美竹さんはこんなに可愛いんだよ? 作:┌┤´д`├┐
鬱憤はまた後で。
新しい朝が来た、希望の朝だ、っと。
窓から差し込む鋭い日光が、俺の眼球にクリティカル。
たまらず体を起こそうとするものの、何故かその体は動かない。確かに眠い時なら、意識に反して二度寝を決め込む事だって多々ある。だけどこれは違う。物理的に身体が動かせないのだ。
ってか、待て。
手はおろか、足も動かせねぇ…。何かが絡みついてて身動きが取れん…。どういう事だ…、何が不調なのだっ!引くも押すも出来ないっ…。
「ぅぅん…、暴れないでよ…」
「…は?」
なんで背中の方から蘭の声がするの…って。
あっ、そっか…。俺昨日蘭と同じベッドで寝てたんだ…。
んっ…!?はぁ!?
「おい起きろぉぉぉぉ!!?」
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蘭達が喧嘩をしてしまってから、一週間。
みんなの仲を取り持って、話し合いの場を設けることができた。
蘭と巴は、そこで思いの丈をぶちまけた。そうして言い終わったあとにはみんなで抱き合って泣き始める。
それも、割といつもの流れのような感じがするな……。
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「あっははは!響介の真っ赤っかの顔!朝から良いもの見れたよ…!」
「全ては昨日断りきれなかった俺が悪いんだ…!」
「あれ、いきなりなんの話?」
2人で俺の家から学校への通学路を歩いていた。手を繋いだりはしてない。それは恥ずかしいとか、俺達らしくないってのもあるけど、そんな事しなくたって俺達は十分に通じ合ってるってお互いが認識しているから。
あれから、俺は恥ずかしくって仕方が無かったから、紅い顔のまま蘭を引っぺがした。あ、寝ぼけてた蘭の顔はすっごい良かったです。
でも異常だったのはそこだけ。それからはいつも通り、蘭が作る飯を食って、制服を着て、ワックスで頭を整えてから2人で家を出る。最初のアレ以外は全部いつもの事。アレだけなら、今更ドギマギするようなことでも
無かった…のかな?
「まぁまぁ…、でも響介も嬉しかったでしょ?」
「何が」
「あたしと一緒に寝れて…」
「…頬染めながら言ってんじゃねぇっての…」
「そりゃあ、あたしだって…勇気出したし…、さ…」
「慣れない事はするもんじゃねぇや…。俺も、蘭も」
「う、うん。そうだね…」
そう言って、蘭は屈託のない笑顔を見せてくれる。これだけで、俺は今日もなんだかんだ頑張れるって、そう思えるようになるんだ。
――実際の所、すっごく嬉しかったんだ。いっつも奥手な蘭があの時だけは自分のしたい事を言ってくれて、素直な気持ちを伝えてくれて、ホントに忘れられない思い出になったなぁ…。
「…学校でもあれくらい素直になってくれればいいのになぁ…」
「それ、聞こえてるから」
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そのまま2人でクラスに入れば、クラス中の男子・女子から「今日もお熱いねぇ!」だとか、「イチャイチャしてんじゃねー!」とか、ヤジを飛ばされながら席に着く。俺はさすがに慣れたけど、蘭はまだまだ慣れてない様子で耳の方が赤く染まっていた。
蘭は基本的に人付き合いが得意ではない。では何故こんなにもクラスから持て囃されているのか。一応言っておくが、俺はクラスの中心的人物という訳では…、無い。ただ少しばかりコミュ力が平均以上に高いってだけだと思う。
じゃあ何故かって言えば。それは蘭が組んでいるガールズバンド、『Afterglow』の影響だろう。初めはほとんど知られていなかったのに、たまたま居合わせたクラスの1人がそれを暴露。そういう情報は女子の間で素早く伝播。大多数の女子が話していれば、自然と男子もその話題が生まれてくる。
――って事で、蘭のことは一躍学校中で有名になって、それと同時にいつも蘭と一緒にいる、訳分からんちんちくりんの存在まで明るみに出てしまったって訳。
あ、はい。俺ですごめんなさい。
ただ初期は荒れていたけど、今は学校公認のカップルみたいな感じで持て囃されているって事で今は落ち着いている。
授業中にうとうとしている蘭の背中を突っついて起こすと、怒ったように振り向いてほっぺをつねってくる。痛いけど可愛い。その光景を先生に指摘されて蘭は机に顔を伏せる。そうしてクラスからは笑いが起こる、っていうのが一連の流れみたいに成りつつある。
お昼は蘭の作ってくれた弁当を、蘭の幼なじみである5人と一緒に食べる事も、もはやお馴染みの光景。
「はぁ…、すっげぇよなぁ…。あの蘭が響介の前ではあんなにしおらしくなっちまうだぜ?」
「はぁ〜…、私も響介君みたいなカッコイイ人と付き合ってみたいな〜…」
「俺がかっこいいとかちょっとやめてくれません…?」
「きょーくーん、パンは〜?」
「あー…悪いなモカ、俺の今日の昼飯も蘭の弁当なんだよ」
「おうのーう、しょぼぼぼ〜ん…」
「ら、蘭ちゃん凄いね…。もう響介君の胃袋掴んじゃってるんだ…」
「ごめんつぐみ、凄い真面目な顔して言うのやめて…。恥ずかしい…」
そうして放課後はと言えば、蘭がバンドの練習がある時はそれに付いていくか、普通に家に帰る。
じゃあバンド練が無いって時はどうするのかと言えば。
「あれ、この単元とかちゃんと授業聞いてればわかると思うんだけど…」
「ちょっと分からなかった…」
「うん、分からないことは誰にだってあるよな。仕方ない…」
「そうでしょ?」
「でもさ、流石にこの基礎問題位は出来るでしょ!?ホントに授業聞いてた!?」
「あ…、えっと…。…ごめん、寝ちゃってた…」
「…はぁ、でも正直に言ってくれたから許す。それじゃあこの基礎問題から始めようか」
「うん、よろしくお願いします…!」
例えば今日ならば、羽沢珈琲店のいつもの席で二人並んで勉強していたりする。他の日だったら本屋に寄ったり、商店街をぶらついたり、まぁいろいろやってる。楽器屋に付き添ったりもしたなぁ。
隣でうんうん唸っている蘭が開いている教科は数学。確かに勝手な想像だけど、出来なさそうな感じがするな…。あとひまりとかも出来なさそう、というかひまりは勉強とか何もして無さそう。授業は寝るのが当たり前とかざらかも知れない。…クラス違うから、無責任な事はあんまり言いたくないけど。
「これで、どう?」
「………、うん。やれば出来るじゃないの。そういう事だよ、この出てきた解を公式に代入すればいいの」
「よく分かった…、ありがと」
「いいえ、どういたしまして」
「響介の教え方、先生よりも分かりやすかった」
「そ、そうだったかな…。俺としては一生懸命だっただけだしなぁ」
「うん、すごく分かりやすかった。えっと、だから……また、よろしく…ね?」
「任せて!って言いたいけど…。俺のお世話にならないように、まずは授業中起きてちゃんと授業聞いてね?」
「うっ…、うん…。頑張る…!」
そうして、今日も一日が過ぎていくのでした…。
確かに拙い文章だとは思うんです。それでもこんなSSに評価をくれたり、お気に入りしてくれて。作者としては嬉しい限りです。
それがたとえ低い評価でもね。
何が至らなかったのかっていうコメントが欲しいとは思います。だから必ずとは言いません。なにか一言でも構いません。アドバイスを頂けると幸いです…。