ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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皆さんどうも。ルビィちゃんキャンディーです。
(2020/08/25 16:55:59)に160話を再投稿しています。話の展開を一部分変更していますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。

作者の都合で書き直したため、本当に申し訳なく思ってます。
それでは、ロシア戦、真の決着です。




第3章 160話 「ロシア戦 "クロスする絆"」

 

前回の、輝こうサッカーで!

ルビィの勝利への執念が再び高まった原因はロシア戦前日、小学校時代の後輩との再会だった。

そしてフロイの新必殺技"ファング・オブ・プラチナ"の前に散った果南。穂乃果の満を持しての交代。痺れを切らした善子。

ロシア代表との戦いはまもなく終わりを迎える

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

──────パアァン!!!!

 

何かが弾かれたような。打ち鳴らされたような音が響いた

 

 

ルビィ「―――」

 

善子「……」

 

そしてその音が、自分の頬が痛むことにより、平手打ちされた事によるものだと。ルビィは遅れて理解した

 

 

ルビィ「……痛」

 

善子「ふざけんじゃないわよ…」ガシッ

 

ルビィに喋る暇を与えずに掴みかかる。

善子がここまでキレることはほとんど無いに等しい。そのため、全員が驚きのあまり、その場から動けないでいた

 

 

善子「ルビィ……あなた、また同じ事を繰り返すつもり!?」

 

善子「その強さ、勝利を求めすぎた独りよがりなプレーが…仲間との関係をグチャグチャにするのよっっ!!」

 

ルビィ「…!!」

 

すぐに掴む手を振り放そうとしたルビィ。しかし、善子の言葉によりその手が止まる

 

 

善子「それで一度、ルビィはサッカーを捨てた。違う!?」

 

ルビィ「なら、善子ちゃんは背負えるの!?国の代表だよ!?部活動の時とは次元が違う、ルビィには点を決める使命がある!!それが…エースの使命で、ルビィがこの場に存在する意義だよ!!」

 

善子「…違う」

 

掴んでいた手をゆっくりと離す善子。

口調もそれに合わせるように、落ち着いて、ゆっくりと口を開く

 

 

善子「ルビィがこの場にいるのは────サッカーをするためよ」

 

ルビィ「…!」

 

善子「サッカーは1対11でなんて出来ない。1人で攻め込むなとは言ってない。問題はルビィの意識の中に"仲間"がいるかどうかよ」

 

ルビィ「……ルビィの意識」

 

善子「今のあなたには勝利以外何も映ってない。センターFW、前には仲間の姿はいないのは分かっているわ。でも、」

 

善子「あなたの後ろには、頼れる仲間がたくさんいる」

 

ルビィ「………」

 

善子「…私は最初、日本代表には選ばれなかった」

 

 

それから1人で泣いて、悩んで、追い詰めて、そんな私を支えてくれたのが…仲間たちよ。

 

北也さん、師匠の志満さん、帝国女学院のメンバー。誰か1人でも欠けていたら、今の私はいない。"共鳴の堕天使"津島善子は存在していないのよ。

 

魔王に心と体を乗っ取られた時も…日本代表のメンバーだけじゃない。ライバルだったチームの選手たちも私を助け出してくれた。

 

今…私がこの場に立つことができるのは、これまで全ての仲間たちの力があってこそよ

 

 

善子「それはルビィも同じ」

 

善子「あなたの"ATP"の圧倒的な炎だって、ダイヤたちを想う気持ちから生まれたもの。それを忘れて、勝つことだけしか見えなくなっているあなたの炎では…絶対に勝てない!!」

 

ルビィ「…!!」

 

善子の言葉が強く心に刺さった。

そして少しずつ冷えてきた頭で考える。が、やはりエースとしての責任感が消えることは難しい。勝利への呪縛が分かっていても離れることが無いのだ。

そんな葛藤の中、自分の背から名を呼ぶ声がする

 

 

理亞「ルビィ。私も…最初はあんたに勝つためにサッカーをしてた」

 

ルビィ「理亞ちゃん、」

 

理亞「でも今は違う。みんなとサッカーをするのが楽しいの。私はチームのために強くなるって決めた」

 

理亞「ルビィがエースの責任で苦しんでるなら、私もエースになって同じ責任を共有する」

 

