ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

268 / 284

皆さん良いお年を。
今年最後の日に投稿です。




最終章18話「プロトコル・オメガ2.0戦 "勇気と躍動"」

 

 

 

A『ゴール!!後半開始早々、イタリア代表が1点を返しましたぁぁぁ!!!』

 

 

揺れるスタジアム。

千歌たちの完成された速攻は、相手に対応させる暇さえ与えなかった。

 

「…ふーん」

 

動揺するプロトコル・オメガの中で、1人だけ表情を変えない選手がいた。

 

「ナイスシュート。亜里沙ちゃん」

 

「ありがとうございます。ですが、あのベータって人」

 

「うん。そうだね」

 

わざと動かなかったのがひと目でわかった。

ずっと自分たちの動きを観察しているようだった。

そして、まだ勝利には5点残っている。

 

「みんなー!気合い入れてこー!」

 

穂乃果の声が響いたのと同時だった。

─────ベータが飛び出した。

 

「1点入れたからってー、勝てると思ってるんですかぁ?」

 

ふわふわした喋り方とは裏腹に、キレのあるドリブルでイタリア代表陣内に入り込む。

それに呼応するように、ほかの選手たちも攻め込んできた。

 

なるべく早く奪わなければ。

 

時間に余裕は無い。

逃げ腰だけはしてはいけない。

すぐにでも守備へ飛び込もうとした時だった。

 

 

「撃ってきなよ」

 

「「「!!!」」」

 

守護神が構えていた。

 

 

「で、でもお姉ちゃん…!」

 

「撃たせていい」

 

「北也監督…!?」

 

雪稲を静止したのは北也だった。

美奈も止めない。

 

「ラフプレーのリスクがある中で、最速でボールが欲しい…だったら」

 

「わざと撃たせるんですか!?」

 

話している間にベータはシュートの体勢に入っていた。

ボールを足で踏みつけると、2つに分裂。

赤と青のオーラを纏ったボールを─────

 

 

【シュートコマンド07"ダブルショット"】」

 

 

─────オーバーヘッドで放つ。

2つのボールが1つに戻り、凄まじい勢いでゴールに迫っていた。

想像以上のシュートに動揺する選手たち。

 

だが、

 

 

「絶対に止める」

 

 

高坂穂乃果は、迷わず飛び出した。

 

 

 

(技の基盤となる"ゴッドハンド"。火力を引き上げる"愛は太陽"。それらを掛け合わせた時の反動を耐えきる強度"ブラックアーマー")

 

(3種類の必殺技を同時に発動する…お姉ちゃんは、紛れもない天才…)

 

「私には…あんなこと…」

 

 

両手をクロスし、灼熱のオーラを右腕に集める。

日の丸を背負い、ゴールの最後の砦として立ち塞がり、世界一へと導いた。

それが────────

 

 

「【ゴッドハンドX】!!!」

 

 

太陽の守護神、高坂穂乃果

 

 

A『止めたあぁぁ!!高坂穂乃果、ベータのシュートを捻り潰しましたぁ!!』

 

 

「すごい…!あれが"ゴッドハンドX"!」

 

フェイは穂乃果の必殺技を見るのは初めてだった。

話には聞いていたが、実際にその目で見た衝撃は大きかった。

 

「みんな!もう一度速攻だよ!」

 

ベータのシュートは決して弱くなどなかった。

この世界でも屈指の火力になるはずだ。

それを、簡単に受け止めるとは。

 

「あれが…音ノ木坂学院の守護神…」

 

清真高校の1年GK、立向居夢希は、目の前でプレーする穂乃果の姿が果てしなく遠く見えた。

そんなベンチ陣とは違って、フィールドの中は慌ただしかった。

 

「【神のタクトFI】」

 

(丁寧かつ素早く、1秒1秒を無駄にはしない!)

 

桜内梨子の指揮が奏でられていた。

炎の線が選手たちを導き、チームの攻撃力は数段階進化する。

面白いぐらいパスが繋がる。

プロトコル・オメガの選手たちは、千歌たちに触れることさえ出来ないでいた。

 

A『またしてもイタリア代表がペナルティエリア内まで迫る!!これはシュートチャンスか!?』

 

「【カミウツシ"氷の矢"】!!曜さん!」

 

「ドンピシャ!!」

 

鹿角聖良の縦パスをコピーした亜里沙。

プロトコル・オメガの最終ラインを越えるのと同時に、曜は飛び出していた。

 

「これで2点目だあぁぁ!!」

 

GKとの1VS1。

近距離、ダイレクト、体勢も完璧だ。

全力で振り抜く。

 

「【真ゴッドウイン──────

 

 

 

 

───────「おい」

 

 

 

スカッ。

シュートを撃つ、爽快な音とはかけ離れたものが聞こえた。

不思議なことが起きた。

あれだけ完璧な状態だったのに、空ぶった。

 

あれ?

