【完結】天才科学者と恋の話   作:オルトルート
<< 前の話 次の話 >>

2 / 8
篠ノ之束と予定の話

 某日 早朝 織斑家にて

 

 ☆

 

 ちーちゃん起きて!! 朝!!!

 朝だよ!! 朝!! すっごい朝!!

 見て太陽! 太陽すっごい!!

 ほら見てちーちゃん太陽だよ!!!

 寝てないで起きて、ほらほら!!

 

 

 おっとちーちゃん、グーはやめよう。

 うんごめんごめん、ちょっとふざけすぎました。

 

 

 なんでここにいるって、そりゃ玄関から入ったんだよ。

 いっくんが開けてくれたよ?

 いくら束さんでも窓から侵入したりしないよ。

 大丈夫ちーちゃん? 寝すぎて馬鹿になってない?

 

 

 痛ったい!

 

 

 なんの用だって? ちーちゃんがそれを聞く??

 ……え、まさか忘れられてるの?

 グスン、ひどいよちーちゃん。

 束さんの秘密を暴いておいて約束は破るなんて。

 これはちーちゃんも秘密を暴露してもらうしか……

 

 

 え? だから、ほら、あれだよ。

 …………アイツの予定、確保しておくって。

 ねぇそう言ったでしょ!? 言ったでしょちーちゃん!!

 言ったって言えよ!!!

 

 

 痛ったい!! 

 

 

 で、いつが空いてるんだって?

 束さんの予定? ないよそんなの。

 講演会とか全部断ってるし。

 会談とかしたくないし。

 ……それでいいのかって、これでいいんだよ。

 

 

 束さんは一応ISの開発者だけどね。

 ISを兵器に使ってほしくないわけなの。

 それなのにね、あいつらときたら人の理念をぶち壊すことへらへら言いやがってさぁ。

 なにが世界を変える力を作りませんか、だよ。

 束さんはアイツと一緒にいられる今の世界がいいんだよ。

 

 

 そんなんだから、今は予定ゼロ! 入ってもキャンセルできる!

 というわけでアイツの暇な日教えて?

 ……知らない?

 オイオイオイオイちーちゃん、そりゃないでしょ。

 

 

 アイツとその……デ、デートの約束を取り付けてくれるってこの間言ってたでしょ!?

 取り付けた? アイツにそう言っておいただけ!?

 ……うぐぐ、一応妥当な線かぁ。

 それでちーちゃんとアイツがデートしたら終わりだしね。

 

 

 ……え、ちょっとちーちゃん何その顔。

 狙ってたの!??

 束さんの秘密をネタにして!!??

 アイツとのデートを狙ってたの!?

 

 

 ごめんなさい! ふざけすぎたのは謝ります!!

 ヘルプ! ヘルプです!!

 束さんの脳みそがクラッシュ寸前です!!

 ヘルプです!!!

 

 

 なにさちーちゃん、そんなしかめっ面して。

 ……直接聞け、ってことは束さんがアイツに聞けってこと?

 無理だよ。 束さんアイツのアドレス知らないし。

 

 

 いや、逆に何で束さんが知ってると思ってるのさ。

 世間一般じゃ大天才みたいに持ち上げられてる束さんですがね。

 束さんにも知らないことはあるわけですよ。

 だから束さんもこうしてちーちゃんに頼み込んでるわけであって----

 

 

 なんだい、その眼は。 ちーちゃん。

 ハッキングかなんかで知ってると思ってた?

 ………………。 

 ……まぁ、できるできないで言えばできるけど。

 あー、ちーちゃん引かないで!!

 まだ調べてない! まだ調べてない!!

 

 

 はぁ、ちーちゃん、よく聞いてね。

 束さんだって成長してるんです。

 そりゃあ、ちっちゃい頃の束さんならさ。

 『アイツのアドレスどころか現在地まで全部わかっちゃうね☆

 ……みたいなことはやるだろうけどさ。

 

 

 いややってないから。

 聞いて? 聞け。 話を最後まで聞け。

 でもね、今の束さんは考えるわけですよ。

 『アイツのアドレス調べるのにハッキングするとか無駄じゃない?

