ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

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イナイレのゲームが出ましたね。
生活に余裕が出たらやりたいです。




最終章32話「覇者の目次録を入手せよ」

 

 

 

"覇者の目次録"

最強のサッカーチームの秘密が書かれた書物、そうワンダバは叫んだ。

今の自分たちにとって救いとなる響きだ。

 

それもそのはずで、200年後の未来では、サッカーの英雄によって記された物とされ、サッカー記念博物館に展示されている。

過去に、誰もが覇者の目次録を手に入れようと争った。

しかし、覇者の目次録が独占されれば、サッカー界のバランスを壊しかねない。

 

千歌「だから博物館で管理してるの?」

梨子「でもそれじゃあ…とっくにエルドラドの人たちがそれ使って、最強のサッカーチームを作っているんじゃ?」

 

読めないんだ。

フェイがそう呟くように言った。

どうやら、覇者の目次録は難解な暗号で構成されており、昔の書物ということもあり、解読不能なのだとか。

 

海未「そんな書物を手に入れても意味あるのですか…?」

ワンダバ「読めるかどうか悩むのは後だ!今は行動しなければ!」

 

しかし、そんな貴重な書物を、ワンダバはどうやって手に入れようというのか「さあ、盗み出すぞ!!」

 

「「「………」」」

 

ワンダバ「む?聞こえなかったか?さあ、ぬすみ「いやいやいや聞こえてたけどさ!?」

 

思わずツッコミを入れてしまうほど、普通の流れかのように"犯罪"に手をかけようとしている。

これには少女らの表情も険しくなる。

 

ことり「い、いくらサッカーの危機だとしても…犯罪は…」

海未「私…二度と法は犯さないと決めたのです」

 

ワンダバ「盗み出すとは言ったが、これは覇者の目次録の"保護"でもあるんだぞ!」

「「「保護??」」」

 

やれやれと言いたげな表情でフェイが説明する。

その昔、サッカーの英雄と呼ばれた選手がいて、皆、その選手を目指してサッカーをしていた。

その選手は自分のサッカーへの想いの全てを、その書物に記した。

エルドラド…プロトコル・オメガがサッカーを消してしまえば、その想いそのものも消えてしまう。

 

ワンダバ「サッカーを守るためにも、覇者の目次録の想いを守るためにも、やるしかない!」

 

理解したし、納得した。

だがそれでも、内容が内容なだけに勇気がでない。

しばしの沈黙が流れる中、2人の少女が同時に手を挙げた。

 

穂乃果、千歌「「私やります」」

 

曜「千歌ちゃん!?」

海未「穂乃果!?何をしようとしているのか、分かっているのですか!?」

 

仲間たちが止めようとするも、すでに2人は覚悟を決めた目をしていた。

 

千歌「私たちにサッカーの運命がかかっているなら…迷ってなんかいられないよ」

穂乃果「うん。それに、いろいろ終わったらちゃんと返せばいいんだし!」

善子「簡単に言うわね…」

 

だが、これで後は実行するのみとなった。

千歌らは考え直すことはしなそうだ。

もうこうなっては、仲間たちも見守るしかない。

 

ワンダバ「ふむ…博物館に侵入するにあたり、人数は4は欲しい。あと2人誰かいないか?」

 

 

「………あ、あの!」

 

 

 

 

────────

 

 

200年後の未来 "サッカー記念博物館"

 

その近くの路地裏に千歌たちはいた。

時刻は深夜ということもあり、路地裏は暗闇に包まれ、かび臭さが周りを満たしていた。

千歌が気になったのは、マンホールに装着されている装置だった。

 

千歌「マンホールひとつひとつにも、カードを差し込まないとなんだね」

フェイ「防犯上…らしいよ。でも抜け道はある」

 

少し待つとロックを示す赤色のランプが青へと変わった。

すると、ガチャンと音を立て、マンホールが簡単に動かせるようになった。

 

ワンダバ『さあ、ハッキングでロックは解除した。入りたまえ』

 

曜「ここに…入るの?」

海未「……何故、私まで…」

 

少し躊躇いながらも、恐る恐るマンホールの中に入る曜。

彼女は3人目の志願者だった。

そして、絶望の表情で立ち尽くすのは、犯罪断固拒否の海未だった。

 

海未『恨みっこ無しです!!』

 

結局、4人目は志願者が出なかったため、ジャンケンで決めることとなった。

そこで分かったのは意外にも、海未が、めっっっっっちゃくちゃ弱いことだった。

 

海未(パーです…絶対に…勝つ……)

(((手がちょっと開きかけてる…)))

 

結果、勝負は一発で終わった。

海未以外が、全員チョキを出したのだった。

 

海未「何故…勝つはずだったのに…」

穂乃果「もー!まだ言ってるの?早くしないと置いてくよ?」

 

今回、侵入はフェイ、千歌、穂乃果、曜、海未の5人で行うこととなった。

ワンダバとほかの仲間たちは、タイムキャラバンの中で待機している。

少数精鋭でなるべく目立たずに行動するためだ。

 

フェイ「ワンダバ、引き続きハッキング頼んだよ」

 

