ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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今年もよろしくお願いします。
目標は去年よりもたくさん投稿する、です。




最終章 7話 「プロトコル・オメガ戦 "カウンターマスター"」

 

 

 

 

"あなたを完膚なきまでに崩して、この試合終わらせる"

 

美奈の口から出た言葉はあまりにも挑発的だった。

ゾーン×闇の力を持ってしても、そんなこと実現不可能だと千歌は確信していた。

それほどまでに"化身アームド"は強力な必殺技であるはずなのだ。

 

チカ(それを…どうやって、)

 

加勢しに行こうとした。

しかし、美奈の並々ならぬ雰囲気に、千歌の足はその場から動こうとしなかった。

 

 

アルファ「……どういう意味だ日宮美奈」

 

美奈「そのまんまの意味よ」

 

それ以上は語らず、美奈はアルファに向かってドリブルを開始した。

ダメだ、純粋なドリブルでは、今のアルファを抜くことはできない。

アルファが超スピードでボールを奪いにかかる、が、

 

 

─────バチィン!!

 

 

アルファ「!!」

 

チカ「!?」

 

次の瞬間、アルファは見えない壁にぶつかったように突然弾かれたのだ。

全員が状況を理解しきれていない中、アルファが再びボールを奪いに行く。

 

美奈「無駄よ」

 

─────バチィン!!

 

しかし、再びアルファの足は何者かによって弾かれた。

 

 

フェイ「あれは…まさか、」

 

ワンダバ「フェイ。日宮美奈のあれは何なんだ」

 

フェイ「……とんでもない選手だよ。彼女は」

 

 

 

美奈「【フルカウンター】」

 

美奈の口から発せられた技名、それは先程までシュートを吹き飛ばしていたあの技だった。

 

アルファ「それはありえない」

 

アルファの言う通り、"フルカウンター"は必殺技を跳ね返す技、アルファは必殺技を発動していない。

さらに、燃費が悪い必殺技でもある。

そう何度も連発できる技では─────

 

─────バチィン!!バチィン!!

バチィン!!バチィン!!バチィン!!

 

アルファ「なっ…!?」

 

 

志満「"フルカウンター"を…連発してる」

 

アルファが何度もボールを奪いに来るが、その度にカウンターで弾かれ、体を仰け反らしている。

美奈の動きは、まるで武術の達人が全ての攻撃を華麗に受け流しているかのようであった。

 

美奈「あなたのそれ、"化身アームド"だっけ?オーラを鎧みたいにして、体に纏っているんでしょ?」

 

チカ「…!!そうか!!」

 

千歌は気づいた。

だが、それでも─────

 

美奈「それを纏ってるかぎり、私はあなたを弾き続けるわ」

 

─────やろうとしてできる技術ではない。

美奈は自分の100%の力で"フルカウンター"を発動するのではなく、アルファの攻撃を弾ける必要最低限の力…10%程だろうか。

それを連続で発動している。

 

チカ「そんなこと…今の私にはできない」

 

だが、それを成功させるためにはかなりの技術を要する。

今の千歌でさえ困難なレベルだ。

 

 

A『なんてことだ!?アルファ選手のディフェンスが全て無効化されている!!』

 

 

レイザ「あれが日宮美奈の"超覚醒"!?」

 

エイナム「だとしても…アルファ様の化身アームドが負けるなど…ありえない」

 

プロトコル・オメガの選手たちに動揺が広がる。

人智を超えた力が手に入る"化身アームド"、そのスピードは風を切り、そのパワーは海をも割る。

どの時空でも適うものなど現れない、そうデータでは結論づけられていた…が、目の前でその結論が崩されようとしている。

 

アルファ「だが、このまま弾き続ければタイムアップでお前たちの負けだ」

 

アルファのスピードが更に上がる。

このまま攻撃を弾かせることだけに集中していれば、確かに試合は終わる…だが、

 

美奈「分かってるっっわよ!!」バチィン!!

