ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
暑くてヤバいですね☆
前回の、輝こうサッカーで!
亜里沙の限界を見抜き、実力で圧倒するルビィ。しかし、その勝利に執着した言動・行動にサニデイジャパンの選手たちは違和感を抱いていた。
一方、亜里沙は隠していた病気の未完治が発覚。仲間たちの反応に動揺を隠せなかったが、ロシア代表は亜里沙の覚悟を受け入れる。そして、さまざまな想いが爆発。亜里沙はゾーンを発動したのである
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ー ロシア戦 前日 ー
ルビィ「…お客さん?」
暑さのピークを過ぎた夕方前のことだった。
突然プレーを中断させられ、要件を聞いてそのままその言葉をルビィは繰り返していた
真姫「ルビィの知り合いらしいの。どうしても話したいことがあるみたいだから、行ってきなさい」
ルビィ「……」
午前中から休憩時間以外は足を動かし続けていたルビィ。ちょうど少し休もうかと思っていたところだった。
真姫に言うルビィの知り合いが待つ場所はすぐ近く。エメラルドに光り輝く海の見える砂浜だった。
その場所にたどり着くと、1人の少女が海を背に、自分のことを静かに待っていた
ルビィ「…待った?」
「い、いえ…大事な時期にお時間をありがとうございます…」
「黒澤先輩」
ルビィのことを先輩と呼ぶその少女。
黒澤ルビィがジュニアチームでサッカーをしていた時の後輩だった
ルビィ「最後に会ったのは…ルビィが小6。4年ぶりだね」
後輩「はい…中学でもサッカー部に入ったのですが、その時には黒澤先輩はすでに」
ルビィ「……」
小学生時代、天性の才能とも呼べるルビィのプレーに上級生・同級生は嫉妬した。
まとわりつき、日に日にエスカレートした嫌がらせはジュニアチームだけに収まらず。ルビィの通う小学校でもそれは日常的に行われていた
後輩「本当は…私は先輩に会う資格などないんです…」
ルビィが受けていた虐めに気づいたダイヤ、果南、鞠莉はルビィを助けようと行動する。
しかしルビィはそこから次第に強くなることに目的を集中し、勝利に依存していくようになった。
そして、中学へと入学したルビィは孤独に高めた圧倒的なサッカーでその名を広げた。もう弱い自分はいない。ダイヤたちの通う浦の星女学院へ自分も行き、共に最強を目指すんだ…そう、思っていた
後輩「でも…ずっとずっと、謝りたかったんです。私たち怖くて…あの時、何も出来なくて」
ルビィ『まだだよ…まだ足りない…もっと強くならないと!!』
同級生『ねぇねぇ、聞いた?あの黒澤ダイヤさんの妹、ルビィちゃん、お姉さん達に媚び売って試合にたくさん出てたらしいよ』ヒソヒソ
同級生『え!?そうなの…ルビィちゃんってそういう事するんだね』ヒソヒソ
後輩『(ルビィさん…ごめんなさい)』
上級生や同級生とは違い、後輩たちからはルビィは憧れの存在だった。しかし、それを本人に伝えることは無く。気づいた時には黒澤ルビィはサッカーをやめていた
後輩「今年の全国大会、廃部になったはずの浦の星女学院サッカー部が本戦に出場したと聞き、私はテレビで試合を観戦しました」
そこで言葉を失った。サッカー界から去ったはずの先輩、黒澤ルビィが出場していたのだから
後輩「それから…毎試合、先輩の姿を目に焼き付けるように観戦しました。"ATP"を発動した時は、噂としてしか聞いたことが無かった技だったので…とても、驚きました」
驚いたのと同時に、罪悪感で押し潰れそうになったと続けた。
ルビィのイジメを見て見ぬふりし、全国大会決勝戦での負傷・代表離脱も3年間のブランクがあったから。そのブランク期間を作ったのは…あの時の自分たち
後輩「ごめんなさいっっ!!」
ルビィ「………」
2人しかいない浜辺が夕陽の色に染まり始める
後輩「今更…許してもらおうなんて思っていません。ただ、私たち後輩は黒澤先輩を応援しています…」
ルビィ「…うん」
後輩「それを…伝えたかったんです」
ルビィ「……あのね」
少し考えるように俯き、数秒間、沈黙が流れる砂浜に再びルビィの声が聞こえ始めた
ルビィ「あの時のルビィは弱かったの」
後輩「そ、そんなこと…」
ルビィ「後輩たちの本当の気持ちに気づけなかったのも、途中でサッカーを諦めたのも…ルビィが弱かったから」
ルビィ「でも、もう弱いなんて言ってられない。日本代表のエースストライカーとして、もう誰にも負けない」
後輩「先輩…」
ルビィ「約束するね。もうルビィは絶対に負けないよ」
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A『黒澤ルビィが綾瀬亜里沙に押されています!!』
ルビィ「このっっっ─────!?」ギュン!!
