ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
相手の子の1人が、背中から光穂と似た魔神を出したと思った次の瞬間…彼女はその魔神を鎧のように体へと纏った。
宝石のように輝くその姿に見とれる暇はなく、オーラの圧で私たちは滝のように冷や汗を流し、呼吸も乱れ始めていた。
"オーラに押し殺される"
本能的に感じた。
できることなら今すぐに逃げ出したい。
それほどまでに彼女は圧倒的な存在となっていた。
千歌「化身アームド……」
志満「あらら…あれは厄介ね」
助っ人の千歌さんと志満さんの表情も明るくなかった。
千歌さんに関しては無意識に受け身の体勢をとっている…過去にも戦ったことがあるのだろうか。
詳しいことは分からないが、今現状、敵は千歌さんたちでも勝てるかどうか分からない…これだけは察した。
だが、今の流れは確実に自分たちのものだ。
守備を今よりも固め、相手のゴールを破ったシュートたちであと1点を────────
A『さあ、プロトコル・オメガボールで試合再開です!!』
────そんな考えはおめでたいものだと、すぐに知ることとなった。
アルファ「ミッションスタート」
鎧を纏った選手がそう口を開いた瞬間、私たちの視界から少女の姿が消えた。
何が起こったのか理解できないまま、数秒経過したところで光穂の声がスタジアム内に響いた。
───────"上にいる"と
アルファ「【シュートコマンド01"スピニングトランザム"】」
見上げるとそこには少女が1人、すでにシュートを蹴り放とうとしていた。
ボールへの蹴り込みとシュートを放つので計2回、空気が殴られたように揺れ、ドッッドン!!と轟音も鳴り響いた。
千歌さんたちはシュートブロックしようと走っているが、確実に間に合わない。
そんな中、光穂は完成したばかりの新必殺技でシュートを止めようと構えていた。
2体の魔神が巨大な手を広げ、ボールを受け止める。
光穂「【風神・雷神】!!!!」
しかし、シュートは勢いよく魔神を貫き、ゴールへと突き刺さった。
光穂「っっ!?!?(さっきのシュートとは…別次元…!!)」
A『決まったぁぁぁ!!!プロトコル・オメガ、追加点を決め再び音ノ木坂学院を引き離す!!!』
光穂「ハァハァ…」
シュートの勢いで吹き飛ばされた光穂はまだ立てずにいた。当然だ…離れた場所にいた私たちでさえ、シュートの衝撃波で震えが止まらないのだ。それを一瞬でも受け止めた光穂は…
フェイ「…あれは、持ってあと数回だね」
ベンチでフェイさんがそう呟いた。
美奈「数回…?」
フェイ「あと数回、あのシュートを受ければ身体が持たない…ということさ」
雛「そんな…!!」
フェイさんの言葉で、私たちは断崖絶壁に追い込まれていることを…ようやく自覚した。
この戦いを諦めたくない、諦めてはいけないことは分かっている。しかし、状況が最悪すぎた。
志満「みんなー!集合よー!」
「「「!!!!」」」
そう、弱音を吐こうとした時だった。
フィールドの真ん中で私たちを呼ぶ声がした。
吸い寄せられるかのように、私たちは駆け足で彼女のもとへと集まった。
全員が集まったのを見計らい、彼女はゆっくりとした口調で説明を始めた。
志満「みんなも分かっていると思うけど、あの変身…"化身アームド"は人を超えた力を得たものと考えていいわ」
志満「私たちが挑んでも勝負にならないわ…なので、」
志満「私たちはあの子に関与しないで行くわ」
「「「!?!?!?」」」
敵わない。なら無視して戦おう…ということができるほど、この試合は甘くないと分かっているはず。
私たちが困惑していると、彼女は続けた。
志満「私たちは全力でゴールを決めにいく」
志満「彼女は…千歌ちゃんが相手するわ」
あの化け物を…千歌さん一人で??
私は無謀な作戦だと声を上げた。
千歌「これが一番勝利に近い作戦なんです」
しかし、千歌さんの言葉が私の抗議の声をかき消し、満場一致にせざるを得ないことを言ってきた。
ずるいではないか、そんなことを言われたら…何がなんでもゴールを決めなければならなくなる。
サエ「光穂、千歌、ゴールはお願いします」
サエ「あと2点取りますよ」
サエが真っ直ぐ私の目を見る。
どうやら考えていることは同じようだ。他のみんなも頷いている…ならば、
美奈「その作戦…乗ったわ」
今できることを全力でやり抜く。
A『さあ、再びリードしたプロトコル・オメガ!!試合の残り時間も少なくなってきたが、音ノ木坂学院はどうするのか!?』
笛が吹かれ、美奈たちは一気に飛び出した。
チームの連携ならば自分たちも負けてはいない。
巧みなパス回しとドリブルがフィールド内で駆ける。この時、共鳴現象の影響から、音ノ木坂学院のチームの連携は、サニデイジャパンにも引けを取らないレベルになっていた。
夜「走って!真恋!!」パス
今ならどんなパスも思い通りに繋がる気がする。夜は前を走る真恋の名を呼び、足を全力で振り抜いてボールを前に出す─────が、
アルファ「……」ズザーッ!!
