ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
大丈夫。ひとりでも。
あの時までは、そう思っていた。
『ルビィ、サッカーがやりたい!花丸ちゃんと!』
だけど、違った。
どうやら私は、サッカーがしたかったみたいだ。
姉想いな友だちの後押しをするつもりが、気づいたら、私が背中を押されていた。
そこからの私は、人生の中で一番走ったし、人生の中で一番キラキラしていた。
まだ十数年しか生きてないけど、そう実感できるほどに。
『【もちもちきな粉餅】!!』
あの音ノ木坂学院に勝って、日本一になった時、夢みたいだった。
だけど、毎日頑張ってきたから、たくさん泣いたけど諦めなかったから、これは現実なんだってすぐに受け入れられた。
どうやら私は、これからもサッカーを続けたいみたいだった。
それでもやっぱり、実力的に厳しいのは分かっていた。
『どうしたの?花丸ちゃん』
『ちょっとね。練習したくなったずら』
みんなが代表で頑張る中、私はマネージャーとしてサポートに徹した。
少しでも、みんなの力になれるなら。
そう自分に言い聞かせているのに、心の隅では微かに燃えていた。
メラメラと。
『ルビィちゃん。まると勝負して』
その度に思い知らされる。
友だちがとてもすごいプレイヤーであること、そして、自分の非力さに。
『ゼェゼェ…全然相手になってない…ずら』
『……花丸ちゃん』
それでも、友だちは言った。
『サッカーが上手いって、なんだろう』
A『イタリア代表がボールを取り返したぁ!!国木田花丸の好ディフェンス!!』
「助かったわ!!花丸!!」
「ちっ…"Deep Resonance"か!!」
餅の雨が降る中、全てを躱し、高速でドリブルする選手からボールを奪い取れるのは、彼女しかいないだろう。
津島善子はそのままギアを上げ、カウンターを狙う。
「なに今の技!?初めて見たにゃ!!」
「花丸のやつ…完成させてたのか」
ベンチのメンバーも花丸の新技に驚いていた。
同時に、試合前のスタメン会議での、彼女らの発言の理由が分かった。
『DFのスタメンは花丸がいいと思うわ』
『『『!!!』』』
善子が最初に推薦した。
ほとんどの人が耳を疑った。
誰もが、代表メンバーで組むと思っていたからだ。
『理由を聞いてもいいかしら?』
監督、高海美奈の質問に答えたのは。
『私たちには無いものを持ってます』
ルビィだった。
『で、でも…こんな大事な試合…まるは『花丸ちゃん』
花丸の発言を遮るようにルビィは言った。
『花丸ちゃんのサッカーなら、大丈夫』
そこで覚悟を決めた。
特訓は死ぬほどやった。
仲間にもたくさん助けてもらった。
やれるだけの事をやったからこそ、不思議と、自信はあった。
「ナイスだよー!!花丸ちゃん!!」
「!」
背中から穂乃果の熱い声が届いた。
これならやれる。戦える。
自分のサッカーはルビィや善子に勝つことではない。
仲間を助けるサッカーだ。
それが自分の強みだ。
「さあ…奪ってみなさいよ!!!」
一方、善子のドリブルは神がかっていた。
共鳴は完全に覚醒し、1人、また1人と抜き去っていく。
(あの性格豹変してるやつ以外は対して強くない。このまま押し切る!!)
「調子に乗るなよ!」
相手のDFが詰めてきていた。
周囲には別に2人。1対3の状況だった。
「善子ちゃんこっち!」
ルビィが前で呼んでいる。
ルビィがどフリー?ガバガバ守備にも程がある。
「ナイスタイミングよ!」
「させないっ!」
相手が足や手を出しなんとかパスを阻止しようとするが、共鳴には無意味だ。
空中に飛び、足を躱してから、自分の腕で相手の体をブロックし、パスを───────
「ルビィ───!?」
瞬間、体がパスを拒絶した。
(今出したら…やばい!?)
虫の知らせが鳴ったのと同時だった。
破滅的なオーラの塊が視界に入る。
「あ?パス出さないのか?」
「「!!?」」
全てが完璧なはずだ。
なのに、何故そこにいるんだ。
「いや、冷静に考えたらそうよね…」
曜のシュートボールを奪った時のように、あの姿になると、基礎能力も異次元になるようだ。
自分の普通のドリブルスピードでは、簡単に追いつかれる。
あのままパスを出していれば奪われていた。
「化け物ね…!」
すぐにドリブルに切り替える。
別の仲間へのパスを考えたが、ここまでベータと距離が近いと確実に奪われる。
つまり、
「真っ向勝負か…おもしれぇ」
「かかってきなさい。二重人格者さん」
善子とベータのマッチアップ。
先程までと同様に、全てを躱し、全てを抜き去る動きを見せる。
だが、
「…やばい」
「千歌ちゃん??」
いち早く異変に気づいたのは千歌だった。
僅かだが、あの時と同じ光景が見えた。
ロニージョ『 私 の 方 が す ご い 』
善子『!?!?……なっ!?』
「ちょこまかしやがって…」
(なんで…抜けな────「邪魔だぁぁ!!」
ドゴッッ!!