 ってさ。 ほら! まともな思考回路してるでしょ!

 

 

 ……まぁ、小難しいことを抜きにするとね。

 こっちがアイツのアドレス知ってるのに、アイツはこっちのアドレス知らないっていうのはさ。

 なんていうか、こう。

 ……アイツから見て、束さん重くない?

 

 

 あー、ちーちゃん笑ったね!

 ひどいなぁ、束さんがここまで悩んだのなんて久しぶりなんだよ!?

 具体的にはISコアの製造と同じくらい!

 もう、ちーちゃんってば意地悪しないでよ!!

 

 

 だからこうしてちーちゃんを仲介してアイツの予定を確保しようとしたのに。

 まさかそのちーちゃんが何も知らないなんて思わなかったよ。

 ……え、今までどうしてたんだって?

 アイツに会うとき?

 そんなのアイツの家に直行だけど。

 

 

 アイツに会いに行こうと思えばいつでも会いに行けたし。

 連絡? しないしない。

 連絡しなくても会える時には会えるし。

 ウププ、束さんってばアイツの家に顔パスで行けるんだよ?

 ちーちゃんとは違って何回も行ってるからね!

 

 

 ……え、ちーちゃんも顔パスなの?

 びっくりっていうか、え?

 束さんが顔パスになったの中学生のころだけど。

 ……小学生のころから顔パス?

 お母さまにも挨拶してる?

 

 

 へ、へぇ~。

 ま、まぁ束さんには関係ないけど。

 関係ないよ?

 ……なんで笑ってるのさ。

 ねぇちーちゃん何で笑ってるのさ!

 

 

 ん? どうしたの真剣な表情して?

 家に顔パスで入れるなら直接会って予定確認すればいい?

 …………………。

 ……………。

 しまった、その手があったか!!!

 

 

 いや、でも考えてみてちーちゃん。

 二年も会ってない女がいきなり家に上がり込んできたらどう思う?

 通報? だよね、束さんもそう思う。

 この手は使えないね。

 

 

 えーと、他には何かあるかなー、と。

 ……あ。

 束さんアイツのこと待ち伏せしたことあった。

 いやー、そうだったねそうだったね。

 確かアイツがいつも通る道で----

 

 

 ……え、ちょっと待ってちーちゃん引かないで。

 なんでいつも通る道を知ってたかって?

 別に不思議でもないでしょ。

 アイツの勤務先の近くなんだし。

 何? ちーちゃんは束さんが不正にアイツの場所をつかんでるとでも?

 

 

 ……そこで頷かれるとなかなか心にクるものがあるね。

 でもお生憎さまだねちーちゃん!

 束さんはね、アイツに関わることで不正は一切しないの。

 アイツ、不正とか好きじゃなさそうだし。

 

 

 二年も会ってなかったにしては詳しく知りすぎ?

 …………ちーちゃん、知ってる?

 これはアイツが言ってたんだけどね。

 『ばれなきゃ犯罪じゃない』んだってよ?

 

 

 あーストップ! ストップちーちゃん!!

 警察はダメです! ノー!

 またあの母親から口うるさく言われる!!

 それだけは勘弁して!

 

 

 ちーちゃん、いつも通り束さんに対しては遠慮がないね……。

 逆に聞くけどちーちゃんアイツの勤め先とか知らないの?

 知らない? なんで?

 ちーちゃんは束さんより会う機会あったはずだけど。

 

 

 ……あー、はいはい。

 そういえば教習って名目でいろんなとこ巡ってたっけ。

 この間は? ドイツ。

 はぁー、またいろんなとこ回ってるねー。

 束さんは自宅に引きこもってたけど。

 

 

 ま、これでアイツに会う手段は確保できたね。

 なら後は束さんがアイツに会って。

 ……直接予定を聞けばいいんでしょ?

