内定貰ったり、玉ネギと戯れたりとしていた所為です。
エタってしまい誠に申し訳ございませんでした。
余りにエタってたので放置しようかと心中の悪魔が囁きましたが、溢れる尊み愛が筆を走らせた次第でございます。
溢れるシャル愛 ԅ(¯﹃¯ԅ)
クソ遅駄文投稿者でありますが、どうかこれからもよろしくお願い致します。
ご機嫌よう、皆さま。
カフェオレが飲めなくて心ブルーなヴィオレットです。
内臓の損傷というのは大変面倒なことになるのだと身をもって思い知りました。ご飯が食べられないのは辛い。
あの後、高度な手術が要るということで都心部に搬送されて、麻酔かけられてグースカ寝ていたんですが、起きたら激痛に近い鈍痛が常に体を奔り続けていて思わず半泣きで呻いてしまいました。
シャルがいた時はここまで酷くなかったはずなのですが。
今は物々しい装置と大量の管に囲まれております。痛みもそこまで酷くはありません。
「特に痛いところはありませんか?」
「はい」
器具を付け替えたり足をほぐしてくれたりする看護師さんに軽く返事をしました。
こちらの病院ではより大仰な装置が取り付けられて、軽度の麻酔と同時に症状の治りを早めることができる治療ができるのだとか。
この世界の技術は医療面に置いても前世の先を行っていて、半年もせずに完治する可能性があるそうです。
何気に凄いラブコメ世界の再生医療。
さすが戦闘用クローン人間やターミネーターばりの機械人間がいる世界は違いますね。
もう少し頑張れば某F軍のメディカルマシーンくらい作れそうな気がします。
「とても綺麗な肌ね〜、羨ましい……」
「どこのおっさん……貴女も大概若いじゃないですか」
「あらまぁ嬉しい、私もうすぐ30なんです」
「30!? ──っつつ」
「あーもうあんまり力んじゃダメよ」
この装置、見てくれもカッコよくて素晴らしいのですが、当の本人は全く動けなくなってしまいます。
そして人というのは全く動かないと体の血の一部が固まってしまい、巡り巡って最悪壊死、なんてことになることがあるそうです。
なので定期的に寝返りを打たせたりマッサージをしてくれたりします。
看護師さんは綺麗な美人さんで、見ているだけで目の保養になるくらいには整った顔立ちです。
そんな人が甲斐甲斐しく世話をしてくれるので、役得というかなんというか。
しかし女性の仕事という認識があるとはいえ、男性の看護師を見かけないのはどういうことでしょうか。
イケメンが介助してくれるとか期待していた訳じゃないんですけど、純粋な疑問ですよ。
「そうねえ、最近減ってきたわ」
「理由とかあるんです?」
「ほら、こんなご時世でしょ? 男に介護されるのを嫌がる人って結構多いの」
ああ、やはりそういう事情ですか。
前世では看護師や介護士職は男性が多いわけではないのですが、女尊男卑だとどうしてもそういった不遇な人は出てきてしまうのですね。
「貴女はどう? 男は嫌い?」
「別に問題は。イケメンで性格も良ければ尚良いです」
「現金ね」
「やっぱりそういうの求めていきたいじゃないですか」
「分かるわ〜」
とは言え、女の男を求める欲求は消える訳ではありませんから、皆さん上手く社会をいなしながら合う相手を探しているのでしょうか。
「看護師さんは
「残念ながらいないんですね〜、あんまり男性受けしないのよねえ」
「こんな美人さんがフリーだなんて世も末ですね」
「あらお上手♪」
癖のないブラウンの髪に艶めかしい目、スタイルも抜群にいいのになんて勿体ない。
ミスユニバースに出てきてもおかしくないクラスだと思うのですが、この世界の男性は見る目がないのでしょうか?
