少女が歩む道   作:霧熊童子

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風と共に現れては風と共にさっと去りゆく〜
……失踪フラグじゃないからね?(念押し)

①と付けたけど数字が続くかは謎


I be the hero①

翌日鞄の中に手作りのお面等々入れて諏訪子様達と出掛ける。

そして家から少し離れたところで蛙のお面を左側に着けて伊達眼鏡を装着する。申し訳程度の変装だけど多分きっと大丈夫と信じて街中を歩く。

 

まずは公園で困ってる子供が居ないか辺りを見渡す。そして1人で砂場で遊んでる子供を見つけ、その子をターゲットにする。

 

「ねえねえ、何作ってるの?」

 

その子は突然声をかけられて驚き、警戒する。

 

「おねえちゃんだれ?」

「お姉ちゃんは神様に遣わされた正義のヒーローさ!」

 

得意気になって話すと子供の方はより一層警戒する。

 

「ヒーローならへんしんしてみてよ」

「これが変身してる姿だよ」

「じゃあへんしんといてよ」

「人前では変身を解けないのがヒーローというものさ」

 

僕はキメ顔でこう言った。と聞こえてきそうな程のどや顔で言うと、ベンチの方に移動した諏訪子様達はそれを見てゲラゲラと笑う。

 

「なにもできないじゃん…」

 

私はゴホンと咳払いをして話題を逸らす。

 

「そんなことより、向こうで鬼ごっこをしてるけど君は一緒に遊ばないの?」

「ぼく、はしるのがおそいからすぐつかまっちゃうんだ……」

「だったら…こうすればほら、解決でしょ?」

 

そう言って私はその子を肩車する。少し不安定だけどヒーローとして音をあげる訳にはいかない。

 

「おねえちゃんいいの?」

「うんいいんだよ。私はヒーローなんだから、ね」

 

そして肩車をした状態で子供たちの輪の中に入る。

 

「お姉ちゃんも鬼ごっこに入ってもいいかな?」

「うんいいよ。おねえちゃんおにね」

 

わかったと言って10秒数えた後に肩車をしたまま子供たちを追いかける。

 

「たかくてはやーい!」

 

上にいる子供は大はしゃぎで楽しんでいる。そうして追いかけ追いかけられを繰り返してる内に他の子がボソリとぼやく。

 

「あいつだけらくしててズルい…」

「そんな事を言うお口はどこかな〜」

 

一旦肩車をやめて私は指をうごうご動かしながら言った子に近付く。

当然逃げられるが負けじと追いかけて、捕まえた後は脇こちょをする。

 

「わ、わきはアハッアハハッ」

 

充分にくすぐった後その手を止める。

 

「あの子はね、鬼ごっこしたくても走るのが遅いからすぐ捕まっちゃうって言って一緒に遊びたいのを我慢してたんだよ?」

 

圧にならないように私は優しく話しかける。

 

「だから私が肩車をしてあの子の足になってたんだよ。分かった?」

「うん…」

「素直でよろしい」

 

私はしゃがんでその子の頭を撫でる。

 

「よし、肩車して公園一周してあげるよ」

「おねえちゃんホント?」

「お姉ちゃんはヒーローだから皆を笑顔にするのが役目なのさ!」

 

鬼ごっこそっちのけで私はその子を肩車して公園を一周する。公園を一周して子供を降ろすと鬼ごっこをしていた子供たちが集まって肩車してと口々に言い出す。

 

「皆に肩車するから順番にねー」

 

そうして子供の人数の分だけ公園を一周して私はヘトヘトになる。

 

「そ、そろそろ休憩させて…」

 

どうにかそれだけ言って諏訪子様達が居るベンチへと腰掛ける。

 

「お疲れ様。早苗がしたかったことはこれかい?」

「ふぅ…これは…本来の目的を…ハァハァ…達成させるための…手段の…ハァ…一つですね…ハァハァ…」

「じゃあ本来の目的はなんなんだい?」

「内緒です……」

 

体力の無さを呪いたいけど、子供たちを肩車して公園を何周もしたのだから今までよく耐えたと我ながら思う。

子供たちの方を見てみるとかくれんぼをしており、鬼の子が着実なスピードで隠れている子を見つけていた。

 

「子供たちにもお二人が見えていたら良かったんですけどね…」

 

大分呼吸が整いポツリと呟く。

 

一禮(かずのり)みたいなことするんだね」

「ご先祖さまみたいな事?」

 

諏訪子様の言葉に思わず聞き返す。

 

「一禮もよく子供たちの相手は私にさせていたんだよ」

「ご先祖さまは子供が苦手だったのでしょうか?」

「いや、あの子は他の人に任せたらいいような物まで1人でこなしてたから一緒に遊ぶ時間がなかっただけだよ」

「そうなんですね…」

 

こうしてご先祖さまの話を聞いてると何も知らないんだなと思ってしまう。どんな人なのか知らないのが当たり前のことなのに。

ご先祖さまについて考え始めた時子供たちに呼ばれる。

 

「カエルのおねえちゃんもいっしょにあそぼー」

 

私が蛙のお姉ちゃんと呼ばれたことにより神奈子様がハハハと笑う。

 

「蛙のお姉ちゃん、か蛙のお面着けてるしそりゃあそうだろうね」

「ヒーローには名乗る名前がないですからね」

 

そう言ってベンチから立ち上がって子供たちの方へと歩いて一緒にかくれんぼをする。

 

 

子供たちと一緒に遊んでいるうちにいつの間にか5時を告げるメロディーが鳴り子供たちは遊ぶのをやめる。

 

「カエルのおねえちゃんバイバーイ」

「そこのベンチに神様が居るから神様にもバイバイしよっか」

 

子供たちにバイバイと言ったあとにそう促すと子供たちはそちらに向けてバイバイする。

 

「かみさまもバイバーイ」

 

子供たちは諏訪子様達にも手を振ったあとそれぞれの家へと帰る。子供たちが見えなくなるまで見送ったあと、伊達眼鏡と蛙のお面を鞄に仕舞って家へと歩く。

 

「科学が信仰されてる今の世では、ああ言うのは無いんじゃないでしょうか?」

「そうだねぇ。懐かしく感じたさ」

「さっきは隠しましたけどこうやって子供たちと一緒に遊んだのはお二人の信仰集めの為なんです」

「それくらい分かってたさ」

 

上手く隠してたつもりだったけど神奈子様にはバレていたらしい。そう思うと少しショックになる。

 

「でも私達の為に頑張ってありがとう」

 

私は嬉しくなってこの調子で頑張って信仰を集めようと決意する。




蛙のお面を正面に着けずに左に着けてるのは警戒心を与えない為ですが、まぁ知らない人だから当然警戒される訳でして。
子供達の年齢は5~6歳くらいだから読みにくいのは許してください(〃・д・) -д-))ペコリン

9話以降全く出なかった初代の名前、ここにて登場。今後も名前だけは登場するハズ…笑
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