理亞「それなら、あんたの負担も減るでしょ?」

 

ルビィ「…………」

 

 

初めてだった。そもそも、自分と同じ実力の域まで来る選手がいることに驚きだったのに、その代償ともいえる責任・呪縛を自ら背負うと言われたのだ。

驚き、言葉を失い、そして…

 

 

ルビィ「…みんなは強いよ」

 

 

紅き流星は笑う

 

 

ルビィ「理亞ちゃん。生半可な覚悟じゃダメだからね」

 

理亞「上等よ」

 

その言葉を最後に、ルビィと理亞は自分たちのポジションへと戻って行った。

そして2人の背中を見ながら善子は思う

 

 

善子「まったく…世話が焼けるエースね」

 

希「善子ちゃんは本当にええ子やな」

 

善子「…うっさい」

 

3人の会話を聞いていた希は優しい笑顔のまま、スイッチを切り替える

 

 

希「うちも…本気でやらんとね」

 

善子「…希、さん?」

 

希の言葉に違和感を覚えた善子は問いかけようとするも、その違和感は、とある選手の放つオーラにより掻き消されてしまう

 

 

善子「…!?!?」ゾクッッッ!!

 

この背筋が凍る様な巨大な覇気。自分の背後にいる選手から放たれている。

善子のポジションはセンターバック。つまり、後ろに立つ選手は1人しかいない

 

 

穂乃果「………」

 

善子(穂乃果さんの…闇の力!?)

 

穂乃果「勝負だからしょうがないんだよ」

 

善子「…!?」

 

穂乃果「相手の選手を崩すのも作戦。果南ちゃんがああなったのも…勝負で生まれた結果」

 

穂乃果「でもね?やっぱり」

 

 

 

ホノカ「仲間がボロボロになるのは…頭にくるよねっっ!!!!」

 

仲間を想う怒りが────闇の力のオーラへとなっていた。誰かへと向けられた怒りでは無い。

標的があって噴き出されるマグマが存在しないように、この怒りを抱いている時の対戦相手がロシア代表だっただけのこと

 

 

ホノカ「このゴールは絶対に守る。果南ちゃんの意思は無駄にはしないよ」

 

 

A『さあ、試合時間も残り僅かとなりました!サニデイジャパンが1点リードしていますが、まだどちらが勝つかは分かりません!!』

 

 

ピーーッ!!!!

 

 

フラム「ふん…!ルビィもまだまだ未熟だね」

 

和葉「でも少し嬉しそうだね。フラム」

 

フラム「う、嬉しくなんかないよ…!?私の今の標的は鹿角理亞!!"イジゲン・ザ・ハンド"を真正面から破ったのは、あのシュートだけだもん」

 

和葉「そうだね…でも、ロシアは理亞の"ラストリゾート"をどう止めるのか」

 

「「「!?!?」」」

 

鞠莉「理亞の…?和葉、この試合ではあの子は、」

 

和葉「いや、撃つよ。あの目…あのギラギラ輝かせた目は絶対に撃つはずだ」

 

 

 

フロイ「もらったっっ!!」ズザーッ!

 

海未「なっ!?」

 

 

A『ああっと!!園田海未、ここでボールを奪われます!!!!』

 

レヴィン『流石の園田選手もこの試合、ここまでフル出場ですからね。かなり体力を消耗しているようです』

 

 

海未「ハァハァ…ふ、不覚です」

 

 

千歌(海未さんたちはもう限界…千歌が「千歌ちゃん…!私に任せて!」

 

千歌「!!」

 

声の主はGK高坂穂乃果だった。つまり、私が止めるからみんなは手を出すなということ。

それは選手たちの無駄な体力消耗を防ぐため、そして…

 

 

フロイ「へぇ…ずいぶんと自信があるんだね。なら、」バッ

 

高坂穂乃果の実力をロシア、そしてイタリアの選手たちに見せるため。

 

迷うことなく空へと飛んだフロイ。果南の神器をも噛み砕いた、銀狼のシュートが放たれる

 

 

フロイ「受けてみて…私のシュートを!!」

 

フロイ「【ファング・オブ・プラチナ】!!」

 

 

