DRACU-RIOT!~最凶の吸血鬼~   作:TRcrant

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第49話です。

いつもより下ネタが1.5倍多くなっています。
多すぎて、加工するのに苦労したのは、此処だけの話です。


第49話 納得するために

枡形先生によって、僕とエリナは学院長室に連行されていた。

 

「ごめんね、コースケ。こんなことになって」

「謝らなくていいよ。僕の方がうかつだっただけだから」

 

よくよく考えれば夕方起きた時に吸血をすればよかったのだ。

それに気づかなかった僕に落ち度があるはずだ。

 

「一応念のために訊くが、不純異性交遊の事実はあるのか?」

「ありません」

 

枡形先生の問いかけに、僕は即答で答えた。

まったくもって事実無根だ。

 

「そうだよ! あんな短時間で終わるほど、コースケは早○じゃないよ! ワタシも知らないけど」

「ぶっ!?」

 

エリナが援護射撃を飛ばしてくれたようだ。

ものすごい最悪な援護射撃ではあるけど。

 

「そんなことは聞いてないよ!」

「え!? コースケって○漏だったの!? でもダイジョーブ。コースケにはコースケのいいところがあるから」

 

何故だか、勝手にエリナの頭の中で不名誉な称号を与えられてしまった。

いや、そもそも

 

「そういうことじゃないよ?! フォローしてくれるんなら一言でいいんだって!」

 

(何だか、視線が痛い)

 

枡形先生のこちらを見る視線がとても痛かった。

 

「……とにかく、噂は噂と言うことでいいんだな?」

「そうだよ。コースケとエッチなことなんてしてないもん! 逆にしてくれないから欲求不満なんだけど」

「だから、変なことを言わないでっ!」

 

狙っていると思いたくもなるエリナの反論に、僕は強い口調で言った。

 

「えー? エリナは聞かれたことに答えているだけだよ」

「だから、一言余計なんだって」

 

その一言がなければよかったはずのフォローも台無しである。

 

「……だが、お前たちが人気のないところに行っているというのは事実だということだな?」

「それは、嘘じゃ……ない」

 

枡形先生の問いかけに、僕よりも早くエリナが答えた。

 

「では、そこで何をやっていたんだ?」

 

その問いかけに、僕たちは口をつぐんだ。

 

「……言えないことか。別に犯罪行為をしていたわけではないんだな?」

「はい」

 

僕の答えを聞いた枡形先生は頷くと口を開く。

 

「ならいい。だが、理由が説明できない以上それなりの処分は覚悟した方がいい」

「分かりました」

 

枡形先生に呼ばれた時点で、それ相応の処罰を受けるのは分かっていたため、すでに覚悟はできていた。

 

「あの、その処分はエリナだけじゃだめなの?」

「エリナ?」

 

突然枡形先生に尋ねたエリナに、僕はエリナの方を見る。

 

「なぜだ?」

 

そんなエリナに、枡形先生は目を細めて理由を訊く。

 

「だって、コースケは全く悪くないのに、処分を受けるなんておかしいよ!」

「残念だが、それは無理だ。噂は”二人”のことで流れているんだ。二人を処分しないことには示しがつかんだろ」

 

エリナの抗議に、枡形先生は景気の悪い顔のまま切り捨てた。

 

「でもっ! ―――」

「そこまでだ。エリナ」

 

僕はなおも食い下がるエリナの言葉を遮った。

 

「先生の言うとおりだ」

「コースケ!? 何を言ってるのっ!」

 

僕の言葉に、エリナが信じられないとばかりに声を荒げる。

その表情は、いつか見た怒っているときの表情であった。

 

「噂が僕たち恩ことで流れている以上、僕も処分を受けてしかるべき。それに、僕も男だ。自分だけ罪を逃れるようなことはしたくない」

「コースケ」

 

自分でもちょっと気障っぽかったかなと思ってしまう。

それほど、似合いそうにもないセリフだった。

 

