ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
みなさんどうも。ルビィちゃんキャンディーです。
ロシア戦もあと少しとなりました。ついにゴールが見えてきましたね。
前回の、輝こうサッカーで!
亜里沙の能力は選手たちのプレー・必殺技のコピー、"カミウツシ"だった。反則級の技に為す術もなく抜かされる日本の選手たち。イタリア戦の記憶が蘇る"触れないシュート"。才能に圧倒されるまま、点差は1となった
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私が亜里沙の才能に気づいたのは、あの子がジュニアクラブチームでサッカーを始めた時だった。
ジュニアとはいえ、選手の何人かはすでに必殺技を習得していた。私もその1人。かなりの時間を使って習得したから…苦労したことを覚えているわ。
でも、亜里沙はサッカーを始めてから数日で、メンバー全員の必殺技を覚えてみせた
ありさ『お姉ちゃんの技は…こんな感じ!』
えり『は、ハラショー……』
昔から母の料理の作り方をすぐに覚えたり、自転車に簡単に乗れたり、勉強が出来たり。
凄いな、と思うことは多々あった。だが、ここまで露骨に人とは別次元の光景を見せられれば、戸惑う人たちも現れるのは当然。
亜里沙の能力には賛否両論あったわ。
他人の努力を盗む、台無しにする。そもそもサッカーが面白いのか?
ほとんどは嫉妬からの意見だったが、亜里沙はよく悩んでいたわ。その度に、私やフロイ、ユーリー、ヴィクトール…仲間たちで亜里沙を支えた
フロイ「アリサ。ナイスシュート!」
亜里沙「ありがとうございます!フロイさん!」
神は亜里沙に才能を与えたのと同時に、いくつもの試練を与えたんだと思っている。
しかし、今までの試練。そして足の病気をも克服してみせた。
ただ与えられただけの才能では無いのだ。自分の力で才を守り抜き、今、この場に立つ彼女はまるで、数々の試練を乗り越えた英雄・ヘラクレス。
その才能・努力から私たちは亜里沙を"半神"と呼んだ
A『凄い選手が現れたぁぁぁ!!!!"カミウツシ"を発動する絢瀬亜里沙はまさに、1人で全世界のプレイヤーの可能性を持つ選手!!』
レヴィン『まさに"神写し"。サニデイシャパンの選手たちは、自分たちを相手にするような感覚なのでしょう』
ダイヤ「幼い頃から飛び出た才能…ですか」
英玲奈「ダイヤ…」
鞠莉「まるでルビィみたいね。でも、私たちは絵里たちのようにルビィを支えることが出来なかった」
フィレア「それは違うよ。鞠莉」
鞠莉「…!」
英玲奈「亜里沙にとっての試練が嫉妬と病気ならば、ルビィの試練は孤立…だったのだろう。だが今はどうだ?全国大会、日本代表」
ダイヤ「…!」
英玲奈「亜里沙もルビィも、お前たちがいたから今、あの場に立って……」
ルビィ「やってくれたね…」
亜里沙「まだまだ…こんなものじゃないですよ!」
ルビィと亜里沙。会うのは始めてだが、似たような境遇を経験した彼女たちは、お互いに共感を覚えたのと同時に―――だからこそ、絶対に負けたくないと心を燃やしていた
千歌「ど、どうしよう…亜里沙ちゃんを特に警戒しないとこのまま…」
梨子「待って千歌ちゃん。それだと私たちが前半のロシアと同じ状況になるわ」
亜里沙に意識を向けすぎることにより、ほかの選手への守備が薄くなる。そうなればあちらも容赦しないだろう。
反則級の選手が出てきたからこそ、守備に全体的な視野を持つ必要があるのだ
ピーーッ!!
ルビィ「千歌ちゃん…!」パス
後半戦開始から数分で2度目のスタートとなったサニデイシャパン。一方、ベンチでは美奈が新たな動きを見せようとしていた
美奈「希ちゃん」
希「はーい」
美奈「行くわよ」
千歌「まずは…ボールを繋げなきゃ、曜ちゃん!」パス
ボールをもらった曜。すぐにチェックに入るのはパーフェクトスパークのキャプテン
フロイ「ふぅ…アリサが来たからには負けられないね」
曜「通させてもらうでありますよ…!!」グッ!
