東京ドールズinGrease   作:剣崎 誠

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一海「前回のアイ○ス!」

アヤ「だからアイドル違いだって!!いい加減にしないと怒られるわよ!?」

一海「まぁまぁ、へーきへーき、へーきだから」

アヤ「…もうツッコまないわよ?はぁ…。はい前回のあらすじはー」

一海「世界初選ばれし転生者ことこの俺!石動一海は朝目を覚ますとセミロングのアホ毛のかわいいなんというか全体的にピンク色な子に介抱されていた!」

アヤ「いやさ、もっと違う表現の仕方は無かったの?その表情だとその子すごくその…卑猥な子のように聞こえるのだけど」

一海「うるさいなぁ小説家でもないただの思春期男子高校にこれ以上の表現力ないっての」

アヤ「あーはいはいわかったわよほら続きます話してくれる?」

一海「こほん、ピンクの子に介抱された俺はその子と同じようにドールズのライブに行く予定だったのでピンクの子が去ってからライブに行くことに!それでライブが終わってからピンクの子に再開!けれどそこに謎の化け物が襲いかかってきた!どうする俺達!ってなるが俺はなぜその手にいつの間にか握られていたスクラッシュドライバーでグリスに変身することに!見事仮面ライダーグリスに変身した俺はピンクの子を守るべく化け物のどもとの戦いに身を投じるのだった!」

アヤ「ピンクの子ってもうそれ人って認識じゃないような…まいいやもう、どうなる第4話!」


人形と選択

仮面ライダーグリスへの変身に成功した俺は背後で怯える少女を守るべく、拳を構えると奴等に向かって駆け出した。

 

「ハッ!ラァッ!」

 

拳を振るい、蹴りを放ち、片手に握られた電動ドリルの玩具のような武器、ツインブレイカーで殴り付ける。戦闘経験何てただの一般人の俺にはない無い。だけど感覚でわかる。いつ相手からの攻撃がくるのか、どのタイミングで攻撃出来、当たるのか。

 

身体の底から力が沸き上がって来るのが分かる。だんだん身体が熱くなっていくのが分かる。身体が軽くなっていくのが分かる。感情が高ぶっていくのが分かる。

 

「オラァッ!!」

 

横から噛みつかんと口を開け奴が俺に向かってくる、が俺はそれを身体を後ろに傾けて避けるとちょうど目の前に来た奴を蹴り飛ばす。奴は壁に激突すると小さなクレーターを作り霧散した。俺はそれを見てグリスの力がどれだけ強力なものかを実感する。

 

俺は後ろの少女に敵が寄っていないか確認しつつ次々と涌き出る敵を迎撃していく。

 

「やらせっかよボケがッ!」

 

目の前の奴を殴り倒すとなにがなんでも後ろの少女を守ると意気込むみ拳を構え直す。噛みつかんと口を開け飛び掛かる奴等を蹴り飛ばし、少女に向かおうとする奴に拳を叩き込む。

 

「こいつでしまいにしてやるよ」

 

俺は奴等が霧散するのを確認すると次の標的へと視線を向け、レンチ型のレバーを握りしめ、下ろした。ドライバーから『スクラップフィニッシュ!』という音声が流れ、俺は高く宙へと飛ぶと肩や背中から黒いゼリー状の液体が翼のように噴出する。

 

「ハァアアアアアーーーッ!!」

 

そのまま滑るように落下して奴等を射ぬくように蹴り、ライダーキックを叩き込んで着地した。奴等は背後で金切り声のような断末魔を上げると爆発し霧散した。

 

周りを軽く見渡し奴等を倒しきったことを確認すると後ろへと振り向き慌てて彼女の方へと駆け出した。

 

「大丈夫!?怪我とかない!?」

 

「あ、はい怪我とかは特に……それよりその姿は…?」

 

俺は彼女を酷く心配するように大丈夫かと声を掛けるが彼女は怪我はないと答え、安心して胸を撫で下ろす。と彼女は俺の姿が気になるのか聞いてくる。

 

「あぁこれね。でも説明する前に一旦ここから離れた方がいい」

 

「そう…です、ね」

俺は彼女の質問にあとで教えるから早くこの場を離れようと提案する。彼女はコクリと頷きそれを了承してくれた。

 

俺は一様と彼女の身体に傷などがないか怪しまれない程度に見てみる。怪我などは本当に無いようだが身体ビクビクと震えているのがよくわかる。よほど怖かったのだろう、当然だ。いきなり出てきたよく分からない生命体が自分を殺そうと迫ってきたら誰だって怖いと思う。足だって震えるし腰も抜ける。俺は少女を安心させるかのように両手で彼女の手を握る。

 

と彼女の手を取った瞬間だった。

 

「なッ!?」

 

グシャリ、そんな肉を噛みちぎったような生々しい音が彼女から聞こえた。直後に何かがポタ、ポタと垂れる音がする。俺は目の前で、その音の正体をみていた。それは何処から再び沸いた奴等が少女の腹部を噛み千切る、と言ったもの、だった。

 

「え…?」

 

