ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
皆さんお久しぶりです。ルビィちゃんキャンディーです。
大学の対面授業開始を理由に上京。生活が落ち着くまでなかなか執筆に取り掛かれなかったことをお詫びします。
また投稿を再開しますのでよろしくお願いします。残り数話です
前回の、輝こうサッカーで!
オーガのGKの新たな必殺技『エレキトラップ』は、千歌の闇のオーラをも焼き焦がす強力な技だった。
対する日本は善子の機転から突破を試みる。帝国から受け継いだ『皇帝ペンギン2号』。それを更に進化させ『皇帝ペンギン3号』へ。見事『エレキトラップ』を突破し2点目を叩き出したのだった
――――――――――――――――――
バダップ「"Phase3"スタート」
千歌「…?」
穂乃果が心配する中、暴れるように鼓動する心臓をなんとか抑え込み、落ち着いた千歌。
そして耳に入ったのは──────オーガのキャプテン、バダップの気になる言葉だった
千歌(Phase3…何だろう、嫌な予感がする)
イタリア代表の時とは違うオーガのプレー。
もしかすると…まだ本当の実力を私たちには出していないのではないか?私たちがオーガを抑えているのではない。抑えられてるフリを…しているだけなのでは。
嫌な考え、憶測が飛び交う
穂乃果「前半も残り数分…でも、笛が吹かれるまで気を引き締めよう」
千歌「……穂乃果さん」
穂乃果「?」
千歌「気をつけてください。オーガは…多分何か仕掛けてきます」
この底知れぬ不安感を、誰かに早く知らせたかった。
ボールをコートの中心にセットし、構えるサニデイジャパンの選手たち。そして変わらずポジションで動かないオーガの選手。
何の変化も無い。だからこそ逆に不気味。
まもなく主審が笛を吹く
月「勢い来てるね…僕たち」
ダイヤ「このまま3点目もいきますわよ!」
ピーーッ!!
笛が鳴った。それと同時に、ボールへと向かおうとするFWの選手たち。
しかし、
ルビィ「……あれ?」
ダイヤ「ボールを持っていた選手が、」
月「消え…た?」
人間の瞬きによる視界の遮断はおよそ0.1秒。
その間にまるで幽霊のように消えたバダップ。何が起きたのか、起きているのか、理解出来ていない日本代表の選手たち
千歌「………ぇ」
そんな中で1人の少女の脇腹に
─────メキメキメキッッ!!!!!!
本人が気づくよりも先に、ボールと足がめり込んでいた。遅れて腹から吐かれる声
千歌「う───────ぐぁっっ
そして誰もいなかった場所で自分の脇腹にシュートを回し蹴りで撃ち込むバダップ。
千歌はそれさえも認識する前に、フィールド外に蹴り飛ばされた。
唯一、分かったことはバダップの言葉
バダップ「─────────消えろ」
─────ドゴオォォン!!!!
「「「!?!?!?」」」
曜「千歌ちゃんっっ!?!?」
千歌が吹き飛ばされた場所からは砂煙が立ち込めていた。千歌の安否は確認出来ない。
しかし、すぐに選手たちの視線と意識はフィールドへと戻されることになる
にこ「穂乃果ぁぁ!!!構えなさい!!」
穂乃果「!?」
千歌を蹴り飛ばしたボールが地面に落ちるよりも先に、バダップはそのままゴールを狙っていた。
再びボレーシュート。すぐに穂乃果は構え、意識を集中させる。
今はゴールを守る…絶対に止める。
だが、そんな意識とまるで真逆な
晴夏「避けてっっ!!!!!!」
穂乃果「─────────え、」
────ズバンッッッッ!!!!!!!!