 

アルファ「!!」

 

美奈が勢いよく"フルカウンター"をぶつける。

その衝撃によりアルファは大きく仰け反る。

その体勢は─────隙だらけだ。

 

美奈「私の100%の…全力の"フルカウンター"でもあなたの鎧には通用しない」

 

美奈「でも、」

 

美奈は構えた。

今のアルファには、"どんな技"でも叩き込める。

 

 

アルファ「─────!?!?」ゾクッッ!!

 

アルファ(なんだ…!?急にオーラが!?)

 

目の前で構える少女のオーラが、爆発的に膨れ上がった。

何をする気だ、何が起こるんだ。

このオーラの量、私や高海千歌を超え────

 

 

 

 

─────キィィィィィン

 

 

日宮美奈の腕が空を切った。

ただ腕を縦に振っただけに見えるその動き。

しかし、それは突然始まった。

 

 

ピシッ…ピシッ!!バギッ…バギギッ!!

 

 

アルファ「……!!!」

 

 

ただ見ていることしかできなかった。

鳴ってはならない音をたて、どんどん崩壊していく…鎧。

 

美奈「私の全オーラを一気にぶつける必殺技」

 

ありえない。

こんなこと─────あってはならない

 

 

 

美奈「【リベンジフルカウンター】」

 

 

─────バリイィィィィィン!!!!

化身アームドは硝子のように音を立てて砕けた。

美奈の高純度、高火力の技により、人間を超えた力は人間によって破壊されたのである。

 

 

フェイ「あの化身アームドを…」

 

チカ「砕いた……"リベンジフルカウンター"…!!」

 

 

これが高海…いや、日宮美奈のカウンター技術。

変幻自在の反撃で全てをひっくり返す……。

"カウンターマスター"

 

 

美奈「今よみんな!!速攻よ!!」

 

「「「!!!」」」

 

美奈から鋭いパスと指示が飛んだ。

同時に全員が飛び出す。

光穂と美奈が作ったチャンス、これが最後だ。

絶対に、確実にゴールへぶち込む。

 

弥生「鈴香、スピードでかく乱しましょう!」

 

鈴香「合点承知っ!!」

 

2人がフィールドを駆け回ることにより、相手の守備に隙が生じる。

 

真恋「見えた…そこよ!!」

 

その一瞬の隙を逃さずパスを出す音ノ木坂学院サッカー部の司令塔。

相手DFがパスカットを狙う?

 

クオル「奪え─────ズン!!!

 

クオル「!?!?」

 

雛「邪魔はさせませんよ」

 

音ノ木坂(うち)のDFがそれを許さない。

彼女がマークにつけば、そこから一歩たりともボールに近づくことは出来ない。

 

 

アルファ「エラー発生…体が…」

 

一方、アルファは化身アームドを破壊されてから、その場から一歩も動くことが出来なくなっていた。

化身アームドは自身のオーラを纏う技、それが破壊されたということは、一気に大量のオーラを失うということになる。

 

アルファ「こんな事態…許されない…」

 

徐々に選手たちの声が遠ざかっていく。

自分たちが攻め込まれているのが、見なくてもよく分かる。

それでも、そんな状況でも、アルファは何もすることができない。

 

 

乃々子「サエさん、夜さん、お願いします!」

 

そして前線では、乃々子がFW2人にボールを繋げようとパスを出していた。

 

ガウラ、メダム「「ここで止める!!」」

 

手段を選んでいられない相手DFは、サエと夜を抑えてでもボールを奪いにかかる。

しかし、ボールは彼女らの頭上を越え────

 

 

志満「ナイスパス…!!」

 

ガウラ、メダム「「!?!?」」

 

夜「最後は私たちがバシッと決めたいところだけど」

 

サエ「私たちを囮にしたんです。必ず決めてください」

 

乃々子はその耳で聞き分けていた。

最初よりも荒々しい足音、相手DFは必ずサエと夜を狙う。

そしてサエと夜は気づいていた。

乃々子の目は、私たちよりも前を見ていると。

 

志満「合わせて。千歌ちゃん」ピィーッ!!

