ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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ちょっと難しい話がありますが、そういうもんだなと読んでくれると嬉しいです。




最終章26話「ライオコット島で特訓②」

 

 

岩肌に覆われたマグニード山とはまるで別世界。

それがヘブンズガーデン。

辺り一面に花畑が広がり、雲の隙間から光のカーテンが伸びている。

そんな異世界を更に異質にさせているのが、ヘブンズガーデン内にあるサッカーフィールドだろう。

 

そこに千歌はいた。

 

千歌「………」

 

目を閉じ、時折、深呼吸をしながら、脱力した状態で立っていた。

そんな少女に─────迫る豪速球。

 

千歌「っっっ!!!」

 

目を見開き、勢いよく右足を振り切る。

メキッッッッ!!!

足とボールがぶつかったのと同時に、千歌の体は一気に後方へと押される。

 

千歌「ぐっっっ!!!」

 

なんとか踏ん張るも、徐々に体勢が崩れ、体ごとゴールの中に吸い込まれていった。

ボールが通ったと見られる場所は深くえぐれていた。

人の域を越えたシュートを放った張本人は、ゆっくりと歩きながら少女に近寄った。

 

セイン「足りんな」

千歌「ハァハァ…ハァハァ…もう1回」

 

労いの言葉は無かった。

あるのは、早く立てと言わんばかりに放つ、圧のみ。

千歌はここで、自分を越えるための修行をしていた。

 

時は少々遡る。

 

初めてのヘブンズガーデン。

その雰囲気に戸惑うことなく、千歌はセインに頭を下げていた。

戸惑ったのはセインの方だった。

下界の人間がわざわざここを訪ねた理由が、思いもよらないものだったからだ。

 

セイン『修行?』

千歌『お願いします!』

 

本来、下界の人間をこの場所に入れること自体、よろしくないことだ。

だが、彼女は例外。

過去に天界を救った大恩がある。

 

セイン『理由はなんだ?』

千歌『化け物になりたいんです』

セイン『ハハッ。天界で化け物か。もう少し面白い冗談を─────『本気です』

セイン『!』

 

周りの空気が一気に変わった。

この少女、本気で"化け物"になろうと思っている。

 

セイン『化け物とは、なんだ?』

 

少女を試すようにセインも雰囲気を変える。

 

千歌『あの圧倒的なパワー、全てを捩じ伏せるようなシュート…』

千歌『フラエルさんです』

 

本来なら激昴していただろう。

自身が崇める存在を"化け物"と言われれば、誰だって黙っているはずがない。

だが、不思議と怒りは湧いてこなかった。

それほどまでに、目の前の少女の目が、覚悟を物語っていたからだ。

 

セイン『確かに、あの方の力は圧倒的だ。だが、何故そこまで至りたい?』

千歌『"全て"を守りたいから』

 

 

 

 

セイン「それではあの方には遠く及ばない」

 

それから何本もセインのシュートを受け、その度に吹き飛ばされることを繰り返していた。

 

セイン「片鱗が見えるのは、10に1度ほどだ」

千歌「ハァハァ…安定しない」

セイン「人を越えようと言うのだ。そう焦るな」

千歌「…いや、焦るよ」

 

何度も吹き飛ばされ、ボロボロの姿。

それでも立ち上がり、再び構える。

 

千歌「みんなも強くなってる。ゆっくりなんてしてられない」

 

 

 

 

──────────

 

 

 

下界にいる仲間たちは干からびていた。

 

穂乃果「…………みんな生きてる?」

 

地面が熱いなど関係なく、体が動かない。

中にはピクリともしない人もいる。

様子を確認したいが、穂乃果も動けない。

 

亜里沙「このメニューを半日で…?」

凛「おかしい。絶対おかしいにゃ」

 

どう考えても物理的に不可能なメニューだ。

北也が冗談で言ったのか?