「別に二人が付き合うことに目くじらを立てているわけではない。だが、”学院の敷地内”で、そのような行為を行っているといううわさがある以上、動かざるを得ない。それに、妊娠のうわさもあるしな」

「それは、本当にただのうわさですから」

 

説得力がないかもしれないが、僕はその噂に関して否定した。

と言うより、妊娠疑惑というのはか成り立ちが悪い。

 

「それは分かっている。俺からも二人の処分を軽くするようには掛け合ってみるが、話せることだけでもちゃんと話しておけ」

「分かりました」

 

おそらく、処分を軽くすることくらいしか、枡形先生にはできないのだろう。

だからこそ、それはある意味感謝してもしきれないことでもあった。

 

「それとアヴェーン」

「何?」

 

僕から視線を外した枡形先生は、エリナに声をかけた。

 

「あんまり興奮するなよ。興奮して下手に処分対象になるようなことは避けたいだろ?」

「うぅ……りょーかいだよ」

 

エリナに釘を刺した枡形先生は、渋々頷くエリナをしり目に、あるドアの前で立ち止まると、そのドアを数回ノックした。

 

「枡形です。高月とアヴェーンの二人を連れてきました」

「お入りください」

 

枡形先生の呼びかけに、中から男の人の声が返ってくる。

おそらく、その声の主が学院長なのだろう。

そして、僕たちは枡形先生に促らされるまま、学院長室に入るのであった。

学院長室は、普通の学院と同様、アンティーク調の家具が揃えられていた。

その奥の方で、社長椅子に座っているひげを生やした男の人が、ここの学院長なのだろう。

僕は、学院長に聞かれるがまま、学院中に流れている噂について答えていく。

 

「では、今流れている噂はすべてデタラメであり、妊娠もしていないということですね?」

「はい」

 

僕たちの話を要約して確認してくる学院長に、僕は頷いて答える。

 

「妊娠のことについては、病院に問い合わせれば確認できますが、もう一つの不純異性交遊については確認のしようがなく、理由を話していただけない限り、それなりの処分を受けてもらうことになります。それでもですか?」

「はい。説明することはできません」

 

僕は、学院長に杖ていたことをもう一度口にした。

それを聞いた学院長は何とも言い難い様子で目を閉じる。

 

「それでは仕方がありません。お二人には処分を受けてもらいます。二人は一旦謹慎とします。処分は後程――――」

「あの、その処分はエリナだけじゃダメかな?」

 

淡々と学院長が処分について説明をする中、エリナが突然学院長に尋ねた。

 

「それは難しいですね。お二人とも説明をしていただいていないんで、処分は公平にするべきです」

「それはそうだけど……」

 

納得がいかないという表情でエリナは唸っていた。

 

(やっぱり、納得は行かないよね)

 

その後、一旦謹慎となり詳しい処分はまた後日と言うこととなった僕たちは、寮に戻るための支度をするべく教室に戻った。

 

「あ、高月君」

「どうだったんだ?」

 

僕が教室に入ると、一目散に布良さんたちが駆け寄ってきた。

 

「とりあえず謹慎で、詳しい処分はまた後日だって」

 

佑斗君の問いかけに、僕は先ほど学院長に告げられた内容を答えた。

 

「やっぱりそうなるわよね」

「ということは、説明は」

「していないよ。もしできるんなら、皆に話しているって」

 

大房さんの問いかけに、僕はため息をつきながら説明した。

 

「何だか、納得がいってないみたいだな」

「いや、納得はしてるんだけどね」

 

そんな僕の様子を見ていた佑斗君の言葉に、僕は苦笑しながら返した。

 

「だったら、いったいどうしたというんだい?」

「エリナの方が若干ね……」

 

それだけで分かったのか、ニコラは”なるほどね”とつぶやいた。

 

「そういうことは当人間で解決した方がいいと思うよ」

「幸い、話をする時間はたっぷりあるんだからね」

「確かに」

 

布良さんと美羽さんの言葉に、僕は頷くしかなかった。

確かに時間だけはあまるほどある。

後は僕の底力だ。

 

