少女が歩む道   作:霧熊童子

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段々と更新ペースが落ちていく……
けど力まない程度に頑張る
諏訪市に住みたい


ヒーローはいつも秘密?①

ここ数日俺は休み時間になると教室を出て学校内をウロウロしている。何故かというとこの前榛馬(はるま)に彼女が俺と同じ学校である事をつい言ってしまったのだ。そのせいで連日会いたい会いたいと駄々をこねるようになった。

 

「緑髪……緑髪……。ハァ…、特徴的な筈なのに見つからねーな……」

 

こんなことならあの時名前聞いておけばよかったと内心愚痴る。

 

「仕方ない。片っ端から一年生に訊ねてみるか……」

 

もうじき開始のチャイムがなるので一旦教室へと戻る―――。

 

授業が終わって昼休みになると弁当を早めに完食して、緑髪のあの子を探しに食堂へ向かう。

 

「あの子はやっぱり教室で弁当を食べてるのかな」

 

今日も食堂を覗くが何処にも緑髪のあの子は来ていなかった。そのまま食堂を離れ、いつものように図書館へと向かうがやはりその姿はない。

そして校舎へと戻り、1年生の子に声をかける。

 

「ちょっとすまないけど、一年生で緑髪の娘って知ってるかな?」

「東風谷さんじゃないかな?確か7組の子」

「7組の東風谷ね。ありがとう」

 

緑髪は特徴的なのかすぐに名前とクラスが判明する。あまり気は進まないが7組へと向かう。

 

「東風谷って子はいるかな?」

 

言うのと同時に教室の中を見渡すがあの特徴的な緑髪は視界に入らなかった。

 

「早苗なら飲み物買いに自販機に行きましたよ?」

「戻ってきたら放課後図書館で待ってるって伝えてくれる?」

「分かりました」

 

俺は7組の子に伝言を頼むと自分の教室に戻る。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「自販機行くけどなんかリクエストある?」

「早苗が奢ってくれるなら」

「金欠だから無理だよ」

「いちごオレおねがーい」

 

2人に尋ねると巡が速攻で私の奢りならと言ったのでそれを一蹴し、由紀から100円を預かり飲み物を買いに行く。

 

「うげっ、カフェオレ売り切れてる……」

 

いつも買うカフェオレが売り切れていたので代わりにバナナオレを買って教室に戻る。

 

「はいゆきにゃん、いちごオレ」

「さっちゃんありがとー!そういえばさっき二年生の人がさっちゃんに用があったみたいだよ」

「そうなの?」

「うん、確か放課後に図書館で待ってる…だったかな」

 

由紀が朧気に伝言を言うと巡もそんな感じだったと頷く。

 

(多分あの人…だよね。なんの用だったのかな……)

 

「……なえ、早苗ってば!」

「え、ああ、ゴメン聞いてなかった……」

「あの二年生の先輩とどういう関係?」

「私は見てないから分かるわけないじゃない」

 

恋バナが私に向きそうになるのをなんとか笑って防御線を張る。

 

「告白でもされるのかな!?」

「会ったことが無いかもしれない人に告白されても困るかな……」

「さっちゃん好きな人いるの!?」

「いーまーせーんー!」

 

これだから恋バナに飢えてる人は怖い。

 

「例えばゆきにゃんが知らない人に告白されたらどうする?」

「んーイケメンならokするかな」

「そのイケメンに散々遊ばれて最終的に捨てられても?」

「それはさすがに嫌かな……」

「つまり好きな人いる居ない関係無しに知らない人は怖いから断るってことだよ」

 

これで私に恋バナが向かなかったら良いなと思いつつどうにかして由紀をやり込める。もっとも好きな人は居ないから意味無いのだけど。

 

「放課後に図書館だったよね?」

 

キーンコーンと昼休みの終了を告げるチャイムが鳴るのも構わずに2人に確認をとる。

 

「うんそうだよ」

「ありがとね」

 

2人に礼を言ったあと飲みかけのバナナオレを飲みながら席に戻り授業の準備をする。

 

 

 

 

 

放課後になり掃除を終えて図書室に向かうのだが――

 

「――二人ともバレバレだよ……」

 

振り返りざまにそう言うと2つの影が大人しく出てくる。

 

「やっぱり?」

「アレで気付かない方が逆におかしいよ」

 

とは言うものの、尾行されていたのが全く知らない第三者なら気付けなかった。2人のことだから成行きを見届けようとしててもおかしくないと思い警戒はしてたのだ。

 

「それで私を尾行して何がしたかったのかなぁ〜」

「ウチらも気になって気になって」

「それで尾行したと」

「そうそう!」

 

