け、時間差でチャージされたエネルギーを一気に放出する。

破壊力の高いディフェンス技をシュートに利用する…これが、A‐RISEの長所を組み合わせた結果

 

 

ゴラン「【ツーマンデ・ゴラン】っっ!!」

 

 

後輩たちに見せる、自分たちの全力

 

 

ゴラン「ぐっっ……お、重……っっ!?!?」

 

 

―――バシュウゥゥゥゥン!!!!!!

喜びを爆発させ、拳を天へと突き上げるその姿は────純粋にサッカーを楽しむ少女そのものだった

 

 

A『ご、ゴール!!!!サニデイシャパン同点です!!綺羅ツバサのゴール、A‐RISEの活躍により、試合は振り出し!!!!』

 

 

ツバサ「ハァ…ハァ……時間切れ、みたいね」

 

日本陣内を見ると、自分と同じように英玲奈とあんじゅもその場で座り込んでいた。

2人には無茶をさせた。それと同時に…本当に楽しかったと思う

 

 

理亞「今回は私が肩を貸す」

 

ツバサ「…!」

 

理亞「いつも私、人の肩を借りてばっかりだから」

 

ツバサ「ふふ。ありがと」

 

綺羅ツバサ、統堂英玲奈、優木あんじゅがフィールド外へ。日本のために全力をぶつけた先輩3人の勇姿を称え、そして託されたメンバーとしての自覚を胸に。

それは―――交代する選手たちも同じだ

 

 

あんじゅ「ことりちゃん、DF…頼んだわ」

 

ことり「はい…!頑張ります!」

 

英玲奈「梨子。本当に感謝している。そしてここからは…託すぞ」

 

梨子「英玲奈さんの分も必ず…!」

 

 

 

そして────綺羅ツバサも託すことになる

 

 

 

ツバサ「好きなだけ暴れて。"紅き流星"さん」

 

ルビィ「はい。あとは任せてください」

 

 

サニデイシャパン第2陣

 

日本の真の猛威は────ここから始まる

 

 

日本 2-2 ロシア

 

 





『深淵の開眼』 特殊技/松浦果南
果南のずば抜けた動体視力の行き着いた境地。"時が止まった世界"を見ることが出来ます。時間を止めたわけではないので、自分も動くことは出来ません。高速シュートなどの普通の視力では捉えることが出来ないものを見る時に発動します。高速シュート以外にも使える可能性が…

『形状変化"スサノオ"』 キーパー技/松浦果南
"デルフィナス・トリアイナ"の新たな形状です。スピード、貫通力に特化しており、高速シュートなどに最適な形状となっています。スサノオ神の名の由来には諸説ありますが、輝こうでは本文の設定で。

『ジャッジメント・バースト』
シュート技/Shocking Party状態の綺羅ツバサ
英玲奈の"シェルビットバースト"。あんじゅの"ジャッジメント・レイ"を合わせた必殺技です。技の流れは"シェルビットバースト"と同じですが、あんじゅの魔法陣のオーラで破壊力が増しています。


次回で前半は終了です。


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