亜里沙「──────」ギュンギュン!!!
先ほどまでとはスピードが段違い。守ることしか出来ていない
英玲奈「絢瀬絵里の妹のゾーン…強力だな」
ツバサ「ルビィ…無茶し過ぎよ」
鞠莉「和葉の話から考えると、ゾーン発動によって亜里沙の実力が上がった…」
フラム「じゃあ…コピー出来なかった技もコピー出来るようになったってこと??"ATP"とか!?」
和葉「いや、亜里沙は"ATP"はコピーしないよ」
「「「!!!!」」」
フラム「な、なんで…強力な技なのに?」
和葉「強力すぎるが故に…リスクが大きすぎるんだ」
"カミウツシ"は確かにさまざまな必殺技、プレースタイルをコピー出来る技だ。
しかし、強力な技であればあるほど、負担が大きくなるのは当然
和葉「"ATP"はスタミナの消費が激しすぎる。現にさっきまでとは…状況がまるで逆だ」
フィールドでは肩で息をするルビィと、息切れひとつ無い亜里沙が1対1を繰り広げていた。明らかにルビィの動きが悪くなっている
和葉「"ブレイブショット"を連発しないのもスタミナの温存。とりあえず、形勢が逆転した今…サニデイジャパンはピンチだよ」
ルビィ「うおあぁぁぁぁ!!!!」
ルビィ「【イグナイトスティール】!!」
亜里沙「【イナビカリ・ダッシュ】」バチッ!!
ルビィ「!?」
A『ああっと!!黒澤ルビィ、スライディングで隙を与えてしまったか!?』
レヴィン『冷静さが無くなってきていますね…』
花陽「る、ルビィちゃん…!落ち着いて!」
ダイヤ「ルビィ…!」
ルビィ(勝たなきゃ…絶対に…勝たなきゃ!!)
すぐに立ち上がるも、亜里沙との距離は既に開いている。心の中でフツフツと感情が煮えたぎり、上手くいかないことに腹が立つ
ユーリー「アリサ…!日本のDFに捕まる前にボールを回して!!」
亜里沙「はい!お姉ちゃん…!」パス
果南の目に限界が来てから、日本は絵里にシュートを1本も撃たせていなかった。明らかに異常な目の痛み、充血。最悪な結果を回避するため、穂乃果への交代が急がれるが―――
梨子「絵里さんにシュートを撃たせないで!!」
善子、ことり「「!!」」バッ
梨子の指示でDFたちが動く。例え目では捉えられない高速シュートが相手でも、撃つ瞬間にシュートブロック。または撃たせなければいいのだ。
そのことに意識を置き、足を伸ばせばボールに届くところまで近づいた善子とことり。しかし、
絵里「お願いね」スカッ
善子、ことり「「!?」」
善子(スルーした!?)
ことり(誰に…「ナイスだよエリー」
ゾーンを発動した気高き銀狼が全力疾走で駆け抜けていた。すでに最終ラインを越えている
A『ボールを持ったフロイ選手がサニデイジャパンゴールに迫ります!!!!』
善子「果南っっ!!」
果南「大丈夫…!開眼しなければ絶対に…」
フロイ「しなければ、止められるのかい?」バッ
果南「!?」
フロイの動きが今までと違う。これは…新技!?
フロイ「更に硬く…気高く…吠えろっっ!!」
空中でオーラをボールに集める。まるで白い宝石のように光りだしたそのオーラは、ただ美しいだけでなく、凶暴な狼が果南を睨みつけるように覇気を放っている
フロイ「はあぁぁぁっっ!!!!」
フロイ「【ファング・オブ・プラチナ】!!」
日本「「「!!!!!!」」」
A『これは!?フロイ選手の新しい必殺技だぁぁ!!』
果南「上等…!!【デルフィナス・トリアイナ】」
"深淵の開眼"を使わなければ戦える!!
果南はいるか座の力を宿した神の槍を海中から召喚する。
流れがロシアに変わりつつある。その原因はチームのメンバーに心配されるような状態になった自分に責任がある。
最後の砦である自分が───────
果南「形状変化【アトランティス】!!」
果南「うおあぁぁぁぁ!!!!!!」
ガギィィィィィィン!!!!
神器がボールに振り下ろされる。サッカーの試合で聞こえるはずの無い金属音が、スタジアム全体に鳴り響いた
果南(弾かれないっっ!!行ける!!!)
