ラブライブ!サンシャイン!!輝こうサッカーで!   作:ルビィちゃんキャンディー

46 / 264
一気に決着まで書いたら、いつもよりも長くなってしまいました!勢いで話を進めています。あぁ、学習しないなぁ…と自分でも反省しています…それでは勢いに任せた試合をどうぞ!





第2章 18話 「聖堂山戦その4」

 

 

 

 

月「ね?言った通りでしょ?」

 

海未「…ギリギリでしたね…本当に危なかったです」

 

月「千歌ちゃんの悪いところは、自分を下に見て自信が持てないというところ。もったいないよね、彼女、才能の塊なのに」

 

海未「抱え込む癖はどこも同じなのですね…私達のリーダーも一時期大変でした…」

 

月「ま、結果オーライ♪こっからだよ、浦の星の試合は」

 

 

 

 

月「聖堂山なんて敵じゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここで聖堂山が再びリードしたあぁ!!!浦の星と聖堂山、激しい点取り合戦を制するのはやはり、聖堂山高校なのでしょうかぁ!?』

 

 

 

 

 

果南「…千歌」

 

千歌「果南、ちゃん…」

 

 

千歌は未だに起き上がれていなかった。身体が動かないからではない。今まで自分が抱え込んできたこと、果南から言われたことを頭の中で思い出していた

 

 

 

『私がリーダー…そっか、じゃあ頑張らなくっちゃね』

 

『千歌ちゃんお願い!』

 

『頼んだよ!千歌!』

 

『貴方にかかっていますわ。千歌さん』

 

『私は普通…少しでも、いや、一番上手くならないと…』

 

『どうして私には出来ないの……』

 

『学校を救って!!』

 

『負けたら…終わり…』

 

『どうするの……』

 

『やめる???』

 

『諦めちゃダメ!』

 

『自分一人で抱え込まないで!』

 

『何のために私達がいるのさ…』

 

『やめて!千歌ちゃん!!』

 

『チカラが欲しい?』

 

『私には勝てない』

 

『千歌ちゃんのせいだよ♪』

 

『ごめんね…千歌』

 

『千歌ちゃん』

 

「千歌」

 

『千歌さん』

 

「千歌…!」

 

『千歌ちゃん』

 

「おーい!千歌」

 

 

 

 

 

 

果南「千歌、試合はまだ終わってないよ」

 

千歌「…あ、果南ちゃん」

 

果南「それ、さっきも聞いた」

 

 

果南は千歌を起き上がらせる。周りを見ると、浦の星のメンバーが千歌と果南の元に集まっていた

 

 

梨子「千歌ちゃん、身体は大丈夫なの?」

 

千歌「大丈夫、だと思う。ごめんね、心配かけちゃって」

 

梨子「ホントだよ…グスッ」

 

善子「リリー…泣いてるの?」

 

梨子「うっさい!堕天使!」

 

善子「ヨハ!?」

 

 

花丸「果南ちゃんから聞いたずら…」

 

曜「たくさんの事を抱え込ませて、無茶までさせてたって…」

 

千歌「そんな…私が勝手に…」

 

梨子「忘れないで千歌ちゃん」

 

善子「私達が9人、こうしてサッカーをしているのはあなたのおかげよ。感謝しきれないわ」

 

千歌「善子ちゃん、梨子ちゃん…」

 

ダイヤ「千歌さん、わたくしは前に千歌さんに、貴方は弱い。全ての壁を越えていく覚悟はあるのか。と言いましたね」

 

千歌「あぁ、あの雷雨の日の…」

 

ダイヤ「あの言葉が千歌さんを苦しめているのかもしれません…ごめんなさい」

 

千歌「いやいや、そんな!事実ですから」

 

ダイヤ「そう言ってもらえると助かりますわ。しかし千歌さん…越えるべき壁とは、今の状態なのではないでしょうか」

 

千歌「一人で抱え込むこと…」

 

ダイヤ「はい。仲間を信じることも覚悟ですわ」

 

千歌「仲間を…信じる」

 

鞠莉「それにね、千歌っちは誰よりも強くなることが目的でサッカーを始めたわけじゃないでしょ?」

 

千歌「サッカーを…始めた理由…」

 

そういえば、夜のグラウンドで少女にも同じことを聞かれたな…と千歌は思い出す

 

 

鞠莉「廃校を救うでもない。強くなるでもない。なら…千歌は」

 

 

 

鞠莉「どうしてサッカーを始めたの?」

 

 

 

 

 

どうして忘れていたのだろうか…何も無かった自分を、何もしてこなかった自分を変えたくて、そんな時サッカーと出会って思ったんだ。この人達のように、グラウンドで、試合で、私も…私も!!!!

