ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで! 作:ルビィちゃんキャンディー
今回は後書きに説明があります。是非、お読みください。
気がつくと私は走っていた。
グラウンドの上をただひたすらと、無意識のうちにボールを蹴っていたようだ。
ただ不思議なことに、今走っているグラウンドはいつまでたっても、目指す場所であるゴールが見えてこない。
一体どれだけ走ったかは記憶が曖昧で覚えていないし、まず、何故ドリブルをしているのかも分からない状態だ。
だから今はとりあえず走り続けよう。
息は切れてきているが、足がまだ動いており、集中力もそれなりに保てている。
…なんだろう。この状況、前にもあった気がする。
その時、突然頭の中に"ノイズ"が入り込んでくる。
"これがお前のサッカー…?"
誰の言葉かは分からないが、深く心に突き刺さる言葉だったのだろう、若干ドリブルのリズムが乱れた。
それと同時に、何となくではあるが、ゴールが少しだけ遠くなった気がした。
その間もノイズは絶え間なく続いており、どれもこれも誰の言葉かは覚えがないが、実に不快で、耳を塞いでいたかった。
だがそれを体が許さず、ひたすらにドリブルを続けており、私は若干この状況に恐怖を覚え始めていた──────
"サッカーを消さねば世界は滅ぶかもしれない"
ここで、私はついにドリブルを止めることができた。
いや、止まってしまったが正しいのかもしれない。
今までの言葉の中でも一番の大ボリュームであり、まるで鼓膜の内側から爆音を叩きつけられたかのように、体がビクつき停止した。
何だろう、冷や汗が溢れてきた。
恐怖が自分の中で膨れ上がるのを感じる。
確か、前はグラウンドだったはずの場所が、荒廃した世界へと変わった気が…する。
だが、今回は違った。
誰もいなかったはずのグラウンドに、蹲っている少女がいた。
背を見せているが、それが誰なのかは、親友である千歌はすぐに分かった。
「曜ちゃん…?」
声を掛けても曜は顔をあげない。
聞こえなかったのだろうか。
もう少し近づいて呼んでみようと、足を踏み出すも、
「あ、あれ?」
近づけない。
どんなに歩いても曜に近づけない。
まるで、何かに邪魔されているような感覚だった。
そして、曜の奥に広がっていた暗がりが、徐々に明るかったグラウンドを隠していく。
「曜ちゃん!!!」
まずい。何故かその言葉が頭を過り、咄嗟に手を伸ばした。
このままでは、曜が、どこか遠くへ行ってしまうような気がした。
千歌は何度も、何度も、名前を叫んだ。
「曜ちゃん!!!!!!」
「うわあぁぁぁぁぁっっ!?」
自分の声が室内に響き渡った。
知らぬ部屋のベッドの上、先程までは無かった温もりと、窓から流れ込む新鮮な空気、過呼吸気味の身体を落ち着かせながら情報を整理するが、最初から答えは出てた。
また夢か、千歌は顔を手で押さえながらそう呟いた。
───────
「ひどい顔よ」
梨子が静かに呟いた。
千歌が目を覚ましたと聞き、真っ先に姿を見せたのは彼女だった。
あれから色々と話を聞いた。
"覇者の目次録"は無事に手に入れた。
だが、曜が負傷し、現在も病院で目を覚ましていない。
そして、千歌はタイムキャラバンに乗り込んだ後、まるで糸が切れたように意識を失っていた。
闇の力の使い過ぎだと思われたが、念の為に同じく病院で検査を受けていた。
「千歌ちゃんは特に異常無し。曜ちゃんは打撲とかはあったけど、大きな怪我は無かったわ」
それを聞いて安心した。
博物館では、曜が傷つけられたことによる怒りで暴れていた。
そして、どうしても気になることがあった。
「また夢を…見た」
「そうね。だいぶうなされてたもん」
梨子には最近の悩みを話していた。
悪夢を見るのだ。
寝起きは最悪で、プレーにも支障が出る時もあった。
「でも、今回の夢は違った…気がする」
「違った?」
毎回、千歌はどんな夢を見たか忘れていた。
ただ、背筋が凍るような悪夢であることは、断片的ではあるが覚えている。
そして今回見た夢は、何とかなく、いつもと違ったように感じた。更に、
「どうしても今、曜ちゃんと話しがしたい。なんか、そうしなきゃいけない気がする」
ベッドから起き上がる千歌を梨子は止めなかった。
こうなっては千歌は止まらないだろう。
まだ覚束無い足取りで部屋を出る千歌を、後ろからゆっくりと追いかけた。
曜の病室はすぐ近くだった。
すぅ…と息を立てながら、静かに眠っていた。
「曜ちゃん…」
「心配なのは分かるけど、今は寝かせてあげよ?」
「うん」
「今、フェイさんたちが"覇者の目次録"を解読しているところだけど…だいぶ苦戦しているみたいで」
「ルビィちゃんたちも声を掛けて、一緒にみんなのところに行きましょ」
千歌と梨子とは別に、ルビィと善子もこの病院の中にいた。
場所は──────
「まだ、目を覚まさないわね」
「うん」
花丸が眠る病室だった。
曜以上に長い時間、彼女は目を覚ましていなかった。
「怪我はもうだいぶ回復したのにね。早く目を覚ましなさいよ」
「…花丸ちゃん、頑張ったから」
2人の表情は寂しさと悔しさが混ざっているようだった。
花丸が狙われたことに気付きながらも、助けることが出来なかった。
自身の力不足を恨み、心配ではあるが、強くなるために合宿へ参加していた。
「花丸が目を覚ます頃には、もう少し戦えるようになってたいわね」
「…うん」
ルビィは特に痛感していた。
"Aqours"の力は、ほかのメンバーよりも扱えているのは事実。
だが、チーム5Aとの試合では、自分のプレーは通用していなかった。
「ルビィもATPが使えない今、何か新しいレベルアップが必要なんじゃない?」
「…その事で、善子ちゃんに相談があるんだけど」
「相談?なに────ピロン!
