吾輩は北山雫である。   作:風早 海月

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私は、お母さんを超える。中編

「おめでとう!雫!」

「まさか深雪に勝つとはね…」

「びっくりしたよ!」

「すごかったよ☆」

 

ほのかとスバル、エイミィ、菜々美が口々に褒める。

 

首席で入試成績も高くて、それこそアイス・ピラーズ・ブレイクは深雪が優勝して私かエイミィが入賞すれば御の字みたいな感じでの配置だった。

もちろん、7月の定期試験での実技でも負けている。なのに、私は勝った。

この快挙を一高の新人戦女子メンバーはよく分かっていた。

 

「ほのかも、バトル・ボード優勝おめでとう。」

「うん!ありがとう!さっきみんなにも言われたよ!」

 

ほのかは私に抱きつきつつ耳元で叫ぶ。興奮し過ぎ。

 

「ほのか、耳痛い。」

「ご、ごめん。」

 

あははは、とエイミィとスバル、菜々美、和美の四人は笑う。

 

「ねえ、雫、そろそろ着替えに行かない?私、そろそろ寒いし、少し恥ずかしいよ。」

 

ほのかはバトル・ボードを優勝してからすぐにジャージを羽織っただけで雫の応援に来ていたため、羽織っただけのジャージの下にたわわに実った2つのメロンを始めとした体のラインがくっきりである。

しかも、バトルボードのユニフォームは薄手(かなり薄い)のウェットスーツであるため、結構ピッタリとしているのだ。

 

「大丈夫だよ。ほのか、スタイルいいから。自慢出来る。」

 

と私は親指を立てて励ましておいた。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

ほのかがシャワーを浴びてるうちに、私はホテル内のカフェスペースに向かった。

 

すると、私の探していた人達がいた。

達也さんと深雪だ。

 

どうやら、慰めてもらうついでに桃色空間を作り出して周りの人達に砂糖を吐かせていたようだ。

 

「達也さん。」

「雫か。優勝おめでとう。まさか深雪に勝てる魔法師が同年代にいるとは思わなんだ。」

「ありがとう。」

 

そう言いつつ私は達也さんと深雪をテーブルに挟んで、座る。

 

「ホットのミルクココアをタンブラーでお願いします。」

「かしこまりました。」

 

九校戦の施設であるこのホテルでの飲食は全て軍の施設からお金が出るのでありがたい。

ウェイターに注文を伝えて、改めて達也さんと深雪の顔をみる。

 

「2人に…というか、達也さんに話があるんだ。ここだと誰かに聞かれてもおかしくないから、後で達也さんの部屋に行ってもいい?ほのかにも聞かれるとまずいから。」

「…吹雪になるぞ?」

「お兄様!私でもそこまでじゃありません!」

 

お兄様が最近ギャグ補正がかかっているように見えるのは気の所為かな?

 

「深雪もいてもいいよ。別に深雪なら聞かれても問題ないよ。」

「じゃあ、後でいつものメンバーで集まった後に、一緒に行きましょ?お兄様もよろしいでしょうか?」

「ああ。あまり遅くなるなよ、深雪、雫。」

「かしこまりました。」「うん。」

 

ココアをウェイターから受け取り、席を立つ。

 

「じゃあまた後でね。」

 

と、私は歩きながらココアの入ったタンブラーを見つめて、ほのかの微笑む顔を思い浮かべるのだった。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「ごめんなさい、遅くなって。」

「ううん、いまさっき集まったところだよ。」

 

新人戦女子メンバーのうち、私、ほのか、エイミィ、スバル、菜々美は九校戦会場に来てから、ほぼ毎日お茶会をしているが、深雪や和美や紅葉の3人もたまに来る。

今日は深雪も来ている。

 

「それじゃあささやかながら、ほのかと雫の優勝と深雪の準優勝にエイミィの3位入賞を祝して…」

『乾杯!』

 

凄いことに、ここにいる全員が入賞者だ。しかも…

 

「いやぁ、やっぱり凄いね、司波君は。ここにいるみんな、司波君の恩恵を受けてるね。僕もやっとその恩恵に浴することになるな。」

 

スバルは少し口角を上げつつ、肉食獣が獲物をロックオンしたような目と雰囲気を醸し出す。

 

「明日はほのかとスバルのミラージですものね。頑張ってね。」

「ああ、負けるつもりはないさ。僕にも司波君がついてくれるからね。」

「ドキドキするけど、精一杯やるよ!」

 

ほのかの朗らかな声と表情には、バトル・ボードで見せた自信のなさはなかった。

私はほのかに伝えられたのかな?勇気と情熱を。

 

「がんばって、ほのか。」

「うん!」

 

私が激励すると、ほのかは満面の笑みで頷いた。

 

「負けるな!スバル!」

「やっちゃえ、スバル!」

「任せなよ。」

 

テンション高い組(菜々美、スバル、エイミィ)のハイテンションには深雪もほのかも苦笑いである。

 

「ミラージは衣装がかわいいんだよねぇー。」

「うん。体のラインは出るけど、ひらひらしてて…本当に妖精みたいだよね。」

「同じラインの出る服でも、ウェットスーツとは違うなぁ。ちょっと恥ずかしかった…」

 

ピチピチしてて薄手だからね。

私は恥ずかしげに手を合わせていたほのかの両手を、私の両手で包んで顔を近づける。

 

「大丈夫だよ、ほのか。ほのかのラインは自慢出来るって、さっきも言った通りだよ。」

「ありがとう。」

 

困り顔でも笑いながらほのかは答える。

そこに、ふむふむという顔でエイミィが付け加える。

 

「確かに素晴らしいたわわだものね!」

 

エイミィの目がキラんと光る。

 

「もませろー!」

「きゃあぁあ!!」

 

ほのかに飛びかかるエイミィ。

その間に割って入って、エイミィの顔にペシっと張り手を打つ。

 

「だめ。ほのかを揉んでいいのは私だけ。」

 

そう、もう誰にも渡さないのです。

しばらくは私だけのご褒美枕なのです。

 

 

 




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