ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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短めです。




最終章24話「支援者」

 

 

もとの世界に戻ってきた千歌たち。

満身創痍の彼女らは、治療をしながらも、サッカーがどうなったのか確認した。

だが、何も変わっていなかった。

 

サッカー禁止令はそのまま。

 

部室やサッカーグラウンドの撤去もそのまま。

 

残ったのは仲間たちの傷と───────

 

 

千歌「お母さんが…交通事故??」

 

高海美奈が死んだことになっていた。

ワンダバ曰く、歴史が辻褄合わせをしようとしており、"高海美奈がいなくなった"ということを、死亡したということになっているという。

 

千歌の家族たちや、美奈の友人たちが悲しんでいる姿を見て、現状をやっと理解できた。

 

海未「しかし、封印されているだけ…なんですよね?生きているんですよね」

フェイ「うん。生きてるはずだ」

 

安心したのもつかの間、フェイが続ける。

 

フェイ「でも、このまま放っておけば歴史が定着しちゃう。改変された歴史が本物になってしまう」

北也「つまり、美奈が本当に死んだことになるのか」

フェイ「はい。しかも、一度改変された歴史は再び変えることは非常に難しくなる」

 

その場の空気が一気に凍りつく。

自分らは美奈が生きていると知っている。

だが、それを忘れ、"美奈が死んだ"という間違った事実を真実として生きていくことになる。

 

「じゃあ、早く倒さなきゃね」

「「!!」」

 

口を開いたのは穂乃果だった。

ここまでずっと下を向き、何かを考えるように静かだった。

 

穂乃果「迷うことは無いよ。強くなって、プロトコル・オメガに勝てばいいんだよ」

善子「簡単に言うわね…」

 

淡々と話す穂乃果は、両膝をパン!と叩き立ち上がる。

その目は真っ直ぐ前を向いていた。

 

穂乃果「そりゃあね!美奈監督が私たちのことを待っているんだもん!グズグズしてなんていられないよ」

フェイ「決まりだね」

凛「特訓だにゃ!強くなって、プロトコル・オメガにリベンジ!」

 

元の世界に戻る道中で話題となったこと。

今の実力では、プロトコル・オメガ2.0に勝つことは難しい。

ルビィの覚醒で追い上げはしたものの、あれが無ければ大差で負けていた。

一人ひとりの実力向上が必要であることは、全員が分かっていた。

 

穂乃果「よーし!みんなで強くなるぞ!!」

「「「おー!!」」」

 

北也「…やっぱすげえな。高坂穂乃果。凍った空気を一瞬で溶かしやがった」

北也「…千歌?大丈夫か?」

千歌「…………え?」

 

少し間を置き反応する。

どうやら北也に声をかけられたことに気づかないほど、ぼーっとしているようであった。

 

北也「大丈夫か?何か考え事か?」

千歌「な、なんでもないです…!」

 

すぐに笑顔に切り替わった。

自分の考えすぎか?そう思った時だった。

 

真姫「でもどうするのよ。特訓場所を見つけないと。サッカー禁止令のせいで、河川敷や公園も使えないわよ」

「「「あ、」」」

 

それをすっかり忘れていた。

今、サッカーをしてしまうと美奈やサッカーを取り戻すどころか、自分の人生を失いかねない。

やる気充分なのにもどかしい。

全員が頭を悩ます時間が流れる…そんな時だった。

 

千歌「…あれ?何だろう?」

 

メッセージの着信音が千歌たちの思考を遮った。

確認すると、意外な人物からだった。

 

『すぐに仲間たちとホテルオハラへ来なさい』

 

そう一言書かれていた。

少し素っ気さがあるこのメッセージ。

千歌は先月まで毎日のように聞いていた。

 

千歌「サエさんからだ」

 

 

 

"ホテルオハラ"

 

沼津の駿河湾に浮かぶ小さな"淡島"にひっそりと建つホテル。

静けさの中に波音が響き、日常を離れてゆっくり過ごすには最適な場所だ。

 

そんな島に千歌たちは来ていた。

 

ワンダバ「サエとは、あの"小原サエ"のことか?高海美奈と共に音ノ木坂学院を勝利に導き続けたあの?」

千歌「そうだよ。サエさん、ひょっとして私たちに協力してくれるのかな?」

 

