ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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生きてます。激務です。




最終章 15話「プロトコル・オメガ第2戦"繋げていく"」

 

 

 

「凄いわね…ミキシマックス」

 

志満が驚いたのはミキシマックスによる恩恵の中のひとつ。

純粋な身体強化だった。

 

「脚が壊れること覚悟で撃ったのに…まだ動ける」

 

試しに右足で地面を蹴ったり、走ったりしてみるが、問題ない。

痛みはあるし、強いシュートはもう撃てないが、十分戦える。

ミキシマックスにより、本来なら耐えられないダメージも耐えられるようになっていた。

 

だが、戦力が下がったことには変わりない。

後半戦、そこから拮抗した戦いが繰り広げられた。

 

 

『プロトコル・オメガの猛攻!!清真高校は守りきれるのか!?』

 

 

志満はすぐに自分が過ちを犯したことに気づいた。

ミキシマックスによる気持ちの高ぶりが、自身の判断を鈍らせた。

 

(試合終了直前まで"共鳴"で守備をして…それから逆転するべきだったわ)

 

久しぶりの全力のサッカーだった。

周りが見えなくなるとは、実に恐ろしいことだ。

だが、その後悔は直ぐに消えることとなった。

 

「ハァハァ…志満ねえが作ってくれたリード、絶対に守り抜く!!」

 

「そうだよ!!私たちだって負けてられないであります…!」

 

彼女たちは奮起していた。

闘志をみなぎらせ、圧倒的な相手に屈さずにぶつかっていた。

自分たちで───────勝つために。

 

 

「はあぁぁぁ!!」

 

「あまいな!アルファ様!!」

 

梨子のスライディングが回避される。

ボールの先では既にアルファが構えていた。

 

 

「【シュートコマンド01"スピニングトランザム"】!!」

 

「!?!?」

 

爆音と共にダイレクトシュートが放たれた。

立向居は一瞬、反応が遅れた。

 

「【絶ゴットハン─────きゃっ!?

 

「「「!!!」」」

 

ゴットハンドのオーラが完成するよりも早く、アルファのシュートが技を貫いた。

また試合は振り出しに────そう、考えたのと同時だった。

 

「まぁぁぁだぁぁぁぁだァァァァァ!!!!」

 

 

何かが、跳んできた。

 

 

「【フルカウンター】!!!」

 

「ち、千歌さん!?!?」

 

アルファのシュートが大地を抉り続けている。

しかし、既の所で高海千歌が行く手を阻む。

一歩でも後ろへ下がれば、ゴールの位置。

 

「ぐっ!?ここでっっ…」

 

「なんだと、」

 

高海千歌から放たれるこのオーラは何だ?

 

「私たちのサッカーを…」

 

この力はまるで化身アームド──────

 

「終わらせなあぁぁぁい!!!」

 

 

────バギイィィィィン!!!

あの破壊的なアルファのシュートを、高海千歌は、弾き返した。

 

「や、やるじゃん千歌!!」

 

「ボールを誰か拾うずら!!」

 

大きく空へ蹴りあげられたボール。

まるで、そこへ行く道ができていたかのように、その人の元へ、落ちてきた。

 

 

『こぼれ球を拾ったのは黒澤ルビィ!!』

 

時間がない。

同時に飛びかかるプロトコル・オメガの選手たち。

だが、彼女らは知らない。

 

 

「─────────プチン

 

今目の前にいる少女が、

 

「【スプリントワープGX】」

 

世界最強のストライカーであることを。

 

 

『一気に抜き去ったぁぁ!!なんという緩急だ!?これはカウンターになるか!?』

 

 

「ハァハァ…」

 

ルビィは最後まで勝てなかった。

 

「このっ…行かせない!!」

 

「─────っ!!」

 

「!?(今のタックルを躱す!?)」

 

50戦50負。

高海志満は、まだまだ遠かった。

 

「【ディフェンスコマンド03───ぐあっ!?

 

「邪魔」

 

いつかは勝てると思っていた。

だが、その日は来ないまま終わるようだ。

 

「…む?」

 

「この反応は…まさか、」

 

(ワンダバがあのセンサーを確認したってことは…まさか、このタイミングで!!)

 

 

『アルファ選手もギリギリで戻ってきたぁ!!黒澤ルビィとの一騎打ちだぁ!!』

 

この試合が終われば一生会えない。

志満に勝った自分を見せられない。

今まで負けてきたことは───ムダに───

 

 

 

 

 

 

────違う。

 

 

 

「な、なに?急に風が…」

 

どこからともなく流れてきた風。

しかも四方八方から、1ヶ所に集まっている。

 

「この熱量…風…これって、」

 

千歌は覚えがあった。

これは、彼女が、世界一になったあの────

 

 

 

 

「【Awaken the Last resort】」

 

 

 

────究極になるための風。

 

 

『な、なんだあの姿は???熱い!?実況席にまで…熱さが伝わってきます!!』

 

 

「……!!」

 

初めての事だった。

アルファは、その場から動けないでいた。

 

「…違う。志満さんのサッカーは…ルビィの中で生き続ける。ルビィの前で淡く映るそのサッカーを…ルビィは、」

 

「これからもっっ!!」

 

ルビィのオーラが─────爆発する。

 

 

「追いかける!!!」

 

