英雄達の夏休み   作:宇宙人と呼んで

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第3話

初恋は実らない、なんてよく言うけれど、映像の中にいる女優は、いつも同じ顔を見せてくれる。安心して恋愛の疑似体験をさせてくれる貴重な存在と思う。ましてや、似たような話しをしていて、拗れてしまった今となっては、絶大な威力で修正してくれるかもしれない。

 

「剛君、光君、このまま話してても意味がないよ。だから、これでも見て気分を入れ換えない?」

 

剛君は爛々とした瞳で、部屋の扉を一瞥する。

 

「良いのかよ?おじさんとおばさん、まだいるんじゃねえの?」

 

「出来るだけ音量を低くすれば、大丈夫だと思う。光君はどう?」

 

「......ふ、二人が見るなら、僕も見るよ......」

 

剛君が、ニヤリと口角をあげた。

 

「決まりだな。よし、豊はカーテンを締めろ」

 

「了解」

 

僕らは素早く準備を始めた。光君が扉の側で聞き耳をたて、剛君は電気を消す。誰かに、セクシー映像を見ていたとバレるなんて考えたくもない。わざわざ、確認する人なんていないだろうけど、僕は念をいれて外を見回してからカーテンを締めた。

小柄な体型には、不釣り合いの胸だけど、顔に残った幼さは、まるで僕らと同い年のようだ。これで、大学生だというのだから、目を疑いたくなる。

相手をしている男性は、朝倉真美の腺を引いたように綺麗な眉と、その間に刻まれた深い皺を間近で見下ろしながら、加えて艶のある吐息を耳に洩らされて、平気なのだろうか。僕なら、きっと一分も耐えられない。

最初に、落ち着きを無くしたのは、勿論、剛君だ。次第に前のめりになっていき、お腹を股間へ近づけていく。その上、両手を使っているのだから、往生際の悪さが目立ってきた。光君は、なに食わぬ素振りを保っているけど、頬が赤い。それは、きっと僕もだろう。

男優の腰が早くなってきたところで、剛君が立ち上がった。

 

「なあ......今日は、もう、解散にしないか?」

 

その言葉に、光君は同意したような甘ったれた目を僕に向ける。僕だって一端の中学生だ、自宅に戻った二人が一体、何をするのか分かってる。記憶が鮮度を保っている内に、腰を打ち付ける男優を自分に準えるつもりだ。そして、明日は何度、行ったかの報告会になる。きっと、中学生男子には、ありきたりな光景なんだろう。

けれど、たった37日やそこらで彼女を作らなければいけないのだから、僕らにそんな時間はない。

 

「駄目だよ。せめて、ここで次はどんな行動を起こすのか決めておかないと、あっという間に夏休みが終わっちゃう」

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