少女が歩む道   作:霧熊童子

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夏期補習

「早苗、どっか行くの?」

 

例年より暑い夏に諏訪子様が扇風機を占領しながら、準備する私を見て尋ねる。

 

「ええ、夏期補習に行くんです。お二人も英語出来ないですし私と一緒に行きますか?」

「うーん。どうしようかな……」

「私は一緒に行こうかねぇ」

 

諏訪子様が悩んでいる間に神奈子様は行くことを決める。

 

「行っても行かなくてもアイスは買ってきますけど」

「退屈だしついて行こうかな」

 

諏訪子様が決めたことで私は扇風機を消して学校へ向かう。

 

 

駅に到着しいつも通り電車に乗る。夏休み前と比べて電車内は空いていた。

窓から見えるいつもの風景。窓の外に広がる風景を見て、この変わり映えのない風景に変化が訪れないかなと度々思ってしまう。夏休みだからどこかで遠出してみようかなと揺られながらそんな事を考える。

 

 

―――――――――

 

 

「ああ〜〜涼しいぃ〜」

 

夏期補習が行われる教室に入るとクーラーがガンガンに効いていて諏訪子様の声が蕩ける。

 

「ですね〜。どうせそんなに来ないでしょうから席についても大丈夫じゃないかな?」

 

そう言うと諏訪子様と神奈子様は私の前の席と横の席に座る。

12クラスあるのにそんなに来ないということは無く大体30人くらいがこの補習を受けに来た。

 

「今日の補習を受けて基礎は充分だと思った人は発展の方に移動しても大丈夫です」

 

補習は基礎と発展に分かれていて私は取り敢えず基礎を選択した。

そうして課題のプリントが配られていく――

 

 

 

 

「ん〜、疲れたぁ…」

 

英語の補習が終わり私は思いっきり伸びをする。

補習は50分だけれど、いつも65分なので時間が経つのがあっという間に感じた。

今回の補習の内容が中学生で習う内容で、かなりの人が先生に次から発展に行きますと言っていた。

私は諏訪子様達のため私自身のため発展に行かずそのまま基礎に残ることにした。

 

「補習が終わった事ですしアイス食べに行きましょう!」

「いつものアイスにするの?」

「いえ、今回はサーテイワンにしようと思いまして」

「たまには悪くないねぇ」

 

諏訪子様達はアイスが何派か知らないけど、私はWOM派なのでいつもコンビニでWOMを買ってくるのだ。

クーラーがガンガンに効いている教室から出てサーテイワンへと向かう。

 

「ふぅ……年々暑くなっていってないですか?」

 

鞄からタオルを取り出して汗を拭き取る。

 

「諏訪子は暑いのも寒いのも無理だけど今みたいにバテる程では無かったからねぇ」

「一旦公園に立ち寄って涼みましょう!」

 

私は諏訪子様の手を引いて公園へと立ち寄るとタオルを水に濡らした後、充分に絞って諏訪子様の顔や首を拭く。

 

「はい、諏訪子様」

「早苗ありがとー」

「神奈子様も、はい」

「すまないねぇ」

 

諏訪子様を拭いたあとに神奈子様に濡れタオルを渡す。濡れタオルで拭いたことによって諏訪子様の少しだけ元気が戻る。

 

「諏訪子様の為にもなるべく早くサーテイワンに行っちゃいましょう」

「アイスを食えば諏訪子も元気になるだろうからね。」

 

神奈子様から濡れタオルを受け取るともう一度濡らして諏訪子様の首に掛けたままにして早足で本来の目的地に向かう。

 

 

 

「アイスを買ってくるのでお二人は待っててください」

 

諏訪子様達を座らせた後人数分のアイスを買ってくる。

 

「お二人とも、はい」

「いっただきまーす!……ん〜生き返るぅ〜」

 

店内は冷房が効いてるため諏訪子様を座らせて休ませていたら元気になってアイスを食べ始める。

 

「抹茶はやっぱり美味しいねぇ」

「どれどれ……確かに美味しいですね」

 

サーテイワンの抹茶はWOMの抹茶とはまた違った美味しさがあってよかった。

 

「私的にはこれが一番気になるんですよね」

 

指で器を叩きながらモノを示す。

 

「おしるこ味…だっけ?それ美味しいの?」

「さぁ」

 

恐る恐るおしるこ味のアイスを1口食べてみる。

 

