室戸菫は貴音から渡されていたデータの整理をしていた。彼の義眼は菫の開発したモノとは異なり相手ではなく空間の把握に長けているモノで基本的には失った視力を補う程度のモノでしかない。しかし、彼はほぼ全身の改造を施した言わば本当の意味での機械化兵士と呼べる存在である。空間の把握に特化させるだけで人という枠組みから外れている彼の反射速度は予知にも近い回避能力を得る事を可能としている
特徴的とも言えるのは発電能力とそれを応用した様々な武器。ブレードと狙撃銃。大型拳銃デルタ、どれをとっても強力すぎるモノの数々
体内に溜め込んだ電力をバーストさせるコトによって発動させるオーバードライブシステム。使用後は活動を停止せざるを得ない状況に追い込まれるが一時的に爆発的な力を得る。四賢人とは違う視点から世界を救うためにその身を捧げた天才科学者、黒羽一彦。彼の人生最初で最後の最高傑作。霧谷貴音
「まったく、キミも厄介なモノを預けてくれたね」
菫の手には今よりも幼く見える貴音と今は亡き一彦が笑顔で写っている。今とは違い貴音の顔も活き活きとして見える。フッ。と息を吐き菫はコーヒーの入ったカップに手をかけてふと違和感を覚える
その違和感の正体に気がついた時、菫は思わず声を上げて笑った
一彦の映る写真に特殊なライトを当てるとうっすらと様々な文字が浮かび上がる。一彦は昔からこういった暗号文を何かに隠してメッセージを送るコトが好きだった。さらに暗号部がこれまた厄介なまでに難解なのだ。ただの秀才程度の人間にとっては・・・だが。菫はそれを容易くそれを解き終える
翻訳するとこうだ
〝私に依存的になりつつある彼を助けてやってくれ。私にはできそうにない、代わりに頼む。最後にこれを〟
菫は盛大に溜息をつく。指示された場所をみると一彦のものだったと思われる本の表紙から一枚のディスクが出てきた
ディスクを再生デバイスに入れボタンを押す。少し映像が乱れ落ち着いたあと一彦が画面に映った
『これを見ているということは私はもうこの世界にはいないのだろうな。やはり、貴音は私のコトを中心に物事を考えているのだろうか。兆候はあった・・・私が彼を助け育てるようになってから彼は私のことをどこか神格化している節がある。それを私の手で矯正することは難しかったよ。君には彼を助けて欲しい・・・・いや、ちょっと違うな。彼に人生を与えてやってくれ。頼む』
最後に一彦は微笑む。そこで一彦の映像は途切れた
「私も専門外だよ・・・・だが、まぁ。友人の頼みを無下にはできないし・・・」
最後に写真を机の上に置き背を向けると手を振りながら部屋の奥へと消えた
すみません。過密スケジュールにて執筆がキツくなっています。。。。