吾輩は北山雫である。   作:風早 海月

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反撃する魔法科高校

小野先生からの情報で、目と鼻の先にある廃工場がヤツらの拠点だということが分かり、突入班を編成する。

 

学校に残らなければならない責任者と警備担当者として、七草会長と渡辺委員長が残ることになった。

 

よって、司波達也、司波深雪、十文字克人の3人は言い出しっぺの法則―と言うよりは自主的に参加。

さらに、西城レオンハルト、千葉エリカ、桐原武明の3人も参加を申し出る。

 

さて、私とほのかはどうするべきか…本来の物語ならばこのまま帰宅だろうが、そもそも原作ならこの部屋にも来ていないはずなのである。

さて、どう動こうか。

 

「…私も行かせてください!」

 

考えているうちにほのかが立候補した。

 

「だが、今回は攻勢に出るんだ。君の能力では直接戦闘には向かないだろう?」

「私もついて行きます。それではどうでしょうか?」

「……雫、サイオンが枯渇寸前じゃないか?」

 

十文字会頭の言葉に、思わず言ってしまったが、すぐに達也さんから制止が入った。

 

「…なんでそれを?」

 

実は、森崎と別れてからレオと合流するまでにアンティナイトを持つ銃火器で武装したテロリスト15人と単独で交戦していて、いつもよりサイオンを流す量を増やして魔法式のサイオン構成量を増やして無理やり魔法を連発してから、図書館棟前の戦いに参加したため、図書館棟前ではドライブリザードという比較的燃費の良い魔法を使わざるを得なかった程には消耗していた。

 

「雫、悪い事は言わん。残れ。」

 

無表情で告げる達也さんだが、その瞳は既にこの部屋には向いていない。

 

「ドライブリザードならまだ使えるし、切り札も数回ならまだやれる。」

 

フォノンメーザーはまだ使える。さらには『あれ』もまだ使える。

 

「北山、お前は確か出力が売りの振動系が得意だったな?」

「はい。」

「司波、連れて行け。戦力にはなる。」

「…分かりました。」

 

お兄様にとっては今の私とほのかは戦力にはならない―とでも思っているのだろう。

だが、まだやれる。『この人の“あの眼”は万能でない』という事だ。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「司波、お前が言い出したことだ。お前が指揮を執れ。」

 

装甲を配置した4WDの運転席に座り装甲車を爆走させる十文字会頭。

 

「了解。俺と深雪は正面、会頭と桐原先輩は後ろから、レオとエリカは退路の確保、ほのかと雫はジープで固定砲台だ。正面の門はレオの硬化魔法で車ごと突っ込む。」

「オーケー!パンツァー!」

 

既に、すぐ目の前に門が来ている。レオの硬化魔法は装甲や車のフレームを全て『固定』した。

 

門を突破した車は直ぐに止まらざるを得なかった。

 

「おいおい、既に歓迎ムードかよ。」

「やる気満々ね。」

 

外の敷地には土嚢のバリケードと重機関銃や小銃でこちらを捉えていた。

 

「会頭!」

「ぬぅ!」

 

十文字会頭が咄嗟に一定質量以上の物質を通さない障壁魔法を展開した。

 

「レオ、硬化で突っ切れるか?」

「車ごとはきついな。」

 

既に十文字会頭の障壁魔法に大量の弾丸が当たっている。

 

「レオ、個人でいい。バリケードの内側に入り込んで暴れろ。…雫、弾を防げるか?」

「可能。」

「よし、それなら、会頭は障壁を展開しながらレオに続いてください。その陰に桐原先輩が続いて内側で暴れてください。エリカと深雪はジープの陰で後ろを警戒。」

「了解!」「分かった。」「かしこまりました。」

 

「GO!」

 

達也さんの合図でレオと十文字会頭、桐原先輩がバリゲードに突っ込む。

 

私は障壁魔法を振動発散複合系で発動した。

当たった弾が一瞬で高温になり蒸発した。

 

「達也さん、後ろに大っきい大砲が!」

 

光波振動系魔法で奥を見ていたほのかが大砲を見つけた。

 

「大砲?……まさか!こんなものまで持ち込んでいるのか!」

 

達也さんは『あの眼』で見たらしく、驚く。

 

「ほのか、見して。」

「うん。」

 

その大砲は第3次大戦時に対魔法師用に作成された、ハイパワーライフルの前の対魔法師用兵器『ピアーズキャノン』だった。

 

要は、魔法力で防げない程の運動エネルギー(質量と速さ)で撃つ砲だ。

 

十文字会頭クラスの障壁魔法でなければ防げはしない。

 

「!」

 

私は装甲車の上に上り、正確な位置を目視すると、特化型CAD White Snowのマガジンを交換する。

 

「決める!」

 

サイオンを流しつつ引き金を引く。

 

パルス波エアブリッドでは無い、『晒してもいい』魔法では最強の破壊力を誇る魔法を発動した。

 

「……フォノンメーザーか…!」

 

達也さんの声が感心するような声だった。貸一つだ。私が撃たなければ、分解を使っただろうからね。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「暇だなー。」

「暇だねぇ〜。」

「暇だな。」

「はぁ…暇。」

 

外の担当4人の心の声だった。さっきの戦闘が嘘のように何も起こらなかった。中も1度も銃撃の音もない。圧勝している証拠である。

 

そもそも室内遭遇戦でお兄様に勝る人間はいないどころか、深雪の凍火なら銃火器を止めることが出来る。まあさっきは人が多かったから、達也さんの『眼』を晒したくなかったんだね。

 

結局、十文字家の後片付けが来るまでは何も起こらなかったのであった。




入学編のメインストーリー、完

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