ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
今回からオーガとの決勝戦です。よろしくお願いします
日本のとある場所に店を構えるラーメン屋。
女性店長が切り盛りするこの店に、今日は珍しい客がたくさん訪れていた
「はい!いらっしゃい!」
夜「時間休で来ましたヨーソロー!!」
弥生「夜さん…ここお店です」
方引き戸をガラガラと鳴らしながら来店するのは、ライオコット島から帰国した園田弥生と渡辺夜だった。
夜のハイテンションに動じることなく、店の大将は奥の座敷へと2人を通した
弥生「…光穂?お店はいいのですか?」
光穂「旦那に任せてるから大丈夫よ!それより、ほむまん持ってきたから食べて!」
弥生「………いただきます」
ひな「相変わらず、園田家はほむまんが大好きね」
先に座っていたのは、"過去の音ノ木坂学院サッカー部キャプテン"高坂光穂と"現音ノ木坂学院理事長"南ひなだった
夜「まだ来てないのは…あと2人?」
ひな「美奈、真恋、サエは現地だからそうなるわね。鈴香は大丈夫なの?試合見なくて」
鈴香「大丈夫よ〜。私は料理しながら見るから。なんたって娘がスタメンだもの!見ないわけにはいかないわ!」
ひな「凛ちゃん、ますますあなたに似てきたわね」
店内のテレビで選手たちが入場を始めた時だった。再び扉が開き、最後の2人が来店した
光穂「乃々子!久しぶりね…!」
乃々子「皆さんもご無沙汰してます」
弥生「沼津からお疲れ様です…優花さんもありがとうございます、」
優花「全然!私の家が一番駅から近いから…!」
県外に住んでいる乃々子を駅まで迎えに行っていた優花。久しぶりの再開に盛り上がる店内。
そして、変わらぬ雰囲気に対し、抗えぬ時の流れ。化粧でも隠しきれない皺に寂しさを感じてしまう
夜「ますます謎だよね。美奈の美魔女レベル」
乃々子「あの人…見た目が高校生の時から変わった気がしないのよね、」
テレビでちょうど日本代表の監督が映されている。
自分たちの意志を美奈へと繋ぎ、そして美奈が新たな世代へと繋いでいった。その繋がりの終着地が―――この試合で見れるかもしれない。叶うかもしれない
光穂「さ!試合が始まるわ。応援するわよ!」
――――――――――――――――――
A『さあ…!試合が始まります!!』
ー サニデイジャパン ー
FW………渡辺月、黒澤ルビィ、黒澤ダイヤ
MF…………星空凛、高海千歌☆、園田海未
MF……………………統堂英玲奈
DF…………津島善子、鹿角聖良、東條希
GK……………………高坂穂乃果
3-1-3-3
ー オーガ ー
FW……………エスカバ、ミストレ
MF……サンダユウ、バダップ☆、ドラッヘ
DF………ダイッコ、イッカス、ジニスキー
DF…………………ブボー、ゲボー
GK………………………ザゴメル
2-3-3-2
提督『いよいよだ…高海千歌、高坂穂乃果はこの戦闘でサッカーを自ら否定することになる』
『サッカーがいかに愚かなことか思い知らせろ!!危険思想を一掃するのだ!!!』
オーガの選手たちの無線に"戦闘開始"の司令が出された。それと同時に軍服からユニフォームへと服装が変化する
バダップ「了解。Phase2スタート」
日本代表の選手たちがオーガの不気味な雰囲気に戸惑いながらも、試合の笛が今―――
ピーーッ!!!!
ルビィ「行くよ…お姉ちゃん」
ダイヤ「ええ…!」
A『サニデイジャパンが勢いよく上がっていく!!』
世界各国の代表選手、そして仲間たちが固唾を呑んで見守る中でスタートした試合。
序盤から全員で攻撃するために上がっていくのだが…
ルビィ「……?」パス
違和感を感じたルビィはヒールでバックパス。千歌がボールを持ち、辺りを見回すも…
千歌「なんで…?」
A『おや?どうしたことかチーム・オーガ、全く動きません!!サニデイジャパン、ブロックされることなく一気にゴール前だ!!』
千歌「だったら…月ちゃん!!」パス
相手がどんなに強いチームだったとしても、攻撃すれば勝てる可能性は必ず存在する。
千歌は遠慮なく行こうと気持ちを切り替え、前を走る月へ鋭いパスを出す
ダイヤ「決めてください!月───ギュン!!