A『出たあぁぁ!!フロイ選手の武器破壊シュート!!!再び日本ゴールに迫っていく!!』

 

 

ホノカ「────【ブラックアーマー】」

 

穂乃果は"ブラックシールド"のオーラを左腕に集中させ、黒い鎧を完成させる

 

 

英玲奈「……変だな」

 

あんじゅ「何が変なの?英玲奈」

 

英玲奈「穂乃果は"ゴットハンドX"をいつも…右手で発動するはずだが、」

 

違和感が残るまま穂乃果の動きを見守る。

が、次の瞬間―――

 

 

ホノカ「……来い」バッ

 

日本、ロシア「「「!!!!!!」」」

 

イタリア「「「!!!!!!」」」

 

フラム「は!?ちょっ、何やってんの!?」

 

 

A『なんと!?巨大な狼の牙を前に…高坂穂乃果、左腕を差し出す構え!!!!』

 

レヴィン『左腕に噛み付けと言っているようなものです…武器破壊のシュート相手には危険ですよ!?』

 

 

狼の姿をしたオーラは穂乃果の左腕目掛けて迫ってくる。鋭利で巨大な牙は、見るだけでも恐怖を感じさせるほどの迫力。

しかし、対する穂乃果は表情ひとつ変えない。

 

 

そして──────

 

 

 

 

─────ガブッッッ!!!!!!

勢い良く穂乃果の黒腕へと食らいついた。直視できる光景では無い。金属をも砕くその牙、人間の体はタダでは―――ピシッピシッ!!

 

 

フロイ「…そ、そんな!?」

 

「「「!!!!!!」」」

 

全員が異変に気づくことが出来たのは、フロイが驚きの声を上げたからだった。

それは、穂乃果の腕が砕けたことによる悲痛な叫びか──────それとも、

 

 

ホノカ「……穂乃果の今の腕は、鉄よりも硬い」

 

銀狼の牙が砕けたことによる、予想外への反応か

 

 

絵里「鉄をも砕く牙が……」

 

ユーリー「砕けた…」

 

両チームの選手たちが驚きを隠せない中、穂乃果は右腕にも"ブラックアーマー"を纏う

 

 

ホノカ「果南ちゃんの仇だよ」

 

 

──────ドオォォォォォン!!!!

そして、全力の一撃を銀狼に叩き込んだ。まさに、鬼神を表現するならば今の穂乃果が相応しいだろう。

溢れ出る怒りとオーラは全て右腕へ。

そのまま地面へと押し込み、必殺の名を叫ぶ

 

 

ホノカ「【ゴットパンチX】っっ!!!!」

 

巨大なクレーター。衝撃波。轟音。

まるで隕石が落下したかのような迫力。まさに、神の殴り―――ゴットパンチだった

 

 

A『止めたぁぁぁ!!!高坂穂乃果、"ファング・オブ・プラチナ"を捻り潰し、圧倒的な力を見せつけたぁぁ!!!!』

 

 

フィレア「あれが穂乃果の本来の力…!!」

 

和葉「ビリビリ来るね…まさかここまで強力とは、」

 

 

A『高坂穂乃果からボールを受け取ったのは矢澤にこ!!』

 

 

にこ「梨子!"スリリングワンウェイ"はどうするの!?」

 

すぐに司令塔の梨子に問う。

試合前に美奈監督から指示された"スリリングワンウェイ"の完成。しかし、

 

 

梨子「まだ…まだ足りないんです」

 

にこ「…!」

 

"スリリングワンウェイ"はまだ未完成。その状態から新たな発見・進歩が無い中で無理矢理の発動はリスクを伴う。

梨子は自分に与えられた仕事を達成できなかった悔しさで言葉を詰まらせていた

 

 

にこ「いい判断だと思うわ」

 

梨子「にこさん…」

 

にこ「今は確実に勝つ―――よっっ!!」バシッ

 

梨子「!!」

 

ロシア「「「!!!!」」」

 

 

A『矢澤にこの鋭いパスが出された!!』

 

レヴィン『ロシア陣内を越えますね…!ボールの落下地点には走ってますよ!』

 

 

ルビィ「来た」

 

理亞「さすにこ先輩ね」

 

オフサイドラインのギリギリ、にこのパスと同時に飛び出したFWコンビ。

シュートのようなパスはロシアの選手たちのあいだを突き抜け、吸い込まれるようにルビィの足元へ─────「【カミウツシ】」

 

ルビィ、理亞「「!!!!」」

 

亜里沙「【スプリントワープ】」ギュン!!