 な、なんてことを言うのさちーちゃん!!

 いくら束さんでもそんなことはしないよ!!!

 

 

 ……まぁ、待ち伏せは仕方なかったし。

 それに、あの時はそんなことしてないよ!

 全く、その顔は全然信じてないね。

 こうなったら----

 

 

 あ! いっくん!

 ちょうどいい所に来てくれたね。

 

 

 よしよし、そこに座って。

 別に取って食うわけじゃないから、そう緊張しないで。

 ちーちゃんもその腕を引っ込めてくれると嬉しいなー。

 で、いっくんにオトコノコとして質問があるだけど。

 

 

 んーと、そうだね、箒ちゃんがいいか。

 いっくんと箒ちゃんが違う学校に通ってるとするね。

 で、箒ちゃんがいっくんに会いに行こうとするわけだよ。

 ……なんのために? そんなことはいいんだよ。

 こら、ちーちゃん笑わないで。

 

 

 で、箒ちゃんはいっくんに会うために、通学路で待ってるわけだよ。

 箒ちゃんは、いっくんに会うと寄っていって、挨拶してくる。

 満面の笑みを浮かべながら、おはようって言ってくるんだよ。

 いっくんはそれに返して、しばらく一緒に歩く。

 

 

 むふー。 で、だね。

 この行為、いっくんはどう思う?

 こうされてオトコノコはどう思うか聞きたいわけだよ。

 

 

 ……別にどうとも思わない?

 ほんとに? 箒ちゃんが待ってるんだよ?

 箒ちゃんが待っててくれてるのに何も感じないの!?

 ちょっといっくん、ホントに何もないの!?

 

 

 ……仲がいいならそれくらい普通?

 ふつう、フツウ、普通。

 そっか、これが普通の事なんだね。

 あーうん、ありがとういっくん。

 大丈夫だよ、束さんはへっちゃらだよ。

 

 

 ……なにさ、ちーちゃん。

 言いたいことがあるなら言っていいよ。

 泣いてないよ。

 別に勇気を振り絞った行動が普通扱いされてショックだったわけじゃないよ。

 だから泣いてないよ。

 泣いてないってば!!!

 

 

 

 ☆

 

「おおおおおう! 久しぶりだね!」

「……束? ずいぶんと久しぶりだな」

「ところで最近暇な日ってあるかな!?」

「なんだいきなり。 ……あー、来週末----」

「おっけい来週末だねそれじゃあ!!!」

 

「……なんだ今の?」




登場人物
・束さん
 恋愛クソザコ天才科学者。
 特技は発明。好きなものは妹。
 この後どこに行くか決めてなくてめちゃくちゃ後悔した。
 その後ちーちゃんに泣きついた。
 
・ちーちゃん
 めっちゃ強いISの教官。
 特技はアイアンクロー。好きなものは弟。
 この後めちゃくちゃプランニングした。

・オリ主くん
 名無し。一人暮らししてる。
 特技は料理。好きなものは宇宙。
 この後めちゃくちゃ困惑した。

・いっくん
 女心が分からない。
 幼馴染が最近弁当を作ってきてくれる。


・いろんな質問
Q.オリ主くんIS動かしたのに普通に過ごしてるみたいだけど?
A.束さんが何とかしてくれました

Q.いっくんも普通に生活してますけど?
A.束さんが何とかしてくれました

Q.オリ主君とか人体実験に連れていかれない?
A.束さんガードがあるから安心!

Q.顔パスっていうかこれ不法侵入じゃん?
A.オリ主「幼馴染が家にいてくれると嬉しいのでオッケーです」



Q.ちなみに束さんがオリ主君の家に押し入ってたらどうなった?
A.束さんは疲れからかオリ主君に押し倒されてしまう。
 そのまま一晩中ぐっすり→やっちゃった!?ルート。
 なお束さんは押し倒された時点で気絶する模様。


※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。