無線でワンダバとこまめに連絡を取る。

彼はタイムキャラバン内でサポートしてくれる。

次の指示を聞く間に、5人はハシゴを降り終えていた。

そこは、現代とそこまで変わらない下水道の世界だった。

ただ幸運なことに、虫や生き物はほとんどいなかった。

未来の技術で清潔に保たれているのだろうか。

 

フェイ「どうやら、博物館の機械室に繋がるマンホールがあるみたいだ。そこを目指そう」

 

ワンダバからの情報をもとにフェイから指示が出る。

とりあえず迷うことはなさそうであり、防犯カメラなどのセキュリティも特に見当たらない。

 

千歌「そう言えば、海未さんは"二度と法は犯さない"って言ってたけど…何かで一度?」

曜「ちょっ、千歌ちゃん!聞かない方が…」

 

最後まで言い切る前に曜が止める。

人には聞いていいことと悪いことがあるのだ。

だが、意外にもその後に返ってきたのは、穂乃果の笑い声だった。

 

穂乃果「それね。サッカー禁止令が出されたの知らなくて、サッカーボールに触っちゃったこと言ってるんだよ(笑」

千歌、曜「「え?」」

海未「なっ!?穂乃果!」

穂乃果「それぐらい大丈夫だーって言ったのに、ずっと泣いてるからおかしくって」

海未「禁止された物に触ったのだから犯罪です!もし停学にでもなれば…」

 

想像するだけで絶望だと言わんばかりに、身体を震わせる海未。

そしてその姿を見て笑いながらも励ます穂乃果。

2人のやり取りを見ていると、先程までの緊張感はどこかに行ってしまった。

 

フェイ「そう言えば、なんで曜は手を挙げたの?」

 

それに続くようにフェイが質問した。

立候補した際、曜は何かを決意したかのような目をしていたとフェイは続けた。

 

フェイ「何かあるのかなって」

曜「……ちょっとでも、分かるかなって」

曜「千歌ちゃんたちがここまで強くて、眩しい理由が」

千歌「曜ちゃん?」

 

ここ最近、曜は自分の実力不足に悩んでいた。

元々、日本代表の時から控えの時が多いことから、それを悩みとして口にしていた。

そしてそれを加速させたのは、先のライオコット島での"オーラ特訓"だった。

 

曜「私、未だに全然掴めてないんだ。その、Aqoursって技…あはは、恥ずかしいなー」

千歌「そう…だったんだ」

 

焦った。仲間たちは次々とAqours完成に近づいている。

だが、自分はスタートラインに立ててさえいない。

 

曜「一緒にサッカーを始めたスタートは、同じなのになーって」

 

あの日、東京で千歌と曜はサッカーに出会い、浦の星女学院でサッカーを始動させた。

だが、今では千歌は遥か先の存在のように見えた。

眩しすぎて、今ではその姿をしっかりと見れていない。

だが、諦めないと決めている。

 

曜「こうやって、千歌ちゃんたちと少しでも一緒にいたら、何か掴めるんじゃないかなって」

千歌「……」

曜「あはは、ごめんね。おかしいよね」

千歌「大丈夫」

曜「え」

千歌「絶対大丈夫」

 

千歌は曜の肩をガシッと掴んだ。

その手には少しだけ力が込められていた。

 

千歌「どんな時でも、ずっと一緒だったから分かるよ。曜ちゃんなら絶対に大丈夫」

曜「千歌、ちゃん」

 

ああ、なんて眩しい目をしているんだ。

久しぶりに、太陽のように輝く目を見た。

その輝きは憧れであり、今でも目指す目標だ。

 

曜「ありがとう。やっぱり千歌ちゃんは強いなー」

千歌「えへへ、褒めすぎだよ」

 

会話を横で聞いていたフェイは念の為、穂乃果たちに聞いた。

彼女らはサッカーを始めてどれぐらいだと。

 

穂乃果「1年ぐらいだよ」

フェイ「いち、ねん?」

海未「驚くのも無理ありません。私たちはその事については、もうあまり考えないようにしています」

 

サッカー歴1年がする会話では無い。

だが千歌たちの実力は現実だ。

 

フェイ(千歌はともかく…曜もなんて)

 

 

それから迷路のような道を進んでいくと、天井に、入ってきた時と同じマンホールの入口があった。

フェイによると、あれが博物館の機械室に繋がっているらしい。

4人はフェイの後に続き、マンホールから久しぶりの外へと解き放たれた。

 

そこは確かに建物の中。

たくさんの道具が置かれたり、パイプが伸びたりしている、明らかな機械室であった。

 

フェイ「ここからは通気口から行くよ」

穂乃果「よくスパイ映画で見るやつだね!」

海未「ちょっとワクワクしてませんか?」

 

天井に伸びる、人が入れるぐらいの通気口。

そこに順番に入り、ほふく前進で進む。

気持ちはまるでスパイ、脱獄犯。

 

フェイ「まあ、建造物侵入罪だから普通に犯罪者たちだよね」

「「「言わないで」」」

 