"スプリントワープ"の構えに入った曜。
自分が世界トップクラスの選手相手にどこまで戦えるのか…分からないが、やれることを全力で
理亞「……!?曜っっ!!待って!」
曜「【スプリントワ────
必殺技の名、そして理亞の声が届くよりも先に。フロイがボールを奪い取っていた
曜「え…!?」
フロイ「だいぶ体が温まってきたよ…!」
A『フロイ選手、ボールを奪ったぁぁ!!動きに無駄がありません…!』
レヴィン『前半とは違って気持ちを切り替えてプレー出来ていますね。亜里沙選手の得点もあるとは思いますが、流石は"気高き銀狼"と呼ばれた選手ですね』
海未「フロイのあのスピード…突然跳ね上がったように見えましたよ、」
千歌「海未さん…フロイさんは多分、"ゾーン"を発動してます」
海未「ゾーンをですか…納得です」
フロイほどの実力を持つ選手ならば、持っていてもおかしくは無い。だが、発動されて厄介なことには変わりない
絵里「フロイはスイッチが入るのが相変わらず遅いわね…」
亜里沙「フロイさんらしくて亜里沙は好きだよ!」バッ!
絵里の横を亜里沙が駆け抜けていく。一方、ゾーンを発動したフロイは"日本のファンタジスタ"との1対1を繰り広げていた
フロイ「ふぅ─────っっ!!」バッ!!
にこ(速っっ…なかなかやるじゃない!!)
ドリブルだけでなく、ディフェンスも優秀なにこが防戦一方となっていた。
フロイを突破させない動きをするだけで、隙をつきボールを奪い取るまでの余裕が作れない。それほどまでのステータスの上昇。
しかし、防戦一方でも抗える状況の時点で、フロイは驚きを隠せていなかった
フロイ「ゾーンの私に着いてくるって―――あなた何者??」
にこ「宇宙No1プレイヤー、矢澤にこよ!!」ズザーッ!!
フロイ「危なっっ!?」バッ!
スライディングをすることにより、足の届く範囲を伸ばしてきたにこ。
しかし、流石の反射神経でそのカットを回避したフロイは絶好のチャンス。
スライディングをしたということは再び立ち上がり、自分の前に立ち塞がるまでに時間がいる。つまり大きな隙を作ってしまったのだ
フロイ(このまま突破だ!!)
しかし、矢澤にこはここで終わらない
にこ「逃がさないわ―――よっっ!!」ブォン!
スライディングの体勢で手を軸にしながら、自分の体を時計の針のように回転。足で突破しようとするフロイのボールを狙った
フロイ「!?」
まさか狙ってくるとは思わず、ドリブルのリズムを崩してしまったフロイ。
そこをすかさず攻めるにこ。ゾーン状況の選手からボールを奪うためには、ここまで揺さぶらなければならないのだ
フロイ「ふぅ…流石だね。あのブラジル代表と近い実力を持つことはある」
にこ「ハァハァ…あんたこそ、すばしっこいわね」
戦えてはいるが、ジリ貧の勝負になれば最終的にはスタミナ切れで負ける。
そんな考えが頭をよぎった時、フロイのすぐ横から別の選手の声がした
亜里沙「フロイさん―――ください」
にこ、フロイ「「!!!」」
にこ(ちょっ…2人相手は無理よ…!?)
亜里沙のフォローだった。
この勝負は諦めて、DFたちのところまで退くべきか…そう考えたのと同時だった
にこ(…!!このオーラ、)
自分の背後から高速でこちらに迫ってくる気配がした。この離れても伝わってくる熱気と刺すようなオーラ、間違いない
にこ「…助かったわ。ルビィ」
亜里沙「!?!?」
ルビィ「──────っっ!!!!」ギュン!!
真っ直ぐ飛び込んでくる赤髪の少女。
目を紅く染め、いや、燃え上がらせ、足に―――オーラを込めている
亜里沙「ルビィさんっっ!!」バッ
ルビィ「亜里沙っっ!!」ゴゴゴゴ!!
―――ドオン!!!!!!!!
空気を揺らす、太鼓を叩く時のような力強い音が響いた。シュートに近い蹴りでボールを介し、ぶつかる少女2人
ルビィ「はあぁぁっっ!!!!」メキメキ!!
亜里沙(ぐっ…!?つ、強い!?!?)
自分と同じぐらいの体格の炎の少女。
間接的だが、彼女の蹴りとぶつかって真っ先に思ったことは―――重い。とてつもなく重い
亜里沙(力比べじゃ勝負にならない…!!)
亜里沙「【カミウツシ】!」バッ
ルビィ「───────!!」
このまま強引に押し切ろうとした時だった。亜里沙が"カミウツシ"の名を発したのと同時に、2人の周りに"雪"が舞い始めた
ルビィ「…これって!?」ググググ!
亜里沙「【スノーハレーション】!!」キラキラ!