だが、サエは今回の事情を知らない。

美奈のことを話しても信じてくれるかどうか怪しいところだ。

だが、引っかかるのは"仲間たちと"だ。

千歌だけならば、海外遠征の話であろう。

が、呼び出された理由が分からない。

 

フェイ「小原サエは僕たちとは異なる歴史を過ごしてきた。分かってもらうには難しいかもね」

 

あまり過度な期待はできない。

そんな話をしてると、ホテルの奥から赤いスーツを着た女性が現れた。

 

サエ「久しぶりデスね。千歌」

千歌「はい」

サエ「そして…ずいぶん大人数デスね」

 

自分の目で確認するように、かけていたサングラスを外し、その翠眼を見せた。

鞠莉と同じ色のその目で、全員をじっくりと見たあと、ため息混じりで話し始めた。

 

サエ「どうやら、苦戦したようね」

千歌「え!?」

 

ザワつく仲間たち。

まるでこちらの事情を知っているかのよう。

 

サエ「ここに来てもらったのは他でもない。美奈を助けるサポートをします。これ以上、エルドラドの好き勝手にはさせられません」

「「「!!」」」

 

フェイ「エルドラドを知っているんですか!?」

サエ「ええ。フェイ、あなたたちやタイムマシーンのことも知っていマス」

 

聞きたいことはいろいろあるが、まず、なぜサエが歴史介入の影響を受けていないのか。

その質問に対し、サエは自身の腕につけている、ブレスレットのようなものを見せて答えた。

 

サエ「これのせいデスね」

千歌「あ、それって!」

 

見覚えがあった。

別時空の高海志満が助けに来てくれた時に、同じものをつけていた。

名前を"タイムブレスレット"と言っていた。

 

ワンダバ「タイムブレスレットには時間を越える力がある。だからタイムパラドックスの影響を妨げたのか…」

北也「お前、そんなのどこで手に入れたんだ?」

 

サエによると、ある日、"支援者K"と名乗る者が、奇妙なメッセージと共に送り付けてきたのだと言う。

最初はイタズラだと思ったそうだが、そのメッセージを見た時、どうしても捨てられなくなってしまったという。

 

『私は"セカンドステージ・チルドレン"と呼ばれる新世代の力を持った子供たちを研究している。その力の原点とされているのが、高海美奈、高海千歌、高坂穂乃果だ。彼女ら、そしてサッカーを救いたければ、このブレスレットを常に身につけていろ』

 

穂乃果「私と千歌ちゃんの力が…?」

千歌「新世代の力…の原点?」

 

突然の話でまだ理解はできてないが、エルドラドが自分たちを狙ってきている理由もそこに関係しているのではないのだろうか。

穂乃果、千歌、美奈、3人に共通することならば、答えが出るのにそこまで時間は掛からなかった。

 

曜「"闇の力"…じゃないかな」

北也「それなら納得する部分もある」

 

人の域を超えた能力を発揮する"闇の力"。

ずっと必殺技に近いものだと考えていたが、それの正体については深く考えていなかった。

もし、"闇の力"が新世代の力の原点だとするならば、

 

サエ「私もそう考察していマス。あなたたちのオーラは異質デス。そして、今回の件もあり、いよいよ信じる必要がでてきマシた」

 

美奈の救出が最優先だが、その他にも考えなければいけないことが多すぎる。

そのためにはまずは"確実に活動できる場所"が必要だ。

 

千歌「ど、どうする…かくなる上は、私の部屋でサッカーする?」

梨子「どうやっても無理ね」

 

サエ「今、世界で最も自由にサッカーができる場所がありマス」

「「「???」」」

 

サエ「さあ、行くわよ」

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

太陽の光が肌に突き刺さる。

波の音が響き渡る白い砂浜が、果てしなく伸びている。

そして、青い海も広がっている。

 

千歌「また…来ちゃったよ……」

 

激戦を繰り広げた思い出の聖地。

"ライオコット島"

 

ここで千歌たちの特訓が始まる。

 




ライオコット特訓編のスタートです。

闇の力の正体について少し触れました。
話が進むにつれ、さらに深堀します。

どっちの方が読みやすいですか?

  • 千歌「サッカーやろうぜ!」
  • 「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)
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