 

指笛で赤いペンギンを呼び出す。

あの技は撃つまでに時間がかかる。

ならば、私がすることは────

 

チカ「【ストームゾーン】!!!」

 

シュートブロックの全力阻止。

向かってくる相手選手を全員オーラの嵐で吹き飛ばす。

 

ありがとう。千歌ちゃん。

 

そう背後から聞こえた時には、すでにペンギンが作った円の内側に、高エネルギーの膜が形成され、志満がそこへ勢いよくボールを叩き込んでいた。

 

 

志満「【皇帝ペンギン・シン1号】!!!」

 

こうなれば、確定演出だ。

強烈なレーザー砲がゴールへと発射された。

 

ザノウ「【キーパーコマンド03"ドーンシャウ────ぐああっっ!?」

 

相手のGKは必殺技を発動するが、完全に勝負はついていた。

レーザー砲は必殺技を貫き、ゴールへと突き刺さった。そして────

 

 

A『ここで試合終了のホイッスル!!音ノ木坂学院 対 プロトコル・オメガの試合は、なんと引き分けだぁ!!!』

 

 

優花「ひ、引き分け…?」

 

フェイ「勝ってはいないが、負けてもいない」

 

プロトコル・オメガの目的は音ノ木坂学院の選手たちを、完膚無きまでに叩き潰すこと。

しかし、キャプテンのアルファはオーラが底を尽き、ほかの選手たちも満身創痍。

 

 

美奈「ハァハァ…延長戦、やれるよ…!!」

 

体はボロボロでも、心はまだ死んでいない。やれる。

そう訴えるかのように、美奈は立ち上がった。

対するアルファは、もう立ち上がることができず、その場で俯いたままだった。

そんな彼女の通信機から、声が漏れる。

 

 

『アルファ。無様だな』

 

アルファ「……議長」

 

『撤退だ』

 

アルファ「…イエス」

 

これ以上の得点は不可能。

そう判断した議長は試合終了、そして撤退を命じた。

仲間に支えられながら、アルファは光の中に消えていき、スタジアムには静寂が戻った。

 

音ノ木坂の選手たちは何が起きたのか分からず、全員がその場で固まっている中、静寂を切ったのは、ベンチから走ってきたフェイだった。

 

 

フェイ「守ったんだ…音ノ木坂の奇跡の流れを、私たちは守ったんだよ。千歌!!」

 

千歌「てことは……全部、元通り…?」

 

全てを理解した瞬間、集中力(ゾーン)の線が切れ、力が抜けたかのように、その場に座り込んでしまった。

全力以上の力を出した。

そして守った。取り戻した。

私たちのサッカーを。

 

千歌「へへ…勝てたのは志満ねぇのおかげだね」

 

自然と笑顔がこぼれる。

自分の目の前には、同じく笑顔の高海志満の姿が。

優しく包まれそうな笑顔ではあるが、その雰囲気は、自分の知っている志満からは感じたことのない、覇気が混じっていた。

 

志満「…千歌ちゃん。この戦い、私にも手伝わせて」

 

千歌「志満ねぇも…!?」

 

志満「善子ちゃんのためにもね」

 

 

志満の顔からは笑顔が消えていた。

 

 

 

 





「リベンジフルカウンター」特殊/日宮美奈
リベンジカウンターとフルカウンターを掛け合わせた超絶威力を誇るカウンター技。その威力はアルファの化身アームドを破壊するほど。カウンターマスターである美奈だからこそ発動可能な必殺技となっている。原理としては疲労やダメージを全てフルカウンターのパワーに変換するというもの。一見シンプルではあるが、千歌も引くほどの難易度。

どっちの方が読みやすいですか?

  • 千歌「サッカーやろうぜ!」
  • 「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)
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