夜「!?!?」
真恋「は!?あのボールを奪うの!?」
私たちの完璧を彼女は簡単に超えてくる。
今のパスも出ると分かっていても奪えるスピードでは無かったはず…距離もそうだ、彼女は何メートル走ってきた??
規格外が人間の形をしているようであった。
A『おおっと!!アルファ選手がボールを奪ったあ!!そのままドリブルで持ち込む!!!』
なんとか止めようとディフェンスに入るが、化身アームドの力は強力だった。
彼女が走るだけで暴風が吹き荒れ、瞬きひとつで抜かされる…まるで常に必殺技を発動してるような状態だった。
美奈「まずい…またシュート打たれる…!」
この時間帯、そして光穂の身体的にも絶対にシュートを打たせてはならない。
そう自分に言い聞かせ、自分の陣地へ走って戻っていた時だった。
──────ズン!!!!!!
「「「!!!!!!」」」
ボールに2人の選手の蹴りがぶつかり合った時の音がした。
音のする先では─────先程、自分たちをいとも簡単に抜き去った少女。そして…
チカ「これ以上は好きにさせない…!!」
ドス黒い闇のオーラを放つ少女がいた。
フェイ「千歌…!頑張れ!!」
ワンダバ「時間は限られている。短期決戦だぞ」
千歌はギリギリのところでアルファの必殺技発動を阻止していた。
今のアルファのサッカーに真正面からぶつかれるのは…千歌のみ。闇の力を限界まで引き出し、死にものぐるいで食らいつく。
チカ「──────っ!!」
アルファ「──────!」
蹴らせない、抜かせない、繋がせない。
アルファの行動手札・範囲を倍以上の運動量で減らす千歌。それでも、化身アームドのパワーは計り知れない。
アルファ「邪魔だ…高海千歌」
アルファが口を開いたのと同時に、ズン!!と重い衝撃が走る。
なんだ?何をされた?体が動かない?上手く思考が働かない。
自分が吹き飛ばされたことを自覚したのは、1秒にも満たない時間であったが。
アルファ「終わらせる」バッ
───彼女がシュートの構えに入るには、十分な時間。
アルファ「【シュートコマンド0 ─────
─────バギッッッ!!!!!!
チカ「させないって…言ってんだろっっ!!!」
ギリギリ間に合った千歌が足でブロック。
そのままアルファごと─────吹き飛ばす。
チカ「【フルカウンター】!!!!!!」
アルファ「!?」
A『おおっと!?高海千歌がアルファ選手のシュートを阻止!!なんて高レベルな戦い!!誰も加勢することが出来ないぞ!!!』
チカ「まだまだ!!!!」
どんなに力で圧倒しても、スピードで引き離しても、高海千歌は食らいついてきた。
長すぎる1対1、嫌気がさしてもなお終わらない。
チカ「ハァハァ…ハァ…!!」
アルファ(高海千歌…何を狙っている)
このペースではすぐにスタミナが底を突く。
このまま自分がボールをキープし続ければ、高海千歌は終わりだ…が、それはあちらも分かっているはず。
それでも向かってくる理由が分からない。
何故こんなにも真っ直ぐに─────ぶつかってくる?
鈴香「す、すごい…あの二人、レベルが違う」
美奈「千歌さん…どんどんスピードが上がって……え、」
美奈「速く…なってる??」
なんだ…??
チカ「ハァハァ…ハァハァ…!!」
何が…起きている??
ワンダバ「フェイ。高海千歌は何故、"Braveheart"を使わないんだ?ゾーンと闇の力を掛け合わせた方が…戦えるはずでは」
フェイ「…その"掛け合わせ"が問題なんだ」
チカ「ハァハァ…!」
全く…抜けなくなった。
私のステータスが落ちたのか??
チカ「ハァ…ハァ…」
……違う
チカ「ハァ……」
チカ「…………」
これは…高海千歌が─────ギュン!!!!
アルファ「!?!?」
「「「!!!!!!!!」」」
チカ「─────」
アルファとは逆方向に風がつきぬけた。
その彼女の足元にあったはずのボールは無く、それは一瞬の出来事。
反撃の─────兆しだった。
アルファ(ボールを……奪われた???)
フェイ「"Braveheart"。あれは作り物にすぎないんだよ」
千歌はゾーンを意識的に発動できない。
闇の力で強引にゾーンに近い状態を作り上げ、結果的にゾーンと闇の力が混ざったような雰囲気を作り出す…これが"Braveheart"の正体。
"Braveheart"で発動したゾーンは本来の60%にも満たないレベルしか引き出せない。
闇の力も同様、"中途半端な覚醒"と言えるだろう。
フェイ「なら…さ、100%。無意識的に、自然にゾーンが発動したらどうなると思う?」
アルファ「高海千歌…まさか…」
チカ「…うん」
フェイ「化身アームドをも超える、人類最強のサッカー選手の完成だよ」
チカ「最っ高っっに…ノってきた!!!!」
高海千歌─────ゾーン発動。
次回 プロトコル・オメガ戦 クライマックス
文字数が少ないことに一番驚いているルビィちゃんキャンディーです。
試合の展開がくどい…気がしなくもない??
次で終わらせて、お話しを進めます。
世界大会で優勝するチームのキャプテンですからね。チートですよ。
どっちの方が読みやすいですか?
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千歌「サッカーやろうぜ!」
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「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)