声と同時に、ボールがゴールへと飛び込んだ。
しかしそれは…ただのシュートでは無かった
クラリア「な…なんなんだ…あれは、」
フィレア「ゴールを…貫いた??」
A『ご、ゴール…!!なんという威力のシュートでしょうか!?!?ボールはゴールネットを貫通し、後ろの壁へと激突…!!』
レヴィン『高坂選手は…大丈夫なのでしょうか?』
その速さと威力により、ボールが通過した地面は抉れ、砂煙を巻き起こしていた。
穂乃果があのボールを止めようとしてどうなったのか…選手、そして観客らは確認出来ないでいた
フィレア「穂乃果…!!」
和葉「……見て」
穂乃果「ハァ…ハァ……」
砂煙がはれ、ゴールの前では穂乃果が尻もちをつく形で地面に倒れていた。
穂乃果は無事。しかし、そのすぐ横では消え去った緑の芝生とゴールネット
月「……あ、あのシュートを…避けて無かったら」
ダイヤ「…千歌さんは…千歌さんは無事ですの!?」
穂乃果ともう1人、安否が分からない選手がフィールドの外にいた。ちょうど日本代表ベンチの裏まで吹き飛ばされた千歌。
しかし、
「痛たた…いや〜…やってくれたね」
梨子「あ、あなたは…」
チカ「チカが出てきてガードしてなかったら…ちょっとヤバかったね♪」
吸い込まれるような黒い瞳、寒気が止まらなくなるようなオーラ。
高海千歌であって高海千歌では無いその少女は、何事も無かったかのように砂煙の中から姿を現したのであった
A『高海千歌も負傷はしていないようだ!!あれだけの攻撃を受け、それでも立ち上がる素晴らしい精神力です!!』
美奈「本当に大丈夫なのね?」
チカ「大丈夫大丈夫。まだ行けるから」
チカ(痛てて…闇で硬質化してこのダメージか)
意識では追いついていなくても、千歌の生き物としての反射的刺激が闇の力に共鳴していた。
千歌の判断無しに飛び出したチカはバダップの蹴りを闇の力でガード。
超人的な防御力を完成させていた
チカ「やっと本領発揮ってことかな?」
バダップ「…」
見下すように"千歌"を蹴り飛ばした少女を睨むチカ。対するバダップも闇に染まった少女を睨み返している
和葉「……晴夏ちゃんがあの場で穂乃果に警告して無かったら…無事では済まなかったかもしれない」
鞠莉「私たちの時と同じ…気をつけて、みんな」
とっさに"飛び出した"チカはすぐに意識を千歌へと返そうと心の中で声をかけた
チカ(大丈夫だったかな♪千歌ちゃん)
千歌(あ…ありがとう、私)
チカ(うーん…あの化け物を相手にするには、千歌ちゃんはもう少しがんばルビィしなきゃね)
千歌(が、がんばルビィ…??)
チカ("Braveheart"の真の力、そして"あの必殺技"を出す時が来たんだよ♪)
ピーーッ!!
笛が吹かれて試合再開。日本の選手たちは突然のオーガの動きの変化に動揺はしたものの、そこからの気持ちの切り替えが早かった
ダイヤ(イタリア代表の準決勝…)
月(あの試合が…僕たちに教えてくれたんだ!)
先ほどまでのオーガは本気など出していない。イタリア代表との準決勝でそれははっきりしていた。
不意打ちと身構えでは精神的に大きな差が生まれる。分かっていたからこそ、日本はとある対策を立てていた。
本気のオーガと戦う戦略を
海未「凛…今こそ特訓の成果を!!」
凛「合点承知にゃ!!」
次の瞬間、フィールドを包み込む強い光。
目を開けていることは困難。しかし、そんな状況でも迷わずボールへと飛び込む選手が2人
穂乃果「こ…この光は…!!」
それは決勝戦前日の出来事。
海外選手たちとの合同練習の時だった
海未『あの技を…』
凛『凛たちが?』
ベルガモ『お前たちのシュートは…私たちの技に近いものがある』
ルーサー『やるかどうか自由…でも、役に立つと思うよ』
海未「はあぁぁぁぁぁっっ!!!!」
凛「にゃあぁぁぁぁぁっっ!!!!」
海未、凛「「【ツインランサー】!!」」ドガアァン!!
「「「!!!!!!!」」」
エメリコ「あれ、うちのチームのシュートじゃん!?」
ドメルゴ「あの子たち…いつの間に!!」
光り輝くボールは2つに分裂。
そのボールたちに高速で追いつき、全力の蹴りで撃ち放つ"世界最強の速攻"
レヴィン『スペイン代表のFWの選手2人が放つ必殺シュートですね…!!』
A『高速の槍がゴールへと一直線だぁぁ!』
美奈「…まだよ」
監督の声、そして視線はシュートの先。
その先では全て分かっていたかのように、必殺技の動きで待ち構える選手がまた2人
ルビィ「お姉ちゃん…!」バッ
ダイヤ「ルビィ!!」バッ
A『黒澤姉妹がシュートチェインか!?すでにどちらの足にも…炎のオーラが!!!』
─────監督の指示だった。
オーガが本来の力で戦い始めた時、最初の攻撃は分よりも短い秒で決めきれと。
相手に流れを書き換えられる前に前半を逃げ切る。その作戦の元、2つに分裂したボールを
ルビィ「【Awaken the───────
ダイヤ「【マキシマム────────
─────ファイア】ァァ!!!!」」
バダップ「…ミストレ、エスカバ」
ミストレ、エスカバ「「……」」ガギィン!!!