 

しかし、覚醒した半神は簡単には譲らない

 

 

A『絢瀬亜里沙がボールをカット!!』

 

レヴィン『あのパスが通っていれば絶好のチャンスでしたが…そう簡単には行きませんね』

 

 

亜里沙「ハァハァ…(時間が無い…!!)」

 

このまま持ち込んでシュートを撃とうと考えていた亜里沙。しかし、その横から絵里が声をかける

 

 

絵里「亜里沙…!足は?」

 

亜里沙「まだ行けるよ!」

 

絵里「穂乃果は"アイス・ブルーモーメント"を止められないわ!この距離なら狙える!」

 

亜里沙「…!」

 

果南をゴールから引きずり下ろした今、高速シュートを止められるGKはいなくなったのと同義。

すぐに亜里沙は"カミウツシ"を発動する。この試合中に見た絵里の動きを寸分の狂いもなくコピーし、高速シュートを放つ

 

 

亜里沙「【アイス・ブルー──────

 

 

ことり「穂乃果ちゃん…!!高速シュートが、」

 

ホノカ「!!!!」

 

 

 

 

─────ドゴッッッ!!!!!!

 

 

ホノカ、ことり「「!!!!」」

 

亜里沙、絵里「「!!!!!」」

 

 

突然、ゴール前に1人の選手が飛び出してきた。そして、何も無かった場所からボールが出現。選手のみぞおちの部分には何かがぶつかったような跡が残されていた

 

 

善子「【Deep Resonance】っっ!!」

 

ことり「よ、ヨハネちゃん…!!」

 

 

A『なんと!?目では捉えられないほどのスピードを持つシュートを、津島善子が体を張った決死のブロック!!!!』

 

 

善子「ゲホッ…き、共鳴してやったわよ…高速シュート!!!!」

 

足などでブロックしなかったのは、それだと間に合わないからが一番の理由。

手段は何でもいい。止めるために動け。これが善子の共鳴であり、意思であった

 

 

ユーリー「エリー!!ボールこぼれてる!」

 

シュートブロックした日本であったが、ボールはまだロシアの元にある。

何度も高速シュートを撃ち、善子の体力を削って潰す。果南の時と同じ作戦を考えていた

 

 

希「残念やけど絵里ち、通さないよ」

 

 

しかし、

 

 

絵里「…希」

 

 

A『こぼれ球を拾った絢瀬絵里のディフェンスに入ったのは…東條希!!!!』

 

 

亜里沙(希さんの実力………)

 

絢瀬亜里沙と絢瀬絵里。3年間、日本で生活し、日本で出来た新たな仲間とのサッカーを続けたからこそ、サニデイジャパンのほとんどの選手の能力を把握している。

しかし、

 

 

亜里沙(希さんの全力を…私はまだ見たことない)

 

その不安は姉である絵里も感じ取っていた。音ノ木坂学院で共にサッカーをしていた時は頼れる仲間。

しかし、敵として向かい合った時のこの底知れぬ緊張感はなんだ?今までの希とは…まるで、

 

 

希「 別 人 み た い ? 」

 

絵里「────────え、」

 

気づくと、絵里は不思議な感覚に囚われていた。

自分の頭上に地面。足元が空になっている。しかし、頭から地面に落下せず―――

 

 

―――空に、足から落ちていく感覚

 

 

絵里「空に落ちて…き、きゃあぁ!?」

 

まるで底の見えない谷へと落ちていくような。体が浮いている。いやな感覚。冷静さを欠き、頭が真っ白にな────ドサッ!