進み続けること数十メートル、ワンダバから情報が送られてきた。

どうやら、到着したようだ。

網目状の換気口を開け、外を覗くと、そこはたくさんの展示物が並べられた部屋だった。

よく見ると、どれもこれもサッカーの装備品、またはそれ関連のグッズや写真だった。

確かにそこに広がるのは、サッカー博物館であった。

 

フェイ「あれだ」

 

フェイが指さした先は部屋の一番奥。

ガラスケースに厳重に保管されている"本"だった。

あれが、"覇者の目次録"だ。

もう少しであれが手に入る…という訳にもいかなそうな障壁があった。

 

千歌「何あれ…ロボット?」

フェイ「警備ロボットだね。数が多いな…」

 

人型のロボットが部屋を巡回していた。

ざっと十数体はいる。

あれらに気付かれずに本を回収するのは、不可能に近い。

 

フェイ「ワンダバ。何とかならない?」

ワンダバ『今やっているが、完全停止は不可能だ。今から説明する』

 

どうやら、あのロボットたちは1つの無線機から一斉に指示されて動いているらしい。

ワンダバはその無線機のセキュリティに気付かれない、ほんの僅かな時間だけ侵入する。

すると、無線機が一瞬だけ機能を停止。

ロボットたちも動きが止まる。

 

その停止時間は"10秒"

 

穂乃果「あの距離を10秒は無理だよ!?」

フェイ「現実的じゃないな。ここは一旦「私やってみるよ」

「「「!!」」」

 

換気口の出口に手を掛けたのは曜だった。

無茶だとフェイらは止めたが、曜は行く気だ。

 

曜「私の"エクストリームワープ"なら空中…障害物を全て無視できる。行き4秒、回収1秒、帰り4秒なら、行けるよ」

 

確かにスピードならば曜は適任だ。

だが、もしものことがあれば、曜の身に何が起きるか分からない。

 

千歌「私は曜ちゃんを信じるよ」

フェイ「だけど…!」

千歌「ずっと見てきたから分かるよ。曜ちゃんなら、9秒で帰って来れる」

 

フェイは出来れば行かせたくなかった。

だが、ワンダバからの追加情報では、これ以外の通気口ルートも、ハッキングもないとの事だった。

ここまで来れば、もう任せる以外、手は無い。

 

 

フェイ「カウントダウン行くよ。3...2...1...」

 

 

 

曜「【エクストリームワープ】!!」ギュン!!

 

曜が飛び出した瞬間、ロボットたちが動きを止めた。

 

フェイ「2...3...」

 

曜(自分のスピードは、自分がよく分かってる!!これなら届く!絶対に届く!!)

 

曜が覇者の目次録に到達。その時間、4秒。

 

曜「回収っ!!」ギュン!!

 

海未「速い!!」

フェイ「ジャスト5秒!!行ける!!」

 

曜「届いたぁぁぁ!!!」

千歌「曜ちゃん!!!」

 

千歌がめいいっぱい手を伸ばしていた。

あとはあの換気口に突っ込むだけ。

ありがとう千歌ちゃん、信じてくれて。

ありがとう私の体、期待通りのパフォーマンスをしてくれて。

 

 

ありがとう。

 

 

 

ガシッ!!!!!!

 

曜「え、」

 

何かに、足を掴まれた。

強烈な痛みが走った。

 

千歌「うそ、」

 

あと数センチで千歌の手を握れるのに、体が、全く動かせない。

痛みの先には───────

 

 

『侵入者。侵入者。排除する』

 

 

────止まっていたはずのロボットがいた。

 

フェイ「ワンダバ!!どうなってるんだ!?」

ワンダバ『すまない!!!私の想定ミスだった…!あちらの方が、1秒早く復旧させたんだ!!』

 

曜は完璧だった。

9秒でゴールするはずだった。

だが、ロボットたちは9秒で動き始めた。

 

曜「ぐっ!?」

 

ロボットは曜を地面に勢いよく叩きつけた。

足を強く掴まれた痛みも重なり、起き上がれない。

 

ロボット『侵入者。侵入者。排除する』

 

穂乃果「まずい!逃げて!!」

海未「曜!!」

 

ロボットは腕を既に振り下ろしていた。

ああ、もうダメだ。

曜は絶望を前に、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

ドゴッッッッッ!!!!

 

 

「「「!!!?」」」

 

何かが砕けるような音が響いた。

 

曜「…!!!」

 

それが、自分に向けたものでないと分かり、曜はすぐに目を開いた。そこには、

 

 

代わりに殴られた千歌がいた。

 

曜「ち、千歌ちゃ…」

「 ダ メ だ よ 」

 

誰もが、砕けたのは千歌の頭だと思っていた。

だが、違った。砕けたのは、ロボットの"腕"。

 

チカ「曜ちゃんを傷つけるなんて許さない」

 

そのオーラはバチバチに弾けていた。

怒っている。怒りでオーラが溢れている。

そして、その目は、ギラギラに輝いていた。

 

サッカーの神はなにも、フィールドだけで覚醒を導くとは限らない。

 

 





感想よろしくお願いします。

どっちの方が読みやすいですか?

  • 千歌「サッカーやろうぜ!」
  • 「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)
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