黒澤姉妹の目の前に突然現れたFW2人。
ここまでほとんど動くことが無かった選手が、バダップの指示で豹変
ルビィ、ダイヤ「「!?!?」」
必殺技無しでシュートブロックに飛び込んできたのだ。なんとか押し切ろうとするも…
ダイヤ(う…動かない…!?)
ルビィ「っっ…!!今からでもATPを…」
────バギッッッ!!!!
ルビィがオーラを引き上げようとするのが分かっていたかのように、エスカバとミストレは姉妹を強引に弾き飛ばした
聖良「ルビィさん、ダイヤさん…!!」
善子「速攻でも…まるで歯が立ってないわよ…」
流石のサニデイジャパン、そして各国の選手たちも動揺を隠せ無かった。言葉を失い、冷や汗が流れ続ける。
その中に高海千歌も例外なく含まれていた。そしてその背後から、1人の少女の声がする
バダップ「これは最終警告だ。高海千歌」
千歌「…!」
バダップ「サッカーを捨てろ」
殺意を帯びた声。千歌はその声の主の方へと振り向くことが出来なかった。
サッカーを捨てろ?そんなこと…「はい」と言えるわけが無い。だが、オーガの選手たちの視線が集まる中、「いいえ」とも言えることが出来ない自分がいる
千歌「…そ、そんな…」
それではダメだ。言うんだ高海千歌
バダップ「………」
千歌「そんなこと…」
言うんだ
千歌「そんなこと…!!」
千歌「出来るわけないっっ!!!!」
バダップ「─────やれ」
エスカバ「うらあぁぁぁぁぁっっ!!!!」
善子「ちょっ、急に叫んで…きゃっ!?」ドサッ
何かにつまづいた善子は転倒。
痛みに耐えながらも、自分が何につまづいたかを確認するべく、うつ伏せのまま顔を上げた。そしてそこには─────
エスカバ「【デスレイン】!!!!」
横一線、まるで血に染ったかのような赤黒い砲台が出現。
迸るオーラをボールに込め、エスカバの蹴りと同時に一斉射撃。
サニデイジャパン陣内の上空へと放たれた
ダイヤ「ルビィ!!危ないっっ!!」ドガッ!
ルビィ「お姉ちゃ─────
ドガドガドガドガドガ!!!!!!
死の雨が降り注ぐ。
大地を砕き、衝撃波が襲い、サッカーフィールドが一瞬で戦場へと変える
「「「うわあああっっ!?!?」」」
日本の選手たちの声、そして無慈悲な爆発音だけが響き渡っていた
穂乃果「っっ…このおぉぉっっ!!!!」
もちろん、シュートはゴールにも向かってきていた。
大声と共に闇の力を発動させる穂乃果。そのまま飛び出し、炎の腕で死のシュートとぶつかる
ホノカ「【ゴッドハンドX】!!!!」
しかし、ぶつかった瞬間分かった。
シュートの重さ、エネルギーの差が…
ホノカ(ち、違いすぎるっっ!?!?)
ダブルにする間もなく、"ゴットハンドX"は打ち破られ、穂乃果はボールと共にゴールへと叩きこまれた
────バシュウゥゥゥゥゥン!!!!
ホノカ「っっ…ぐはっ…!?!?」
A『ゴール!!!凄まじい威力のシュートが日本のゴールを破りました!!』
フラム「ひ、酷い……」
フィレア「私たちの時と…同じだ、」
A『あまりにも広範囲、高威力の技を受けたサニデイジャパン…立てない選手もいるようです!!』
爆発の煙が晴れ、現れた日本のフィールドは見るにも無惨。
ボロボロになった地面と倒れている選手たち。言葉を失うベンチと観客。
まさに────地獄だった
千歌「ゲホッ…ゲホッ!!ハァ…ハァ…」
千歌(直撃は避けた…けど、)
うつ伏せの状態から、起き上がることが出来なかった。震えが…止まらない
バダップ「鬼は抗うもの全てを喰らう」
千歌「…!」
バダップ「お前たちが勝つのは不可能だ」
オーガとの決勝戦。
試合開始からここまで、徐々に自分たちの実力を引き出し、先ほどは全力に近いところまでギアチェンジをしたつもりだった。
だが、オーガは───何も変わっていなかった。
焦りも、疲労も苛立ちもなく。全て想定内、自分たちの敵ではないと言わんばかりに
───ピッピー!!!!