 

 

 

千歌「輝きたい……」

 

千歌「そうだよ…私は輝きたいんだよ!!自分だけの輝きを見つけて…私は…輝きたいんだ」

 

果南「やっと、思い出したね」

 

千歌「うん…うん。みんな、ごめんなさい、私、何も見えなくなってた…でも、もう大丈夫!!」

 

千歌は歩き出す。今の千歌には悩みも不安もない。見えるのは、輝くために進む道だけ

 

 

千歌「勝つよ!この試合!!前半で2点もリードしたんだよ!なら逆転は出来る!!」

 

曜「千歌ちゃん!」

 

ダイヤ「完全復活ですわね」

 

千歌「さあ行こう!残り時間、体力とか実力とか関係ない!!最後まで走りきろう!!」

 

「「「はい!!!!!!」」」

 

千歌「浦の星ーー!!!!」

 

 

「「「サーンシャイーン!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

むつ「千歌…よかった…元の千歌だよ」

 

よしみ「勝負はここからだよ!頑張れーー!!」

 

北也「大丈夫だ。浦の星はまだ、死んでいない」

 

 

 

 

 

 

ルビィ「(千歌ちゃん…良かった…千歌ちゃんは見失わないで、自分のサッカーを……)」

 

 

花丸「……ルビィちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーー!!

 

 

『さあ、試合再開です!後半も残り僅かとなってきました!ここで浦の星が再び追いつくのか、それとも聖堂山が逃げ切るのか!?』

 

 

ダイヤ「曜さん!」パス

 

曜「はい!(後で後悔しないように、全力でやりきる!!)」

 

桶川「ここから先は行かせないよ!」

 

曜「行くぞ!!」

 

曜「ー スプリントワープ ー!!」ビュン!

 

桶川「な!?」

 

 

『速い!渡辺曜、前半で見せた高速移動を再び発動!! 周りの選手はついていけていません!!』

 

 

曜「遅いであります!!」ビュン!ビュン!ビュン!

 

呉井「は、速すぎる…」

 

曜「梨子ちゃん!」パス

 

 

梨子「ナイスよ!曜ちゃん」

 

梨子「ー 神のタクト ー」

 

 

梨子の指揮により、メンバーの前に光の道ができる

 

 

梨子「鞠莉さん!」パス

 

鞠莉「オーケーよ!」

 

 

『ここで浦の星、パスが繋がりだしたぞ!!桜内梨子からパスをもらった小原鞠莉はドリブルで上がっていく!!』

 

 

黒裂「行かせるか!!」

 

 

鞠莉の前に黒裂が立ちはだかる。鞠莉は梨子の指揮を確認すると…指揮は

 

 

鞠莉「なるほど…そういう事ね!!」

 

鞠莉「ー シャイニーフェザー ー!」バサッ!

 

黒裂「飛んだ!?」

 

鞠莉「梨子の指揮は空に続いていたわ!このままシャイニーよ!」

 

梨子「鞠莉さん!そのまま善子ちゃんへ」

 

鞠莉「善子!」パス

 

善子「ヨハネよ!」

 

 

『ここで津島善子に再びボールが渡った!貴重なシュートチャンス、決めきることが出来るのか!?』

 

 

善子「やってやるわよ!ここはまだ、通過点、ラグナロクはその先よ!」

 

 

善子は空中にボールを蹴りあげる。そこへ梨子と鞠莉が飛び、ボールを挟むようにして蹴り込む

 

 

梨子、鞠莉「善子(ちゃん)!!」

 

善子「ヨハネだって言ってんでしょ!!」

 

 

善子、鞠莉、梨子「ー コワレヤスキ ー!!!」

 

 

鞠莉と梨子が蹴り挟んだボールを善子がかかと落とし。ボールは地面を抉りながらゴールへと迫る

 

 

『でたあぁ!!聖堂山から2点を奪った強力な3人技、コワレヤスキだあぁぁぁ!』

 

 

柾木「ー シュートブレイク ー!!」

 

 

柾木は渾身の連続蹴りでシュートを阻止しようとする…しかし

 

 

柾木「うぐぁ!?」

 

 

コワレヤスキの前では無力

 

 

 

『ゴール!! なんということでしょうか!?試合終了間際、浦の星がなんと…試合を振り出しに戻したーー!!!!!!津島善子はこの試合、ハットトリックです!!』

 

 

善子「よっしゃあぁ!!!」

 

梨子「まだ負けてない!私達は!!」

 

鞠莉「さあ、かかってきなさい!!聖堂山!!」

 

 

 

黒裂「最後の攻撃だ聖堂山!!私達の全てをぶつけて、浦の星に勝つ!!」

 

