ブラック・ブレット【雷の化身】   作:ハゲタカ

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皆さんお久しぶりです

誤字などあれば、報告を。では、拙い文章ですがお楽しみ頂けれいいと思います


第7話

ちょうど木々が鬱蒼とした景色に変わり始めた頃。正面から凄まじい速度で迫ってくる影が見えた敵かとも思ったがすぐにそうではないことに気がついた。相手もこちらに気がつき影が近づいてくる

 

「蓮太郎のイニシエーター・・・何があった」

 

涙を流しながら藍原延珠が貴音の腰にしがみつく

 

「蓮太郎を助けてくれ!」

 

少女の叫び声で貴音の中に何か懐かしいモノが込み上げてくる。きっと蓮太郎との生活彼女にとってかけがえの無いもののハズだ。それを失った時に彼女が見せるであろう顔を見たくない。幼い子供の姿が昔の自分と重なって見える。きっとそのせいでもあるのだろう。失いつつあった感情に火が灯る

 

「やれるだけやってみよう」

 

延珠を離すと今まで以上のスパークが発生する。貴音の体に組み込まれている機構、強制開放【リミットブレイク】。オーバードライブとは異なる。文字通り強制的なものになるため反動もでかい。実際どのような副作用が出るのか貴音自身も知らない。一彦から名前だけは聞いたことがある未知の力だ。今まで使ったことが無かったのはそこまでして何かをしようと思ったことが無いからだ

 

最近は調子が狂ってばかりだ。普段ならこんあ無駄にリスクを背負うこともしないのに。貴音は今まで以上の速度で駆け出す

 

すると、目的は直ぐに見つけることができた

 

「蛭子・・!!」

 

背中からブレードを抜き一閃。神速とも言える速度で放たれた斬撃は影胤の首を薄くかすめて通り過ぎる

 

「また、あの厄介なフィールドか。でも届いたな・・・突破口は見えた」

 

貴音はブレードを両手に構えると、先ほどの薙ぎ払う形とは異なる突きの姿勢をとる。影胤はというと焦るどころか逆に嬉々とした様子で自身の首にできた傷を触る

 

「素晴らしい!キミの刃は私に届いた!君は思っていた以上の人材だ、やはりあの時に感じたモノは正しかった。里見クンとは違ってね・・」

 

「蓮太郎はどこだ・・3秒で答えなければ貴様を殺す」

 

ブレードにより強力な力が流し込まれ激しくスパークし唸りを上げる

 

「さあね。今頃魚の餌にでもなっている頃だろうか・・・彼にはガッカリしたよ。もし、探しに行くなら私は止めない。欲しいものは手に入れたからね」

 

「・・・」

 

影胤はアッチだと言うように指をさしてケラケラと笑っている。貴音の中で答えは出ていた。影胤から一瞬で距離をとると指を差している方向へ駆け出した

 

ほどなくして川にぶつかる。影胤の言葉から推測すればここに落ちたと見て間違いないだろう。貴音は義眼を発動させる。義眼を通して地形の情報が流れ込んでくる。川の様子を見ながら下流に向かって走り出す

延珠の顔を思いだし、奥歯を強く噛み締める

 

川の流れを追って走るうちに体に異変が起こった。突如力が入らなくなり膝から崩れる

 

「まさか・・・これが反動?!もう来たのか・・!!」

 

震える足を力いっぱい殴ると自分を奮い立たせる

 

「約束・・・守らなければ・・・!」

 

力強く足を踏みしめ再び駆け出す。そこで、丁度川辺にある枝に何かが引っかっているのを見つけ川に飛び込む。義眼を通して出てきた情報には人であるという可能性が出ている。ならば確かめるしかない

枝に引っかかっていたモノを掴むと最後の力を振り絞り川辺まで運び上げる

 

 

「溺れる恐怖を味わったのは・・・これが始めてだ・・」

 

息を切らしながら引き上げたモノ。蓮太郎が生きていることを確認すると安堵の溜息をつく。影胤を逃したことで蓮太郎を助けた。東京エリアの代わりに人を一人助けた。最初に家を出てきた時は世界のためにと影胤を追ってきたが、不思議と目標を逃したことよりも蓮太郎を助けたことと延珠との約束を果たせたことが良かったと思える

 

「ごめん。一彦・・・・俺は・・」

 

貴音の意識が暗い闇の中に沈んでいく。電力が切れ体を動かす最低限の力しかない状態では並の人以下程度の力しかない。その状態で人を一人救出することがどれだけ困難なことか。平和よりも一つの命を優先した。それでも何とも言い難い気持ちに満たされながら貴音は眠りについた

 

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