ダイヤ「!?!?」
月「まずは1発!!」
ゴールと自分の間に遮るものは何も無い。
足を後ろへ大きく引き、ゴールに狙いを定め、シュートを─────ギュン!!
月「え!?」
日本「「「!!!!」」」
サンダユウ「……」ズザーッ
風が自分の前を流れたと思いきや、ボールが足元から消えていた。その数秒後に離れた場所で何かが擦れる音。見るとMFのサンダユウがボールを持ちながら減速を行っていた
A『おっと、渡辺月シュートならず!!サンダユウが素早くカット!!』
サンダユウ「……」パス
ダイヤ(今の…スピードは…)
ダイヤは自分が早くも冷や汗を流していたのが分かった。
先ほどダイヤは右サイド寄りに走っていた。そしてすぐ隣では動かず棒立ちしていたMFのサンダユウ…しかし、気づいた時には…
ダイヤ「一瞬で左サイドの月さんのボールを…『園田海未がオーガからボールを奪ったぁ!!』
ダイヤ「!!」
海未「ダイヤ…!ぼーっとしている暇は無いですよ!」
先ほど、素早いディフェンスを見せたサンダユウのパスボールを奪った海未。
再び日本の攻撃、ドリブルで持ち込むも、やはりオーガの選手たちの様子がおかしい
海未「……??」
オーガの選手は全員がキックオフ時から…つまり、所定の位置から一歩も動かないのだ。
前を向き続け、ボールや選手には目もくれない
晴夏「おかしい…イタリアの時とはまるで違う」
にこ「やる気あるの…?あいつら、」
ことり「ボールを取られたのに、なんで奪いに来ないんだろう…」
不信感は増すばかり。しかし、そんな中でも穂乃果の声は大きく響き渡っていた
穂乃果「気にしないで、攻め込んでいけー!!」
海未「はい…!ルビィ!!」パス
畳み掛けるように最前線を走るエースストライカーへとパスを出す。
スピード、位置、両方が完璧なこのパス。ルビィも走るスピードを落とすことなく、ボールをキープしようとしていた
千歌「行ける─────ギュン!!
千歌「え…今の『ああっと!?ドラッヘがカット!!』
千歌「!!」
一瞬だけ目を離した間に日本の攻撃は終わっていた。驚くルビィとボールを奪ったMFのドラッヘ。その選手は…数秒前まで自分のすぐ近くにいたはずだ。ルビィとの距離はかなりあるのだが…どうやって、
曜「またカット!?」
理亞「絶好のチャンスだったのに…」
梨子「……でも、何か変じゃない?」
その後も日本の一方的な攻撃が続いた。
しかし、両チームともシュートの本数は0。相手は何もしていないのに、全くもってシュートまで辿り着けないのだ
千歌「【ZスラッシュGX】!!」ズババッ!
千歌「─────!?ボールが無い!?」
バダップ「……」
完璧に抜いたはずなのにボールが奪われ、
海未「【風神の舞】!!」ビュオォォ!
吹き飛ばそうとしてもびくともしない
A『園田海未が"風神の舞"で突破を狙いますが、ボールはミストレに奪われたぁ!!』
海未「ハァハァ…抜けない…!」
英玲奈「イタリアの時のように攻めてくると思ったが…守備だけの時間稼ぎか…??」
すでに前半の折り返しを過ぎようとしていた。予想していた展開と全く異なる試合。
オーガの狙いは何なのか?それは、観客席から見届けていた選手たちからはよく分かった
フィレア「日本の選手たちが…攻めきれないことに苛立っている…」
和葉「それが狙いだね。本来の日本代表なら、すぐに気づくことだけど、」
エドガー「……不安感、苛立ち、焦り。日本代表は周りが見えなくなっていますね」
フィリップ「そんな…何とかしないと」
エドガー「…今こそ、あなたの出番です。高海千歌」
息を切らしながらフィールドを見渡す千歌。
攻めてこないことに不安感を抱く守備陣。パスが通らず、シュートが撃てず、苛立ち焦る攻撃陣。
チームが…バラバラになっていることが分かった。何故ここまで気づかなかったのか?決勝戦への…運命を賭けたプレッシャー?