「「「はい!!!!!!」」」

 

 

 

 

『さあ!残り時間的にもこれが最後のワンプレイになりそうです!!決着がつかなければ延長戦です!しかし、ここで聖堂山が畳み掛ける!!!!』

 

 

「「「ー サウザンドロード ー!!」」」

 

 

善子「嘘でしょ!?」

 

ルビィ「全員でサウザンドロード!?」

 

 

聖堂山の最後の攻撃は全員で総攻撃であった。2人だけでも強力なタクティクスを8人で行ったため、強烈な衝撃が浦の星を襲う

 

 

曜「うわぁ!!!?」

 

鞠莉「これまでとは、比べ物にならないわ!!」

 

 

黒裂「さあ!終わりだ!!」

 

 

いつき「あぁ!爆熱ストームが来ます!」

 

むつ「果南さん!」

 

北也「果南!!!!」

 

 

黒裂「ー 爆熱ストーム ー!!」ドガァン!

 

 

『これは!今までの爆熱ストームの中でも最高火力のシュートだ!!松浦果南、これを止めなければ浦の星は敗北ですが!?どうなるのか!?』

 

 

果南「どうなるって…止めるしかないじゃん!!」

 

 

しかし、今の果南の体力では技を撃てるのがやっと。最高火力の爆熱ストームを止めるのは到底不可能であった

 

 

果南「何とかして…止めないと」

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

ダイヤ「任せなさい。果南さん」

 

 

 

 

ダイヤ「ー ラ・フラム ー!!!!」

 

 

 

 

一瞬でゴール前に炎の壁が現れる。爆熱ストームは壁にぶつかり、威力がガクンと落ちる

 

 

日向「なんだと!?」

 

天瀬「あの壁は…黒澤ダイヤの!?」

 

 

果南「ありがとう、ダイヤ…うおらああああ!!!!!!」

 

果南「ー 真トライデント ー!!」ドガァン!

 

 

花丸「やったずらー!!」

 

ルビィ「凄い!お姉ちゃん!果南さん!!」

 

 

『止めたあぁ!松浦果南と黒澤ダイヤのディフェンスにより、聖堂山は得点となりませんでした!!!!』

 

 

果南「カウンター!!!!」

 

「「「はい!!!」」」

 

 

黒裂「全員、戻るんだ!!」

 

 

 

北也「もう遅い」

 

 

戻ろうとする聖堂山を波が飲み込む。浦の星を勝利へと導く奇跡の波が今、発動する

 

 

「「「ー ミラクルウェーブ ー!!!!」」」

 

 

千歌「行こう!熱い熱いジャンプで、勢いで、どこまでも!!!!」

 

 

 

『抜けたーー!!!!高海千歌、ミラクルウェーブの中心でボールをキープしながら、キーパー柾木と1対1だあぁぁぁ!!!』

 

 

 

 

月「行けー!千歌ちゃん!」

 

海未「これはひょっとすると…」

 

「行けるんじゃ…」

 

 

「………いや、」

 

 

 

 

 

黒裂「まだだ!!」ビュン!

 

 

 

 

「まだ決まっていないみたいやな」

 

 

 

 

千歌「黒裂、真命さん…!」

 

 

『なんと、黒裂真命!サウザンドロードで浦の星ゴール前まで、高速で高海千歌に追いついた!!高海千歌と黒裂真命の1対1!前半では黒裂真命が勝利したが、果たして今回はどちらが勝つのでしょうか!?』

 

 

黒裂「君たちの実力は認める!だが、私達には勝てない!ボールは頂くぞ!!」

 

黒裂「ー スクリュードライバー ー!!」

 

 

千歌からボールを奪った技が、千歌に襲いかかる

 

 

「「「千歌ちゃ…………

 

 

千歌「!!!!」

 

 

 

 

 

急に黒裂の周りの動きがゆっくりになる。いや、時間自体がゆっくりになったようだ。千歌は不思議な感覚にとらわれていた。ふと横を見ると

 

 

 

 

チカ「フフ♪さっきぶり」

 

千歌「え?これ、どういう状況???」

 

チカ「まぁまぁ、そんなことは今は気にしないの!」

 

千歌「えぇ…」

 

 

千歌の身体もゆっくり進んでいて、ほぼ動かせない、いやこれはもう止まってるのでは…

 

 

チカ「でも、本当に良かったの?チカラ、もういらないの??」

 

千歌「うん。もう大丈夫。私には私に足りないものを支えてくれる仲間がいるからね」

 

チカ「ふ〜ん…仲間ね…」

 

チカは退屈そうな顔をしながら言う

 