そして前半終了の笛が吹かれた。
それは不幸中の幸いか、ボロボロになったサニデイジャパンの選手たちは、何とか自分たちのベンチへと戻ることとなった
――――――
美奈「状況は…かなり厳しいわね」
怪我やダメージを負った選手たちの応急処置が急がれる中、高海美奈監督はそう呟いた。
前半終了直前のオーガのFWエスカバの"デスレイン"は、日本代表に深刻なダメージを与えていた
英玲奈「っっ…!」
真姫「まだ動かないで。悪化するわよ」
英玲奈「どうやら…この試合はもう無理みたいだな」
英玲奈と同じく後半出場が絶望的となったのはダイヤ、月、凛、希、聖良。
流れが生まれた中での6人同時交代、後半は厳しいスタートになることは目に見えていた
穂乃果「…悔しい」
ベンチに座り、タオルを頭からかぶりながらごちゃごちゃになった心を落ち着かせようとする穂乃果。
シュートを一度受けただけだが、その手はまだ震え、汗も滝のように流れている
海未「穂乃果…」
穂乃果「オーガのシュート…私たちの知るサッカーのシュートじゃ無かった。強い、強すぎる…」
海未「……」
穂乃果「でも─────
千歌「うおおおおぉぉ!!!!!!!!」
穂乃果、海未「「!?!?」」
「「「!?!?!?」」」
曜「ちょっ、千歌ちゃん…!?」
善子「ついに…イカれたの??」
穂乃果と同じくベンチで下を向いていた千歌。しかし突然立ち上がり、空気をビリビリと揺らすような大声。
突然すぎる事に選手全員の開いた口が塞がらない中、高海千歌は構わず語り出す
千歌「今までの私だったら…私のせいでみんなに苦しい思いをさせたって、自分を責めてた」
千歌「でも、それは私じゃなく…仲間を追い詰める感情だって、気づいた」
梨子「千歌ちゃん…」
美奈「……」
千歌「私がすべき事は自分を責める事じゃない。チームを…照らし支えること…!!」
穂乃果「…ふふ。先に言われちゃった」
千歌「…!」
穂乃果「悔しい。でも、それでも…勝ちたいって気持ちの方が穂乃果は強い。後悔している暇なんて無いよ。だって、試合はまだまだこれからじゃん」
千歌「穂乃果さん、」
美奈「最後の試合。やりきれずに交代する気持ち、私はまだ戦える、まだ終わりたくない。そんな気持ちを…後半からあなたたちは背負うことになるわ」
千歌、穂乃果「「………」」
美奈「それを力、またはプレッシャー。どちらに変えるか…決めるのもあなたたちよ」
美奈「日本代表のサッカーはまだ終わっていない。真の後悔は…敗北よ。一生悔いることになる」
真恋(美奈……)
美奈『二度と、サッカーは出来ない』
『『『!?!?!?』』』
乃々子『そんな……冗談、』
鈴香『…なんでよ、だから…ダメだって』
美奈『……』
美奈「サッカーで…輝くんでしょ?」
千歌「うん。私たちは輝くよ。終わりなんて、後悔なんて言わせない…絶対に」
――――――
A『さあ…!後半戦、間もなく開始です!!』
────再びフィールドに立って分かる。
前半とオーガは、何も変わっていないと
千歌「………」
それでも高海千歌…そして日本代表は戦う。勝利、輝きを得るため。
逃げない。本気をぶつけ手に入れる
ルビィ「………」
理亞「ルビィ?」
ルビィ「理亞ちゃん、ルビィ…やってみるよ」
ルビィ「自分の限界を…超えてみたくなった」
次回より、最終戦後半
日本 2-2 オーガ
『ツインランサー』シュート/海未&凛
スペイン代表、ルーサー&ベルガモの必殺シュートです。2人から提案を受け、海未と凛が継承しました。眩しい光と共に分裂したボールを全力でシュート。そのスピードはまさに最強の速攻です。
『デスレイン』シュート/エスカバ
原作でもインパクトのあるオーガの必殺シュートです。砲台で転ぶドモン役は善子を選びました。ごめんよ善子