「大人しくしてないとダメだからね」

「ノートは俺の方で取っておくから」

「それだったらボクも手伝うよ」

 

布良さんの注意を促す言葉に続いて、佑斗君がノートを取ってくれると言ってくれたと思ったら、ニコラもノートを取ってくれると名乗りを上げてくれた。

 

「ありがとう。申し訳ないけど、お願い」

 

そんなみんなにお礼を言いながら、僕は寮に戻るべく教室を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何だか、こんな時間に寮に戻るっていうのも不思議だな)

 

学院寮の前に到着した僕は、処分を受けている身だというのにそんなことを思っていた。

とはいえ、人間だったころはとっくに家に戻っている時間なのだが。

 

「うぅー」

「それで、エリナはまだ納得してないの?」

 

いまだに唸り続けているエリナに、僕は声をかけた。

 

「当然だよ。だって、コースケは何も悪いこともセッ○○もしていないのに」

「だとしても、しょうがないでしょ。僕たちにも噂を立てるようなきっかけになる行動をしたという非があるんだから」

「でも……」

 

僕の言葉に、納得がいかない様子で食い下がってくるエリナに、僕はさらに言葉を続ける。

 

「納得するしかないんだよ。こういう時は」

「成程、納得できるようにすればいいのか」

 

僕の言葉に思うところがあったのか、エリナは何やらつぶやいていた。

 

「コースケ、早く中に入ろうよ」

「あ、ああ。分かったからせかさないで」

 

僕は腕を引っ張りながら急かしてくるエリナにそう言いながら、寮に入った。

 

「さてと、謹慎とは言えどうするかな……」

「ねえ、コースケ」

 

謹慎になるのが初めてだったため、何をしていいのかに戸惑う僕に、エリナが声をかけてきた。

 

「何?」

「あのね、コースケ。エリナね、とてもいいことを思いついたの。い・い・こ・と♪」

「そ、そうなんだ」

 

先ほどまでの納得がいかないと唸り続けていた様子のエリナの姿は微塵もなかった。

それよりも、何だか雰囲気が変わっているような気がする。

 

「エリナで、やっぱり今回のことには納得ができない。コースケにこんな目に合わせた自分に腹がたつの。だからね」

 

自分に怒っている様子で、エリナはいったん言葉を区切った。

 

「コースケ、エリナと○○○クスしよ」

「……………………はい?」

 

エリナの言葉に、一瞬時間が止まったような錯覚を覚えた。

 

(い、今のは幻聴だよね)

 

先ほどまで不純異性交遊関連の話が話題になっていたため、そういう風に聞こえてしまっただけだ。

僕は自分にそう言い聞かせた。

 

「ごめん、もう一回行ってもらってもいいかな?」

「だから、セ○○だってば、○○ス」

 

どうやら僕の聞き間違いではなかったようだ。

本当に言っているようだ。

とはいえ……本気なのか?

 

「あ、ごめんね。いつもの下ネタだったんだね。ちゃんとツッコミを入れないと………ゴホン。何でいきなりそうなるんだよ!?」

 

僕はエリナの意図を悟って、少し遅いがツッコミを入れた。

 

「違うよ、ネタじゃなくて本気だよ。というより、エリナに何度もセッ○○と言わせるなんて、コースケはむっつりなんだから♪」

「いや、そういうことじゃないから。と言うよりちょっと待って、整理するから」

 

僕は混乱している中、エリナにそう告げると、同じく混乱状態にある頭をフル回転させて考えた。

僕たちは、血を提供している際に姿を消したりしているために不純異性交遊を疑われた。

それによって処分を受けることとなった。

ここまではいいだろう。

ちゃんと僕自身も納得がしている。

でも、帰ってきた途端、いきなり恋人からそういったことをしようと言われる。

 

「………」

 

(ダメだ、さっぱりわからない)

 

考えてみても、理屈がわからなかった。

 

「一体どうしてそうなったのか、説明して」

「だからね、エリナ達はエッチなことをしたっていう、”フジュンイセイコウユウ”を疑わられているんだよね?」

「うん、確かにそうだね」

 

理論を説明し始めたエリナの問いかけに、僕は頷くことで相槌を打つ。

 

「でも、エリナ達はそういうことをしていないのに処分を受けることがワタシには納得ができない。だから、発想を逆転してみたの」

 

(発想の逆転?)