 

 

絵里「……ぇ、」

 

 

A『ああっと!?どうしたのでしょうか!?絢瀬絵里が突然、何も無い場所で転倒してしまいました!!』

 

 

絵里「今…確かに、私、落ちてって……ボールは!?」

 

混乱する中、ボールがどこにあるか確認するも、すでに希が奪い取っていた

 

 

希「……【まさかさま】。試合で使うのは初めてやね」

 

絵里「まさか、さま…」

 

希「隠す気は無かったんや。ただ、この技は強すぎるんよ」

 

そのままボールを前で待つ選手に渡す希。何事も無かったかのように走り去っていくが、亜里沙はその一部始終を把握し、そして驚きのあまり言葉を失っていた

 

 

亜里沙("まさかさま"って言ってたあの技……やばい…)

 

亜里沙が相手の実力や必殺技の強さを把握するために利用している方法がある。

それは"カミウツシ"でコピー出来ないものは規格外の強さを持つ。という方法だった。

そして希の"まさかさま"は―――

 

 

亜里沙("カミウツシ"でもコピー出来ない…!!"ATP"や"ブレイブショット"以上の技…!?)

 

本当の底の見えない谷は…希さんの実力なのかもしれない。亜里沙はボールを追いかけながら見えぬ不安に震えた

 

 

 

A『さあ!!試合時間も残り数分!!サニデイジャパンがボールを繋ぎますが、あくまでも追加点を取りに行くつもりのようです!!』

 

 

にこ「梨子!!最後ガッツ見せなさいよ!!」

 

梨子「はい!【神のタクトFI】!!」ビシッ!

 

全能力が高いロシア代表のディフェンス陣を突破するためには梨子の指揮が必要不可欠。

そして選手1人ひとりの指揮への対応力と、残りの体力を絞り出して引き出す力

 

 

千歌「【ZスラッシュGX】っっ!!」ギュンギュン!

 

善子「【Deep Resonance】!」

 

にこ「【スーパーエラシコ】!!」バッバッバッ!!

 

 

そして、それらが1つの道となり…切り開かれる

 

 

月「……あ、抜けた」

 

 

千歌「でりゃあぁぁっっ!!」ズバババッ!

 

亜里沙「っっ!?」

 

 

A『高海千歌、再び躱したぁぁ!!そして最終ラインを越えるロングキック!!!!』

 

 

ルビィ「…ナイスだよ千歌ちゃん」

 

 

A『黒澤ルビィが走っています!!!!!』

 

 

亜里沙「ハァハァ…絶対に…負けられ…ズキッ!!

 

亜里沙「痛っ…まだだよ…まだ私は戦える!!」

 

 

亜里沙「【スプリントワープ】!!」

 

 

一方、会場のボルテージは一気に高まっていた。もう一度、日本のあの異次元シュートを見ることが出来るからだ。

それは観客だけで無く、日本の選手たちにとっても同じ期待。ルビィ自身も、最後に決めきる気で走っていた

 

 

理亞「ルビィ!!!!」

 

ルビィ「…!」

 

理亞「私に…"ラストリゾート"を継承させて!!」

 

ルビィ「………」

 

理亞「絶対に失敗させない…!!成功させて、みんなと一緒に世界一になる!!ルビィも…同じ気持ちでしょ!?」

 

ルビィ「………」

 

ルビィ「………分かった」

 

理亞「…!!!!」

 

ルビィ「理亞ちゃんの想いに…賭ける!!」バッ

 

 

A『ああっと!?黒澤ルビィがパスボールを避け、鹿角理亞が代わりに受け取りました!』

 

レヴィン『理亞選手が撃つようですね…!』

 

 

理亞「やった……絶対に決める!!」

 

理亞の目に迷いは無かった。完成までの、成功までの全てが見えているようだった。そして、あの言葉を思い出す

 

和葉『理亞ちゃんは理亞ちゃんを突き進んで』

 

 

理亞「これが…私の答えっっ!!」バッ

 

理亞「はあぁぁぁぁっっ!!!!」ゴオォォッ!!

 

空気と"Awaken the power"のオーラを混ぜ合わせる。一見、今までと変わらないように見えるが、

 

 

ルビィ「…!!」

 

 

果南「何が変わったの…??」

 

月「変わったも何も…逆なんだ!!!!」

 

果南「逆??」

 

月「ルビィちゃんの"ラストリゾート"とオーラの流れが全て…逆だ!!!」

 

 

 

理亞「───────っっ!!」バシッ!

 

両足で抱えるようにボールを地面に垂直に落とす。そのまま先回りし、左足ではなく――

 

 

理亞「でりゃあぁっっ!!」バシッ!