ならば、自分にできることは―――
千歌「みんな!!しっかりして!!!」
日本「「「!!!!!!」」」
千歌「みんなの気持ちもよく分かる!!今は確かにサッカーをしている気がしない!!私だって…上手くは言えない、でも、」
千歌「今までやってきたサッカーを…見失っちゃダメだよ!この空気に負けてたら…試合には勝てないよ!!」
穂乃果「千歌ちゃん…」
背中を叩かれた気分だった。しっかりしろ。そう、強く訴えるエネルギーが日本の選手たちの心を刺激した
聖良「千歌さんの言う通りです。私たちなりに冷静に、作戦を立てましょう」
穂乃果「気合いも忘れちゃダメだよ…!強引にでも前へ行くイメージで!」
英玲奈「冷静に…強引に…か、なるほどな」
千歌の言葉により再び気持ちを1つに集めたサニデイジャパン。幸いにもボールは簡単に奪える。司令塔の英玲奈がボールを持ち、作戦をスタートした
レヴィン『…!日本代表に動きがありましたね!』
A『おおっと!!ここで出てきました!!』
英玲奈「頼んだぞ…善子!!」パス
A『津島善子がオーバーラップ!センターバックから一気に攻撃に加わります!!』
善子がボールを持ったのと同時刻。
十千万旅館では美渡の大きな声が茶の間から
美渡「志満ー!善子ちゃんがボール持った!」
そして仕事中の若女将がすぐに飛んできていた
志満「…!善子ちゃん」
美渡「前半折り返し…やっと来たな!」
───そして、別の場所でももう1人
北也「善子…見せてやれ」
善子「私たちを舐めるのもいい加減にしなさいよ」
代表に選ばれなかった悔しさを糧に、チーム屈指の体力を得た善子。リベロとして、守備も攻撃も積極的に行う選手へと生まれ変わった。
そして、オーガのプレーを見る限り…
善子(絶対に上手くいくわ…)
サンダユウ「──────ギュン!!!!
センターバックでフィールド全体の流れは全て見てきた。オーガの動きは規則的だ。法則、タイミングさえ掴めれば―――
英玲奈「今だ!!!」
───────スカッ
サンダユウ「──────!」
善子「……共鳴、してやったわ」
善子「【Deep Resonance】」
高速接近からのボールカット。それを躱す善子。
そして、この試合初めて、オーガの選手の足が空を切ったのだ
A『抜けたぁぁ!!!津島善子がサンダユウを躱しました!!素晴らしい反応です!!』
ディラン「Yes!!ついに突破したよ!!」
神奈「津島善子の共鳴は…オーガの動きに対応出来る数少ない技。これはチャンスだよ」
善子が突破口を切り開き、畳み掛けるように選手たちが続く。
それを見た善子はチャンスを逃さんとばかりに、ボールを空へと蹴り上げた
善子「月!決めて!」パス
月「任せ──────てっっ!!」バッ
ボールに続いて月も飛ぶ。
回転しながらゴールに狙いを定め、空ごと叩きつけるイメージで―――蹴り放つ
月「【天空落としV2】っっ!!!」ドガアァン!!
A『ついにサニデイジャパン、シュートを放ったぁぁ!!!津島善子がオーガの選手を引き付けての、強烈な一撃!!!!』
ザゴメル「……」バチバチ!
対するGKザゴメル。
右手に電気のようなオーラを集中させ、自ら迫り来るシュートへと飛び込んでいく
ザゴメル「【ニードルハンマー】」
──ドガガガガガガガガガ!!!!!!!!