「【ラストリゾート】!!!」

 

"超覚醒(共鳴現象)"はルビィの奥底に眠るサファイアを輝かせた。

放たれた世界一のシュートは、アルファを吹き飛ばし、全てを、迷いを、後悔を、丸ごとゴールに、叩き込んだ。

 

そして、終わりの笛が吹かれた。

 

 

「ハァハァ…い、今のって…」

 

既にルビィは元の姿に戻っていた。

一瞬だけの覚醒、それでも、未来へ繋がる一瞬だった。

 

「……敗北。信じ難い結果だ」

 

対するアルファは撤退の命令が下されてもなお、その場から立てずにいた。

 

「なんだ…胸の奥にうずく、このトゲのような感覚は…」

 

疲労とは違う、別の理由。

だがそれが何かは分からないまま、光となって消えていった。

 

「ミッションコンプリートだね。千歌」

 

安堵の表情のフェイがそこにはいた。

4-2と差は着いたが、負けてもおかしくないギリギリの試合だった。

誰かが、何かが、欠けていれば勝てなかった。

 

「これで歴史は変わる…の?」

 

「うん。本当の歴史を取り戻したはずさ」

 

「……取り戻したわ。善子ちゃん」

 

志満はそこに善子がいるかのように、口を開いた─────のと同時だった。

 

「し、志満ねえ…体が…!!」

 

「「「!!!」」」

 

正しい時間の流れに、インタラプトは修正された。

志満は、存在した歴史(エラー)と共に消滅する。

徐々に光に包まれ、身体が崩れていく。

 

「…時間みたいね」

 

「嫌だ…嫌だよ。志満ねえ…」

 

おかしい。

もう覚悟したはずなのに、抑え込んでいた言葉が、涙が、溢れてくる。

 

「大丈夫よ。あなたたちの歴史の志満はちゃんと、居続けるんだから」

 

志満は大きく背伸びした。

清々しいまでの笑顔で。

 

「はーっ!楽しかった!あなたたちと最後にサッカーできてよかったわ」

 

「ありがとう。みんな」

 

最後にそう言い残し、サッカープレイヤー高海志満は消えていった。

これで良かったのか、千歌の中の疑問は消えない。

だが、一緒にサッカーをした志満は自分たちの中で生き続けることは、分かっていた。

 

「帰ろう。元の歴史へ」

 

 

 

 

―――

 

 

 

それから、少しの時間が流れた。

 

 

「や、やばい。遅刻だ」

 

 

そして高海千歌は、寝坊していた。

 

 

 

海沿いを沿うように伸びる道路を、一台の軽トラックが走っていた。

助手席に乗る千歌は、たくさんの荷物を抱え、救世主とも言える"姉"にお礼を言った。

 

「助かった〜。ありがとう志満ねえ」

 

「もう…今日は特別よ?」

 

いつもならば走っていけ!と言われるのだが、今日はどうしても"遅刻できない日"であったため、急遽送迎してもらうこととなった。

 

窓から入る風が気持ちよく髪を揺らし、焦っていた心を落ち着かせてくれる。

だが、それにより思い出すモヤモヤ。

 

「……志満ねえ」

 

「どうしたの?」

 

「…後悔、してない?サッカーできなくなったこと」

 

恐る恐る、聞いてみた。

サッカープレイヤーの志満は後悔しないと断言した。

だが、この世界の志満は───「してないわ」

 

「!!」

 

即答、だった。

 

「確かに、当時は毎日泣いたし、悔しかったけど…今はね、それ以上に楽しいのよ」

 

「楽しい?」

 

「あなたたちが、サッカーで輝くところを見るのが」

 

 

そう言いきったところで、千歌たちは清真高校前に到着した。

千歌は、車から降りると志満に見えないように目を擦り、振り向いた。

 

「私、頑張るから。志満ねえの分も」

 

「うん」

 

 

「なーに、決意表明してるのよ…」

 

「…!善子ちゃん」

 

現れたのはサッカー道具を持った善子だった。

あれから、本来の歴史を取り戻した清真高校サッカー部に、善子はいつものように姿を見せる。

 

「今日はあの人たちが来る日でしょ。早く準備しなさいよ」

 

「わ、分かったー!」

 

「千歌ちゃん」

 

志満が呼び止める。

千歌が振り向くと、そこには、あの時と同じ笑を浮かべた志満がいた

 

「ありがとう」

 

「うん…!」

 

「なんで?逆でしょ…送ってもらって…」

 

まだサッカーを守る戦いは続く。

そして、繋いでいこう。

高海志満のサッカーを。

 

 

 

「そう言えば、千歌ちゃんたちが言ってた"あの人たち"って……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【ゴットハンドX】」

 

────ドオォォォン!!!

シュートとぶつかるのと同時に空気が揺れた。

だが、彼女はビクともしない。

灼熱の赤に染まったオーラの中で、ボールは動きを止めた。

 

「穂乃果。まだここにいたのですか。全員もう集まっていますよ」

 

「…もうそんな時間!?今行くよ」

 

 

本日は清真高校サッカー部と音ノ木坂学院サッカー部の合同練習。

 

物語は加速する。

 




感想よろしくお願いします。

どっちの方が読みやすいですか?

  • 千歌「サッカーやろうぜ!」
  • 「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)
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