「――なんとなくそんな気はしてたけど、ただの小豆バニラですね」

 

私が感想を言うと諏訪子様も食べ始め、「確かに小豆バニラだね」と納得する。

何故小豆バニラではなくおしるこ味という名前にしたのだろうか。

 

「私みたいな物好きを釣るためだったのかな……」

「なにがだい?」

 

ポツリと漏らした言葉に神奈子様が尋ねる。

 

「いえ、普通に小豆バニラなのに何故おしるこ味って名前なのかなと思いまして」

「理由は向こうさんしか知らないからねぇ。でも早苗が言ったように物好きを釣るためでもあったんじゃないかい?」

 

おしるこ味の名前の理由は会社のみぞ知るところだからこれ以上深く考えるのをやめる。

 

「さて、帰る前にお二人の夏服買いましょう!」

 

神様はなるのか知らないけど、諏訪子様達の普段着では熱中症になってもおかしくないので夏服を買うことにする。

 

「んー神奈子様はこれとかいいんじゃないですか?」

 

紺色のロングスカートと白のブラウスを持って神奈子様に重ねてみる。

 

「神奈子様ちょっとこれ試着してみてください」

 

神奈子様を試着室に押し込めて試着させる。

 

「試着してみたけどどうだい?」

 

神奈子様が試着室から出てくる。そこに佇む姿は神ではなく1人の女性だった。

 

「神奈子のやつ似合ってるじゃないか」

「ですね。神奈子様はこれでいいとして、諏訪子様のコーデどうしようかな……」

 

ショートパンツを使ったコーデにするかチュニックワンピにしようかで悩む。

 

「とりあえずショートパンツの方から…」

 

デニムのショートパンツとシャツという簡素な組み合わせを持って諏訪子様に試着してもらう。

試着している間にチュニックワンピを持ってくる。

 

「うーん……なんかこう、違うんですよね……諏訪子様、次はこっちを試着してみてください」

 

諏訪子様に持っていたチュニックワンピを渡すと諏訪子様はそれに着替え直す。

 

「着替え終わったよー」

「諏訪子様は背が低いからこういうのが似合いますね!」

「チビ言うなー」

「はいはい後でコンビニの唐揚げ買いますから機嫌直してください」

 

私のチビ発言でご機嫌斜めになった諏訪子様の機嫌取りをする。私以上に諏訪子様の扱いが上手い人はいないんじゃないだろうか。見えてるのが私だけだから当然なんだけど。

 

2人が試着した服を買って、ついでにプリンを1個買った後はコンビニに寄って諏訪子様用の唐揚げをきちんと買う。

 

「私達の夏服を買ってくれてありがとうね」

 

帰り際に神奈子様が感謝の言葉を述べる。

 

「いえいえ、普段着ている服では今後の夏を乗り越えられそうにないと思ったので。特に諏訪子様が」

 

最後に一言付け加えると神奈子様が笑い出す。

 

プリンを冷蔵庫に入れて自室に戻った後は、買った服の値札をハサミで切ってタンスに仕舞う。

 

「姉ちゃん、教えて欲しい所があるんだけどいい?」

 

慧人が部屋のドアをノックしながら尋ねてくる。

 

「英語以外だったら教えれるけど…」

「数学だよ。誰も姉ちゃんに英語なんて期待してないから。」

「…数学ね。ちょっと待ってね」

 

さりげなく慧人にディスられムスッとしつつ部屋に入れる。

 

「数学のどこの問題?」

「この問題だけど」

「この問題は公式を覚えたら簡単に出来るよ。ちなみに高校だったらこんなにも難しくなるよ」

 

そう言って私は慧人に数Ⅰの問題を見せる。

 

「はぇー。ここまで来るともう分かんないや」

「大丈夫だって。こういう問題やってたらその問題が解けなくてもいつの間にか解けるようになってるから」

 

せっかくだから高校で習うレベルの問題を1つ、30分程かけて教える。当然慧人はハテナを吹き出しまくってたけどあの問題が解けるようになれば基礎はスラスラと解けるようになってるハズ。

 

「そうそう、慧人にプリン買ってきてあるから受験勉強頑張ってね」

「ありがと姉ちゃん」

 

昼に買ってきたプリンを慧人に伝え、私は部屋へと戻る。




また遅れてすみません(〃・д・) -д-))ペコリン

今回のお話の構図も前話を書きながら考えていたんですけど時間がありませんでした……
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