少女が歩む道   作:霧熊童子

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早苗さん遂に高校生へ


たった一言〜At least one word〜
高校受験


「用意、始め!!」

 

私は声と共に問題用紙を捲り問題を解く。

どこかのゼミみたいに解る、解るぞという程でもなく問題を解く。今は国語のテストだけど国語は本を読んだり祝詞の意味を調べたりとしただけで大して勉強はしていない。

問題を一通り解き、まずはミスがないかを確認する。そして確認し終えたら解らずに空白にした問題に取り掛かる。

そうしてる間に時間が来て国語のテストは終わる。

 

 

次は苦手な英語なので単語を必死に覚える。悲しい事に諏訪子様と神奈子様は英語が全くダメなのである。だから私は慧人に教えてもらったり塾で教えてもらったりと国語を捨てて英語を勉強したと言っても過言ではないぐらいに勉強したのだ。お陰で他の教科より少し少ないかなーぐらいの所まで持っていけて、猛勉強の賜物で2人もほんの少し出来るようになった。

 

そして休憩時間が終わり、英語のテストが始まる。心の中でうーうー唸りながらも少しずつ問題を解く。

 

「…becauseのスペル間違ってるよ…」

 

ふと、そんな声が聞こえた気がした。

犯人に大体の予想がつく。きっとあの2人だ。試験会場に行く前に来なくていいとあれほど言ったのに付いてきたらしい。私は内心呆れつつもスペルミスを直す。周りには見えないからといってもまるでカンニングしてる気持ちになるから嫌なのだ。

犯人にはプリン無しの刑にしようと心に決めつつ見直しをする。

 

 

テストが終わり、私は二つの意味でため息をつく。

一つがなんとか英語を乗り切った意味でのため息でもう一つが先程のやつである。

次が理科のテストでそれが終われば昼休みとなって少しだけ羽を伸ばせる。理科は元々得意だけどこの前アニメのキャラが言っていた「慢心しては駄目。全力で参りましょう。」という言葉を胸に秘めながら慢心せずに公式や重要単語を覚え直す。覚えながら周りには聞こえない声量で

 

「次、何かしたらプリン無しですからね」

 

と言っておく。向こうには聞こえたのか分からないけどそこは信じるしかない。

そして理科のテストが始まり、声が聞こえることはなく無事に終わりを迎え昼休みに入った。

 

 

 

 

 

「ふぅ〜〜疲れたーー」

 

半分残ってるのに全部終わった感覚に浸りながら私は伸びをしながら言う。

 

「どこでお弁当食べようかなー」

 

歩きながら探すと木の下にベンチがあり、そこで食べることにする。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

英語が終わり、次の科目である理科の勉強をしていたら、近くにいた緑色の髪をした子が周りに聞こえないような小さな声で

 

「次、何かしたらプリン無しですからね」

 

と言った。明らかに誰かと会話してるように聞こえた。もしかして不正行為でもしたんじゃないだろうか。不審な素振りがないか見ておきたいがどうせ落ちると判断し見張るのをやめた。そもそも自分も受験生なのだ。そんな事に現を抜かして自分が落ちる訳には行かない。

 

そして彼女は理科の勉強に集中する。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

数学と社会も無事に終わり、私は帰り際にコンビニに寄ってプリンを2個買う。

 

「ただいまー」

「おかえりー、受験どうだった?」

「やれることはやったから大丈夫だよ」

 

母が心配そうに尋ねてきたので私は笑顔で応え階段を上がる。

 

「早苗おかえりー」

 

部屋に入るとあたかもずっと部屋に居ましたよ的な雰囲気を出しながら2人が迎えてくれる。そして鞄の中を漁りながら、

 

「はい神奈子様、プリンです」

「おっ、有難いねぇ」

 

私は神奈子様だけにプリンを渡す。

 

「早苗ー、私のプリンはー?」

「諏訪子様、何を仰ってるのでしょうか?」

 

私はあえてすっとぼける。

 

「私も留守番してたんだからプリンあってもいいじゃないかー」

「本当に留守番出来てましたか?」

「出来てたよ!」

「ふぅーん…、では英語のテスト中にbecauseのスペルミスを指摘したのは誰でしょうね?」

 