 

"右足"での回転。

理亞に足りないもの、それは理亞自身の"得意"。武器だった

 

 

理亞(私は両利き…でも、得意な足は右足!!)

 

ルビィの動きに依存しすぎたことにより、自分の武器を見失っていた理亞。

ルビィの動き、オーラの流れ、全てを鏡に撮したように逆にすれば、右足で撃つことができる。

自分の本来の100%の力をボールをぶつけるために、理亞は自分自身を突き進む

 

 

理亞「【Awaken the power】」ドォン!!

 

 

ルビィ「理亞ちゃんっっ!!行ける!!!」

 

聖良「理亞…!!!」

 

日本「「「理亞!!!!」」」

 

 

フラム、鞠莉「「ぶちかませえぇぇ!!!!」」

 

 

 

 

ありがとう…みんな……そして、ルビィ

 

 

 

 

理亞「【ラストリゾート】!!!!!!」

 

 

─────ドガアァァァァン!!!!!!

地面を弾む度に破壊するパワー。鳴り止まぬ轟音。ほとばしるオーラ。

誰も文句なしだった。ルビィに続く、世界最強の切り札の──────誕生だった

 

 

和葉「文句なし…完璧だ」

 

 

ゴラン「くっ…絶対に止め…アリサ!?」

 

日本、ロシア「「「!!!!」」」

 

理亞が"ラストリゾート"を放つ間にゴール前へと戻っていた亜里沙。

"触れないシュート"を前にしても、亜里沙は怖気付くことなく立ち塞がる

 

 

亜里沙「みんなとのサッカーは…絶対に終わらせないっっ!!」バッ

 

 

理亞「…!?あの構え…」

 

亜里沙の動きに覚えがあったのは理亞だけでは無かった。手で地を払い、髪を揺らし、上空で芸術とも言える一回転

 

 

亜里沙「【カミウツシ】」

 

 

世界最強の一角。日本の勝利をその一刀で叩き割った、"聖剣"

 

 

亜里沙「【エクスカリバー】っっ!!!!

 

 

────ギシャアァァァァァァン!!!!

 

 

フラム「えぇ!?そんなのあり!?!?」

 

和葉「おいおいおい…」

 

 

A『なんということだぁぁ!?!?あの"ラストリゾート"を蹴り返しましたぁぁ!!!!』

 

 

理亞「ハァハァ…失敗…??」

 

ルビィ「いや、理亞ちゃんの"ラストリゾート"は完璧だった…!!」

 

ルビィ(やられた…!!まさか"エクスカリバー"をコピーするなんてっっ…)

 

魔界軍団との戦いでルビィの"ラストリゾート"を蹴り放ったエドガーのシュート。

"エクスカリバー"ほどの重みと圧倒的破壊力があれば弾かれることなく、蹴り返すことは実質可能だ。しかし、問題は

 

 

月「あの足で蹴り返す!?普通!?」

 

過去のルビィもそうだったが、亜里沙はそれ以上の無茶苦茶をして見せた。エドガー自身も足を壊すほどの危険な技

 

 

レヴィン『"エクスカリバー"は距離が離れれば離れるほど威力が増していきます…これは、さすがの高坂選手でも…』

 

A『いや、彼女は諦めていません!!!!』

 

 

ホノカ「…イギリスとの戦いの時と同じだね」

 

迫り来る巨大なシュートを前に、穂乃果は両腕を紅く染め上げる

 

 

ホノカ「止めるったら…止めるんだ!!!」バッ

 

手をクロスするのと同時に飛び出す。そのまま全オーラを右腕、右手に集中させ、挑む。世界最強のシュートに―――

 

 

ホノカ「【ゴットハンドX】!!!!!!」

 

 

────ドオォォォォン!!!!