「それに貴女ほどではないわ」
「私?」
「ええ、職員の間じゃ貴女の話題で持ちきりよ? なんでもえらい別嬪さんが搬送されて来たって」
「過剰評価ですね」
確かに母からの賜り物ですから?そこそこ整ってはいるのですが、シャルの圧倒的可愛さと尊さには負けてしまいます。
肩甲骨に着くくらいの金糸の髪にアメジストの星を凝縮した紫の瞳、無垢な童顔にきめ細かい肌。そしてそれらをまとめ、補完して余りある黄金の意思。
視点が違えば主人公格になっていただろうシャルに並び立つ者は『原作』ヒロインズや一部の人くらいだと思います。
シャル一強にならないのは、あの学園が容姿も高水準だからでしょう。さすが世界のハイスペックが集まる学園なだけあります。
「妹さんが好きなのね」
「勿論ですとも」
私からシャルを取ったら一体何が残るというのか。
いや、何も残らない(反語)。
あ、そういえばシャルのことなどについて語らねばなりませんね。
……こほん。
あの日シャルに叱られて数日経ちました。
あの後警察から事情聴取をお願いされ、更にお偉いさんっぽい人やマスコミの方など何人かとお話しをしました。
あの事件、私とISとの戦闘の最後辺り、丁度シャルがやってきた辺りを見た人がいたらしく、国内でも一面を飾るニュースになっていたようで、結構噂になっているのだとか。
その時の映像は残っていませんが、後日こっ酷くやられましたと言わんばかりの姿でベッドに寝る私の姿がテレビに映ったことで大分話題を呼んでいるみたいです。
名前と顔伏せてくださいってお願いしたはずなんですが、何でデカデカと載ってるんですかね……。
情けない姿を公衆の面前に晒されてしまい、一人意味もなく顔を覆うことしか出来ませんでした。
それとデュノア社の方が何人も来ていました。
実はここ、デュノア社の本社ビルと十キロも離れていないらしく、ちょっと車で足を運べる場所らしいんです。
色々差し入れも頂いて、励ましの言葉を貰いました。自社の社長の娘が大事件に巻き込まれたという話を聞いて飛んできたのだとか。
そんなことで見ず知らずの小娘の見舞いに来てくれるなんて凄く思い遣りのある方々ですね。私もあのようになりたいものです。
因みに父は来ませんでした。代わりに社員の方が父から手紙を預かっていたようで、丁寧に渡してもらいました。内容は同様励ましの言葉でしたね。もっとこう、他に無いのかと。
あとデュノア社傘下の高級ホテルの良いところを暫定的な家として手配してくれたようです。食事代も無料なのだとか。
という訳でシャルは今頃ホテルの昼食を楽しんでいる頃でしょう。
大仰な皿に盛られた美しく美味な料理はシャルの味覚を大いに満足させる事間違いなしです。
「さて、何かあったら非常ボタンで呼んでください」
「はい。ありがとうございます」
そう言って足早に去っていく看護師さんでした。
忙しそうですから、あまり拘束してしまうのも迷惑でしょう。お仕事頑張ってください。
近未来感溢れる病室に一人、防音でもついているのか物音も殆ど聞こえない中で、心臓の振動がやけに大きく聞こえるようになりました。
薄暗い部屋に電子音が規則的に響いて、静かな空間を僅かに彩っていました。
「……」
そういえば父は私達を本格的に引き取るようで、時期を早めて私が退院次第迎えに行くとのこと。
シャルにはもっと早く来てもいいらしいのですが、本人いたっての希望で一緒に、という形になりました。
地元から転校して都心部の学校に行くことになりましたので、シャルは私のことはいいから学校だけは行くようにと念を押しておきました。
シャルが不良の烙印を押されるなどあってはなりませんから。
「…………」
しかし、クラスの皆とお別れの挨拶が出来ないのは心苦しい。
メッセージビデオでも送ろうかと思いましたが、このザマでは心配させてしまうかもしれません。
私が大怪我を負ったのは知られているでしょう。
ならばせめて元気にやっていることくらいは示しておきたいものです。
いや、元気ではないですね。
ああ、そういえば。
バイト先の孤児院に挨拶もしないといけません。
とてもお世話になったというのに無断で休んでしまって。
それに誕生日の子にプレゼントも約束したのに渡せなくなってしまいました。
なんて言い訳しましょう?