ルビィ「ぴぎっ!?」
A『おおっと!!これは絢瀬絵里
のドリブル技、"スノーハレーション"!!』
絵里の時のように身構えていなかったため、フラッシュにより視覚を奪われたルビィ。
その隙に突破する亜里沙。自分の近くには日本の選手はいない。シュートを…撃てる
にこ「ルビィ!!亜里沙が撃つ!!!」
ルビィ「!?」ゴゴゴゴ
亜里沙「これで同点──────です!」バッ
ボールと共に飛ぶ。大気を揺らすその巨大なオーラは、シュートの危険度を物語る
ルビィ「理亞ちゃん!!来て!!」ゴゴゴゴ
理亞「!!」
数秒後にシュートが放たれる。そうなれば果南は再び、自分が越えられなかった壁に挑むことになる
果南「…っっ、やっぱりやるしかないよね」
亜里沙「【ブレイブショッ────
────ドゴッッッッ!!!!!!
亜里沙「!?!?」
果南「!!!!」
日本、ロシア「「「!!!!!!」」」
ルビィ、理亞「「【真クロスファイア】!!」」
炎を纏った少女と冷気を纏った少女。
亜里沙の足がボールに撃ち込まれたのと同時に、2人の蹴りがブロックとして立ちはだかった
A『黒澤ルビィと鹿角理亞のシュートブロック…!!絢瀬亜里沙はこのまま撃つことが出来るのか!?』
ルビィ「理亞ちゃんっっ!!もっと力入れて!!」ググググ!
理亞「入れてるっっ!!」ググググ!
"絢瀬亜里沙"との力勝負なら勝てる。先ほどの競り合いでルビィはそう確信していた。
しかし、"ブレイブショット"との力勝負となると…話が変わってくる
理亞(重っっ!?これが…"ブレイブショット"のオーラ!!)ググググ
今にも弾き飛ばされそうなパワー。右足にATPのオーラを流し込み、なんとか抗う理亞
亜里沙「────!」バッ
そんな競り合いの中、亜里沙の逆足が動く
ルビィ(左足で何を??)ググググ
逆足で追撃?いや、角度が違う
亜里沙「お姉ちゃん!!」バキッ!
ルビィ、理亞「「!!!!」」
理亞(オーバーヘッドの体勢から…)
ルビィ(体を捻じ曲げてパス…!!)
これ以上の競り合いは負荷がかかりすぎると判断した亜里沙。左足で強引にボールを打ち上げ、上空で待つ絵里へと繋ぐ
絵里「ナイスよ亜里沙…はあぁぁっっ!!!」
金色に染まった風がボールを集まる。そして溢れ出るオーラは絵里を中心に渦を巻き、巨大なハリケーンとして生まれ変わる
絵里「【ホワイトハリケーンGX】!!」ドガアァン!
果南「…!!」
全国大会で止められなかった絵里のシュート。自分もあの時より強くなっているが、それは絵里も同じ。極められたそのシュートを前に、果南は冷や汗を流す―――が、
聖良「【アイスエイジ】」
────ガキィィィィィン!!!!!!
絵里「…!」
果南「聖良…!!」
その冷や汗も絶対零度を前にし、凍りつく
聖良「ハァハァ…私たちDFを…甘く見ないでくださいね」
全オーラを凝縮し、シュートの芯まで凍らせる。まさに、絶対零度の必殺。
空中で凍りつくハリケーンは、今にもゴールを飲み込まんとする巨大な口に見えた
果南「助かった…ありがとう。聖良」
聖良「ゴールを守るのは私たちの役目でもあります…止められて良かったです」
しかし、この技は聖良の体力を根こそぎ奪っていく。残り時間が少なくなっていることは…聖良自身、感じ取っていた
聖良「時間も無いです…善子さん」
善子「…!」
聖良「一気に決めます」
ボールはサニデイシャパンの手に渡り、ドリブルで持ち込むのは矢澤にこ。
先ほどとは逆の展開。フロイ守備、にこ攻撃の1対1が繰り広げられていた
フロイ(な、なんなの…このドリブル!?)
にこ「こっちが攻撃ならにこの土俵よ!!」
にこが自分のディフェンスをしていた時でさえ、その実力に驚いたはずだったのだが…ドリブルは更にその上。
ゾーンを発動している自分が振り回されるなど、生まれて初めての経験だった
にこ「にこはゾーン状態のツバサ相手に毎日特訓してんのよ…!!相手が悪かったわねっっ!!」
フロイ(まずい…!!抜かれ―――
にこ「【ファンタスティックキープ改】!!」
ブレイクダンス、フリースタイル、フットサル。にこの強さはその手数とテクニック。次の動きが予想出来ず、考えてる間に抜かされる
にこ「善子…!」パス
フロイ「…DFの善子がオーバーラップ!!」
にこがボールを渡したのはセンターバックの善子。リベロとしてプレーする彼女は、共鳴を発動しながら強引にロシア陣内へと攻め込んでいく
ユーリー「ルビィと理亞へのパスコースを塞いで…!!」
だが、善子はFWの選手たちのような強力なシュートを撃つことが出来ない。最後に必ずFWの選手にボールを渡すはずだ
ヴィクトール「このっっ!!」ズザーッ!