ボールと穂乃果の腕。ぶつかったのと同時に衝撃で周辺の地面は抉れる。

近くにいた日本のDFたちも立つことは出来ない。そんなとてつもない衝撃の中で、

 

 

ホノカ「ぐっっ…!!ぐぬぬぬぬっっ!!!」

 

 

A『た、耐えています!!高坂穂乃果、"ラストリゾート"と"エクスカリバー"のシュートに吹き飛ばされることなく、がっちりとボールを掴んでいます!!!!』

 

 

絵里「弾かれない…!?」

 

フロイ「あのシュートを抑える…だって?」

 

 

フィレア「あれがキャプテンが言っていた穂乃果の本来の"ゴットハンドX"…!!」

 

和葉「理亞の"ラストリゾート"はまだルビィほどのパワーは無い。それでも、人類で"ラストリゾート"に触れた人間第1号には変わりない」

 

フラム「………」

 

 

ホノカ「ぐぬぬぬぬぬっっ!!!!」ググググ

 

"ラストエクスカリバー"を相手にしているのと変わらない状況で、完成した穂乃果の"ゴットハンド"は抗い続ける。しかし、

 

 

―――バリッッ!!!!

 

ホノカ「!?やばっ…!?」

 

 

A『ああっと!?"ゴットハンドX"にヒビが入りました!!!徐々に高坂穂乃果も押されています!!!!』

 

 

数メートルは離れていたゴールラインも、今では穂乃果の足の上まで来ていた。亀裂は止まることなく、穂乃果の"ゴットハンド"を抉り続ける

 

 

理亞「…そんな、」

 

ルビィ「………まだだよ」

 

理亞「ルビィ…!」

 

ルビィ「穂乃果さんは、ルビィの"ラストリゾート"を掴んでから、毎日のように特訓してた」

 

 

ホノカ「……へへ、亜里沙ちゃん強いね」グググ

 

亜里沙(笑ってる…!?)

 

ホノカ「でも穂乃果の方が強いっっ!!」バチバチ

 

亜里沙「左手にもオーラ…まさか、」

 

ホノカ「その―――まさかっっ!!!!」ドォン!

 

 

日本、ロシア「「「!!!!!!!!」」」

 

 

ホノカ「【ゴットハンド・ダブルX】!!!

 

ゴールよりも、"ラストエクスカリバー"よりも巨大な"ゴットハンド"。

両腕で放つその紅い炎は―――

 

 

ホノカ「…………」シュウゥゥゥ

 

聖剣だろうと、爆弾だろうと、焼き尽くす

 

 

A『と、止めたぁぁ!!!!両手で放つ"ゴットハンドX"により、絢瀬亜里沙のシュートを抑えてみせた!!!!』

 

 

果南「両手で…"ゴットハンドX"…」

 

美奈「あのシンプルでデタラメな技…!!血は争えないわね…!」

 

 

光穂『一体で足りないなら…もう一体!!!』

 

光穂『【風神・雷神】!!』ドォン!

 

 

真恋「どっかのサッカーバカみたいね」

 

美奈「ええ。ほんとに」

 

 

亜里沙の捨て身の一撃を抑えた穂乃果。これで試合終了、そう、考えた時だった

 

 

穂乃果「理亞ちゃん…!!」

 

理亞「…!」

 

穂乃果「まさか、これで終わりなんて言わないよね!?」

 

理亞「…え」

 

再び理亞の元へと戻ってきたボール。穂乃果の言葉に続き、隣でルビィが続けた

 

 

ルビィ「理亞ちゃん。エースストライカーの重み、一緒に背負ってくれるんだよね」

 

理亞「………」

 

ルビィ「なら、一緒に世界を驚かせてみない?」

 

理亞「!!」

 

 

 

フロイ「まだ終わってない!!ボールを奪って────

 

 

 

──────ドオォォン!!!!

 

「「「!!!!!!」」」

 

地面が揺れた。穂乃果の技の時とはまた別の衝撃だった。衝撃が来た場所を見てみると、そこでは―――ルビィと理亞が息を合わせ、足で地面を揺らし、お互いのオーラを混ぜ合わせていた

 

 

理亞「───────っっ!!」バッ!

 

飛んだのは理亞。2人のオーラが混ざりあったボールを、両足で抱えるように落とす

 

 

ルビィ「───────ぜいっ!!」ギュン!

 

そのボールが地面に落下する前に、滑り込むように足を伸ばすルビィ。

左足で回転を加速させ、オーラを混ぜ合わせ、超強力な空気爆弾を完成させる

 

 

ルビィ「理亞ちゃん!!!」

 

理亞「ルビィ!!!」

 

ルビィ、理亞

「「【Awaken the power】!!!」」

 

 

日本の切り札は進化する。3年間、そこ(ラストリゾート)から先へと進むことはなかった領域。

 

 

"今の自分を越える者"と"過去の自分を越える者"

 

 

ルビィ、理亞「「っっ!!!!」」メキッッ!!