ボールを殴った瞬間、強烈なスパーク。
吹き出るように火花が飛び散り、強力なオーラを纏ったボールを腕が貫いた
月「そ…そんな!?」
日本「「「!!!!!!」」」
A『チーム・オーガのGKザゴメル、見事に止めたぁぁ!』
月「くそっ…チャンスを無駄にした、」
ザゴメル「っっ!!」ブォン!
月「!?みんな気をつけて!!!」
空中でシュートを止め、地面に着地してすぐにロングスロー。一呼吸も与えぬパスに、サニデイジャパンの攻撃陣は反応が遅れる
善子「ちょっ、ここに来てカウンター!?」
英玲奈「全員戻るんだ!!」
バダップ「……」
ロングパスの落下点ではバダップが走っている。このままボールが繋がれば、ついにオーガの攻撃が始まる。
しかし、善子が上がっており、薄くなったDF層で守りきることが───────
───────グラッッ!
バダップ「!?」
日本「「「!!!!!!」」」
亜里沙「あ…あれって!?」
絵里「…相変わらず、とんでもない技ね」
希「【まさかさま】」
この技がひとたび発動されれば、標的となった者が地面に立っていることは不可能。
平衡感覚を狂わせ、まるで"空へと落ちていく"ような感覚を与える
バダップ「………」グラグラ
希「立てないやろ?うちが技を解除するまでは、あなたの神経はイカれたまま」
地面に膝をついたまま立てないバダップ。
会場全体が驚きに包まれる中、希1人は笑みを浮かべていた。目だけを除いて
希「カウンター返しや。世界最強の技を喰らい」
そう言い放つと希はバックパス。
背後からは冷気が発生している。次の瞬間
聖良「【氷の矢】!!」バシュッ!
希の背後から放たれた氷結の矢。
聖良の得意とする超ロングパス。サニデイジャパンの陣内からオーガの陣内へと跨ぎ、落下場所にはそこに落ちることが分かっていたかのように、1人の選手が立っていた
和葉「来たね…」
鞠莉「ニードルだかハンマーだか知らないけど、その子のシュートは触れまセーン!!」
彼女はすでに────"髪留めを解いている"
理亞「決めてよ…ルビィ!!!」
ルビィ「任せてっっ…はあぁぁぁ!!!!」
A『黒澤ルビィが構えたぁぁ!!!!世界にその名を広めた最強の切り札が…今、放たれるのか!?!?』
レヴィン『触れないシュートですよ…!これはザゴメル選手もひとたまりないでしょう!』
ルビィ「──────っっ!!」バシュッ!
巨大な爆弾オーラを包み込み、磨きあげる"技術"
ルビィ「ぜいっっ!!」バシュッ!
そして、重さのあるオーラを自在に扱う"パワー"
ルビィ「【Awaken the power】!!」
紅き流星の爆発するようなエネルギー。
これらが全て揃うことにより、世界に轟く"切り札"が完成する
ルビィ「【ラストリゾート】っっ!!!!」
────ドガアァァァァン!!!!
爆発に近い衝撃波が選手たちの体を揺らした。地面をバウンドしながらゴールに確実に迫っていく。
対するザゴメルは─────再び"ニードルハンマー"の構え
善子「弾かれて終わりよ!!」
ルビィ「……」
ザゴメル「ふん…」バチバチ!
ザゴメル「【ニードルハンマー】」
────ドガガガガガガガガガ!!!!
ルビィ「!!」
善子「!?」
「「「!?!?!?」」」
A『ああっと!?ザゴメル選手、"ラストリゾート"に弾かれていませんっっ!!!!』
ザゴメル「少しは────効いたわっっ!!」
────ズバンッッ!!!
ザゴメルの腕がボールを貫いた。
最強の切り札はオーガのゴール前で沈んだ
A『な…なんということでしょう、"ラストリゾート"が…止められてしまいました!!』
ルビィ「ハァハァ…」
ザゴメル「なかなかいいシュートね。でも…私のゴールは破れないわ」
まさに"鬼が如く"、圧倒的な力だった
日本 0-0 オーガ
『ニードルハンマー』GK技/ザゴメル
釘パンチ。ラストリゾートをも止めるチート技です。