善子「─────!!」ギュン!
ラビ「これ以上は…!!」
善子「───────っっ!!」ギュン!
A『素晴らしいドリブルです…!矢澤にこにも引けを取らない動きで1人攻め上がります!!』
レヴィン『しかし…ディフェンスが厳しくパスは出せそうにありませんね。津島選手自ら決めに行くことになりそうです』
フロイ「…なぜ進むんだ」
善子のその迷いの無いドリブルに、フロイは逆に不安を抱いた。
まさか、自分のシュートで決められる自信があるのか?情報に無い技…新必殺技があるのか?
善子「…!」クルッ
それら予想を―――善子は全て裏切った
善子「聖良!!」パス
ロシア「「「!!!!!!」」」
A『おおっと!?津島善子がDFの鹿角聖良へと長い距離のバックパス!!!』
突然、ロシアゴールに背を向けたかと思いきや、せっかく切り開いたロシア陣内を戻るロングパス。
フィールドの中心付近に立つ日本の最終ライン、聖良にボールは渡り…一見、攻撃を立て直すように見える動きだが、
アレクセイ「ヤバい…!!」
ユーリー「鹿角聖良が…どフリー!!」
やっと日本の狙いが分かった。だが、流石に気づくのが遅すぎた。
パスが通ったのと同時に、日本の選手たちがいっせいに動き始めた
梨子「今…!!曜ちゃん、海未さん!!!」
曜「【スマッシュアンカー】!!」ドガアァン!
海未「【スピニングフェンス】!!」ビュオォ!
絵里「ちょっ!?動けない!?」
梨子の指揮に従い、右サイドと左サイドにいた曜と海未が必殺技を発動。絵里の足止めをする。その絵里がマークしていた選手は―――
理亞「姉様!!来いっっ!!」
フロイ「これを…全て狙っていたのか!?」
聖良「うぅぅるあぁっっ!!!!」パキパキパキ!!
善子がオーバーラップしたことにより、聖良の周りにロシアの選手はいない。理亞をフリーにもした。誰にも邪魔されない。撃てる
聖良「ぐっっ…!!理亞っっ!!!!」ドガァン!
"アイスエイジ"。聖良の絶対零度エネルギーをボールに込める。溢れ出たエネルギーは周辺の空気、地表を凍らせ、氷結の世界を作り出す
フラム「うわぁ…あのシュートだ…」
和葉「"触れないシュート"とはまた違う…でも反則級。"触ってはいけないシュート"。捨て身だけど、それだけの価値がある」
満身創痍な状態でオーラごと蹴り放つ。
フリーになった理亞の横を流れる聖良のシュート。"Awaken the power"を纏い、最後の一撃を決めるため―――飛ぶ
理亞「姉様の想いは私が繋ぐっっ!!!」グルグル!
理亞「でえぇぇぇりゃぁぁぁ!!!!」ドガアァン!
理亞、聖良「「【氷結のグングニル】!!!」」
雪の結晶が空に咲く。同時に生成されるのは絶対零度を纏った、神の如く最強の槍
亜里沙「【カミウツシ】…!!」バッ
亜里沙「【ラ・フラム】!!」ボオォッ!!
────ガキィィィィィン!!!!
亜里沙「なっ!?」
絵里「炎が…凍った、」
その槍に触れるもの―――火であろうと、マグマであろうと、芯まで全てを凍らせ、貫く
ゴラン「【ツーマンデ・ゴラン】!!」
───ガキィィィィィン!!!!
ゴラン「腕が…!?」
理亞「…無駄。そのシュートは私と姉様の絆」
────バシュウゥゥゥゥン!!!!
理亞「絶対に…砕けることはないんだから」
氷結の欠片が空を舞い、降り注ぐ。
自分たちが止めようとしていたのは…ダイヤモンドよりも硬く、そして美しく輝く、鹿角聖良と鹿角理亞の絆だったのだ
日本 5-3 ロシア
"氷結のグングニル"強すぎ…触ってはいけないシュートは代償は大きいですが、やはり強力ですね