お家デート。
それは、カップルがどちらかの家に行くデートのことを指す。
……あれ?ほのかってしょっちゅうウチに来てるけど、お家デートに当たるのかな?むしろいつも通りな気がする。
と、ほのかに話したら、
「いつもとは違うことをしよう!」
という話になったのだけど……
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「じゃあ何する?」
「何しようか…」
考えると、案外家での付き合い始めてからとその前との差異がほとんどないことに気づいた。
「そ、そういうことしか思いつかないよ…」
「ほのかったら…エッチ。」
この時にポッと赤くなって恥じらう表情にすれば完璧なのに、私の表情筋はほとんど動かずに目がニヤリと笑う。
「し、雫だって、中学生の頃からお泊まりの時に夜2時頃1人でシてるの知ってるんだからね!」
「ふふ、それに顔真っ赤にしながらも手を動かしてるほのかのことも私はしってるんだけどね…」
「ちょえ!?なんで!?」
「なんでって…私はその頃からほのかを“オカズ”にしてたから。」
とりあえず、こんな話しかしてなかったで、1時間ほど飛ばすことにする。
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「じゃあ、桜夜にお菓子でも教えて貰いに行く?」
「それもいつもと同じだよぉ。」
あ、ごめん。もう1時間飛ばします。
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「分かった!バドミントンしよ?」
「いいね!」
「ちょっとまってて。桜夜ー!」
「はい。」
「バドミントンをしたいんだけど、用具ある?」
「はい。公式試合に使える用具1式は揃っています。あとはラケットですが、お2人が好きなものを選んでいただけます。」
「じゃあお願い。」
「かしこまりました。」
ちなみに、桜夜は呼ばれた瞬間には私の前に現れて、用を言い終わると、直ぐに消える。
擬似瞬間移動かな?でも魔法らしい感覚はないんだよね…
「い、いつ見ても桜夜さんって凄いね…」
「あの瞬間移動だけは多分達也さんでも見えないと思う。」
北山家には体育館(体育室?)も存在する。
バドミントンコート3面分、バスケコート1面分、バレーボールコート1面分の体育館が存在する。
ちなみに、その体育館やその他施設は、使用人も休日や就業時間外に使うことが出来る。(ちなみに、使用人がいればその友人も連れてこれる)
「お嬢様方、準備が整いました。ラケットも体育館にあります。」
「分かった。」
また桜夜が瞬間移動したかの如く、出現する。
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既にバドミントンコート3面分全てにネットが張ってあり、床には特殊樹脂のシートが敷かれていた。
「あれ?麻衣?」
「お待ちしておりました。お嬢様方。ただいまラケットをお持ちします。」
いつものメイド服姿ではなく、手足を晒した色気たっぷりのスポーツウェア姿の西崎麻衣がいた。彼女は5人のメイドの中でNo.2に当たり、主に寝室の調整を担当するチェインバーメイドである。まあ近年にそんな職種分けはあまり意味は無いけど。
「なんで麻衣が準備しているの?」
「麻衣は2年前中学生バドミントン大会全国優勝の経験がありますから。」
「なにそれ、聞いてないよ。」
桜夜と私が話している間にほのかはラケットを決めたらしい。
トップライトでテンションは23ポンド、5U6の重さとグリップ。かわいらしい白と赤が基調となったラケットだ。
私はトップヘビーでテンションは27ポンド、4U5の重さとグリップ。薄緑に黄色を基調としている私らしい(?)色だと思う。
半袖にショート丈のスポーツウェア(麻衣と同じ型)に着替えてまずはアップから。
「準備運動の後は2往復ダッシュ、2往復目は全力で。その後にバックダッシュ。最後に前後スキップで合計5往復します。」
足腰に怪我をしないように先に走る。麻衣なんかは今でももっとアップをすると言うけど、それを私たちがやるとそれだけで疲弊するのでこれだけ。
「まずは私が上げるので、こちら側に返してください。」
いつの間にか、アップと言うより練習になっているが、気にしちゃいけないだろう。
クリアー、ドライブ、ロビング、ドロップ、ヘアピンと、教えて貰いつつ打ち分けていく。
「よし、それじゃあ試合形式でやりますか。」
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私とほのかの試合形式。
21点先取の3セットマッチ。
1セット目は21-14で私が取り、2セット目は24-26でほのかが取った。
そして、第3セット。
29-29。
次の1点を取った方が勝ちだ。ここまでゲーム途中の1分の休憩とゲーム間の2分の休憩しか取っていない私たちの体力はほぼ尽きていて、汗がウェアにベタベタとして肌につく。
「29マッチポイントオール。」
麻衣の宣言の後、ほのかのサービス。
ルール規定のシャフトが下向きでなくてはならないルールの中でサービスはギリギリまでハイスピードなサービスを生む。
ほのかがホームポジションに戻りかけているのを見て、動いている反対側、つまりサービスを打った側のサイドを狙う。
フォアのサイドで打ったシャトルはほのかの動く反対側へ。
ほのかはその場で足を踏ん張ってバックハンドでラインに沿って打ち返す。
逆方向に飛んで来た球をドライブでほのかのコートに返す。
すると、ほのかもドライブで返す。
こうなるとドライブの応酬である。どちらかがミスをするまでの。
と、思わせておいて、私は少し浮き上がってしまったほのかのドライブをオーバーの高い打点でスマッシュを打つ!