 

チカ「まぁ、チカラが必要になったらいつでも言ってね♪その時はまた、貸してあげるよ」

 

千歌「うん。ありがとう」

 

チカ「じゃあ、私は行くね……あ!あとひとつ!!」

 

千歌「え、何?」

 

チカ「さっき私さ、黒裂真命にめっちゃムカつくこと言われたんだよね!! だから、千歌ちゃんやり返してね!よろしく♪♪」

 

千歌「えぇ!?ちょっと…やり返す??」

 

 

チカの姿が消えるとすぐに、時が動き出す

 

 

ん!!!!!!」」」

 

 

千歌「(うわっ…みんな動き出した)」

 

 

上を見ると黒裂がスクリュードライバーで、今にも千歌からボールを奪い取りそうな場所まで来ていた。そして、千歌は考える

 

 

やり返す?黒裂さんは、チカちゃんに何を言ったっけ?

 

すると一言。千歌の頭に浮かんでくる一言が

 

 

 

千歌「黒裂さん……」

 

 

 

 

 

 

 

千歌「周りが見えていませんよ???」

 

 

 

黒裂「え?」

 

 

 

千歌「曜ちゃん!」パス

 

 

千歌は自分の横、誰もいない所へ曜を呼びながらパスを出す。するとーーー

 

 

 

 

 

曜「ヨーソロー!!!!」ビュン!

 

 

 

黒裂「スプリントワープ!!!?」

 

 

『まさかの渡辺曜だあぁぁぁ!!!!!高海千歌が何も無い場所にボールを蹴ったと思いきや、渡辺曜がスプリントワープでボールを受け取ったあぁ!!!』

 

 

千歌「いっけーー!!曜ちゃん!」

 

北也「ぶちかませぇ!曜!!」

 

月「曜ちゃん!シュートだあ!!」

 

 

「「「曜ちゃん!!!!」」」

 

 

 

 

柾木「来い!渡辺曜!君のシュート、パルクールアタックではゴールは破れんぞ!!」

 

 

曜「そんなこと、私が一番知ってるよ!!!!」

 

 

曜はボールに自分の力をすべて込める

 

 

曜「だから、私はキセキを起こすんだ!!行くぞぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

ダイヤ「あれは、まさか!!!!」

 

梨子「新必殺技!?」

 

 

曜の蹴りにより、神風のごとく風が吹き荒れる

 

 

曜「ー ゴッドウインド ー!!」ドガァン!

 

 

柾木「な!?なんだ、この威力は??」

 

 

曜「いっけーーー!!!!!!」

 

 

柾木「ー シュートブレイ……」

 

 

 

 

ドガァン!!!!!!

 

 

 

柾木「うわあああ!!!?」

 

 

神風の威力は絶大。柾木は技を出そうとした瞬間、吹き飛ばされ、そのままボールは

 

 

 

 

ゴールへと飛び込んだ

 

 

 

 

 

『ゴーーール!!!!!最後は渡辺曜の新必殺技で5点目!なんと浦の星女学院、前回大会準優勝の聖堂山高校を破り、準優勝進出です!!!』

 

 

曜「ヨーソロー!!!!」

 

 

 

 

 

 

浦の星と聖堂山の激しい戦い、それを制した浦の星、叫び喜び合う浦の星、それに呼応したように会場がーーー

 

 

 

『うおおおおぉ!!!!!!』

 

 

 

揺れた

 

 

浦の星女学院 5-4 聖堂山高校

 

 

 

 

 




スプリントワープ
イナイレGoのドラゴンリンクが使っていた、ドリブル最強技の一つです。その名の通り、超加速。どの走るスポーツでも無双しそうな技です。


コワレヤスキ
オリジナル技です。すごく大雑把に説明すると、梨子と鞠莉で「キラーフィールズ」のようにボールを挟み、オーラを溜める→そこへ、ヨハネが魔王の斧のようにかかと落としでシュート!です。分かりにくくて申し訳ないです


ラ・フラム
ミキシトランスで得られる、ジャンヌ・ダルクのブロック最強技の一つです。意味はフランス語で「炎」。何故、ジャンヌ・ダルクの技が炎なのか……それを知らずに、天馬達はオーラをもらって自分達の時代に帰るのであった…(その後、ジャンヌは火あぶりで処刑されました)


ゴッドウインド
松風天馬のシュート技です。蹴ったボールは暴れ回るかのように暴風を纏い、ゴールに突進します。めっちゃかっこいいです。


ミラクルウェーブ
浦の星女学院の必殺タクティクスの一つです。モデルはアマゾンリバーウェーブ。奇跡の波をつくって敵を飲み込み、進撃します


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。