 

 

お互いが共鳴し合い、今、放たれる

 

 

 

ルビィ、理亞

「「【ラストリゾート・クロス】!!!!」」

 

 

―――ドガアァァァァン!!!!!!

"ラストリゾート"の時とはまるで別次元。地面にバウンドする時だけで無く、常時巨大な衝撃波で周囲の選手を吹き飛ばす

 

 

フロイ「エリー!!」

 

絵里「これ以上…亜里沙に無茶はさせないわ」

 

フロイ「【ファング・オブ・ビースト】!!」

絵里「【ホワイトハリケーンGX】!!」

 

 

―――バギイィィィィィン!!!!

 

フロイ、絵里「「!?!?」」

 

 

A『蹴りがボールまで届きません!!!』

 

 

亜里沙「ハァハァ…お姉ちゃん…ズキッ…痛!?」

 

理亞の"ラストリゾート"を蹴り返した時にすでに足の限界を迎えていた亜里沙。

それ以前に、"エクスカリバー"でもこのシュートを打ち返すことは―――

 

 

亜里沙「きゃっ!?」

 

DFの選手たちと共に吹き飛ばされる亜里沙。残すはGKただ一人

 

 

フロイ「ゴラン!!お願い、止めてくれ!!」

 

 

ゴラン「負けられない…みんなの、亜里沙のためにも…負けられないんだ!!」

 

ゴラン「【ギガインパクト】っっ!!!!」

 

 

 

────バギイィィィィィン!!!!!!

 

 

ゴラン「―――」

 

 

フロイ「―――!」

 

絵里「―――!」

 

亜里沙「―――っっ!」

 

 

 

ゴランの頭をよぎるのは"触れないシュート"

 

 

ゴラン「ごめん……みんなっっ…」

 

ゴランの言葉は、亜里沙の耳にしっかりと。届いていた

 

 

亜里沙「これで…終わりなの?」

 

 

 

―――バシュウゥゥゥゥゥン!!!!!!

ピピーッ!!!!

 

 

A『ゴール!!!!そしてホイッスルです!!試合終了!!サニデイジャパンがロシア代表に勝利し、決勝へと駒を進めました!!!!』

 

 

和葉「……」

 

フィレア「キャプテン?どこへ?」

 

和葉「みんな。戻って練習だよ」

 

イタリア「「「!!!!!!」」」

 

和葉「今のを見て分かったよね。日本が私たちの最後の敵だよ」

 

 

和葉「今度は私たちの番。決着をつけるよ」

 

 

会場を後にするイタリア代表。

その後ろのグラウンドでは、お互いに勝利の拳を突き上げるルビィと理亞の姿があった

 

 

 

試合終了

日本 6-4 ロシア

 

 

決勝戦

日本VS???

 

 

 




『まさかさま』ドリブル、ディフェンス技/東條希
希ちゃんの持つ必殺技でオリジナルです。絵里ちゃんが"地面が頭上にあり、空へと落ちていくような感覚"と言っていたので、どうやら"平衡感覚"を狂わせる必殺技のようです。亜里沙ちゃんでもコピー出来ない技らしいので、かなりとんでもない技だと分かります。ここに来て希ちゃんのチート技(遅くない?)ちなみに、モデルは『るてしキスキしてる』です。

『ゴットハンド・ダブルX』GK技/高坂穂乃果
両手で"ゴットハンドX"を発動します。威力は作中の通り、"ラストリゾート"を打ち返した"エクスカリバー"を止めるほどです。穂乃果ちゃんの余裕のあるセリフから、どうやら隠し技として完成させていたようです。

『ラストリゾート・クロス』
シュート/黒澤ルビィ・鹿角理亞
"過去の自分を越えるため"、"今の自分を越えるため"。そんな2人の想いがひとつになったシュートです。"クロスファイア"と"ラストリゾート"を合体させた技とも見ることが出来ます

ついに残すところ決勝戦だけとなりました。感想お願いします
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