刻印虫(ガストレア)   作:ワカメ#たまごすーぷ

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前回読み返して思った。俯瞰的にしすぎてオリ主の心情描写薄くてつまらないと。原作なぞるのに必死になりすぎた。

今回はっちゃけてます。



chapter2

防衛省からの帰り道。滅多に行かない中央に出てきたため、欲張って買い物をしすぎてしまった。しかし、ワタシが手ずから買ってきたモノを与えると、彼女たちは非常に喜ぶ。それを見るのはなかなか楽しい。

背中に巨大な風呂敷包みを背負った老人が歩く。ここが外周区近くでなければ、騒ぎになりそうな大きさだ。なるべく人目と日光を避けて移動したため、予想外に時間がかかる。ほてほてと、月明かりに照らされながら家路を急ぐ。あと少し、曲がり角を出た瞬間、

ーーー黒刃が煌めいた。

「な、にーーーー!!」

慌てて両手を前に出すが、 なんの遅延にもならず。老人の両手もろとも首を切り飛ばした。

とさり、と首が転がる。下手人はもはや目もくれず、死体に背を向け父親に声をかける。

「ぱぱぁ、こいつよわっちぃ」

「依頼主に頼まれてね。警戒しろとは言われたけど、やはりただの老人か。さ、小比奈。蓮太郎くんたちを迎えに行こうーーーー!

 

ーーー老人の死体があるべき場所。月明かりに照らされたそこには、なにもなく。かわりに、影のなかで無数の赤が光っている。

 

蛭子影胤は直感する。これは、こいつは目だ。無数の目玉が、こちらを無機質に観察しているーーー

 

「小比奈ぁっ!!」

「……へ?」

 

直後、大量の蟲が飛びかかり、少女の姿は見えなくなった。中にいる小比奈に被弾することを恐れて、影胤にはどうすることもできない。

時間にして数秒。離れたところに移った蟲は固まると、みるみるうちに老人となった。

 

「うむ。なるほど、なかなか甘美な味であった」

 

老人はカカ、と笑う。まるで、先程の惨劇がなかったかの様に健在だ。対する小比奈は、仰向けで倒れている。

走りよった影胤は、娘の体調を確認する。多量の発汗で髪は額に張り付き、頬は紅潮して体全体が熱を持っている。忙しげに呼吸し、放り出された肢体をせつなげに震わせていた。

 

「…なにを盛った」

「はて。何故教えてやらねばならぬのか」

 

蛭子影胤は銃を抜く。放たれる殺気。されど老人はおかしげに体を震わせるだけだ。

 

「聞いたぞ、わしを襲ったのは本意ではないと。現状わしを殺す手段がないのであれば、ここは引くのが得策であろう。

ーーーーそこな小娘。手遅れになるぞ」

 

と。憎々しげに睨み付けると、影胤は小比奈を背負って立ち上がる。

 

「…このバケモノが」

「おぬしは、人類の敵じゃろうに」

 

カカ、と笑う。背を向け走り出した影胤の耳には、老人の哄笑がいつまでもこびりついていた。




正直、礼装の蟲がかっこよくてこの話を書いたまである。

原作既読タグつけるので、原作描写は薄めでいこうと思った。
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