わけではなく、そのインパクトの瞬間にフッと力を抜いてふわりとコート前に落ちる球を打つ。
ほのかの中では、ドライブかと思ったらスマッシュの構えをされてドロップが来たと、思わせられているはずだ。
ロビングで対応を何とかしたほのかの打球は甘く、そのままドライブをコートの後ろ側に打ち返すとほのかは間に合わず、私の勝ちとなった。
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北山家のお風呂は銭湯程に大きい。さらに個室のシャワーブースやサウナもある。
とは言え、使用人は専用の浴場があるので使わない。なので、ここを使うのは北山家とほのかと客人だけである。
脱衣所でウェアを脱ぐと、ヒヤッとする。汗が気化して体温が奪われる。
体を動かす時のためのシンプルな下着を上下ともに脱いで生まれたままの姿になると、鏡に映る自分のスタイルに少しだけ肩を落とす。
「大丈夫だよ!雫だってまだ成長の余地はあるよ!……きっと。」
「きっとって言ったね…」
私たちがシャワーブースに入ろうとすると、2つあるシャワーブースのうち1つが『修理中、使用禁止』と貼り紙されていた。
「雫先に入りなよ。」
多分、幼い頃からほぼ2つ目の家になっている私の家でもまだまだ遠慮はしているのだろう。もしくは、自意識過剰かと言われるかもしれないけど、もしかしたら一応それっぽいことは出来ていないものの恋人に対しての思いやりかもしれない。
「いや、ほのかも風邪ひくよ。」
「わ、私は頑丈だから!」
「…小学校の頃―――――」
「わあー!それは言わない約束でしょ!?」
「じゃあ言わない代わりに一緒に入ろうよ。」
「!?……うん。」
いくら北山家とは言え、1人用のシャワーブースはかなり狭い。そもそもシャワーブースは直ぐに暖房が入るように小さめに設計されていたから小さいのだ。それこそ、私とほのかが一緒に入ると、少し動くだけでお互いの体に当たる程には。
「シャワー流すよ。」
このシャワーブースのシャワーは天井に埋め込まれているレインシャワーと通常のシャワーヘッドのやつの2つある。
今ほのかが流し始めたのはレインシャワーの方だ。
だけど…
(シャワーのパネルを操作するほのかのお尻が…ツルツルで…ぷにぷに…)
「ひぁっ!?」
ほのかのお尻を撫でると、ほのかがビクッとする。
「し、雫〜、やめてって〜!」
「ほのかのお尻がかわいいのが悪い。」
そのままわしづかみにしつつ揉むと、キュッとお尻の穴側に力が入るのが分かる。
「と、とりあえず汗流してからにしよう?」
「“何を”かなあ?」
私はニヤりと笑うと、ほのかに真正面から抱きつく。
「んぁっ…!」
ほのかから汗とは違うネチョリとした液体が溢れだしていた。
「続きは後でね。」
ほのかはシャワーを浴びる間、ずっと顔を真っ赤にしながら少し切なそうな顔をしていた。
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「シャワーブースを使えないようにしましたが…これでお2人の仲が進展するんですか?」
「ええ。意外とあの2人は欲求不満で“お互いに”結構前から意識していましたから。想い人として。」
メイドの直江夕姫とメイド長の桜夜がこんな話をしていたことを知る人は彼女らしかいなかった。
次の日の朝、メイド長の桜夜は起こしに行くと裸の2人を発見し、寝室担当のメイド麻衣はびしょびしょになった雫の部屋のベッドを片付けたらしい。
数日間は2人が桜夜と麻衣に会うと、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしていたとか。
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もはや同棲に近いこの2人にお家デートを書くのは難しかった…