会話を遮るように、スマホのメッセージアプリの通知音が響いた。
音ノ木坂学院とのグループからだった。
内容は"覇者の目次録"全く分からん。だった。
「はぁ…でしょうね。元々、誰も読めないって言ってたじゃない」
「画像もあるよ善子ちゃん」
添付された画像には、開かれた"覇者の目次録"と、大量の調べた後と思われるメモ書きがあった。
そして頭から煙を出すが如く、困り果てている仲間たちの姿があった。
「『調べても歴史上、未記録の文字が使われているせいで解読できない』…だって」
「何よそれ?ちょっと見せなさいよ」
善子が呆れた顔でルビィのスマホを借りる。
そして、どんな宇宙語が書かれているのか、その目で拝む。
「………あれ?」
「善子ちゃん?」
「これって………あれ?」
善子の様子が急におかしくなる。
何度も目を擦り、画面を凝視している。
「失礼しまーす」
「ルビィちゃん、善子ちゃん。千歌ちゃんが目を覚ましたから、一緒に「ちょっとどいて…!」
「「え?」」
入れ替わるように善子が病室から出ていく。
ルビィに理由を聞いても、「スマホの画像を見たら急に…」と、原因は分からないようだ。
とにもかくにも、追いかけなければと、千歌たちは花丸に挨拶し、善子を追った。
善子が向かった先は、自宅だった。
「どこにしまったかしら…ここじゃないし…」
「あ、あのー?善子さん?」
恐る恐る千歌が訊ねる。
何故、善子の自宅の、善子の部屋に来ているのか。
だが、善子は答える時間も惜しいと言わんばかりに、押入れの荷物を全て引っ張り出す。
荷物とホコリが部屋に散らばる中、"それ"は出てきた。
「………見つけた」
「これって、」
「"ヨハネの目次録"?」
ダンボールにペンでそう書かれていた。
この字は善子のものだ。
善子は一瞬躊躇うも、ガムテープを剥ぎ、中の物を取り出していく。
「あ、見たことある」
思わず声に出た。
黒いドレスのような衣装や、水晶玉、色々な魔術が書かれたノートなど。
善子が1年前に"堕天使ヨハネ"として活動していた時の、グッズだった。
その中の1冊の本を、善子は手に取る。
「やっぱり。この文字だわ」
「「「え?」」」
画像の文字と、善子の開いている本の文字を見比べる。
確かに、確かに同じだ。
全くそのものだ。
「嘘でしょ……」
「なんで善子ちゃんの部屋に??」
「そんなことは後でいいから、早く全てのページの写真を送るように伝えて」
「解読するわよ。"覇者の目次録"を」
──────────
ワンダバ「しかし…善子はその本をどこで、」
連絡を受け、合流した仲間たちは善子の部屋にいた。
様々な憶測は飛び交うが、まさか、どこにでも売っていそうな本に答えがあったとは。
仲間たちが話している間も、善子は必死に翻訳していた。
千歌「……何が書かれているのかな」
凛「最強の必殺技が書かれているとか!」
穂乃果「作戦かもしれないよ!」
最強のサッカー"チーム"の秘密が書かれていることから考えると、戦術が有力なのではと話題になった。
だが、戦術を知ったところで本当に強くなれるのか?プロトコル・オメガに勝てるのか?
そんなモヤモヤが消えない中で、遂に完成した。
善子「間違っているかもしれないけど」
緊張が走った。
いよいよ、最強のサッカー"チーム"の秘密が分かる。
だが、その内容は、想像もしないものだった。
『これは、私が見た究極の夢。』
『1の力 自然とひとつになり、誰も気付かぬ間に敵の急所をつく【ファントムミッドフィルダー】』
『2の力 仲間を奮い立たせ、未来をも全て指揮する【歓喜のゲームメーカー】』
『3の力 どんな困難もひらめきと実行力で突破する【ミラクルミッドフィルダー】』
『4の力 遥か遠くを見通し神技で攻守を繋ぐ【スーパートリッキーリベロ】』
『5の力 全てを包み込む慈愛は鉄壁の守りとなる【ホーリーディフェンダー】』
『6の力 全てを焼き尽くす力、溢れ出る熱は勇気へと変わる【灼熱のキーパー】』
『7の力 無限の想像力を持ち、その頭脳は全てを凌駕する【パーフェクトディフェンダー】』
『8の力 魔の獰猛さと勇敢な心を持つ【ファンタジックミッドフィールダー】』
『9の力 どんな苦難も強靭な精神で守り抜く【カリスマディフェンダー】』
『10の力 絶対的な勇気と揺るぎない光で空も海も味方にする【アルティメットオブミッドフィールダー】』
『11の力 眩い輝きと奮い立つ熱さで全てを貫く【オールラウンドプレイヤー】』
『これが、史上最強イレブンの条件だ』
作戦でも、必殺技でもなく、"チーム"そのものだった。
輝こうの"最強イレブン"について。
ついに最強イレブンが発表されました。しかし、原作とはかなり内容が異なっています。これに関しては、作者がオリジナルで挑戦したいと考え、このようにしました。これは、執筆開始から決めていました。
また、ハーメルンのガイドラインに従い、実在の人物は出せないため、名前や設定を変えながら、その人物の影が映るキャラクターを登場させる予定です。どんな人物がモデルになったかは、X(Twitter)にて投稿予定です。よろしくお願いします。
どっちの方が読みやすいですか?
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千歌「サッカーやろうぜ!」
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「サッカーやろうぜ!」(名前を入れない)