ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
善子の"Deep Resonance"を目で追い、
曜とルビィの高速プレス&カットを躱す。
「ハァハァ…!!」
そんな
『高海千歌とベータ選手のマッチアップ!!ベータ選手が優勢か!?高海千歌は躱すのが精一杯に見えます!!』
「大した事ないなぁ高海千歌」
「ハァハァ…」
こんなのにアルファは負けたのか、とため息を漏らすベータ。
そんな中でも彼女のプレーは異次元だ。
ひとつひとつのタックルが重く、何度か気絶しかけた。
だが受け身に必死になると、神速のスピードでボールを奪われる。
「確かに"こんなの"だけどさぁ…!」
「!」
ならば、抜くなら "不意"。
「全力で足掻いてやる!!!」
「【ストームゾーン】」
ノーモーションで闇の力の嵐を発動させる。
ベータは一瞬で技に飲み込まれる。
「これはただでは済まないでしょ!!」
吹き飛ばせなくても、少しだけでも足止めできたなら十分。
一気に抜き去ろうとボールを蹴り出した。
─────「効かねぇ」
だが、それにより現実を知ることとなる。
「くっっ…!!(足りない!!)」
自分の実力不足。
「千歌ちゃん!私の指揮でみんなにもカバーしてもらう!頑張って食らいついて!」
「合点承知っ!!」
とは言ったが、今の"Brave heart"ではベータのアームドには勝てない。
やはり"完璧なゾーン"を発動しなければ…いや、
(それでも勝てる…の?)
不安が頭をよぎる。
そして同時に──────────
バギィィィィン!!!
千歌とベータの脚が激しくぶつかる。
「とか考えてる暇無い!!!」
─────────"全力集中"に切り替える。
「しつけぇなあ!!」
足止めしたことにより、仲間に時間を作ることができた。
「…!この風は」
ベータが気づいた時には準備が完了していた。
それらの風はひとりの少女の元に集まっていた。
「【Awaken the Last resort】」
ビリビリ!!!!
その熱さとオーラの強さにより、周りの空気は震えていた。
サファイアに燃える少女は、化け物相手に再び勝負を挑む。
「出し惜しみなんてしないからね…!!」
「赤髪…青髪…カラフルなやつだな」
千歌をフォローと言っても…
3、4人をベータにぶつけるわけには行かない。
『青髪に変化した黒澤ルビィが加勢する!!ベータ選手は少し苦しくなったか!?』
「…あのベータって子、思ったよりも手強いわね」
そう口にしたのは美奈だった。
実力的に手強い…とは別の観点。
「こちらが最効率で得点を取りに行くと分かった途端…"ゴーストミキシマックス"でチーム全体を強化」
「後半開始してすぐには動かずデータ分析。実際、うちの子たちはあの1点以降、1度もシュートを撃たせてもらっていない」
『奪ったぁぁ!!』
「「!!」」
実況の声にハッとし、フィールドに意識を戻すと、蒼いスライディングがボールを捕らえていた。
「千歌ちゃんお願いします!!!」
「任せて!!」
ルビィは"スプリントワープ"で飛び出す。
だが、今回はその背後にベータの姿は無い。
『これは!!高海千歌がベータ選手の行く手を阻みます!!』
闇の力を一気に放出し、少しでも時間を稼ぐ。
その間に、ルビィは"射程距離"に入った。
この技は撃つまでの隙が大きい。
だが、千歌の時間稼ぎは想像以上の仕事をした。
ベータは確実に間に合わない場所にいる。
今なら──────放てる。
「【ラストリゾート】!!!」
世界最強の一撃がゴールに向かって唸りをあげる。
ボールが弾むたびに地面が爆発し、オーラと風がひとつの塊としてゴールに迫っていた。
「───触れないシュート?だったか?」
「!?」
撃った瞬間、ルビィが見たのは無謀とも言える光景だった。
プロトコル・オメガ2.0のDEF2人が、シュートコースに向かって走っていた。
「「はあぁぁぁぁ!!」」
───バギィィィィン!!!
なんの躊躇いも無くボールに足を出す選手たち。
シュートはその無謀を弾くことなく、普通のシュートと同じく"触れさせて"いた。
「は!?」
「"ラストリゾート"に触れた!?」
千歌たちもこれには驚きを隠せないでいた。
だが、ルビィは違った。
例え触れられたとしても、純粋な火力でも負ける気は無い。
「ぐあっ!?」
「っっ!!」
その気持ちに答えるように、ボールはDEF2人を"シュートの威力"で吹き飛ばす。
「…来い!」
GKのザノウが構える。
渾身の"ラストリゾート"を前に、堂々と立つその姿は、見かけだけでは無かった。
「【キーパーコマンド03"ドーンシャウト"】!!」
「!?!?」
(なにあのパワー!?)