 

一体どういう逆転なのだろう?

 

「今ここで、○○スをして納得できるようにすればいいと思ったんだよ。どう、このアイデア? いい考えでしょ! ヤバイ、エリナ天才かも」

「………………………」

 

呆れたあまりに言葉が出なかった。

エリナの理屈はさっぱり意味不明だった。

なぜ、そこで発想を逆転させる必要があるのだろう?

だが、一つだけわかったことがある。

エリナは完全にアホだ。

僕の恋人はアホだということに。

 

「だから、○○すしようよ、コースケ」

「ちなみに、これ以外の納得する方法は?」

「ないっ!」

 

きっぱりと断言されてしまった。

 

「もしかして、コースケはエリナとするのが嫌なの?」

 

不満げなエリナの表情に、僕はどう答えればいいかを迷った。

確かに、そういう行為をするのが嫌なわけではない。

僕も一人の健全な男子と言うわけなのだから。

でも

 

―――それで、良いのか?

 

このまましてもいいのだろうか?

 

―――お前は、認めるのか?

 

隠し事をしている僕に、それをする権利はあるのだろうか?

 

―――認めない、認めてはいけない、ユルサナイ

 

そうだ、やはりだめなのだ。

 

「ッ!」

 

僕は、すぐさま右手をエリナの方に掲げる。

 

「え? コースケ一体何を―――きゃぁ!?」

 

僕はエリナを能力で軽く後ろの方に吹き飛ばした。

距離は大体50㎝ほど。

 

(っく。ちょっとめまいが)

 

ヴァンパイアウイルスを犠牲に能力を使用したため、一瞬めまいのようなものが起こるが、それは一瞬で収まった。

 

「コースケ、どうして」

「やっぱりだめだよ、こういうのは」

 

悲しげな顔で僕に声をかけてくるエリナに、僕はきっぱりと拒絶した。

 

「こういうせっかくだからというような感じでするのは、僕はいやだ。エリナとそういうことをしたいと言うのは本当だよ。でもね、僕にはまだそれをする資格がないんだ」

「何を言ってるの? コースケは、エリナの恋人だから、あるに決まってるじゃないっ」

 

僕の言葉に、エリナが反論してくる。

 

「僕は、エリナに隠していることがもう一つだけある」

「え?」

 

突然の告白に、エリナは目を丸くした。

 

「でも、僕は今それを話す気はない。僕自身にまだそのための覚悟がないから」

 

それは、僕がライカンスロープであること。

これを隠したまま、そのような行為をするのはどうしても憚られたのだ。

 

「だから、そういうのをするのは僕が最後の隠していることを話してからにしてほしいんだ」

「………本当に、話してくれるんだよね?」

 

不安げな表情を浮かべながら聞いてくるエリナ。

 

「もちろんだ。この命にかけて、誓うよ」

 

僕は、自分に言い聞かせるようにエリナに誓った。

 

「……分かったよ。ちょっと、悲しいけど、コースケが話してくれるまで我慢―――」

「まだ話は終わってないよ」

 

僕は、渋々納得してくれるエリナの言葉を遮って、そう言葉を続けた。

 

「え……いったいどういうことなの?」

「そういう行為はできないけど、これぐらいだったらできるんだよ」

 

そう告げて、僕はもう一度能力を行使した。

今度は先ほどとは逆の作用。

エリナの身体を僕の方に引き寄せたのだ。

 

「きゃ――――んーーーーー!?」

 

エリナを受け止めた僕は、そのままの勢いで彼女の唇に自分の唇を重ねた。

それは、いわゆるキスであった。

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