ここはひとつチョコで許してくれませんかね。
「…………はぁ」
……私は今、何も出来ません。
出来ることといえば腕を動かすことと喉を震わせることだけ。
シャルに構うことも、クラスの皆と会うことも、家事も水やりも、ここ数日ずっと出来ていない。
いえ、その大半はもう二度と出来ないかもしれません。
コスモスの花壇も、もう見ることは出来なくて。
放置された庭は簡単に滅茶苦茶になるでしょう。
退院しても父に引き取られてしまうのであの家に帰ることもありません。
元気になっても母の家は壊れたままですし、直すお金なんてありはしない。
私の帰るべき場所は無くなってしまいました。
色んなことを受け止められないで、勝手に暴走して大怪我をして、心配させてしまって。
あぁもう。
失態を引きずるのは私の悪い癖です。
暗澹とした気持ちに沈んでいると、不意に部屋の扉が開きました。
扉から覗いたのは光のような金色の髪と星のような瞳。
「……お姉ちゃん」
「あら……」
普段は花咲くような笑顔で出迎えてくれるシャルは、安堵と不安を綯い交ぜたような目で私の側までやってきました。
「ご飯食べた?」
「うん。身体の方はどう?」
「大丈夫そうよ。でも一週間も流動食は流石に堪えるわね」
病院食は不味いとよく言われますが、これはそもそも食事なのかどうかも分かりません。聞くところによれば皆が食べる病院食をミキサーにかけているそうですが、そのせいで見た目ができの悪いお粥のようになっています。
シャルは少しの間視線を漂わせて、シーツから覗く私の手を握り、暖かい体温が流れ込んできました。
「早く治して一緒にご飯食べよう? 一人だと寂しいよ」
そんな可愛いことを少し恥ずかしそうに言うシャルはとても愛らしくて、咄嗟に抱き締めてしまいそうなくらいの魅力がありました。身体が動ける状態なら間違いなくハグしていたでしょう。
無自覚でコレなのですから、我が妹の小悪魔っぷりには末恐ろしい物がありますね。
「あら、それは一刻も早く治してしまわないとね」
何にせよ、これ以上シャルに負担をかけるのは許されざることですので、早く治るよう願いましょう。
……能力、使えませんか。ダメですかね?
でもグラス一つ曲げられない精度だと余計に傷口を広げてしまいかねませんから、やはり大人しくしておきましょう。
あー、練習しておくんでした。
こういう時に限って使えないですね(自業自得)
「そうだ。お姉ちゃんに会いたい人がいるんだ」
お喋りもそこそこに、シャルがそんなことを言います。
「というと、マスコミかしら。それともデュノア社の人?」
「多分後者かな。どうぞー」
そう言うと、扉が再び開いて件の人物が入室して来ました。失礼しますと、キビキビとした声で姿を現し、こちらを注視する様は彼女の人となりをそのまま表すようでした。
「貴女は……」
ISの搭乗者のもう片方がそこにいました。
【人物紹介】
【名】ヴィオレット・デュノア
【年齢】14歳
【性別】女
【好きなもの】シャルロット、カフェオレ、お菓子
【嫌いなもの】悪意、苦いもの
【趣味】読書、ティータイム
【備考】
『境界を操る程度の能力』を貰った転生者。
しかし日和見主義と前世で培った事なかれ精神から『能力』を極一部しか使わずにいた。その為元ネタと比べ見る影がないほど使いこなせていない。
穏やかな日々を愛する一般人の心を持ち、妹のシャルロットが大好きな姉。
時々感情に呑まれて正しい判断が出来なくなることもあり、とりわけ悪意に対する反応が強い。