ザノウの放つオーラは通常の何倍も大きかった。
それは"ラストリゾート"を圧倒するほどだった。
「あの…最強の"ラストリゾート"が…止められた?」
状況を理解できていない仲間たち。
撃った本人も例外ではない。
目を丸くし、その場から動けないでいた。
その隙を逃さんと、ザノウはロングスローでカウンターを仕掛ける。
梨子が指揮で仲間を誘導するも、相手のスピードの方が上。
「【Deep Resonance】」
センターバックの善子のところにまで迫っていた。
そこに花丸の援護が入る。
"もちもちわらび餅"を発動し、行く手を阻む。
(この技…これが厄介だ)
ベータはボールをキープしながら考える。
チーム全体があの技に手を焼いている。
あちら側の攻撃が通用していない状況だとしても、あれを放置するのは宜しくない。
そこで、決めた。
「撃て!!エイナム!」
「っ!?ギリギリ取れなかった!!」
善子のスライディングよりも先にパスが出た。
エイナムは既にシュートの体勢に入っている。
─────が、違和感があった。
なんだろう。この胸のざわめき。
穂乃果が止められるかどうかの不安ではない。
また別のことなのだが、それが何かは分からなかった。
だが、何か、嫌な予感がする。
その不安を持ったまま、ルビィは視線をエイナムから、偶然ベータに向けた。
あれ、あの人、どこを見て──────
───────!?!?善子ちゃん!!」
「【シュートコマンド03"ガウスショット"】」
ルビィが飛び出したのと同時に、シュートが放たれた。
だが、シュートはゴールとはまた違った方向に向かっていた。
『おおっと!?エイナム選手のシュートはゴールではなく、ベータ選手に向けられているが、これは…!!』
「花丸ちゃん!!!!逃げて!!!!」
「「「!?!?」」」
「マジでやばいじゃない!!!」
善子も遅れて気づいた。
ベータの視線の先にいたのは花丸。
獲物を見る猛禽類のような目をしていた。
違和感の正体はこれだったのか。
明らかに他の選手にはない、殺意に近いもの。
このままでは──────
「うらあぁぁぁぁっっ!!!」
「くっっ!!!」
ベータのチェインシュートが、花丸に向けて放たれた。
善子が、渾身の思いで足を伸ばす、、が。
ギリギリでスパイクを擦れた。
(ちくしょう!!ちくしょう!!ルビィ!!あなたなら間に合う──────!?
「はあぁぁぁぁ!!」
ルビィの脚に"花丸の餅"が付いていた。
避けていては間に合わず、迷わず突っ込んだ。
ドゴッッッ!!!
ルビィのブロックが間に合うが、様子がおかしい。
「ぐっっ!?」
「あの姿なのに押されてる!?」
「体勢が悪い…!!」
ベンチで見ていた北也は焦りから立ち上がっていた。
花丸の餅を無視し、強引にボールに足を出した。
だが、完璧な体勢を餅が邪魔していた。
「ぐっっっっ…!」
やっと。やっと花丸とサッカーができるようになったんだ。
諦めず、ここまで一緒に来てくれたんだ。
「っ!?!?」
これからも、一緒にサッカーがしたい。
ただそれだけなんだ。
世界とか、プロとか、そうじゃなくて、
ドゴッッッ!!!!!!!
花丸とサッカーがしたいんだ。
『ルビィね!!』
『ルビィちゃん?』
『ルビィね、花丸ちゃんの事見てた!!ルビィに気を使ってサッカーやってるんじゃないかって!!!ルビィのために無理してるんじゃないかって心配だった・・・でも、練習の時も、校庭にいる時も、みんなで話してる時も・・・花丸ちゃん、嬉しそうだった・・・それ見て思った!!!花丸ちゃん好きなんだって!!!ルビィと同じくらい、好きなんだって!!!サッカーが!!!』
『マルが…?まさか…』
『じゃあ、なんでその本そんなに読んでたの?』
『それは…』
『ルビィね、花丸ちゃんと一緒にサッカー出来たらって、ずっと思ってた!!!一緒に頑張れたらって!!』
『それでも、オラには無理ずら。体力無いし…向いてないよ…』
『ルビィ、サッカーがやりたい!!!花丸ちゃんと!!!』
そこからのことはあまり覚えていない。
キーン、と耳鳴りの中で、花丸が宙を舞っていた。
なんで音がしないんだろう。
なんで体が動かないんだろう。
チームのみんなが花丸に駆け寄っている。
担架が来た。みんなが見たことの無い顔で、何かを花丸に言っている。
体は蒼く燃えているはずなのに冷たい。
唇が震える。声が出ない。
「花丸ちゃん!!しっかり!!」
「意識が無い…早く病院に!!!」
みんな震えてる。
怖いよね。こんなことありえないもんね。
だけど、花丸ちゃんを助けるために、全力で動いている。
ルビィは、なんで動けないの?
「救急車来たわ…!運ぶわよ!」
真姫の指示で花丸が運ばれる。
一刻の猶予もない。
わかる。わかるけど、
怖い。花丸がサッカー出来なくなったら。
もうやりたくないって言ったら。
そもそも…助かるの?
怖い。
考えるのがこわ─────ガシッ!
「!!?」
瞬間、スタジアムを包む音が蘇った。
なぜ急に?理由も分からないまま、掴まれたような感覚のある右手首付近に視線を移すと、
花丸が腕を掴んでいた。
「は、花丸…ちゃん、」
「かっ……て……!!」
その一言を、ルビィは生涯忘れることは無かった。
自分の考えは間違っていた。
花丸は、諦めてなどいない。
朦朧としているはずなのに、その目は熱く燃えているようであった。
花丸ちゃんとのサッカーをつづけるためにも、
"この試合だけ"、忘れさせて。
次回"最強に成るためのサッカー"
コロコロの漫画では錦先輩が似たような状況になっていました。
花丸推しの人申し訳ないです。必要なイベントがここからたくさん待っています。
どっちの方が読みやすいですか?
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千歌「サッカーやろうぜ!」
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「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)