私の言葉に勢いよく相槌を打つ2人。そんな2人をみてハァ……とため息をついた後、目を細め声のトーンを落として

 

「祟るよ?」

 

一言。友達相手に祟る気は毛頭無い、というか本当に祟ることが出来るのは諏訪子様しかいないので脅しとして使ったが2人には通用したみたいだった。

 

「早苗の冗談はマジでシャレにならなさそうだから大人しく部活行ってくるね!」

 

巡はそう言うと由紀の手を引いて部活へと向かう。

 

「ふぅ……これで一先ずは安心かな」

 

2人をなんとか追い払えたことに安堵しつつ図書館へと向かう。

 

「うーん、まだ来てないの…かな?」

 

閲覧室に入った後キョロキョロ辺りを見回し探すが見当たらない。

先輩が来るまでの待ち時間が暇なので新しく本が入ってないか見ていると先輩に声を掛けられる。

 

「わざわざ来てもらってゴメンな」

「いえ、別に大丈夫ですよ」

「人気のない所に移動したいんだけどいいかな?」

「ぅえ!?い、いいですけど……」

 

もしかして本当に告白されるのではと内心焦りながらも先輩について行く。

そのまま学校から出て徒歩3分ほどの場所にある秋葉神社の境内に入る。境内には滑り台やブランコと小さな公園になっていたが利用してる子供たちは見当たらなかった。

 

「ここだったらいいか……」

「それで先輩、話とは…?」

「実は君のことを榛馬(はるま)にポロッと言ってしまって……」

 

榛馬(はるま)というのは先輩の弟の名前だろうか。先輩が私に向き合うと申し訳なさそうに話し出す。

 

「えっ……、言ったってどこまで……?」

「同じ学校という事だけしか言ってないけど、アイツ、会いたいって癇癪起こしちまって……。頼む!今度家に来て相手してやってくれないか!?」

 

小学生とかがよく使う一生に一度のお願いの様な勢いで私に頼み込んでくる。

 

「私が最近行ってなかったのも原因だから……。準備とかあるので明日以降だったら…」

「本っ当にすまない!!」

「思わず言ってしまったのは仕方ないですから……ね?」

 

何度も謝る先輩に大丈夫だからと言って許す。思わず言ってしまったとはいえ同じ学校という事だけだし、この人気のない秋葉神社を選んだのはこの前言ったことを守ってる証拠である。

そしてその後は連絡が取れるようにとlinnを交換してそのまま電車に乗って家路につく。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「これで榛馬(はるま)も落ち着いたらいいんだが……」

 

家の玄関の前でポツリと呟く。玄関を開けてただいまと言うと奥から母さんがおかえりと返し、そのタイミングに合わせて榛馬(はるま)がドタドタとこちらに走ってくる。

 

「かけるにーちゃんおかえりー!ねぇねぇどうだった!?」

「今度家に来てくれるってさ」

「ほんと!?いつきてくれるのかなー」

「後でな」

 

榛馬(はるま)をテキトーにあしらいながら鞄を部屋に置き、晩飯を食べる。

 

「榛馬、何かいい事でもあったの?」

 

先程までとは全く違う榛馬(はるま)の様子に母さんが尋ねる。

 

「うん!あのねあのね、こんどカエルのおねーちゃんがくるんだって!」

「それは良かったわね榛馬。翔は今日学校で変わった事あった?」

 

特に何も無かったと言うと母さんは「そう」とだけ言って手を動かす。

 

「ごちそうさま」

 

俺は食器をシンクに持っていった後部屋に戻って動画を観る。およそ10分後、食べ終えた榛馬(はるま)がドアを勢いよく開けて部屋に転がり込んでくる。

 

「ねえねえ、カエルのおねーちゃんいつきてくれるの!!」

「んな大きな声で叫ぶなっての……」

 

榛馬(はるま)のかなり大きな声量で耳を塞ぎたくなる。

 

「あー、いい子にしてたら一週間後には来るんじゃねーの?」

「いいこにしてまってる!!」

「じゃあ晩飯に入ってたピーマンを残さず食えよ?」

 

榛馬(はるま)の言葉にそう切り返すとうっという声が漏れる。いい子にすると言った手前破る訳にはいかず、「わ、わかったよ…」と言ってリビングへと戻っていった。

 

「さてと、いつ頃か言っておくか……」

 

linnを立ち上げカエルのおねーちゃんこと早苗という子に一週間前後は大丈夫か訊くと大丈夫だと返信が来る。

 

「これで一先ずは安心かな」

 

ここ数日の悩みの種が解消出来たから今夜はぐっすり眠れそうだ。




会話文スタートってなんだか始めやすいんですよね
もしかしたら次回は短いかもしれないです
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