硬いシュートではある。だが、自分の方が重く、強い!!力だけでなく気持ちでもぶつかっていく。
そんな果南に不安を抱かせる―――
─────ピシッ
果南「??」ググググ
小さな違和感
果南(今…何かが割れる音??)
気のせいかもしれない。フロイのシュートが砕ける音かもしれない。だが、何か嫌な予感がする。そしてその予感が―――最悪の状況に
────ピシッピシッ!!バリッッ!!!
果南「!?!?」
日本「「「!!!!!!」」」
果南(デルフィナス・トリアイナに…ヒビ!?)
鞠莉「果南…!!!」
フラム「あの松浦果南の神器にひび割れ!?」
A『なんと!!松浦果南の神器にひび割れが発生!!!止まることなく広がっていきます!!』
果南「ぐっっ…な、なんで…???」ググググ
フロイ「"ファング・オブ・プラチナ"」
果南「…!!」ググググ
フロイ「鋼鉄をも噛み砕く白金の牙…名付けるなら、"武器破壊"」
果南「武器…破壊!?」ググググ
高速シュート"アイス・ブルーモーメント"のために作られた技が"深淵の開眼"だとすれば、"デルフィナス・トリアイナ"を破るために作られた技がこの"ファング・オブ・プラチナ"。
オーラがまるで神器に食らいつく狼のよう。白く光沢する牙で深くまで抉り、ひび割れを広げていく
果南「ハァハァ…やばい…!!砕ける!!!」
────バリィィィィン!!!!!!
果南「―――」
神器が真っ二つに─────折れた。
それは初めての経験であり、屈辱であり、そして
果南「っっ!!」ガシッ
果南の底無しの抵抗力を引き出すきっかけとなる
凛「砕けた槍を両手で掴んだにゃ!!」
穂乃果「果南ちゃんは諦めてない」
果南「まだだあぁっっ!!!!」ガギィィン!!
フロイ「!?!?」
折れて2本になった神器を両手で掴み、シュートを抑える果南。だが、再び武器破壊が進む
果南「でぇりゃあぁぁぁ!!!!」ドゴッッ!!
日本、ロシア「「「!?!?」」」
A『頭でも抑えにいったぁぁぁ!!!!これが、海皇 松浦果南の底力か!?!?』
果南「っっっっ!!!!」ググググ!!
2本の神器、そして頭を押し付け、何がなんでも…全てをぶつけてでも止める。
そんな鬼神のごとくぶつかる果南に、スタジアムからはち切れんばかりの歓声が響いた
鞠莉「果南っっ!!あと少しよ!!!!」
フラム「今ここで馬鹿力出さないでどうすんの!?」
穂乃果「果南ちゃん…!!」
ダイヤ「果南さん!!」
にこ「あんたなら行ける…!!正念場よ!!」
千歌、曜「「頑張れー!!果南ちゃん!!」」
果南「ハァハァ…ハァハァ…っっ!!!」ググググ
神器はすでにボロボロだ。だが、果南の心には傷一つ付いていない。
フロイのオーラと果南のオーラがぶつかり合う。歓声が耳に入る度に、無限に力が湧いてくるようだ。だが、
果南「まだ負けな────ガクッ
果南「ハァハァ……え、」
心には無くとも、体は神器と同様にボロボロだった。そのことが頭の中に入った瞬間
────バシュウゥゥゥン!!!!!!
果南の体と神器はフロイの牙により砕かれた
果南(悔しい…悔しいよ……ごめん、みんな)
A『ゴール!!!再び1点差!!フロイ選手の新必殺シュートは、なんと松浦果南の神器を破壊!!松浦果南、立てません!!!』
穂乃果「…………」
美奈「穂乃果ちゃん。行くわよ」
穂乃果「……はい」
A『そしてここで選手交代です!GK松浦果南に代わり、ついに出てきました!!日本の"太陽の守護神"高坂穂乃果が入ります!!!!』
果南「ハァハァ……ごめん、あとは頼んだよ」
穂乃果「任せて絶対に止め────
────パアァン!!!!
果南、穂乃果「「!?」」
日本「「「!?!?」」」
何かが勢いよく叩かれるような音がした。
そして、
善子「ふざけんじゃないわよっっ!!!!」
ルビィ「………」
続くように善子の怒号が、ルビィに向けられていた
日本 5-4 ロシア
『ファング・オブ・プラチナ』シュート/フロイ
白金の牙を意味するオリジナル技です。果南の神器を噛み砕く硬さを持っています。"武器破壊"シュートでとても強力な技となっています。
次回、160話。ロシア戦決着です