そう言葉を溢すと少女はまるで電池の切れた人形の玩具のように、膝から崩れ落ちて地に倒れた。真っ赤な鮮血が倒れた少女の腹部から流れ、地面を染め上げる。

 

俺は直ぐ様奴に蹴りを入れ、拳をねじ込む。考えるより先に身体が動いた。理性が飛ぶかのような異常な殺意が心の中を覆い尽くした。

 

「糞がァアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーッ!!」

 

レンチ型のレバーを下ろす。『スクラップフィニッシュ!』と言う音声と共に前腕部にロボットを彷彿とさせる手がゼリー状のもので形成され、俺は叫ぶと同時にそれを奴に叩き込む。奴はその威力に耐えられなかったのか直後爆発を起こしながら霧散していった。

 

残ったのはグリスである俺と死にかける彼女だけとなった。

 

俺はゆっくり彼女の元へと歩み寄り、膝をつき地面に倒れる彼女の上半身をそっと抱き抱えた。

 

彼女の口は微かに呼吸をしているがなにせ腹部を噛み千切られてる。病院に連れ行ったとしても助かる確率など皆無だ。

 

彼女の身体の体温が下がっていくのがよく分かる。血も一向に止まらない。

 

「へま…しちゃいました…」

 

「……ごめん」

 

へまをした、そうまるで自分のせいのように言う彼女に俺はただ謝ることしか出来なかった。完全に俺のせいだ、最後の最後で油断して奴に彼女を殺られてしまった…一年前のように、また守れなかったんだ。

 

先ほどの青白い蝶が彼女を囲むように現れ、俺は右手を強く握りしめると行き場のない様々な感情をぶつけるように右手を地面に叩きつけーー

 

「ようやく見つけたぞ」

 

ることはなく後ろから聞こえた低い女性の声でそれは止まった。俺はなにも答えることなく後ろへと振り向いた。そこにいたのは睨むように俺を見る黒いスーツを着た黒髪長髪の女性だった。

 

「…あんた誰だ?態度からしてあのよくわかんねぇ化け物と無関係って訳じゃなさそうだが…それよりも彼女を助けたい」

 

「…わからないか?この娘はもう」

 

俺は荒れ狂う感情をなんとか抑えて冷静になると女があの化け物たちと無関係ではないと推測する。彼女を助けられか聞いてみる、がそれに対し女は手遅れだ、そう言おうとしたが俺は女の言葉を遮った。

 

「さっきようやく見つけた、とあんたは言った。理由は知らないがあんたは彼女を探してたんだろ?だったら彼女を助けられる方法があってここに来たんじゃないのか?」

 

あくまで予測だがこの女がさっき言ったようやく見つけたと言う発言、それはつまり俺が抱き抱えているこの瀕死の彼女のことを言っているのだと俺は考えた。俺を探していると言う考えもあったがこの世界にスクラッシュドライバーやグリスについて知る人間は俺以外に居ない。

 

恐らくだが女は彼女が殺される、いや、化け物がここに現れる事をしていて、尚且つ彼女にはあの化け物に対抗しゆる何があることを知ってここまで探しにきたんだろう。と言うことは何かしら彼女を助けられる方法があるのだろう。

 

「ほう…勘が鋭いな。確かに私は彼女を探していたし助けられる方法もある。もっと正確にはお前も、探していたのだがな」

 

「なに?」

 

女は半分違うとでも言うように俺の事も探していたと言い俺は怪しむように女を睨む。女は続けてやはりと言って、まるで俺がグリスに変身出来る事を知っていたかのように

 

「お前はその腰についているベルトを使いこなせる人間だったか」

 

「…これについてなんで見も知らずのあんたが知っている?」

 

「昨日解析させてもらった。覚えていないか?お前は昨夜DOLLSのアヤに運ばれうちに来たことを」

 

あの時か…と俺が女の言葉を聞き納得する。

 

「話を戻すがこの娘を助ける方法はある。」

 

女はそう言うと彼女に視線を移す。彼女は掠れた今にも死にそうな声で…誰…?と女に聞く。

 

「お前は選ばれた。だから、決めるといい」

 

女は彼女に問いかけた。なにをいってるんだこいつは?と俺は疑念の眼差しを女に向けるがとりあえず黙って聞くことにした。彼女は喉から声を絞り出して

 

「なにを……ですか…?」

 

女はそんな彼女に問いかける。

 

「人形として惨めに生きるか。人間の尊厳を持って死ぬか。お前はどちらを選ぶ?」

 

「………っ」

 

彼女は女の問い顔を歪めた。察するに女が持ちゆる彼女を助けらる方法、もしそれを行えば彼女は人間ではなくなるのだろう。

 

もっとも、俺も恐らく人間ではない。このスクラッシュドライバーが原作、仮面ライダービルドの設定を受けているのは昨日のあれで分かっている。ならば転生する際に俺はネビュラガスを神様に投与されていることになるだろう。でなければグリスに変身することなど不可能だ。

 

俺は女の問いに待てと言おうと思ったがこのスクラッシュドライバーを使ってグリスに変身した時点で俺も人間ではなくなっているから言うことを踏みとどまった。

 

「私は…生きたい……」

 

「お前……」

 

