少女が歩む道   作:霧熊童子

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章ごとに分けた人物紹介というのもありな気がしてきた

―――修正報告―――

諏訪子との会話と最後付近の会話を追加
(2/12時点)


風祝

最近祖父が慌ただしい。慌ただしい理由を尋ねてみたらもうすぐ諏訪大社で御狩神事があるらしくその準備で忙しいらしい。

そして昨日祖父から、文献を読みたい時は勝手に入って読んでも良いと言われたので今日早速読むことにする。

祖父の部屋に入りちゃぶ台と座布団を出しお目当ての文献を探す。

 

「えーっと、これかな…?あ、あった」

 

ぱらぱらと捲り、目当ての文献を見つけた私は座布団に座る。

 

「諏訪子様と神奈子様に話を聞いたら早いのだろうけど…」

 

神代の時代に敵対してたという事もあって過去のことは聞き辛いのだ。

神職に関する文献を見ていると以前祖父が言った初代の東風谷一禮(かずのり)以外にも名前が出てきており分からなくなる。

 

「系図はどこかなー…あったあった」

 

神職に関する文献と東風谷家の系図を見比べながら読んでいく。

 

 

 

 

 

「あれ?風祝の所、東風谷晃泰(あきやす)って人から空欄だ……なんでだろ…?」

 

独り言を呟き、うーんと唸っていると後ろから突然、

 

「東風谷晃泰(あきやす)、久しぶりに聞いたよ」

「ひゃあ!もー居たなら言ってください諏訪子様!」

 

いつの間にか諏訪子様がおり、私は思わず驚く。

 

「さっきの早苗の反応可愛いなー」

 

そう言って諏訪子様は微笑みながら私の頭を撫でる。

 

「冗談言わないでくださいよ、もー」

 

これは祖父同様ネタにされたなーと思いつつ

 

「諏訪子様、東風谷晃泰(あきやす)って人はどんな人でしたでしょうか?」

「晃泰《あきやす》かー。簡単に言ったら早苗みたいに私達と会話出来た人かな」

「そうなんですか!?東風谷一禮(かずのり)も風祝に就いてたみたいですけどもしかして…」

「そうだよ。一禮(かずのり)も私達が見えてて意思疎通も出来たよ」

 

諏訪子様が言ってることが本当なら風祝に就いてた人は私みたいに2人と姿が見え、こうして会話出来た人ということだろう。東風谷晃泰(あきやす)から風祝に就いてる人がいないという事はつまり現れていないということだろう。

 

「そういえば諏訪子様、風祝というのはなんでしょうか?」

「もうじき諏訪大社で御狩神事があるよね?御狩神事はお供えして暴風を鎮めてもらうという神事なんだけど風祝はそれを執り行う神職だね。系図と比較してたなら分かってると思うけど風祝は東風谷の、しかも極一部の人間にしかなれないのさ」

「私みたいに諏訪子様達が見え、こうして会話が出来る人のみという事でしょうか?」

 

さっき辿り着いた結論を言ってみるとそうだよと返ってきた。

 

「ところで早苗は何故私達が見えるか、その理由を知ってる?」

「神様の血を引いてるからじゃないのでしょうか?」

 

今まで聞かされてきたことをそのまま言う。

 

「そう。けど時代が過ぎ、人と結婚を重ねるにつれて身体に流れている神の血は薄まっていくんだよ。私達の存在を感じ取れるくらいだったら神の血の影響がほんの少し出ただけ」

「じゃあ…私や、ご先祖さま達は………」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だよ。それも()()()()()()()()()のね。ただ、早苗の場合は少し特殊なんだよね。今まで強く出る人は生まれた時からだった。けれど早苗は…」

「突然見えるようになった……」

「そう。何故突然見えるようになったかわからないけどねー」

 

諏訪子様が笑いながら言う。

 

「ついでに早苗の疑問に答えると風祝は血の影響が強く出た人しかなれないから空欄なのと、あまりにもその空白の期間が長いため神官達からも忘れ去られてるんだよ。晃泰(あきやす)の後にも見える人が居たけどその人は風祝に就かなかったからね」

 

諏訪子様の話を聞きながら私が就くのは筆頭神官ではなくて、この、忘れ去られた風祝にあるのではないかという気がしてきた。

 

「諏訪子様、私は風祝になるべきなんでしょうか?」

「早苗がなりたいようになればいいと思うよ。風祝になってもならなくてもやることは結局変わらないし」

「諏訪子様、ありがとうございます」

「早苗の為なら人生相談くらいのるよ」

 

諏訪子様は微笑みながら言ってくれた。

調べ終えた私は文献を元の場所に戻してちゃぶ台と座布団を片付けたあと祖父の手伝いをするために諏訪大社の方へ向かう。

 

 

 

 

 

御狩神事が近づいてるという事もあって諏訪大社は準備で慌ただしかった。中へ入り歩き進め、近くにいた神官に祖父の居場所を尋ねる。

 

「昌幸様は奥にいらっしゃいます」

 

祖父の居場所がわかった私はありがとうと言って奥へと向かう。

 

「おじいちゃん手伝うよ」

「おお早苗か。ありがとう」

 

祖父が持っていた荷物の半分を持ち歩きながら

 

「おじいちゃん、今後のために御狩神事に出ても良いかな?」

「いいとも。今回は他の神官と一緒にいてわしがすることを良く見ておくのじゃよ」

「うん。それともしかしたら私、筆頭神官じゃなくて風祝になるべきなんじゃないかなって気がするの。」

 

私がそう言うと祖父がどうしてだいと聞き返す。

 

「諏訪子様が言っていたけど風祝って言うのは私みたいな人が就いてたんだって。そして長い間空いていたせいで神官たちからも忘れ去られてるって」

「約千年空白だったら忘れるじゃろうな」

「そのまま風祝が存在しなかったことにならない為にも私が就く必要あるのかなって」

「風祝になるかならないか早苗自身が決めればよい。もし就くのであれば専用の服を頼もう」

「ありがとうおじいちゃん」

 

私が感謝を言うと祖父が笑いながら可愛い孫の為と言ってくれた。

祖父の手伝いを終えた私は感謝され、祖父と一緒に家に帰って晩御飯を食べ、神奈子様に昼のことでいじられ、私と諏訪子様はベッドで寝て、かなこ様は絨毯の上で胡座をかきながら私達を見守る。

 

 

 

 

 

諏訪子様と風祝の話をしたからだろうか、不思議な夢を見る。

科学が発達していない頃の日本のような、どこか懐かしく感じる、そんな場所で私は見たことの無い青白の巫女服を着て、私と同じくらいの年で赤白の服を着た頭のリボンが特徴的な少女と戦う夢。

 

 

目が覚めると、どんな夢を見ていたか思い出せないけど夢の中で来ていた服は記憶から色褪せることは無かった。

 




諏訪子様、現時点で皆勤賞説
次回は御狩神事のつもりだったけどどういう風にするものか分からず俄知識で実在する神事を滅茶苦茶にするのも嫌なのでカットします笑(祝詞とかが全く)

早苗は夢幻病ではないです。
そして夢の内容は風神録をイメージしました
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