それにしてはあれから何も言ってこない。

 

曜「ふぅ…今日も夕方になっちゃったね」

梨子「とりあえず戻って休まない?」

海未「…すごいですね。もう立てるのですか?」

 

崩れ落ちているメンバーがいる中、すでにケロッとしているメンバーもいた。

共通点は"浦の星女学院"だった。

 

ことり「浦の星女学院の頃から北也さんが監督だったんだよね?その頃からこんなに走らされていたの?」

善子「ここまで厳しくはなかったけど…まあ、確かにずっと走ってたわね。それよりも、ちょっとズルしてるからかも」

「「ズル?」」

 

善子の発言に耳を傾ける。

体力が並よりも多いとは、別のヒントがあるのだろうか。

 

善子「…きつい時、オーラを使うのよ」

穂乃果「きつい時に?」

凛「オーラを?」

海未「ですがそれ…疲れませんか?」

 

オーラを使うと体力もその分消費する。

これは常識だ。

善子の発言は、まるで矛盾だった。

 

善子「うーん…だから、あれよ…あれ」

善子「あぁっ!もう!どう説明すればいいのよ!」

 

どうやら、言葉で説明するのは難しいぐらい、"感覚"の話になってくるようだ。

そんな中、口を開いたのは───────

 

ルビィ「……オーラを使い分けるんだよ」

「「!」」

 

首にバスタオルをかけて現れたルビィだった。

その赤髪は自分らと同じように濡れているが、汗ではない。

すでにシャワーを浴びた後のようだ。

 

ルビィ「みんな、オーラはどんな時に使ってる?」

凛「必殺技を出すときじゃないの?」

穂乃果「速く走ったり、パワーを上げる時にも使うよ」

ルビィ「それとは別の使い方があるんだよ。北也さんは…みんなにそれを習得してもらいたいんだと思う」

 

「「別の使い方??」」

 

ルビィの話すことは新たな世界だった。

"エネルギー効率"を高める。

そう説明が始まった。

 

ルビィ「私たちの身体の中には、素早くエネルギーを作り出すシステムがあるんだよ」

ルビィ「そこにオーラを混ぜることによって、身体能力の向上や必殺技を出している。だけど、その分、エネルギーをたくさん使うから、」

曜「ガス欠する?」

ルビィ「そう。それに酸素も足りなくなる」

 

そう言うと、ルビィは身体に力を入れ、オーラを高める構えを見せる。

だが、その姿に違和感が1つ。

 

亜里沙「あれ…?ルビィさん、オーラが見えない??」

ルビィ「よく分かったね。確かにオーラは高めてるけど、"身体の中"でね」

雪歩「ま、待ってください!?」

 

雪歩がストップを掛ける。

突然の話で理解が追いついていなかった。

先程のガス欠の話と、オーラを"身体の中"?で宿す関係もイマイチ結びついていなかった。

 

北也「内臓の性能をオーラで上げるんだ」

 

「「「監督!」」」

 

遠くから声がした。

半袖短パン、そしてサンダル姿で現れた男性、松浦北也。

やっと気づいたか…と言わんばかりにため息をひとつ。

 

北也「オーラで肺から身体に入れる酸素を増やせ。オーラで肝臓や筋肉で作るエネルギーを増やせ」

北也「ガス欠よりもエネルギーを作り出す方を勝たせろ」

海未「そんなことができるんですか…」

北也「無意識にはほとんど不可能だ。意識してオーラを扱えるようにならなきゃならねぇ」

 

北也の無謀な練習指示の狙い、それはオーラの扱い方のレベルアップだった。

 

北也「結果的に身体能力が爆発したり、思考力の向上だったり、いろいろいい事が起こる」

穂乃果「え、それって…」

 

まるで、"あの力"の説明のようだった。

 

北也「ああ。"ゾーン"だ。お前たちには、自分の力でゾーンに近い状態の身体を作ってもらう」

 

北也の口角が少し上がったのが分かった。

ライオコット島での特訓3日目。

どうやら日本には、まだまだ帰れそうにない。

 





たくさん走れる、たくさん体力がある
→オーラで肺の機能を強化

早く走れる、パワーが上がる
→オーラでたくさんエネルギーを作る

今まではただ普通にオーラを使っていた少女たちがレベルアップします。
この技術、誰が見つけたのでしょうか…次回わかります。

どっちの方が読みやすいですか?

  • 千歌「サッカーやろうぜ!」
  • 「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)
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