 

思わず間抜けな声が漏れてしまうほど、それは突然──────"来た"。

 

 

「あんまり調子乗んじゃねぇよ」

 

シュートボールを奪い取った、ベータがいた。

 

「な、なんであいつあそこにいるのよ!?」

 

善子が驚くのも無理はない。

つい先程、数秒前まで自分の横にいたのだ。

シュートを撃ったあと、一瞬目を離した隙に、別の場所から歓声が上がったと思いきやだった。

 

「それに…なんか様子が変だよ、」

 

先程までのふわふわした様子とはかけ離れた口調。

そして人を刺すような目。

まるで別人のようだった。

 

「データ分析は既に完了した。あとは…潰すだけだ」

 

その時、ベータのオーラが一気に跳ね上がった。

 

「このオーラ…まさか、」

 

千歌たち清真高校の選手たちには覚えがあった。

この重圧感、電気のようにビリビリと揺れる空気。

 

「来い!!"虚空の女神アテナ"!!」

 

「【アームド】!!」

 

背中から出した魔神を鎧のように体へと纏う。

初めてその姿をみた音ノ木坂の選手たちは困惑していた。

 

「な、何あれ!?」

 

「あれは"化身アームド"。自身のオーラを身体に纏っているんだ」

 

「気合いいれてね。あれになったら、もう人の次元じゃない強さだよ」

 

 

「お前らも上がれ!!一気に叩くぞ!!」

 

ベータの指示でプロトコル・オメガの空気が豹変した。

プログラムされたかのような動きで、イタリア代表チームを翻弄していく。

 

(だめ…アームドしてる選手だけに集中しちゃ、そこ以外から崩される)

 

司令塔の梨子がベータにかけるディフェンスの量を思考する。

が、ほかの選手たちも高レベル。

放置していい相手ではない。

 

 

A『ここで再びベータ選手にボールが渡る!一気に切り込むのか!?』

 

「これ以上は…!【スピニングフェンス】」

 

分身した海未が回転し、巨大な竜巻でベータを飲み込む。

しかし、アームドのパワーは圧倒的。

 

「どけぇ!!」

 

「なっ!?(竜巻でもビクともしない??)」

 

(この圧倒的な力…まるでオーガの選手のよう、)

 

止まらないベータ。

もう少しでペナルティエリアというところで、1人の選手が立ちはだかっていた。

 

「やばい!花丸!彼女は危険だ!!」

 

フェイが咄嗟に止めるも彼女はその場から動こうとしなかった。

 

「ま、まるだって…やってやるずらよ」

 

 

彼女がこの場に立っているのには理由があった。

 

 

『え…まるがDFでスタメン??』

 

『お願いします。監督』

 

花丸を推薦したのはルビィと善子だった。

日本代表となれなかった花丸は、代表のサポートとして活動しながらも、自身のトレーニングは欠かさなかった。

 

『ハァハァ…こんなんじゃ、みんなに追いつけないずら』

 

自分の身体能力がみんなよりも劣っていることは、嫌なほど分かっていた。

それでも諦めきれなかった。

 

またみんなと一緒にサッカーがしたいから。

 

そんな花丸に協力したのは、同級生の2人。

そして、いよいよその時はやってきた。

 

『『この技があれば──────

 

「まるは──────

 

───────戦える!!」』』

 

 

いつものように餅を掴む花丸。

だが、その餅を相手に伸ばすのでは無く。

 

ビタァン!!!

 

地面に叩きつけた。

 

「【もちもちわらび餅】!!」

 

(餅が拡散した?)

 

弾けて雨のように降り注ぐ餅。

ただの目くらましかどうか知らないが、自分の驚異ではない。

そのまま突破しようとした時だった。

 

「なに!?離れない!?」

 

先に餅に触れた選手の様子を見て、その考えは間違っていることに気づく。

粘着性の餅の拡散。想像以上に厄介だ。

 

「なら避けて突破してやんよ!!」

 

数の多さと範囲の広さは侮れない。

だが、アームドのスピードがあれば回避は造作でもない。

 

「わらび餅が当たらないずら!?」

 

「どけぇ!!」

 

花丸を弾き飛ばす────まであと数歩。

 

「動きが直線的すぎよ」

 

誰かが横で喋っている。

 

「なっ!?(こいつ…いつの間に!)」

 

この餅が上手く姿を隠していたのはまだ分かる。

が、どうやって触れずにここまで来た!?

 

だが彼女なら、それが出来る。

そう理解した時には既に、ボールは奪われていた。

 

「【Deep Resonance】やるじゃない。花丸。あとは任せなさい」

 

 

A『津島善子が奪ったぁぁ!!一瞬でした!わらび餅の雨、ドリブル、全てが噛み合った瞬間に飛び込んでいました!!』

 

 

「行けぇぇ!!善子ちゃん!!」

 

「全員抜き去ってやるわ」

 

「ルビィも負けてらんないね」

 

 

清真高校2年生が躍動する。

その力の原点はいつでも"サッカーがしたい"という気持ちだ。

 

 




もちもちわらび餅/ディフェンス/国木田花丸
①餅を広範囲に拡散させ、視界やドリブルルートを限定。
②餅は粘着質。足に触れたら動くことは困難。

後に特訓や背景を描く予定です。
餅シリーズ何個作れるかな。

どっちの方が読みやすいですか?

  • 千歌「サッカーやろうぜ!」
  • 「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。