鈍い音が辺りに響く。
ベータは共鳴の動きを見切り、強引にボールを奪うため、肘を腹に目掛けて打ち込んでいた。
だが、それは善子の腹に当たることは無かった。
「ち、千歌!?」
「ハァハァ…それ、やりすぎだよ」
善子の腹とベータの肘の間には、"ブラックアーマー"により、漆黒に染まった脚があった。
「あまりにとろかったんでよ?」
「…っ!!」
最悪だ。この人らのせいで頭痛が酷くなる。
サッカーを手段として使ったり、サッカーで人を傷つけたり、腹が立って仕方が無い。
「なんで…なんでそんなに酷いことができるのさ!!」
ボールをキープしながら千歌は問う。
「お前らみたいにサッカーに愛着とか、目的はねえんだよ…」
「だから──────
(速い!?見えない!?)
──────手段も選ばねえ!!」
ベータは善子の共鳴を"目で追っていた"。
"ゾーン×闇の力"を発動した自分のプレーも全く相手になっていない。
これで確信した。
アルファも手強かったが、ベータは、彼女を遥かに超える実力を持っている。
「千歌ちゃん!善子ちゃん!」
千歌と善子が吹き飛ばされたのを見て、場の空気は一変した。
サッカーがサッカーで無くなる瞬間。
まるで、"オーガ"との試合のようだった。
「【Awaken the Full power】」
「【エクストリームワープ】!!」
だが分かっていたことだ。
ラフプレーのある試合は、何度も経験してきた。
ルビィと曜がベータを左右から挟む。
「これ以上は行かせない!!」
タイミングをずらしてボールを奪いに行く。
「黒澤ルビィと渡辺曜…」
「え、」
「躱す??」
つまらないと言わんばかりの表情で躱された。
「お前ら速いんじゃないのか?」
「危ないっ!!」
「うわっ!?」
曜の顔スレスレをベータの脚が横切った。
その瞬間、まるで刃物が空を斬った時のような音がしたのを、曜とルビィは聞き逃さなかった。
空ぶったベータはその勢いを利用し、ボールをパスした。
「…!!」
(あの人は手強い…けど、他なら!!)
まるで餌を投げられた獣のようにルビィは飛び出した。
食らいつく相手はパスを待つ相手の選手。
千載一遇のチャンスと言わんばかりに、ボールへと足を伸ばす───────が、
「遅い」
「え、」
「「「!?!?」」」
『躱したぁぁ!!クオース選手、黒澤ルビィのプレスを難なく回避してみせたぁ!!!』
「待って待って待って!?あの状態のルビィ先輩ってすごく強いんじゃなかった!?」
「偶然…ではないな」
北也も信じられないものを見たと言わんばかりの表情だった。
だが、事実としてルビィは躱された。
それだけでは終わらず、
「は、速い!?」
「追いつけない…!」
フィールドに立つ選手たちが困惑するほどのスピードを"全選手"が見せていた。
明らかに先程までとは動きが違う。
「でも、どうして急に…」
「……私は見たわよ」
「美奈監督??」
異変の根源を、高海美奈の目は捉えていた。
「【ゴーストミキシマックス】だ」
「は、はぁ!?そんなのあり!?」
「フェイ、知ってるの?」
ベータの口にした技名と思わしきものを聞き、焦るフェイに穂乃果は説明を求める。
返ってきた答えは想像以上に絶望的なものだった。
「…"ミキシマックス・ガン"無しで、強制的にミキシマックスする技があるんだ」
「それが…"ゴーストミキシマックス"??」
「ああ。それをベータは"全員"にやったんだ!!」
「オーラから見るに、ルビィちゃんや千歌ちゃんの特殊技以上ね」
「おいおいなんだよそれ…チートじゃねぇかよ」
ベータは自分だけでなく全員を強化した。
"ATFP"状態のルビィが躱されるレベル。
ほかの選手も例外では無かった。
「撃てる【シュートコマンド03"ガウスショット"】!!」
『エイナム選手のシュート!!!』
簡単にシュートまでを許してしまった。
流れとしては最悪だった。
ここまでシュートチャンスを2回も阻止されている。
時間も限られている。
そんな中で一方的になりつつある、が、
「確かにすごい威力…だけど!!」
両腕に炎を宿した穂乃果が飛び出す。
どんなに逆境だとしても、
「【ゴッドハンドX】!!!」
彼女がいれば───────
「点はやらない。私が
歓声がスタジアムに鳴り響いた。
高坂穂乃果はビクともせず、右手でがっしりとボールを受け止めていた。
そして、
「まだまだ時間はあるーー!!!!」
「「「!!!」」」
「ゴールは絶対守る!!だから、全力で攻めてーー!!!」
その言葉により仲間たちは奮起する。
これが、太陽の守護神の力だ。
「はっ、調子に乗ってられるのも今のうちだ」
「…さすが穂乃果さん」
「……お前じゃ相手にならねぇよ。高海千歌」
穂乃果を嘲笑うベータ。
そんな彼女を前に、千歌は持てる力を全てオーラとして解き放つ。
「【Brave heart】」
「なんで怖気付く必要があるんだろう。私だって、みんなを照らす太陽だ」
強い相手が来たら恐怖では無い。
勝ちたいという強い欲望が溢れる。
「あなたに勝って…サッカーを守る」
試合終了まであと35分
原作でも見てて思ったけど、ベータのゴーストミキシマックスが公式チートすぎてやばすぎる(語彙力)。
どっちの方が読みやすいですか?
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千歌「サッカーやろうぜ!」
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「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)