私はジト目で諏訪子様を見つめてると神奈子様が豪快に笑いだした。

 

「あっはははは!諏訪子、そんな事をしたのかい。あの時家に居たらプリンが食べれただろうに」

「でっでも、それ1回だけだしちゃんと大人してたからプリンあるよね!?」

 

諏訪子様が必死に弁解する。その姿が面白くて笑って許してしまいそうになるのを我慢する。

 

「確かに大人しくしてましたね」

「じゃあ」

 

諏訪子様の顔が明るくなりかけたところでしかしと言い放つ。

 

「そもそもついてこなければこれは起こりえなかった事なんですよ。そして行く前にあれほどついて来なくていいと言ったのについてきたのは誰でしょうか」

「うっ…そ、それは……」

「そういう訳で諏訪子様にプリンはありません」

 

私がそう言うと諏訪子様が項垂れる。そんな諏訪子様を横目に鞄からもう1つのプリンを取り出す。

 

「なんだ、ちゃんと買ってきてるじゃないか」

 

プリンを見て諏訪子様が明るい顔になる。

 

「諏訪子様、何を勘違いなさってるのですか?このプリンは私が食べる分のプリンですよ」

「もう一個プリンが出てくることは…」

「ないです」

 

キッパリと言うと諏訪子様はあーうーと言って再び項垂れてしまった。

疲れていたからかプリンは美味しかったです。

 

 

 

 

 

合格発表の日、私は緊張しながら高校に向かう。

そして自分の受験番号の数字を探し…

 

「やったー!ありました!ありましたよ!諏訪子様、神奈子様!」

「受かってよかったじゃないか」

「はい!」

「早苗、合格おめでとう」

「ありがとうございます諏訪子様」

 

私は嬉しさのあまり涙する。

嬉し涙が止まってから私は家へと帰る。

 

「おかえりー。ちょっと早苗、目元赤いわよ。もしかして…」

「違うよお母さん、嬉し涙で目元が赤いだけだよ」

 

私は慌てて否定する。

 

「という事は受かったのね。合格おめでとう!」

「ありがとうお母さん」

 

そしてその日の晩ご飯は合格祝いでお寿司となった。

 

「早苗、合格おめでとう。はいこれ、合格祝いじゃ」

 

祖父はそう言うと箱を私に渡す。

 

「おじい様、これは…?」

 

箱を開けてみるとどこか見覚えのある青白の巫女服が2着入っていた。

 

「これは風祝の衣装でな、文献に記されていたのを元に作ってもらったんじゃよ」

「おじい様、これ着てみてもいい?」

「いいとも」

 

直ぐに着替えてくると言って部屋に戻って着替える。

 

「ちょっとブカブカだけどどうかな?」

「凄く似合っておるよ」

「姉ちゃんかっけー!」

 

尋ねるとそれぞれが私の姿を見て返す。

 

「これで早苗も立派な風祝となったことじゃから御狩神事を始めとした幾つかの神事を執り行ってもらおうかのう」

「おじい様、私ちゃんと出来るかな…?」

「ふぉっふぉ、大丈夫じゃ。その為に2年間わしを見て勉強したのじゃろ?」

 

私が不安になりながら言うと祖父は笑いながら励ましてくれた。

 

「うん、そうだよね…私頑張る!」

 

私が意気込むと祖父がその意気じゃと言って頭を撫でる。

 

「ありがとうおじい様!」

 

そう言って私は風呂に入る。

 




実はまだAt least one wordとA transient faithに辿り着いてすらないという笑

おじいちゃんからおじい様に変わったのは仕様です


名前不明の「彼女」視点を入れたかったけど本文に入れるまでもないと思ったのでここで紹介

――――――――

私は受験番号が書かれてないか探し、

「よしっ」

受験番号を見つけ私は小さくガッツポーズをする。周りを見渡してみると、あの特徴的な髪の色をした子が視界に入った。喜びようからしてあの子も受かったのだろう。何か言ってるが周りが煩くて聞き取れない。1人で来てるように見えるけどあの子のそれはとても1人には見えない。
私もあの子も合格した以上きっとどこかで関わるでしょうと思いながら家へと帰る。

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