その答えがど言う意味を示しているのか、しかし彼女は知ってか知らずか女に、生きたい、そう答えた。

 

「だって…まだ…なにもしてない……まだ、なにも…出来てない…!」

 

彼女は瀕死の状態で弱っていて、けれど彼女から放ったその言葉は強く、けれど彼女のその瞳からは明確な生きたいという意思が感じ取れる。

 

死ぬ前の俺と違って彼女にはあるのだろう。やり残したことが、やりたいかったことが、確りとした生きる意味が。

 

「だからーーーー!」

 

彼女は女にその意思を証明し、生きたい、と答えた。

 

女はわかった、と言い小僧と言って俺に何かを手渡す。それは羽根が付いていて真ん中に鍵穴のようなものがあるハート型のなにかだった。

 

そのハート型の何かは銀色に輝きながら俺の手のひらでふわふわと浮いている。

 

「せめてもの手向けだ。生前の知り合いであるお前が楔を打て」

 

なんだこれは?と俺が女に聞くと女はそれを彼女の心臓部に差し込め、と指示した。俺は少し黙ると彼女に聞く。

 

「本当にいいんだな?」

 

そう聞く俺に彼女はお願い…助けて…と頷き答える。元はと言えばあの訳の分からない化け物どもの仕業だが結局は彼女を守りきれなかった俺の責任でもある。

 

ったく、どこぞの堕天使に変身した彼女に槍で殺されて起きたらなんか悪魔に転生してましたとかいう某ラノベ見たいに事が軽けりゃなと俺は心のなか緊張を解すように愚痴を溢した。

 

女は意味深な発言などはしていない、俺ならそれくらい分かるだろうと踏んだのだろう。確かにこれがどんな代物なのかは知らないがこれだけは分かる。指示通りにこれを心臓に突き刺せば彼女は人間ではなくなる。

 

そう頭の中わかっていながらも、俺はその手に光るそれを、彼女の心臓へと差し込んだ。

 

瞬間、ハート型のそれはピンク色の強い光を放ち彼女を包み込んだ。あまりの眩しさに俺は彼女から手を離し、片手でその光を視界から遮る。

 

しばらくして光が止み俺は片手を下げた。

 

そこにいたのは瞳を血のように赤く光せ、戦闘服のような黒い衣服を纏う、無傷の彼女だった。

 

「なにがどうなってんだ?おいまさかとは思うがこれ後ろの腰から触手やら尻尾やら出して人間食べるようになったりしてないよな?」

 

彼女の変貌っぷりに俺はそんな冗談混じりの感想をこぼし、とりあえず化け物に成らなかった事と彼女が助かったことを心の中喜んだ。女は彼女の変貌に見慣れているのか、特に驚いた様子もなく、おめでとう、これで君も立派な人形だ、と彼女に告げる。

 

しかし様子がおかしい。

 

「ん?」

 

彼女は女の言葉になにも答えない、いやなんの様子も示さないといったほうが正しいか。表情も驚いたり困惑した様子も特にない、いやそれどころか真顔なのだ、そう、まるで感情が無くなってしまったかのような…。

 

女が言っていた人形、という単語が頭を過った。

 

「まさか…!」

 

嫌な予感がする。確かに化け物に代わりはしなかった…が女が先ほどから口にしている人形、その言葉の意味、恐らくそれは

 

「心を無くした…いや、心と引き換えに力と命をってか?」

 

俺は怒りを表すようにそう女に言った。女は俺の言葉を無視し彼女に周りの青白い蝶を散らせと命令した。

 

「ーー了解」

 

彼女は俺の読みが当たったかのように、感情の無い声で返答し従い何処からか剣を取り出すと先ほど差し込んだハート型のそれを光らせると巧みな剣捌きで、尚且つ常人とは思えない動きで蝶達を散らしていく。

 

「お前の言う通り、あれを差し込まれた彼女はドールとなった。命と超常の力の対価に感情と記憶を捧げて、な」

 

「感情だけじゃなく記憶も…なるほど文字通り人形(ドール)って訳か…クソッタレが」

 

俺は自分がやってしまった事の重大さに愚痴るように呟くと剣を振るう彼女へと駆ける。

 

「無駄だ。なにをしたって記憶は戻らないし感情も元には戻らない」

 

「んなこと知るかよ!いくら彼女が生きることを望んだからって記憶と感情を失う?そんな重いもん背負う気俺はにはねぇよッ!」

 

俺は女の言葉に反論するように、まるで聞き分けのない子供のようにそう叫ぶと彼女の肩を掴んで振り返らせる。ダメ元だろうが何だろうが助けてやるッ!。

 

「会ってからの時間なんざ小さなもんだけど!君がどんな人間かくらいは理解してるつもりだ!俺は…!」

 

仮面の下、泣きそうな顔で、けれど力一杯に空気を吸うと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君を覚えてるッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那、小さな光が彼女の胸元のそれから発せられると、赤く光を放っていた瞳がもとのアメジスト色へと戻った。




ちょっとサクラを殺すところの無理やり感とタイトルが…文才ほしいですねほんま。あと無理やり閉めてすんません!

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