刻印虫(ガストレア)   作:ワカメ#たまごすーぷ

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オリ幼女回。古本屋でブラブレ買い直して、プロット(のようなもの)立ててたりしました。ぶっちゃけ
臓硯「なにっ!」
小比奈「ずんばらりん」
臓硯「無駄じゃ!」首サイセイ(強者オーラ
みたいなのしたかっただけだからその先考えてなかった。


chapter3

ヘリコプターの音が機体の中にバタバタひびく。

初めて乗ったヘリコプターは少し緊張したけど、じっちゃんが側にいるので頑張った。

乗ってしまえば好奇心のほうが勝ってキョロキョロしていると、じっちゃんの膝に抱えられてしまった。

ここにいる民警は6組。全員がじっちゃんと同じ『七星の遺産』をうばいかえすために集まった()()()()らしい。

なかでも一番怖かったのが、伊熊という男の人。乗ってきた瞬間からすごい目付きで睨んできた。じっちゃんがお喋りしたら、すぐに不機嫌そうにそっぽを向いてたけど。

なので、お返しに私もそっぽを向いてやる。そのままじっちゃんの懐に抱えられると、だんだん眠たくなってきた。

(まぶた)が、落ちる。じっちゃんは虫のくせに、人をマネしているせいか少し暖かい。そのぬくもりにつられるように、意識が落ちた。

 

 

 

ーーー地獄だった。トラックの荷台には、薄汚れたコンテナが乗っている。中には腐肉。ガストレア、呪われた子供たち、ただの浮浪者。一切問わず、それら全てが折り重なっていた。

確固とした行政がある中央はまだいい。それすらもない外周区周辺では、死体の処理は行われるのか。

ーー否。迫害され、遺体でさえ保菌してるがために足蹴にされる『呪われた子供たち』。身寄りもなく家もない浮浪者。たまさか侵入してすぐ死に絶えたガストレア。

それらは、外周区の片隅にひっそりと集められ、捨て置かれる。誰も話題にせず、いつしか忘れ去られる。そんな場所だからこそ、後ろ暗い人間は度々利用し、需要が発生していた。

 

ほら、今だって。

ーー自分の体がコンテナの死体の上に追加される。投げこまれた体は、糸の切れた人形のように脱力していた。頭ではなく心で、これが夢だと直感する。

薄汚れた体。千切れかけた手足。ヒュウヒュウとか細い呼吸は、かろうじて死体では無いことを主張する。

けれど、もうすぐ死ぬ。

 

「あんたさぁ、これで何回目よ。さすがにウチらもIISOに目を付けられるのは勘弁なんだけど」

「仕方ねぇだろっ!一回囮にしただけで壊れるコイツがわりぃんだよ!任務中だっていちいち口を挟みやがって…!」

 

コンテナの乗ったトラック。その前方、運転席に座っている回収業者と、相棒(プロモーター)であったはずの男がいがみ合う。

 

「そもそもソレまだ生きてるじゃない。ちゃんと始末つけてくれないと困るわ。『相棒殺し』さん?」

「…っ!わっーたよ!」

 

バラニウム製の弾丸が数発、少女の体に撃ち込まれる。衝撃で少し跳ねるが、それだけ。

 

「これでいーだろ!さっさと行けよ!」

「…仕方ないわね。多目に貰うわよ」

「クソっ!」

 

業者の差し出した手に乗せず、代金を直接運転席に投げ込んだのは男の意地か。数枚の紙幣が宙を舞う。業者は横目で紙幣の枚数を確認すると、男を一瞥すらせずに発進した。

 

 

ガタゴトと揺られることしばし、突然宙に放り出され、地に落ちる。転がった体に土が付着する。…すでに、体は虫の息。かろうじて、目と耳が機能する。

 

「…幸運を祈るわ」

 

今さら、なにに祈れと言うのだろう。神様はなにもしてくれなかった。

身勝手な一言を呟いて、業者はその場を去っていく。トラックのエンジン音が遠ざかれば、辺りには静けさが満ちた。

…静かだった。肌を焼く太陽の感覚が薄くなっていく。

…静かだった。心臓の弱々しい拍動しかわからない。

…静かだった。気が狂いそうなほどに。

生きることはもう、諦めた。ただ、独りぼっちで死ぬのだけは、堪らなく嫌だった。

 

ーー突如、影が落ちる。霞んだ視界に、少女の健康的な素足がうつった。

「…お爺様!この子まだ生きてる!」

足元に向かって少女が叫ぶ。よく見れば、緑色の尺取り虫のようなものが蠢いている。

…ガストレアだ。とうに死に体の彼女にはどうすることもできない。諦感と共に見続ければ、尺取り虫は四方から沸きだし、一人の老人のカタチになった。

 

「…ふむ。まっこと悪運の強い娘よ」

 

…よかった。一人で死ぬ、というのは避けられそうだ。

虫はさすがに嫌だったので、ヒトの姿はありがたい。

そう考えて、落ちてくる瞼に逆らうのをやめる。

…もう、十分ーーーー

 

「娘よ。生きたくはないか」

 

ーーなはずがなかった。

 

「家も、服も、ぬしの望むモノは全て与えよう。金ならば腐るほど手に入るのでな。小娘一人が散財する程度で、我が権力は傾いだりせぬ。

ーーだが、この身はガストレア。ワシの手を取るということは、即ち人類の敵となるというコトだ」

 

…そんなコト、どうでもいい!私はもう、独りぼっちで死にたくない!

 

「生きるのならば、目を開けよ」

 

必死で、下がってくる瞼を押し上げる。独りぼっちはもう嫌だ!

 

「カカーーよろしい。おぬしの身、この間恫臓硯が貰い受ける」

 

ーずっと、そばにいて。

 

 

 

 

 

瞼を開ける。くしくしと目を擦りながら辺りを見渡すと、私たち以外のペアが、ホバリングするヘリコプターから降りているところだった。

…そうだ、もうここは戦場だ。じっちゃんの膝を叩いて降ろしてもらう。

懸垂降下で、森に降りる。先に降り立った民警たちは、三々五々に散らばって影胤を探しに行った。

…ありがたい。さすがにじっちゃんが降りるところは見せられない。老人でありながら華麗に着地などおかしい。擬態する気があるんだろうか。

ジト目を送りながら、じっちゃんにどこから探しに行くのか聞く。

 

「行かんよ」

「えっ」

「影胤の相手は彼奴(きゃつ)らに任せる。老骨には荷が思いのでな」

 

老人は怪しく嗤う。

 

「資源回収のお時間じゃ」




「」の最後に 。 つけるのやめました。間違ってたみたいなので恥ずかしい。

映画のセリフ言わせたかっただけの回。

追記:fateとクレしんの動画見てたらオカマ口調になってしまった。他意はないです。
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